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貴方だけのシルバーアイテム

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びーねっとピュアシルバー工房

下肢障害者の為のベッド上での彫金作業実践テスト

 元々この事業は、障害当事者や、中高齢介護家族のための新規就労技術開発と啓発・指導を目的とした事業ですので、実際に、障害当事者が、どこまで、どの様にして「就労技術」を身につけることが出来るかというテストと、実技を実践してご紹介したいと思います。

 私、ピュアシルバー工房の代表責任者でもある山本は、一応「外見上」は健常者です。正確には障害者手帳は持たないので、健常者と言えますが、昔から虚弱体質で、人生の約1/3くらいを睡眠以外にベットの上で過ごしてきましたので、数年前より、障害のある人が、憲法の保障する職業選択の自由を元に、好きな職業に就けるようになれないかと模索をしてきました。その一貫がパソコン就労作業所の設立でもありましたし、現在の特非法人の元で行っているソフト開発部や、このピュアシルバー工房事業がそれに該当するのですが、「好きなこと(技能)で食べていきたい」という基本があります。

 好きなことを職業として食べて行ける人の割合は当然低いです。なぜならば様々な条件をクリアしなくてはならないからです。
  1.技術と、技能の探求、修練
   2.知識の探求
  3.自己投資(知識のための書籍購入や、工具など必要な物の自己負担購入)

 厳しいですが当然のこととして、最低、上記3つが求められ「技術と経験」がプラスされて職業となるわけです。しかし、これらの根源は全て「好きなこと」。そうでなければ維持継続できません。損得なしに追求していかねば収益も得られません。


 しかし、多くの障害当事者や、介護家族はそうした物に対する先行投資資金がありません。それ以前に、就労そのものを悲観的に考えている人が高知は多い。その人の生い立ちや、環境、教育がそうさせてきたのです。「障害者だから」、「かわいそうだから」。先天の肢体不自由者は、そうしたマイナス思考を多くの場合もっています。
でも、思考やアイディア一つで、それを最低限の出費でクリアすることも可能です。「好きなこと(技能)で食べていきたい」基本はそれのみ。

 ピュアシルバー事業には、個人資産も含めて約300万は投資しました。知識代は含まれていません。これでもまだ完璧な資材が揃っているわけではありませんが、2年かけてまあ、そこいらの彫金工房並みには機材は揃いました。

 前述したように、私はよく寝込んでしまうので(ここ数年で大きな病気(胆石の開腹手術や首の椎間板移植)の手術も数回受けました)、自然とベットでの生活が多くなり、パソコンもベッドサイドに置いています。これはその方が面倒くさくないからという安易な都合のためですが、大概昼間は事務や彫金鋳造作業でパソコン業務が出来ないので、パソコン作業は夜間行う事が多くベッド脇が都合がよいわけです。仕事場の環境は自由。


- 最初に銀に挑戦したのは「銀粘土」でした。これは画期的で、まさに障害のある人にも挑戦できる新規分野だと思いましたが、コスト面で材料が高額で、ロット数を多く作ることも難しい等々、結局行き着く先はロストワックス、つまり鋳造に至ったわけです。但し、鋳造に限っては、障害当事者には様々な面で門戸が狭いので、ここでは主に鍛金と、パーツ製作技術のコツなどを書いていきたいと思います。鋳造は門戸が狭いと書きましたが、個人投資では厳しい高額機材が必要で、危険な高温作業や酸処理も必要なのですが、パーツの製造であれば、鋳造と組み合わせることで、職業となり得る余地が多くあります。このページでは、当工房が取り扱う製品を通して、どの様な形でベッド上で作業が出来る余地があるかを実例を通して実践掲載していきます。ちなみに鋳造作業は1,000度を超える温度の中での作業や、強酸使用による各種ガスの発生など3Kどころではない、危険を伴う作業もあります。詳しくはシルバーのトップページをご参照下さい。


■ベッド上でのパーツ作成技法

 ・丸カン作成:丸カンとはその名の通り丸い輪っかです。必要なサイズを芯金にコイル状に巻いて、カットして個別のパーツにします。サイズは千差万別。専用芯金を使用しても良いし、ホームセンターでアルミ棒や、真鍮棒を購入し、カットして使用してもよし。芯金とニッパーか糸鋸が有れば可能(金工用糸鋸を使用する場合は切りくずが飛び散らないように防塵する必要があります)。ニッパーは、接断面がほぼ水平になる専用の物を使うと後で能率がよいですね。ちょっと高額ですが。

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 ・特定商品の各種パーツ作成:うちでは銀の鳴子や金の鳴子の可動部分を保持する心棒を同じ金属地金を使用して「かしめ」て固定するため、片方を先にかしめて置く必要があります。そのため、暇を見つけては「かしめ作業」を行っていますが、製品自体がミニチュアなので、パーツも細く、0.7ミリ線を使用してパーツ製作しており、強い力でかしめると、当然曲がってしまうため、金属製丸台を使用して、ピンバイスに銀線等を固定後、コツコツとゆっくり優しくかしめてゆきます。力が強いとすぐ曲がるので、ピンバイスの重さを利用して、ゆっくりかしめて行きます。1本かしめるのに5分くらいかな。テレビ見ながらコツコツ。
うちで使用しているのは下記玉台。半円面を使用して、細い地金線をパーツに仕上げていきます。焦りは禁物!力が強いと線が曲がってしまいます。ピンバイスは、両頭使えるものでも良いのですが、片頭だけの物の方がお勧め。長い地金線を少しずつ送りながらかしめてはカットしてを繰り返して、効率よくパーツが作れます。あと、小さい定規かノギスと、ニッパーが有れば、どこでも仕事場に。

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・銀粘土使用原型制作 これは既に自分が入院中に体験済み。仕上げ作業以外、特に問題なし。

 というように、ベッド上でも出来ることはたくさんあります。ちょっとした工夫や置き換えでベッドが作業場になってしまいます。防塵用にカバーや容器(ホームセンターなどでポリやアルミのパットを購入すればいいですね。100円均一店でもお手頃な物が手に入ります)を用意すればなおさら環境が整います。


05/11/14  丸カン作りは上記に紹介しましたが、パーツ作りにも色々あり、鋳造では逆に手間がかかる物はハンドメイドの方が早くて簡単な場合があります。
  例えば、パイプ製のパーツ。パイプは丸カンのように作りたい直径より少しだけ大きい芯金を用意します。主にロッド棒と呼ばれるスチールや真鍮製、ステンレス製の金属棒をサイズ毎に使います。うちでは革ひも用パーツに使うので、2ミリ用の革ひも用パーツを作っています。
  地金は925の0.3ミリ〜0.7ミリを使用。2ミリ直径なら、約7ミリ+地金の暑さを足した幅でカット。0.3ミリなら家庭用はさみで簡単に切れます。
  次に必要なのは販画用木板。別に販画用でなくても、堅めの平らな2p程度の厚さの板ならOK。まず定規で直線引いて、彫刻刀の丸の小で半円を削ります。使用する芯金が嵌る長さの切れ込みを入れます。
  次に木槌の中くらいの物を用意。後は芯金を中心に丸めていきます。上記画像の溝台でも使用できますが、金属製だと地金に傷が付くので、セーム皮などでクッション作る必要有り。それとこうした金属製溝代は金額の割に雑に作られていることが多いので、 地金に傷を付ける凸凹がある場合があるので、事前に修正しておきましょう。安い溝代なら3,000円程度でシーフォースで販売しています。7p幅有るので、通常使うには手頃サイズ。但し、地金に木津が付かないように、鏡面研磨して、セーム皮も併用しましょう。
後はひたすら丸いパイプになるように木槌で叩いて整形します。細いパイプは線引きを使用しますが、2ミリ以上ならこの方法で上等。カットした地金は、カット面を斜めにすりあわせて、整形して寄り合わせたときに密着するように精密ヤスリ(油目#6)などで加工しておきます。合わせ目が密着したら整形終了。ロウ付けしてパイプのできあがり。後は使用目的に合わせてカットして使用。パイプ用カット治具が有るとより便利。切断面をつぶさずに済みます。終われば研磨加工してパーツのできあがり。


2005年11月14日 更新

 

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2004年3月20日より、びーねっと・ピュアシルバー工房オリジナル商品にはオリジナルロゴマークが入るようになりました。