第6回 塩江温泉アドベンチャーマラソン大会

〜 行本選手 名誉挽回の快走 〜


お待たせしました。シドニーオリンピックの高橋尚子の見事な優勝の興奮が冷めやらぬ中(もう冷めてるってか?)、皆様が期待していた第6回塩江温泉アドベンチャーマラソン大会10月29日(日)に開催されました。
(増田)「掲載が遅かったですね」
(幹事長)「いやあ、出張に行って、そのついでに皇居の周りを走って、その記録を先に書いたりしたもんだから」

さて、レースの朝、早起きして空を見上げると、前日の雨もなんとかあがったみたい。安心してバイクに乗る。車で行くと、駐車場から集合場所までめちゃめちゃ遠いので、それだけで体力を使い果たしてしまうけど、バイクだとすぐ近くまで行けるのだ。
ところが塩江町は香川のカトマンズと言われる山岳地帯。高松砂漠から山深く入って行くにつれ、だんだん霧が濃くなり、最後には小雨模様になってくる。着いた頃には全身ビチョビチョ。いきなり出鼻をくじかれる。

例によって四電ペンギンズは、抜群の結束力を誇るチームなので、レース当日にならないと、誰が出場しているかすら分からない。受付を済ませ、誰かおらんかなあ見回すと、光高選手が手を振ってくれる。タイガー杉原もいる。さらに、なんと久しぶり!
中山選手(元ダイエー)じゃないの。
(幹事長)「うわあ、良かった。てっきり引退したんかと思っとった!」
(中山)「今日のレースで引退しようかと思って」
それにしても中山選手(元ダイエー)の格好ときたら、まるで素人さんのよう。着古したトレーナーの下には、やはり着古したジャージ。
(幹事長)「参加者が少ないため借り出された地元青年団みたいやなあ」
(中山)「1年半ぶりのレースですからね」
中山選手(元ダイエー)は去年の春のオリーブマラソンで僕と死闘を演じてから、長い休眠期間だったのです。
(幹事長)「体調はどうなん?一時は死にそうやったけど」
(中山)「コーヒーを止めてから、ばっちりですね」
その割りにはサボってばっかりやなあ。
続いて宮武選手も今日は万全な調子でやってきた。
(幹事長)「去年は前日がゴルフやったけど、昨日はゴルフは無かったん?」
(宮武)「へえ。その代わり、明日は平日ゴルフですけどね、へっへっへ」


ところで今回は、わがペンギンズのエースF川選手がいない。
(宮武)「F川くん、どうしたんですか?」
(光高)「9月からアメリカへ行ってしもたんですよ」
(宮武)「まさかマラソン修行?」
(中山)「まさか夜逃げ?」
(光高)「一応、勉強のためってことになってるけど」
(幹事長)「英語もしゃべれんのにか?」
(光高)「ど根性ガエルのガッツだけはありますから」

てなわけで、F川選手は今年いっぱい米国でトレーニングしている、ということになっているので、しばらくはエース抜きで戦わなければならない。
(幹事長)「そや。F川から電子メールが来たんや。それを紹介しよう」
お久しぶりです。とりあえず元気にしています。こっちに来て1ヶ月とちょっとが過ぎました。
現在はペンステート大学の一学生として、日々勉学に励んでおります。こっちの大学は日本の大学と違い、毎日、毎日、大量のホームワークが出て、それだけで大変です。せっかく久々に大学生に戻ったのだから、アメリカの金髪ねえーちゃんと合コンができる、と期待していたのに、僕が通うのはペンステート大学のモンロービル分校というところで、僕みたいな各国からの留学生が20人(男が19人、女(既婚者で2児の母)が1人)いるだけで、芝生のきれいな広いキャンパスさえありません。何をやってるのか分らないビジネスビルの狭い一室が我々のキャンパスです。
ところで、私の記憶が正しければ、もうすぐ塩江マラソンではないかと思います。今回は僕が欠場するので、おそらく宮武副長との最下位争いになろうかと思います。四電フォーラムで自ら、恥ずかしい記事を書くことのないよう頑張ってください。
僕の方は帰国後の来年のレースに備えるべく、先日、こちらでニューシューズを購入しました。高橋尚子のように海外トレーニングの成果をお見せしますから、来年は期待していてください。
(幹事長)「ちゅうことや」
(宮武)「要するに会社の金で肥え太っているってことですな」
(幹事長)「まあムキになるな。あれでも会社は、将来を担う人材と見なしとるんやから」


さて、エースを欠いても厚い選手層を誇るペンギンズに弱点は無い。
(幹事長)「まさか今年は10kmコースに出るような軟弱者はおらんやろな?」
(杉原)「すんません。僕はみんなの写真を撮らないといけないので、10kmコースで早く帰ってきて待機してます」
(幹事長)「偉いっ!さすがはタイガー。見上げた心構え。そういう場合はかまへんのよ」
(宮武)「わたくしも今年は10kmの部に」
(幹事長)「あれっ?宮武は去年はハーフに出てなかったっけ?」
(宮武)「へえ。去年は制限時間をオーバーしてしまい、帰ってきたら、うどんもアクエリアスも無かったんで」
(幹事長)「いまいち動機が不純やなあ。ん?なんや、そこでニヤニヤしてるんは?」
(中山)「いやあ、僕も今回は10kmなんですわ」
(幹事長)「にゃ、にゃにおうっ!?なに考えとんや?」
(中山)「そのかわり、今日は完走しますから」
(幹事長)「あたりまえぢゃ!」

ほんまに、信じられない軟弱者どもがっ。
そこへ、さらに人影が。
(行本)「あ、あのぅ、僕も10kmなんですがぁ・・・」
(幹事長)「ん?誰かな、君は?なーんだ、津田さんに負けた行本君か。
     いやいや、君は構わんよ。津田さんに負けたくらいだから。はっはっは」
(行本)「くっくっくっくっく・・・(泣)」

行本選手は春のオリーブマラソンで津田嬢に1秒差で負けたのだった。(第23回小豆島オリーブマラソン大会記録参照
(行本)「あれは本当に惜しかったんですよ。
     もう少しでゴールっていう直前で抜かれたんですよう」
(幹事長)「単におちょくられただけと違うか?彼女だいぶ手抜きしとったぞ」

て言うことで、当日は合流できなかった福家さんも含めて5人が10kmの部に出ました。

(幹事長)「ほなハーフマラソンは誰が出るん?」
(杉原)「幹事長と光高さんの他は、増田さんと隅田さんと藤塚さんが登録してます」

タイガーが受付で確認すると、藤塚さんと増田選手は受付を済ませているが、隅田大先生は来てないようだ。

(幹事長)「むむ。大先生ともあろう者がサボったな」
(杉原)「2月の丸亀マラソンで懲りて以来、雨中のレースは避けてるんでしょうか」
(幹事長)「もう年やからなあ。そういう僕も、40過ぎてからどんどんタイムが落ちよるわ」
(中山)「今日の目標は?」
(幹事長)「完走あるのみやな」
(中山)「最近そればっかりですね」

しかし、この塩江のハーフマラソンコースは、完走できただけでも自分を誉めたくなるような険しいコースである。
そこで今回は秘密兵器がある。
(幹事長)「見て見てっ!これ。新しいシューズやでっ!」
(中山)「おっ、なんぼしたんですか?」
(幹事長)「1万円もしたんよ」
(中山)「道具には金をかけない主義やったんとちゃいますか?」
(幹事長)「プロは道具から入るものよ」
(宮武)「いつものハイテクシューズはどうしたんですか?」
(幹事長)「あれは格好だけやったなあ。走ってると足が痛くなるんよ。
     去年のダイエーの優勝セールで3000円で買っただけのことはある」


ハーフマラソンのコースは、山深く入っていくため、10kmコースの連中と別れて、光高選手と二人でバスに乗ってスタート地点まで移動する。
バスに乗り込むと、係員から注意がある。
(係員)「みなさあん。くれぐれも無理をしないように。リタイアする勇気を持ってくださあい。
     ギリギリのところまで行かないようにして下さいよ〜」
(光高)「ここまで言われると、やる気が失せますね」
(幹事長)「無理もないコースではあるけどなあ」


スタート地点である四国ハニーっていう名前の怪しい工場で待っていると、だんだん雨足が強くなる。
(光高)「最悪ですね。朝からドシャドシャ降っててくれたら諦めもついたのに」
なんて文句言うてたら、やっと増田選手に出会う。
(幹事長)「久しぶりっ!元気っ?走っとる?」
彼は今年からT湾火力発電所に勤務しています。
(増田)「それが、いかんのですわ。ぜーんぜん走ってない」
(幹事長)「発電所やったら、なんぼでも走れるやろ?」
(増田)「最初はそう思ったんですが、怠け癖がついてしまって」
(幹事長)「でもスポーツ刈りにして、ウェアもなんだか早そう」
(増田)「でもこれ、サッカー用の短パンにバスケット用のランニングシャツなんすよ」


なんとか雨も小降りになってきて、スタート地点に立つ。最初からいきなり上り坂。道を目で追っていくと、山の上の方は完全に雲の中。
(増田)「上の方では見えなくなって道に迷うかもしれませんねえ」
(幹事長)「ようやくアドベンチャーマラソンという意味が分かったなあ」

それにしても参加者が少ない。3〜400人くらいしかいない。
(幹事長)「こんなに少なかったっけ?」
(増田)「このコース、無謀なほどきついから、年々参加者が減っているんじゃないですか?」

確かに、この塩江マラソンは、四国のアンデスと呼ばれる塩江の山岳地帯を一気に駆け登り駆け下りるという無茶苦茶なコースなので、ランナーにはとても不評です。体に悪いから、と言って参加を取りやめるランナーが続出しています。去年は松野明美がゲストで来たけど、今年はそういうのも無し。経費節約か。そのうち潰れるかもしれない。

さて、いよいよスタート。うまい具合に、すっかり雨はあがったみたい。今日は前半の上りは徹底的にセーブする作戦なので、控えめに後ろの方からスタートする。僕に付き合って後方からスタートした光高、増田両選手があっという間に見えなくなるほどの遅い出足。すぐ目の前を、トロトロ走るばあさんがいる。しかし、ここで抜いたら、後半になって抜き返されて悔しい思いをするので、ぐっと我慢する。しかし、チューリップハットを被ったジャージ姿の完璧素人おねえさんは抜いてしまった。こいつには抜かれんやろ。
去年はF川選手と何度も抜き合う死闘を繰り広げたけど、今年は目標も無く、淡々と走っていく。

と、いきなり背後から声を掛けていく奴がいる。誰かと思ったら亀山選手が追い抜いていく。
(幹事長)「あれま。来とったんかいな」
(亀山)「うん。えらいペースが遅いなあ」
(幹事長)「今日は徹底的にセーブしていくからね」
(亀山)「ほな、お先に〜」

相変わらずマイペースな奴でした。

その後、坂はどんどんと急になっていく。最近は急な坂では、何のためらいもなく歩けるようになった。
(中山)「歩いたら完走とは言わんのでしょ?」
(幹事長)「君にはまだ達観した人生観が分からんと見えるな」
(中山)「そんな最初っから歩いてどうするんですか?」
(幹事長)「ふっふ。単にダラダラ歩くのではない。戦略的に歩くのだ」
(中山)「・・・はぁ」
(幹事長)「要は、競歩のように早く歩くのだ」

急な坂では走るよりも同じペースで歩く方が絶対に楽だ。早い人は坂でも早いけど、ものすごく遅いくせに意地張って走っている人は、すんごく遅い。大股でスタスタスタと歩くと抜けるのだ。これで今日は、なんと走っている奴を歩いて5人も抜きました。快感〜っ!歩いている僕に抜かれると、一気に力が抜けて歩き始める奴もいるけど、意地張ってしつこく走っている奴もいる。まだまだ修行が足りん奴じゃ。

てな訳で、極限まで力をセーブしたおかげで前半の上りは、去年に比べれば楽に乗り切れた。ま、単に、去年より遅いだけやけどね。
で、待ってました、いよいよ下りの後半へ。下りなら、どんなに疲れていても走れるだろうと思うのはシロウト。て言うか、去年のわたくし。前半の疲れのため、後半の下りで足が止まってしまった。その点、今年は前半のセーブのおかげで、快調に下りを転がり落ちる。周りのみんなも、膝もくだけんばかりに駆け下りる。もうヤケクソ状態。
ひとしきり転がり落ちると、最後はダム湖周辺の平らなコース。去年は、ここで力つきて、最後はカメのような歩みとなってしまい、ジジババ軍団に破れてしまった。今年は違うぞっ!と思ったのだけど、あれ?なんだか、だんだん足が重くなってくる。おかしいなあ。あれだけ前半セーブしたのに、やっぱり最後は足が動かなくなってしまった。去年よりはマシだけど、やっぱり最後は力つきてしまうのね〜。後ろにはそんなに居ないはずなのに、あと1kmになった辺りでも、どんどん抜かれてしまう。そんなに元気が有り余ってるんやったら、最初からもっと早く走れっ、って言いたくなるぞ。遂には、最初に抜いたチューリップハットねいちゃんにさえ抜き返されてしまった。

余力を残して逃げ切った筆者
(杉原選手撮影)

しかし、心の支えは仲間の暖かい励まし。ゴール直前で中山選手(元ダイエー)がうどんをすすりながら応援してくれる。
(中山)「幹事長、早うせんとうどんが無くなりますよ」
ゴールしてそのままうどんテントに突入する。去年は遅くてうどんが無くなっていたけど、今年は無事、具だくさんの煮込みうどんを頂けた。宮武選手も念願のうどんにありつけた。そうこうしていると、今まで見つけられなかった藤塚さんがゴールしてきた。
(幹事長)「やりましたねえ。今年は制限時間内の完走ですねっ!」
(藤塚)「いや、ほんま。しんどかった。去年は救護車に収容されてしもたけど、今年はなんとか逃げ切ったで」
(宮武)「あれって嫌ですね。すぐ後ろを追いかけてきて、係のおっさんが、
     あんまり無理せんと乗った方がええで、とか誘惑してくるんですよ」

主催者はやる気あるんかいな。
ま、しかし、僕のタイムも去年よりは少しは早かったし。
(幹事長)「タイム以上に順位がすごく上がってるぞっ!」
(中山)「去年より参加者が大幅に減ってますよ」
(幹事長)「一昨年ビリから5番目やった奴には言われとうないな」

光高、増田両選手も、なかなか良いペースだった。
(増田)「トレーニングしてない割には去年よりタイムが良くなりましたよ」
要するに、僕たちのトレーニングって、やってもサボっても同じなのね。

(幹事長)「10kmコースの君たちはどうだったのかな?ん?」
(中山)「ま、ぼちぼちですね」

などと言いながら、長いブランクを感じさせない良いタイム。
(中山)「自分の底力には驚かされっぱなしですねっ」
タイガー杉原はもちろん、宮武選手もなかなか良いタイム。
(幹事長)「それはそうと、津田さんに負けた行本くんは、どうだったのかな?」
(行本)「その修飾語やめてくれませんか。今回は中山さんを蹴散らす堂々のタイムでしたよ」
(幹事長)「しぇーっ!なんとかーっ!そんな底力があったんかいな」

てっきりシロウトさんかと思っていたけど、本当は実力もあったのか。オリーブマラソンの汚名を晴らす快走であった。じゃ、なんで前回、津田さんに負けたんだ。津田さんが早すぎる?
(幹事長)「そういや、津田さんも経理から異動になったよなあ」
(中山)「はい。僕の部下となりました」
(幹事長)「セクハラ大魔人の部下とは危ないなあ」
(中山)「彼女かなりの実力者みたいですよ」
(杉原)「満濃公園リレーマラソンには出る予定です」

そうか。じゃ、満濃では看護婦姿で走ってもらおう。

(幹事長)「そうそう、亀山が走ってたぞ」
(杉原)「そうなんですよ。ペンギンズで登録しましょうと誘ったんですが、
     自分で登録するって言って、別行動を取るんですよ」
(幹事長)「明らかにわしらを避けとるな?」
(杉原)「そいで、無所属ならともかく、プログラムを見ると、讃岐闘犬会なんてチームで出てるんですよ」
(幹事長)「香川県に闘犬会なんてあるんか?」
(宮武)「讃岐闘走会やないですか」
(幹事長)「意味的には、よけい分からん。
     じゃ、なにかっ!四電ペンギンズでは闘えんっちゅう訳かっ!?」

亀ちゃんよ。なぜそこまでペンギンズを嫌がる。



さて、温泉である。
毎年、レース後は、塩江温泉郷に点在する温泉のうち、どこでも好きなとこへ入れるタダ券を手に、温泉へ繰り出すのだ。
(幹事長)「さあっ!今年も温泉へ行くぞっ!」
(中山)「どこ行くんですか?」
(幹事長)「もっちろん、新塩江温泉ホテルじゃっ!」
(増田)「今年も混浴露天風呂ですねっ!」
(中山)「えっ?な、何ですか?それ」
(幹事長)「お前、団員のくせしてペンギンズのホームページを見てないな?
     去年の記録にちゃんと書いておるぞ。第5回塩江温泉アドベンチャーマラソン大会記録参照
     増田選手と二人で新塩江温泉ホテルへ行ったら、
     混浴の露天風呂にうら若きおねいちゃんがおったんじゃがっ!」
(中山)「ほ、ほ、ほ、ほんまでっか!?」
(増田)「きれいな人でしたねえ〜。今年も会えるといいですねえ」

増田選手の目がうっとりと宙に浮く。
(幹事長)「2年連続でお目にかかれる可能性は、確率論的には極めて少ないが、どうせカブトムシ温泉に行ったって
     カブトムシが浮いとるだけなんやから(第3回塩江温泉アドベンチャーマラソン大会記録参照)、
     小さな確率に賭けるぞ。他に行く者はおらんかっ?」
(宮武)「はいっ!隊長っ!わたくしめも参加いたしますっ!」

て言うことで、今年は増田選手、宮武選手と3名で
新塩江温泉ホテル混浴露天風呂探検隊を結成して攻め込んだ。

(宮武)「あれっ?幹事長のバイク、タイヤの空気が抜けてるみたいですよ」
(幹事長)「ありゃりゃーっ!なんていうことだ」
(増田)「誰かにイタズラされるようなバイクでもないし・・・」
(幹事長)「ほっといてくれ」
しかし、思わず真っ青になってしまった。かろうじてペチャンコではないので、近所のガソリンスタンドへ持っていく。でも出てきた留守番おばちゃんは使い物にならない。とにかく空気だけ入れてもらい、行けるところまで行ってみることに。
(宮武)「そのまま温泉に来てどうするんですかっ!修理工場へ行くんじゃないんですかっ?」
(幹事長)「今の私にはバイクよりも大切なものがある」


新塩江温泉ホテルは、何十年も前から名前に「新」が付いており、よって、ぜんぜん新しくはない。入るとすぐ座敷があり、いつものように時代劇歌謡ショーをやっている。
(宮武)「すごいですねえ。こんな所で、こんなエンターテイメントをやっているなんて」
(幹事長)「こういうのが日本の伝統文化を底辺で支えているのだよ」
(宮武)「ほんまに底辺ですねえ」

などと言いながらも、気持ちはジャングル露天風呂。パパッと服を脱ぎ捨ててガラガラッと風呂場に飛び込む。と、
(幹事長)「あれれ?入るところ間違えた?」
(増田)「あれ?おかしいですねえ。ジャングル風呂が無くなってますよ」
(宮武)「入り口はここしか無かったですよ」

なんと、塩江温泉郷名物の新塩江温泉ホテル・ジャングル風呂が無くなってしまっているではないの。改装して、ほーんの少しだけ清潔感が出ましたが、何の変哲もない、ただのだだっ広いお風呂に成り下がっている。ジャングルを形成していた草木は一切無くなっている。とまどいながらも混浴露天風呂への出口を探す。
(幹事長)「あれれ?出口がないぞ?」
(増田)「塞がれてますよ」

なんとまーっ、混浴露天風呂まで無くなってしまっている。信じられないっ!
(幹事長)「なんだか騙されたみたいな気分」
(宮武)「それは私のセリフですっ!」
(増田)「残念ですねえ。目を閉じて、網膜に焼き付いた去年の想い出に浸りますか」
(幹事長)「それしかないな」
(宮武)「私はどうなるんですかっ!」


〜おしまい〜




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