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2004.3.5

韓の店からの帰り道、米次が
「韓君の事を、金持ちの息子だからとか、良い血統を持ってるとか色々言う者も居るが、とんでも無いぞ。関西有数と言われる鳩舎に弟子入りして、何度も通い、飼育方法、管理、血統などを徹底して調べ、国内外の競翔鳩を網羅する程研究している大変な努力家だよ。だからこそ強いんであって、良い血筋を使翔しているから、天才だから強いんじゃなく、とにかく頭が下がる子なんだ」
「へえ・・・」
修治は更に、韓少年に興味を持った。
「それからな、社長が居る前じゃ言えんが、お前とも話する機会が最近めっきり減った。お前のシュウ号や、他5羽の鳩な・・余り期待はしてくれるなよ?何しろ親鳩が、親鳩だからなあ・・・」
米次が少し申し訳なさそうに修治に言った。
「ああ・・そんなもん。そやって、川上さんが手記で、≪競翔鳩に一番大事なのは、愛情≫香月博士が競翔鳩について≪その一羽を観察、鳩を見極める目を養う事だ≫そう言うて本に書いてあるやんか。俺は、競翔するんは生まれて初めてやし、「結果を求めて競翔はしない」2人ともそう言うてはる。とにかく鳩が戻って来るんか?ゆうんが、俺の今の目標や。韓の話も凄いな思うけど、そんなレベルやあらへんわ、今の俺は」
「そうか・うん!分かった」
米次は、そう言ってにやっと笑った。
「あ・・社長から、鳩時計貰ってんたんだよ。」
「ほんま!」
「ああ、少し古いが、プレゼントだ」
「おおきに!」
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佐久間米次がHZKを守る為戦って来た、共和物産、岡村の乗っ取り計画は、ほぼ沈静化した事で、物語は、いよいよ、修治少年を中心とした物語へと進む訳ですが、ここまでお読み下さった方に今一度お願い申し上げます。第一部の鳩の写真が全く足りません。是非ご投稿下さいませ。又 、第1部とは違い、第2部は鳩を通じて成長して行く少年を描きましたので、競翔についてのシーンについては、大部分省略しています。第一部には、実際の競翔鳩のエピソードを交えた話が大幅に省略されてます。ご提供写真によっては、第一部には、更にそう言った話を追加する予定も御座いますので、白い雲に是非皆さんがご参加くださいますよう、お願い申し上げます。必要でしたら、白い雲専用の掲示板設置も考えて居りますので、メールを下さいませ。