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びーねっとピュアシルバー工房

- 現代の錬金術 自社鋳造で地金から完全オリジナル製品作り!
★ピュア(純)にこだわる地金調合!★
当工房の銀地金は、純銀、純銅、純亜鉛、ごく微量のリン銅のみ使用して自社配合しております。(k18製品を除く)
純銀製品は、99%の純度品質を維持しております。999%の純銀に0.1%の純銅、純銅を配合。
純亜鉛は鉛を含まない999%純亜鉛を使用。純銅は無酸素銅を使用しております。 ピュアにこだわる品質管理!
比率重量測定は0.01g(10r)単位高精度計量ばかりで計量測定調合しております。

2008年9月以降、特注品以外は山本貴金属地金株式会社様のご協力を得て、鋳造用925を使用しております。

山本貴金属地金株式会社
協賛 山本貴金属地金株式会社

yamamoto-zigane
2008年8月21日 山本貴金属地金株式会社様より、銀地金の寄贈を頂きました。
NHK高知放送・さんさんテレビ各ニュースで放送されました。
以降も継続して地金仕入れに関して、特別配慮のご協力を頂いております。


高知新聞記事


24時間テレビ
「24時間テレビ愛は地球を救う」募金により、2月12日に送迎車トヨタ ノアを寄贈頂きました。
ノア 利用者代表
これで作業利用者の送迎がスムーズに出来るようになりました。全国に感謝。


2008年10月28日 三翠園ホテルで行われた高齢者・障害者雇用支援フェスタに職員と利用者が参加してきました。

雇用支援フェスタ

 今日の売り上げはまあまあ。不況の中短時間で¥16,000円以上売ってきましたから、良しとしましょう。利用者も、自分たちが携わった商品が現金となって手元に来る瞬間を体験でき、就労意欲も増した事と思います。ちなみに山本は留守番して商品製作に没頭しておりました。

月ウサギ

銀の鳴子・金の鳴子はコチラからも購入できます。

宇和島真珠

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ついに入った鋳造機!

鋳造設備画像1 オリジナルリングの製作
狭い部屋が余計狭く・・・。ガスバーナーやガスボンベがごろごろ。アチチッ!!
夏は地獄で、冬は暖房が要りません!(-.-;) 現在は更に雑然。

    商品のお求めは下記ショップをご利用下さい。

-びーねっと・ピュアシルバー工房オンラインショップ!
シルバーもお買い求め戴ける直販ショップ

 銀粘土の性質上、薄い製品の曲げなどの強度に問題があるので、びーねっとでは鋳金、鍛金を中心に製作しています。銀粘土はモックアップ(元となる原形)製作の際に利用しています。

糸ノコ

シルバー等貴金属加工の種類

■鋳金:溶かした金属を鋳型に入れて成形し,器物・彫刻などを作ること(キャスティング)。
■彫金:鏨(たがね)等を使って金属を彫ったり打ったりして模様を現す技法。
■鍛金:金属を打ち延ばして器具を形づくる技法。
■ロストワックス技法:ワックス原形を電気炉で焼成し、消失して出来た空洞に金属を流し込む技法。鋳造、鋳金。
■銀粘土:三菱マテリアルなどから販売されている特殊金属。純銀の粉末とツナギとなるバインダーを混ぜ合わせた粘土状のもので、見た目は粘土そのもの。初心者には扱いやすいが、どうしても性質上もろいために、原形製作や、強度を余り必要としない作品に用いる。高価な点も欠点。 香るシルバーアクセサリーとして使用可能。

びーねっとピュアシルバー工房の製造過程
1.まずは原型を作ります。これはスカルピーのような焼成すると堅くなる整形可能な粘土のようなものや、銀粘土で作る場合もあります。
2.出来た原形を細かく仕上げて、専用シリコンと専用金型枠で型を取ります。
3.専用ワックスポットで、ろうを溶かし、圧力をかけて型に流し込みます。ここで一工夫が必要。でも内緒(笑)。
4.出来上がったワックス原形の複製を必要なだけ複数同様に製作します。鋳金は様々な条件が揃わないときれいに仕上がらないばかりか、大事な原形を失う事にもなりかねないので、こうして複製したものを使用します。100%という言葉は鋳金にはありません。
5.こうして出来上がったワックス原形の複製を専用の金型に入れ、専用石膏を流し込み(水分配合比率も難しい)、真空脱泡装置で気胞を抜きます。これを脱泡といいます。後は石膏が硬化するまで少し待ち、その後焼成に入ります。ここでもかなりのテクニックが必要とされます。この焼成時間で石膏型の出来上がりの質が変わるからです(デジタル電気炉があれば言うほど難しくはないですがリングのサイズで微妙に変わります)。
6.そしていよいよ鋳金作業に入ります。ここで失敗したら水の泡。過去は圧迫盖鋳造を行っていましたが、ここでもバーナーの温度や銀の溶け具合など、微妙なテクニックを求められます。2004年10月7日からはこの部分はより安定して鋳金出来るデジタル自動鋳造機を導入しました。これで無駄な労力も省けるかな。(途中で銀が固まって流れてない時などは脱力感以外のなにものも無いです)
7.そして無事流し込んだら冷水の中にどぶんとつけ込み石膏を溶かして鋳金物を取り出します。 後は余分なもの(湯道)を切り離し、研磨に入ります。
8.研磨はびーねっとでは現在は小物しか製作しないので、ちょっとお高いルーターで防じん装置の中で研磨して行きます。バフに専用研磨剤を塗布して、荒いものから細かいものへと順に切替えながら最終仕上げに入ります。この前に他のパーツとろう付けが必要なものは荒研磨の時点でろう付けします。ろう付けしたものは酸で洗い、研磨に入ります。350番くらいから8,000番まで4工程の研磨を繰り返します。そして最終仕上げして取り敢えず完成。商品によっては、この後いぶしたり磨いたりを繰り返すものもあります。

 日頃、皆さんが店頭で見られている貴金属アクセサリーなども、規模こそ違えど、こうした手順で製造されています。びーねっとではその小規模レベルで同じ作業を行っています。卸から仕入れて右から左に流し売りするのとは違い、自家製造してオリジナルなものを中心として製造しています。現在は金とのマッチングや、独自のデザインを製造中ですが、何せ小規模なNPO法人なので、人手が足りず製造が遅れっぱなし。理事長がこんな事していていいんだろうかと思いつつ、誰も指導出来るものが他にいないので、原料仕入れから仕上げ、経理、他の事業事務まで掛け持ちでやっています。ちなみに銀や金は比較的低温で溶けるので、ろう付け作業などに結構気を使いますが、プラチナはその点では扱いやすいですが非常に高価なのが難点ですね。銀粘土も純度999のシルバーですから、ろう付けしている最中にうっかり溶かしてしまったという失敗も・・・(-.-;)。人はこうして失敗して覚えて行くんですねぇ。でも、鋳造の世界は企業秘密だらけで、各社独自のノウハウを持っている世界!暗中模索で何とかここまで来ましたが、正直大変でした。専門書も極端に少なく、唯一歯科技工師用のものがベストだと最近になって知りました。(-.-;) 苦労して習得した技能ですが、何とかまとめて広めたいと思います。

びーねっとピュアシルバー工房
silvers@be-net.net
お問い合せはメールで。
-お電話でのお問い合せは、作業の手を止めますのでお断りしております。
あしからずご了承ください。

人生最後まで勉強の日々!!


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この電気炉で600〜700度!ネイクラフト社製の専用電気炉に入れ替え。
でも電気消費が意外に大きいので、小型電気炉を修理に出して使用。

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左はマルカン専用蝋付け機。 右はキャスト上がり研磨用磁気バレル機

下村バフモーター集塵機セット

下村バフモーター・集塵機セット


↓ここの続きは詳細は宝飾用貝加工ページで。


2008年5月4日  最近、貝加工ばかりで、Silverの鋳造が置いてけぼり(..;)。今日も午前中は行政提出書類の作成の為、イラストレーターで施設平面図を書いた後、貝加工用のデザイン画を描いて午後つぶれました。詳細は貝加工ページで。


2008年4月15日  就労継続A雇用型にむけて、備品や施設整備、駐車場の整備の日々で、更新作業が抜かってしまいました。
この間に、沖縄の海族(うみんちゅ)Osanntoブログで知り合い、夜光貝や高瀬貝の仕入れ先になってもらいました。Oさんは、研磨の達人で、山本が1日がかりの作業を数十倍の早さでやってしまう人です。貝加工の師匠と呼ばせていただきます。リンクも快諾いただいたので、遅くなりましたが本日張らせていただきました。

 4月に入ってから目まぐるしく、中々鋳造作業が出来ず、今日は久々に原型作成と、夜光貝と高瀬貝の銀と組み合わせたデザインをラフスケッチしていました。出来るだけ自然な形を有効に生かしたデザインをしたいと思う反面、宝飾パーツの一つとして徹底的にパーツとして使用するかの選択しに悩んでいましたが、結局両方生かすことにしてデザインを書きつつ、夜光貝と白蝶貝をテストカットしながら試行錯誤中です。月末には大型の全自動電気炉も届きます。それまでに新しい原型を作成し、ワックスツリーを作成しておかねば。今後このツリーまでは利用者に教え込んで作業してもらう予定ですが、ワックスの組み立てが不完全だと鋳造は失敗します。とにかく熟練してもらうほか有りませんが、最低賃金保証をしつつの雇用ですので、効率よく指導しないと育てることが難しく、結局職員や自分の作業となってしまうので今後が大変です。いろいろな意味で人作りの年です。業務用バフモーターも導入し、本格的に量産研磨できる設備になったので、次は人材育成!

 新しい通販ショップも準備中です。母の日に間に合うように開店させたいのですが果たして間に合うか。今回は宇和島真珠とシルバー中心の商品を掲載し、5月には夜光貝や高瀬貝、白蝶貝、黒蝶貝、メキシコアワビなどと、アンモナイトや真珠を組み合わせたジュエリーを作成販売し、高級志向の製品を作成して参ります。その売り上げで利用者の工賃をまかないますので、頑張って良い製品を製造し、長く愛されるジュエリーブランドになれるよう頑張りたいと思います。5月からは画像ももっと多く掲載して参ります。
 経費の都合上、7月までは他の職員が来ないので、それまで施設長兼何でも屋で頑張ります。

 今回の新法移行に合わせて、以前のように自宅を開放し、1階の応接間が主にワックスパターン取り・ツリー組み立て・研磨・加工作業、2階が鋳造、合金調合作業室、2階の自室は、原型製作室兼用としました。今まで換気扇を付けていなかったので、鋳造の際に排煙に扇風機で対応していましたが、やっとまともな排煙システムが出来ました。ただ、スペースの関係で、鋳造ルームとラッピングルームが兼用となり、今まで主だったマックは隅に押しやられ、商品撮影用のライトボックスに占領されています。夏は地獄部屋です(..;)。


2008年3月22日  本当に久しぶりの更新です。沖縄の貝加工職人さんと知り合い、夜光貝の安定入手が可能となりました。下処理もしてもらえるので、カットと仕上げ研磨に集中できます。
以前から時々問い合わせをされてきた、カメオの素材としての各種貝加工も授産事業として始めることにしました。7月頃から実働しますので、6月くらいからテスト販売を開始しようと思います。探されていた方には朗報ですね(笑)お断りばかりしてきましたが、鋳造事業も7月前後から授産事業として本格稼働致します。これも今まで多数の方からの要望もありましたが、私の怠慢でお断りせざるを得なかったのですが、今後はそうしたこともなくなりますので、ご利用をお待ちしております。


2007年10月20日  やっと後継者を育成できるようになりました。障害者福祉サービス事業の中で育成して参ります。


2006/06/16 久々の更新。資金繰りに困り、外勤しつつ機材の確保と素材の確保を行っています。何とか必要なものはほぼ揃いましたが、外勤の方の多忙さに彫金作業が出来ないというジレンマに。今年の夏も鳴子は在庫切れ・・・。作る時間がないというのも悲しい限り。それでも欲しいと言われる方に、時間を待ってもらい納品しましたが、これでは商いになりませんね。


2005/12/04 段々と寒くなり鋳造にはベストなのですが、ワックスの硬度が高いため、うっかり触ると苦労してワックスツリーを組み立てた物がおれてしまうというアクシデントが連続。石膏も使い分け、出来るだけ真空差圧鋳造に適した埋没剤を使用するようにしているが、以前真空ポンプオイルの逆流で火を噴いて以来、鋳造機の真空維持力が低下。その為埋没剤で調整しているが、修理に出すだけで10万はかかる。頭痛い。まだ導入費用もペイできていないのに・・・。
  それでもくじけず、銀七宝を取り入れるのと、宝飾用貝加工技術も取り入れ、沖のえらぶ島から夜光貝を入手。夜光貝は宝飾用の貝としては最高品質の光沢を持つ貴重な貝で、アバロンなどよりも貴重な貝。白蝶貝や黒蝶貝も加工することにし、最終的には小さい貴石は自社研磨加工することに決定。ストーンセッティング用のドロップワックスや、各種技法を猛勉強。取り敢えずトルコ石で練習開始。加工済天然石はまとめて仕入れると、サイズが不揃いで規定外のサイズが混ざっているケースが多い。当工房では、石枠もオーバル等はフクリンを自作して、専用芯金でサイズ調整し石に極力合わせるが、物によっては再研磨の必要な仕入れ在庫もある。そうした物は規定のサイズの芯金で地金の調整をしても合うわけもなく、石の方を研磨する以外無い。石加工はする気はなかったが、やはりオリジナルジュエリーにはオリジナルの石が必要であることも確か。螺鈿細工技法も取り入れて、新しいジュエリー開発も研究中。

 最近金鋳造も行ってはいるが、行う度に925の鋳造の難しさを実感。溶解温度、鋳型温度を、体験で感として掴んでいくしかない。うちの鋳造機の場合、925溶解温度は1,000度。鋳型温度は埋没石膏の種類にもよるが、650度〜670度。鋳込む直前2〜30分前に700度に上げて鋳造すると、ほぼ成功する。埋没剤の水分配合比も大きく影響する。埋没剤の密度が高いときめの細かい鋳肌に仕上がるが通気性が悪い。水分比率を上げるともろくなり亀裂が入る危険も上がる。更に鋳型焼成時間と温度が密接に関係し、どれ一つ変えても大きな変化を及ぼす。まさに職人の世界。奥が広く深い世界だと再度実感。

 在庫を持たず、必要なときだけ必要なパーツを自己作成しようとしたが、結局物によっては仕入れの方が超すとも時間も削減される。特に小さなバチカンなどは、仕入れた方が安い。これも体で覚えた結果。

 どんどんと鋳造後のスプールに使用した銀地金が溜まっていく。再生するにも小型の溶解ポットがいる。うちの鋳造機のカーボンるつぼは径が小さく、地金再生に限度があり、地金再生には溶解ポット導入も不可欠。既に500グラムくらいは再生待ち地金が溜まっている。銀地金の高等も続き、昨年から1万も上昇している。再生地金は緊急課題でもある。再生には、脱酸素剤として燐銅、純亜鉛等を補充し再生する。亜鉛は揮発するので補充が不可欠。再生地金に純銀を補充して品位を整える工程を経て地金が甦るが、全てを再生地金で作成するのではなく、新しい地金を混合して使用して品位の一定化を保つ。それにより鋳造も行いやすくなる。


2005/11/22  このHPを見ていて下さる方も徐々に増えるようになり、ありがたいことと感謝申し上げます。鋳造に関する種明かしをしているサイトは少ないので、今後自分で鋳造を行いたい人や、模索している人や、オリジナルパーツが欲しいと思っている人には入門レベルとしては手頃かと思います。機材導入から、四苦八苦まで公開しておりますので、有効活用して下さい。
  さて、最近ジレンマ気味で、新しいパーツを作るのに消極的です。市販の刻印では満足できる物は出来ないし、かといって自分で複雑な刻印作るのも手間がかかりすぎるし、3Dモデラーも、今一中途半端で使いこなせていません。刻印入れにはよいのですが、立体彫刻には小さい物は向かない機種であることを後で知り、愕然としています。40万もしたのに。
  オリジナルパーツは、最近はハンドメイドで作成していることがほとんど。特にパイプ物は木槌片手にトンテンカンと叩きまくりです。何とか思い通りのサイズのパイプは作成できるようになりましたが、鋳造で出来れば簡単なのにな〜と思いつつ、ハンドメイドで作ることが嫌じゃないのは自分自身、物作りが好きな証でしょうか。現在なオリジナルバチカン作りに挑戦。地金削ってやっとゴム型作りまで来ました。 暑い鋳造作業にはよい季節になりました。昨年の冬はストーブを1度も付けずに済みました。まあ、うちの2階はパソコンのサーバルームも兼ねているので、色んな機器の放熱で1年中20度以下になることがありません。その分夏場は地獄です。ですから、鋳造作業はこの季節に限定。ワックスパターン作りと鋳造が日課となります。

 最近というか、ここ半年くらい前からゴールドにも手を出したのですが、協の価格はグラム¥2,000円を超えました。K18でも、安売りは出来ない価格帯です。K14やK10など、品位を下げて、カラーバリエーションを増やした使い方をするのが賢いようです。品位刻印代も馬鹿になりません。この2年で性刻印も20本を超えました。基本はシルバーですが、鋳造のしやすさはゴールドが楽なので、コストとにらめっこしつつ、頭を悩ましています。ただ、ブームに流されず、リーズナブルな商品と言うよりも、自分しか作らない商品を作りたいですね。


2005/11/14  貴金属鋳造に+七宝焼き技法を取り入れることにしました。 アンテークっぽい製品を作って行こうと思います。オリジナルパーツも自作を増やし、現在バチカンと、パイプを自作。これで少しはオリジナリティーがアップ…か?
  3Dモデラーで日本語刻印可能になりました。ミニ鳴子にも英数字なら6文字刻印できます。固定用治具作りに四苦八苦して、取り敢えず製作途中のパーツの状態で刻印可能になりました。7ミリ幅に6文字はもう限界。日本語だと判読できる限界は3文字かな。取り敢えずプレートでも、デザインでも日本語や文様の刻印が可能になったので、まずは原型製作のためのワックス彫刻からと思っていたんですが、ミニ鳴子に刻印して欲しいという希望者が居られたので、急遽予定変更してこの2日間で治具を作り、刻印しました。早く組み立てて商品発送送付しなくては。このところ鳴子関連はほぼ受注生産に近いです。売れすぎてと言うのなら良いのですが、手間がかかりすぎて。凝りすぎるのもほどほどにしなくては。自粛(..;)。


2005/10/03  やっと動きやすい季節となり、鋳造作業もしやすくなってきました。やはり気温の上昇は敵です!ワックスも扱いにくくなるし、今年から鋳造作業は夏場はしないと決めました。
  時々鋳造依頼が入るようになりました。中にはうさんくさい依頼見積もりもあったりで、鋳造工房の受付範囲をかなり厳しくして、やっと模造コピー業者を排除。作家、又は個人使用限定の鋳造工房として線引きを行いました。
  販売力はまだまだですが、鋳造と仕上げは、経験を重ねるごとに何とかなっては来ましたが、ソフト開発部同様、この仕事を覚えたい、したい、と言う当事者に行き当たりません。「年金さえあればいいや」と、開き直っているばかり。焦っているのは家族や親ばかりで、当事者はそんな意識を持つ人が高知は限りなく少ない。やはり保守的県民性です。「就労」を意識して、推進しているのは「知的」分野がほとんど。確かに、ある程度の定型作業なら、これほどの雇用対象者はいません。ただ、自己判断で、物事を決める、考えるとなると、ちょっと難しい。

 自分の知っている当事者は、全て自己負担で各種セミナーを受け、資格を取得し、更に新しいジャンルの創作に挑んでいます。そういう人はごく少数であり、大半が「障害者年金」のみを頼りに生きています。作業所というジャンル分けも曖昧になり、今や大半がデイサービス化。そんな中で、自分のしたい仕事、自分の可能性を追求しようと思う当事者はどのくらい居るのでしょう。

 この業務を開始して、予想外の反応があったのは介護家族からの問い合わせでした。「精神障害」の家族をもつ方で、その為にご本人の仕事もままならず、何とか在宅で共に暮らしつつ、生計を安定したいという考えは、山本の思想と一致しました。
  しかし、ここでもやはり自己資本投資という大きな壁が道をせき止めています。その方は大阪の方で、やはり彫金鋳造を生計の糧にし、仲間達への支援も考えて居られた方ですが、何せ機材投資でも数百万は最低かかる世界。障害者家族には厳しい。但し、一度流れが出来てしまえば、後は以下によいもの、独創的な物を作るかのデザインの世界ですから、健常者も障害者も区別はありません。

 私は、委託で出すなら完璧な納品を求めます。購入者は一般ですから、「障害者」だからで許される甘えは通じません。これは他の事業にも通じること。生半可な物を作るのなら、辞めてしまった方がいい。
しかし、工房責任者としては、中々作業に集中できないのが悩み。デザイン業務が絡む作業故、ほれやってみろ、と、言われて出来るものではない。デザイン業界でも、IT業界でも、「心の病」が深刻化しています。昔からデザイナーには鬱病が多く発生するというジンクスがありますが、常に新しいものを求められる業界では、神経が疲れ切るのも当然。人のフォローどころではない。自分の精神状態を安定化させ、新しいのも、売れるものを開発するのが定めの業務。果たして今後、「障害者」にどこまで認識してもらえられるか、改正法などで、「当事者が追い込まれないと考えない」時が来たと言うことでしょう。
  シルバーに限らず、どんな仕事も安直に出来るわけではない。プロとして生きていくためには試練がつきものであると言うことをもういい加減認識して欲しい。「ただで知識を得ようというのは甘い」。努力してこその技術取得なのだ。世間は甘い方に流れる。そして又、曖昧な「障害者施策」がはじまる。目を覚ませ!今目を覚まさなければ、君たちは生活保護以外生きていく道はない。人間として生まれてきて、君は今の状況でそれでよいのか!人任せでは幸せなどやってこない。


2005/09/17  やっと連日の猛暑も去り、朝晩はかなり涼しくなってきました。 休んでいた鋳造作業もぼちぼち再開。同時に今までメインで使用してきたインジェクションワックスを変更。修正はしづらいですが、型抜きのしやすさと、面ひけの無いパターンが取れるのでハードに変更。まだ鋳造機が導入できなかった頃にこのワックスを使用して、オーブントースターと電気コンロを使用してパターンを作った覚えがあります。今でこそワックスポットがあるので簡単にパターンが取れますが、あの頃は今とは違った試行錯誤の日々でした。今は少しだけレベルの上がった試行錯誤の日々。ただ、思い知ったのは、鋳造はまさに錬金術。奥が広く深い。金属変成を如何にスムーズに行うか、無用な酸素をどう抜くか、当初はこんな科学的な苦労をするとは思っても居ませんでした。様々な金属と、酸やアルカリ、高熱との戦い。まさに合金を作るということは錬成ですね。同時に人格も錬成されると良いのですが・・・。
  ロジウム加工の前処理に脱脂処理を行うのですが、電気分解させる際に有害ガスが・・・。換気扇付けなくては。そのうち作業部屋はワックスの昇華で天井がコーティングされるかも。マジに換気扇を取り付けなくては。


2005/08/24  鋳造に関するお問い合せ電話が多くなり、作業の手を止められてしまうことが多くなりましたので、メールのみでの対応とさせていただくことにしました。当鋳造工房は、個人ユーザーや作家さんを対象としており、販売業者は対象外ですので宜しくお願いいたします。 特に販売業者の場合、違法行為に荷担することになりかねないので、固くお断りいたします。

 今年は全国的に気温が高く、当工房も夏期休暇を取り、仕上げ作業や販売業務のみ行ってました。この時期の鋳造作業は地獄です。
  エアコン効かせて、ロジウム加工をしておりましたが、銀色の上に銀色のコーティングなので、見た目で判断できず、慌ててホームセンターに銅線を購入に走り、銅線で丸カンを作り、テストピースにしました。お陰でロジウムの掛かり具合が目で確認できるようになりました。ロジウムがかかると製品と区別が付かないので、使っていないサイズの丸カンにして、製品に紛れ込まないようにしました。
  これで再研磨の手間から解放されます。
新規ページに、障害当事者(上肢が使えることが前提)が出来る・ベッド上でも出来る作業を掲載することにしました。自身がこの夏は夏ばてで寝込んだので、2/3以上、ベッド上で作業しました。こういうとき通販は便利ですよね。こちらがどういう状況下で返信しているかわかりませんし、都合の良いときに返信できますから。作業の途中での電話には例え注文でも閉口してしまいます。鋳造中は、秒を争う作業を高温下でしており、研磨作業中は研磨剤で手が真っ黒になっているし、電話に出る度に作業を中断せねばならないので、こういう作業中は電話はFax専用となります(^^ゞ。

 つい最近新規製造したK18天然赤珊瑚付きピアスの第1号が売れました!銀の鳴子をお買い求めにはるばる当工房まで来てくださり、ついでにお見せしたら「欲しい」と言ってくださり、\13,000円でお買い求め頂きました。この金の鳴子には製造に苦労させられていますが、こうしてお客様に気に入ってもらえるとうれしい限り。制作者冥利に尽きます。自分の作った物を気に入ってもらえたときが最高に幸せを感じる瞬間でもあり、次の在庫を作る苦悩がよぎる(笑)瞬間でもあります。コストをかければ量産可能ですが、その分、販売額に跳ね返りますし、結局人件費で調整するしかないのです(;.;)。


2005/07/20  商品サンプル及び変色防止のため、ロジウム加工を開始しました。委託で出しても変色すれば磨き直しなので、手間を省くためと、品質向上のために決断。
  HPのお陰で、地元高知からもお問い合せや依頼が来るようになりました。感謝。やはり継続は力なりですね。銀好きは高知にも多くいるので、オリジナルや、傷取り修理・クリーニングで活用いただければと思っています。何しろ営業力のない団体なので、HPが唯一の広告媒体です。皆さん口コミ宜しく!(笑)


2005/06/30  やっと画像撮影できましたミニ鳴子。小指に載るギネスブックサイズ!

銀の鳴子・金の鳴子はコチラからも購入できます。

  急いで撮ったので美的ではないですね(..;)。サイズは定番サイズ(左3点)の約半分。正確には2/3サイズの17ミリ×7ミリ。
可動部分の角線1本のサイズは、なんと1.5ミリ。吹けば飛びます!その1.5ミリに0.8ミリの穴を空け、0.7ミリの925線を通して両サイドをカシメて留めました。定番サイズならねじ切りして作りだめ出来るのですが、ミニ鳴子は全て手作業でカシメて研磨して仕上げるので作りだめが出来ません。作ったのは良いのですが、手間は2倍になりました。更にK18製ミニ鳴子は、18金の回収節約のため、手作業でヤスリがけ。仕上げ研磨のみルーター使用という徹底ぶり。銀の鈴も同時作成進行中。


2005/06/24   先月から従兄弟に色んな注文をされ、そのニーズに応えるために色々と試行錯誤の上、スキルアップしました。それでもわからないところは鋳造機材購入店に教えを請い、なんとか習得。いやはや彫金も奥が広いです。今居る位置が針の穴なら、その向こうに太平洋が広がっているようなものと思い知りました。世界は広い!10冊くらい専門書も読み、ネット検索しても、この世界のコツは出てきません。やはり特殊技能なのでしょうね。

 18金が堅いという想像できますか?銀と比べるとすぐ加工硬化するので、びっくり。その堅い事々。こまめになましながら加工するのがコツですね。現在ミニの鳴子を作成しているのですが、小さい上に堅くて、老眼にむち打ってやっと第1号が完成。見えない・見えにくい人支援事業やっていますが、自分自身が見えにくくなり苦労するようになりました。老眼鏡かけて作業していますが、やはり肉眼じゃないと細部の感覚的なものが見えないので、昼間の作業しか出来ず、夜は製品が乱反射するので作業が出来なくなりました。その分、早めに起きて作業時間を確保しているのですが雨の日など暗いと大変。

 18Kを使用するのと、純銀鋳造のために、0.01グラム単位まで計量できる秤を導入。地金調合がより高品位に出来るようになりました。加工地金は手数料が高いので、自分で加工するしか小規模工房は経費節減できないのですが、設備投資を考えたら加工地金を使う方が安いかも。(..;)メリットは加工手数料の削減と、必要な時に必要な量だけ用意できる事。最低仕入れロットは大手になると50グラム以上からでないと受け付けてくれませんし。最近小ロットでも受けてくれる地金業者を見つけましたが、やはり加工手数料は大きい。手間暇かけて自作するか、仕入れで時間を節約するか、微妙なところ。

 新作に鈴とベルを追加。視覚障害の方々にもおしゃれに使ってもらいたいと、以前から鈴作りを検討していたのですが、あまりにも手間がかかるのであきらめていましたが、丁度良い銀地金素材を入手したので、比較的簡単に作れるようになり、現在音色の調整の試行錯誤中。同じように作っているのに音が全部違うのです(..;)。耳につかない良い音の出る鈴を目指して、今日も音叉片手にチリンと鳴らしています。一応音叉を基準音に鳴らして聞き比べています。


2005/06/04  試行錯誤で鋳造時に欠品が出ない純銀地金調合にやっと成功。999%ではどうしてもゴマスが出来たり花降り現象が発生するので、0.1%だけ独自調合して、99%の純度の純銀地金の鋳造が出来るようになりました。簡単にできると思っていた純銀ですが、鋳型温度や溶融温度、流し込むタイミングなど様々なコツが必要で、何度もチャレンジしてほぼ満足のいく純銀鋳造が出来るようになりました。
  今回色んなサイトを検索して、純銀の定義を調べていたところ、一般的には999%(スリーナイン)を純銀とする定義が当たり前だったのですが、某店舗では950や925までを純銀製と称して販売していました。これってどういう事?その店舗の説明ではヨーロッパなどでは・・・と記載されていましたが、外国人は品位はあまり気にしないのかな?うちでは最低99%を純銀の定義にしています。なぜなら他の金属を配合するにしてもしなくても、微量元素が混入する可能性は皆無ではないからです。地金仕入れでは999品質の地金を正規取次店より時価相場で仕入れ、0.1%の純銅と、純亜鉛を特定比率で配合しています。3種類の配合金属全て999%品質のものを使用。特に純亜鉛は鉛含有が極限まで無いものを使用。この地金を使用するメリットは、やはり金属アレルギーの人向け。
昔のホワイトゴールドはカドミウムを使用していました。ホワイトゴールドプラチナ仕上げというフレーズを時々見ますが、これはカドミウムが汗などで溶け出さないように加工したものが大半。最近の製品はカドミウムや鉛を使用しない製法がメインとなっています。銀に配合する金属として代表的なのは、銅と亜鉛。後、高価な地金にはロジウムやパラジウムなどを加えているところもあります。銅も、純銅、リン銅など脱酸素剤、硬度を増すためとして加える種類があり、純亜鉛は鋳造のしやすさと硫化を抑える効果をもたらすために添加されます。 銀は溶解時に多量の酸素を吸い込むという特製があり、凝固時にその吸い込んだ酸素をはき出す金属習性を持ち合わせるため、それを改善するために銅や亜鉛が使用されます。真空中でアルゴンガス置換して溶解し鋳造する手法もありますが、設備が大きくなるため、真空差圧鋳造などが一般的です。 当工房も真空差圧鋳造です。
18Kの鋳造も開始しましたが、金は鋳造時のストレスが少なく、安心して鋳造作業が出来ます。気持ち的には銀より金を使いたい。でも、地金価格は上がる一方で1グラム¥1500を切りません。銀も最近高騰しておりキロあたり30000円台突入も危惧されています。 製造に携わる者としては頭痛の種です。そして、金加工時のロスの回収にも神経使います。銀だと気楽に使えるのですけどね。世の中うまく行きませんね。


2005/05/25 久しぶりの書き込みになりました。昨年から現在までに色んな出来事があり、真空ポンプオイルの逆流で鋳造機が火を噴いたり、大騒ぎもありましたが、何とか鋳造作業も安定した仕上がりが出来るようになり、今月から金の鋳造も開始。鋳型の温度や溶融の温度など銀とは又違ったデーターを色々試し、ほぼ満足いく品質鋳造が出来るようになりました。銀よりも鋳造に関しては金の方が安定して作業できます。
Silver事業開始時の銀価格も、今ではキロあたり約28000円の急騰。在庫を持つのも苦労します(..;)。18Kに関しては、身内から思わぬ提供があり、元手無しでチャレンジ出来ました。現在「こがねの鳴子」として、新製品開発中。


2004/11/25  何とか亀井氏の個展に間に合わせるために製造中、電気炉が故障。急遽新しい電気炉の手配に翻弄し、何とか2日間で仕上げて京都へ発送。新作の招き猫は重量があるため、焼成脱ロウさせる際に電気炉のヒーターが切れたのが故障の原因だった模様。そのため借金してロストワックス用電気炉に変更。真空脱泡機と合わせると28万の急な出費でした。いつもの事ながら資金繰りには苦労しますが、やはり鋳造はお金がかかります。でも同時焼成が4つ出来るので、鳴子なら1度に60個位は鋳造出来る事になりました。新作「勝を招き猫」だと、45匹。ミニ置物だと16匹ですね。今までの製造能力の4倍になりました。でも研磨は従来通りですから、研磨の時点で時間がかかってしまいます。早く教えて仕事を当事者に出さねば。皆さん、買ってくださ~い。そうすれば仕事が増え、当事者雇用につながります!
今回の新作「勝を招き猫」は、しばらくの期間、販売収益の10%を新潟震災被災地への寄付金として共同募金会を通して寄付する事にしました。鋳造機も共同募金の助成を一部受け導入出来たので、少しでもこういう時に役立つ事が出来たらと考えた次第です。


2004/11/05  10月は地震、台風で被害も受け、売上も落ちましたが頑張らねば。現在、新作を作成しつつ、独自の工具も作り込んでいます。新作に関しては自分と、造形師の亀井氏にお願いして順次増やして行きますが、中々思うような工具(タガネ)が無く、結局は自作するしかないという結果に。ヤスリ片手にタガネとの格闘の日々。原型から取ったワックスパターンの修正をしながら工具を作るという日々が最近ずっと続いています。でも、工具を作っている時が一番楽しい時間かも。鋳造(ちゅうぞう)の時は、神経が張りつめているので、工具を作っている時はリラックス。でも、ちょっと油断すると自分の指に穴を開けてしまうので要注意!両手の人さし指は豆が出来て、今では角質化しています。これから冬場の乾燥時はひび割れでハンドクリームが必要になりそう。光り輝くアクセサリーを作る裏側ではこうした苦労があるんですね。
最近楽天から正規出店の誘いが度々来ます。もう少し売上が無いとね~。約4万の正規出店契約料は痛いですからね。でも、いずれは出したいと思います。冬を耐えれば春が来る!


2004/10/28  新作を通販サイトに登録しました。今日は天使シリーズの第1号。細工が細かくて、特殊な研磨機具を使用しながら磨いてます。価格の割には手間がかかるので、もう少し高くしとけば良かったと反省(笑)。でもお客様には喜びですね。20ミリ×30ミリのサイズなので、細かい部分の研磨に特殊な高額砥石を使用。地金はオリジナル調合のピンクシルバーで製造。写真ではピンクと言うよりゴールドに近いけど。肉眼ではちゃんと淡いピンク色。
鋳造自体はすぐ出来る環境になりましたが、研磨仕上げはハンドメイドですから、中々効率アップとは行きません。しかも老眼になったため、眼鏡かけたり外したり、ルーペ覗いたりの繰り返しをしながら研磨仕上げをしています。朝は6時からワックスポットを暖め、8時半からワックスパターンを取り、一定在庫数を確保する為の毎日の作業をしてから、研磨などの作業をしています。鋳造は他の事業で邪魔されない土日に集中。月曜は悲惨(-.-;)です。仕上げ研磨を待つ製品達が待ちかまえています。でも、する仕事があるという事は良い事ですね。


2004/10/21  本日より、個人の方からのキャラクター・マスコットの鋳造を受ける事に致しました(著作権法に触れない範囲で)。原型型取り、ワックスパターン作成もやっと慣れてきたので、せっかくの高性能鋳造機を有効活用する為、特別価格で企画として考えました。普段なら13,000円くらいは頂戴しますが、企画として特価で期間限定鋳造する事にしました。(通常のオンリーワン・オリジナルデザイン鋳造はいつでも承っております。)

 地金からも調製出来るので、現在はピンクシルバー地金も調合(但しパラジウム・イリジウムが高いので、純銀と純銅のみ)。地金の調合には色々と技術的に難しい面もたくさんあり、日頃聞きなれない金属も使用しなくてはなりません。例えば燐銅(リンドウ(りんと銅の化合物))や、純亜鉛(鉛を含まないもの)、イリジウム、パラジウムなどが有名。パラジウムは歯医者さんで使用されていますね。プラチナ、金につぐ高価な金属(現在の相場で1グラム800円台)。なぜこうした金属を混ぜるか、それは色のバリエーションであったり、酸素を抜く(溶解する際に金属が酸素を含んでしまい、鋳造時に巣が入るのを防ぐ)ために使用したり、変色を遅くするために使われたりします。カドミウムも使われる金属の一つで、ホワイトゴールドなどにはカドミウムを使用した商品が多い時代が長く続いてきました。カドミウムは人体に有害である事が近年わかり、使用を控えたり、製品にロジウム加工したりする業者も多くいます。純銀は金属中でも金につぎアレルギーが起きにくい金属として有名ですね。でも、純度が高くなるほど柔らかくて、工芸品等には使用しますがアクセサリーにはちょっと無理があるので、通常はSV950(銀950に対し銅50の混合比)か、スターリングシルバー(SV925)が多く使用されています。多かれ少なかれ、こうした混合地金にも亜鉛や他の金属を混ぜて2種合金又は3種合金として鋳造をしやすくしたり、変色を遅らせる為に混ぜたりします。輸入製品には粗悪な地金もあり、安心して身に付けるかというと不安もありますよね。その為、当工房では地金から調合をしています。全て国内仕入れの重度の高い金属地金を使用して調合溶解して使用地金を作成しています。最近はインターネット通販で、大概の鋳造用途金属は入手出来ますが、地金の混合比はそれぞれジュエリーメーカーのマル秘になっています。ピュアシルバー工房では「吉田キャスト工業」の資料をお手本に基本地金調合をし、オリジナルな配合比も試し、より安全な地金作成に挑戦しています。安心安全第一主義。変色を防ぐ為に卑金属を混ぜるのもなんだかイメージ的に嫌なんですが、純亜鉛は、黒変を防ぐので、微量使用する場合もあります。ユーザーが望めば同じ効果を出すパラジウムを使用しますが、地金価格が大幅に高くなります。当サイトから相互リンクを張って頂いている「ペルソカ」様は、パラジウムを使用したオリジナル地金を使用されているそうです。お手ごろ価格で製造するにはちょっと厳しい地金です。
当工房では、純度999の純銀と純銅、酸素を抜く為の燐銅を0.1%を配合したSV925その他を作っています。 間に合わない時は石福貴金属(2008年、現在は山本貴金属地金株式会社様)からSV925を調合してもらい使用しています。10月7日に導入した鋳造機では、カーボンるつぼを使用しているので、真空中で無酸素雰囲気に近い地金作成も出来るようになりました。金属が酸素を吸うなんて、ずっと知りませんでしたが、「酸化」という言葉なら皆さん知っていますよね。純銀などは体積に近い酸素を溶解時に吸い込むそうです。そのまま使用すると鋳肌が汚い製品になります。その為無酸素に近い環境で、脱酸素を行ないつつ溶解して鋳造する技術が必要。地金それぞれによって色んな技術が必要な奥の深い世界です。


2004/10/09  やっと待ちに待った鋳造機が入りました。高知ではどこも持っていない機種。デジタル管理で、使いやすい真空差厚鋳造機です。これでいつでもキャストが出来ます。オリジナルデザインはもちろんですが、地金から合金が作れるので、完全オリジナル鋳造商品が出来る事になりました。導入に際し、赤い羽根共同募金会、シーフォース、リーバンオハラ各社団体には多大なご協力を頂きました。感謝!!

 届いた鋳造機は予定していた機種の上位機種。見積りの際の機種が生産中止になり、販売店のご協力で上位機種の「テクノ」を導入出来ました。小売値で本体価格70万位で、真空ポンプを含めると80万位。ありがたや。メーカーによると、山梨方面でも、この機種を複数入れて繰り返し量産を行なっている所が結構あるそうで、大型鋳造機よりも鋳造回転率が早いので、量産も簡単にいけるようです。80グラムの地金を約15分で溶かしてしまい後はくるりと回転させるだけ。あっという間のキャスティング。逆にワックスパターンの仕上げが悪いとそのまま反映されるので、今後はワックスパターン作りにさらに励まないと。


2004/09/28  現実の錬金術を施工する事となりました!そう、銀を金に変える!!(金=マネー)
週末にやっと小型鋳造機が設置される事になりました。計画して早1年。赤い羽根の支援を受けて7月に発注。メーカーの手違いで発注機材が生産停止。メーカーの善意で、上位機種に変更され、やっと納品となる運びとなりました。これからが現代の錬金術の始まり!昔の錬金術師は水銀など卑金属から貴金属を作り出す事に執念を燃やし、賢者の石を探し求め、そのおかげで現在色んな場面で活用されている様々な薬品が発明されました。

 現代の錬金術師は、銀を金(ゴールドではなくマネー)に変えます。銀を本来の価格よりもはるかに高い価格に作り上げるのが彫金の仕事。まさにそれは錬金術と言ってもいいのではないでしょうか。その為に様々な工具や機械を使用して銀を金に変化させます。
現在びーねっと・ピュアシルバー工房が製作している銀の鳴子、先月まではただの銀の鳴子でしかありませんでした。9月から作り始めた銀の鳴子は今までとは工程が大きく違い、見えない所にこだわる作り方を始めています。手始めに留め具は1ミリ線に変更。その1ミリ線をネジ切りし、軸受けもネジ山を切り、完全ネジ式にしました。留めも上部になるし、ロウ付でせっかく磨き上げたパーツを酸化させずにすむというメリットとともに、新商品への開発へとつながりました。

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 新商品はこのネジ切りから思い浮かびました。まもなくお披露目致します。お楽しみに。但し、これをするようにしたために、仕事が更に細かくなり、老眼には堪えます。早く仕事として当事者に出したいものです。こうした手間ひまをかけ、鏡面仕上げは5段階の研磨を経て仕上がりお客様に納品されます。最後の最後まで手の抜けない商品作りにこだわっています。鋳造が始まってもこのハンドメイド精神は変わる事はないでしょう。現代の錬金術師なんだから(笑)

2004/06/01 天然石サザレのデザインは難しい。かなりの時間を費やしましたが・・・。それでもネバーギブアップ。今度はシルバーとは相性の良い皮素材とのコンビ商品開発。ありがたい仕入れ先を得たため、スエード&シルバー商品を開発中。真っ黒にいぶして仕上げたブラックシルバータイプもラインナップ。バリエーションを広げました。商品撮影を早くして掲載せねば。


2004/04/29  なんだかんだで4月も終わり。最近は天然石サザレを使用したストラップ、ネックレス、ブレスレットなどを製作没頭。シルバークロッシェも取り入れて、オリジナル商品開発の日々。悩みの種は他事業との時間配分。最近特に老眼が進み、眼鏡かけたり外したりと忙しいです(-.-;)。人は必ず老化するんですねぇ〜。

 乱雑だった作業スペースを少し改善。パソコン作業と彫金作業を同時並行で行っています。
しかし、最近の銀の地金高騰には泣かされます。昨年19,000円台だったのが今や26,000円前後。時には3万近くまで高騰し、仕入れのタイミングが難しい。地金屋さんの好意で、発注前後の安い方の相場で仕入れさせてもらっていますが、それでも7,000円も上がっているのはきつい。アメリカが早く戦争やめないと、大きく下落してくれそうもありません。そのため、リスク分散で、安値と思った際に地金発注を行い保有するようにしていますが、せいぜい3キロぐらいが保有の限界。もっと下がってくれ〜。

 最近良心的な卸屋さんと知り合い、品質の良い天然石を安く仕入れられるようになりました。鋳造機が入るまではこれで活動収益上げねば。こういう安くて良心的な業者さんを更に見つけなくては。


2004/04/03 共同募金会に申請していた真空差圧鋳造機導入が決まりました。これである程度の障害レベルの人でも安全に操作が出来るようになります。今までの製造量が個人レベルとすれば、これからやっと一般業者レベルの製造が出来るようになります。 課題もたくさんありますが、パソコン作業所として出発した団体ですから、パソコンを有効活用したデザインや製造に今後推進して行きたいと思っています。デザインなど、身体活動以外でも知的生産活動で参加出来る障害者や高齢者を一人でも多く増やしたいですね。自己投資無くして収益は得られないのだという事を障害当事者には早く気がついて欲しいと思います。玉磨かざれば光無し。銀も磨かねばくすんでしまいます。この数年家に食費も入れずに資本投資してきてやっと何とか稼働出来るところまで来ました。流行りのアニメの言葉ではないですが、何かを得るためには何かを支払う「対価交換」必要がある事を感じて欲しいと思います。起業しましょう!最初は人まねでもいいのです。そこから技術の習得が始まります。そしてオリジナルを考えて形にすればそれはもう自分のブランドなのです。びーねっと・ピュアシルバー工房は、それを率先して表すためにBPSというオリジナルブランドを立ち上げました。オリジナルロゴも作成し刻印も作りました(刻印屋さん、良いものを作ってくれてありがとう)。できる限り早期に安定生産販売をこなせるようにし、当事者雇用につなげたいと思います。でも、「いくらくれるの?」という意識の人は雇用したくないですね。「私はこれがしたい、これで食べて行きたい」そういう意識の人を雇用したい。それが新規就労分野・雇用支援の大きな課題です。暇つぶしはご容赦。自分の将来を考えて技術を身に付け働きたいという意識を持つ人のみ常に待っています。

 デイサービスなどをきっかけとしてこの業界を知ってもらうための講習会も適時行っています。楽しく働く事、自分が制作した商品がお金に換わる瞬間の喜び体験を感じてもらう事、障害者が働くには厳しい経済社会ですが、だからこそ自分で新しい分野を切り開き、他人がおいそれとまねの出来ない事で、起業する事が出来るチャンスなのだと感じて欲しいです。それを率先しているのが特定非営利活動法人フリースペース・びーねっとの活動なのですから。趣味を実益に変える事の難しさと合わせて楽しさを知ってもらい、気がついたら必然的に収入につながっていたというのがベストですね。事実SOHO業界ではそういう人が多いです。好きな事、出来る事、出来ない事、嫌な事を逆にまたは更に生かす事で人生大きく変わるかも。その自分自身の可能性を信じて動いて欲しいです。自分自身を信じられなくては他人も信じてくれませんからね。

 過日行ったSOHOの講習会の中で、自作の縫製品が売れた時の喜びを話してくれた方がいましたが、その喜びと相反して「売りたくない」気持ちの入った物が出来る事があります。又そういう商品はすぐ売れてしまいます。自分が欲しい、売りたくないと思う物が他人にも同じ思いを抱かせるのだという事もありますから、自分の感性を生かした就労が出来る事が理想ですね。そこにニーズが発生するのでしょうから。感性から磨きましょう。


2004/03/16  やっと法人登記も終了し、機材も少しずつ揃いました。また、昨年知りあった他のNPO法人の紹介で、新しいシルバー仲間も増えました。シルバークロッシェインストラクターの門田さん。

 何とか努力してロールを導入。これで角線や平板は自作出来ます。金属用バンドソーも導入。後は鋳造機のみです。それも6月過ぎにはなんとかなりそう。おかげで部屋の中は大田区になりました。(-.-;)

 平成16年度はシルバー事業の一環で、5月、6月、10月にシルバークロッシェとシルバークレイの体験教室を実施予定。シルバークレイはこの世界を指導してくださった恩師の北泰子先生にご無理をお願いして講師をしていただく事になりました。シルバークロッシェは上記門田かおり先生にお願いしました。門田さんは『県内初のクロッシェ教室』を開いておられるシルバークロッシェのインストラクター有資格者。 ご期待ください。彫金体験教室も適時行う予定です。

 上野御徒町の専門大卸業者からの直接の買い付けも出来るようになり、仕入れコストも削減出来るようになりました。また、今月からオリジナルブランドとして、びーねっと・ピュアシルバー工房製品にはBPSの刻印を打ち、オリジナルシルバー製品製造販売業者として一般に認識していただけるようにする事としました。


2004/01/11 更なる挑戦! ピュアシルバー工房も活動し始めて約1年になろうとしています。他の活動などで、思うように制作が出来ず、ジレンマ抱えながらも何とか新しい年を迎えました。少しずつ機材も揃え、何とか簡単な加工は出来る設備は揃いました。ほとんど自己出費で揃えましたので、まだまだわずかですが、必要な工程は全て出来るように6月までにはなります。そう、後は本格鋳造機のみ。今迄は圧迫葢鋳造していましたからね。失敗も多かった。ちなみに上記商品は、左のアンクはSV925に変色防止のためにロジウムメッキをびーねっとでかけたもの。メッキ装置も簡単なものですが何とか揃え、オープンハートや招き猫の金のものは、びーねっとで24K純金コーとしています。真ん中の小さな鳴子は今流行らせようとしているもの。幅1センチの大きさ。さらに現在は場6ミリの鳴子制作に入っています。よさこい祭りの際や、鳴子踊りをしている人たちに楽しんで身に付けてもらいたいなと思っています。まずは地元と札幌よさこいソーランかな。

 今月27日には地元障害者福祉センターで創作活動の一環としての体験教室も開きます。就労は別として、楽しむ彫金を障害のある人たちにも広めたいなと思っています。教える側も四十肩になってしまい、激痛と闘いながら悪戦苦闘中!(-.-;)しかも利き腕!ストレッチしながら金づち振り回してますよ。

 びーねっとピュアシルバー工房は、障害者や中高齢者が楽しみながら仕事が出来る環境を高知に作りたいという動機から事業活動を始めました。まだわずかな収益しか上げていませんが、彫金が好きで、それを仕事としたくて、楽しいと思いながら働く人が一人でも増えてくれたら、高知の障害者、高齢者のQOL(生活の質)も変わるのではないかなと思っています。人生楽しく生きて行きたいものです。

ハンドメードロゴ

 

 アイコン 銀と室内インテリア new

 アイコン 宝飾用貝加工他工程アコヤガイ

 アイコン 今日のsilver一言

 アイコン 彫金(金属加工)技法の色々

 アイコン 鋳造工房事業 
 作家さんのオーダーメイドも承ります!

 アイコン 鋳造委託製造工程例-1  05/11/18 

 アイコン 制作工程 通常コンチョ

 - 製作過程 特注コンチョ

 - 下肢障害者の為のベッド上での彫金作業実践テスト

 - 銀の鳴子製作工程

 - 現代の錬金術


 びーねっとでは、新規就労支援技術開発の一貫として、究極のリサイクルとも呼べる貴金属加工に着目しています。現在までこうした特殊技能を障害者団体が行う事はまずありませんでした。それは様々な面からリスクが大きいからです。
 びーねっとでは、そうしたリスクを極力減らし、就労として技術を習得しようとする人を受け入れ、指導出来る体制を作っています。それがびーねっとピュアシルバー工房なのです!(ピュアシルバーとは純銀の事)
 無ければ作ってしまえという心構えで新しい仕事を作り、新しい商品を作る。「出来ない」と「やらない」とは違います。出来るのにやらないだけの人が如何に多いか。それに気がついた人のみを受け入れています。完全社会復帰就労支援団体なのです。
 オンリーワンをモットーにオーダーメードもお気軽価格で承りますので、ご相談下さい。
 お買い求め頂いた商品のクリーニング、修理も承ります。超音波洗浄器、磁気研磨機完備。フッ素・ケイ素ポリマーコート加工も行っております。お気軽に下記までお問い合わせ下さい。自動鋳金機も導入。様々な用途にお答え出来るようになりました。
 個人の方からのオリジナルアクセサリーのオーダーもお受けいたしております。原形をお送り頂ければ、ワックスで原形を製作し鋳金致します。お子様の誕生祝いや、お孫さんへのプレゼントに、一生の記念になるものを企画しております。また、大切なペットにもドッグタグや、ネーム入り首輪の製造も進めております。大切な人へ、大切なものへ心を込めたプレゼントを!

山本貴金属地金株式会社