第6回 国営讃岐まんのう公園リレーマラソン大会

〜 念願のペンギン登場! 〜


今年はペンギンズ初レースを東京支部の谷川真理ハーフマラソン大会に先を越されてしまったけれど、ペンギンズ本社としては、今年の初レースは、やっぱり、これ、2005年1月16日(日)開催の第6回国営讃岐まんのう公園リレーマラソン大会でございます。

もちろん、今年も6回連続の
動物チームなのだが、今年は昨年デビューした強力お猿コンビに加え、遂に遂に、ペンギンズ念願のペンギンが登場したっ!

(ブタ)「ペンギンが登場するまで、ほんまに長かったですねえ。
     第1回の表彰式のインタビューでも「ペンギンズなのにペンギンがいないんですか?」なんて聞かれたけど、あれから5年ですねえ」
(カッパ)「誰もチーム名に誇りを持ってない事が分かるよなあ」
(クマ)「ところでペンギンって誰なんですか?」

そうなのだ。
レース当日まで、この新人のペンギン君の事を、ほとんど誰も知らなかったのだ。

(ゾウ)「何があったのか、事情を話して下さいよ」
(カッパ)「話せば長い事なんだ。自ら志願してきたのだよ。以上っ!」
(ゾウ)「短かすぎですっ!」


ペンギン君は我がペンギンズの活躍ぶりを陰から見ていて、「ぜひ僕も加入したなあ」なんて思い始めたのだ。

(タイガー)「じゃあ、僕と同じですね」
(カッパ)「ところが、強引に加入したかと思うと、あっという間に事務局長の名を欲しいままにしたタイガーとは大違いで、
      ペンギン君は、少し気弱だったのだ」


実は、ペンギン君は、昨年の屋島一周クォーターマラソンの時に、ペンギンズの様子をこっそりと窺いに来ていたのだ。

(ブタ)「えっ?そうなんですか?全然、気付きませんでしたよ」
(ウマ)「僕が3日前に偵察に行って、初めて明らかになった事実ですよ」
(カッパ)「ほら、屋島一周クォーターマラソンの集合写真に見知らぬ奴が写ってるだろう?
      左から4番目の黄色いシャツの男だ。なんと彼がペンギン君だったのだ」
(ブタ)「なんとっ!後ろの黄色いアーチが保護色になってるから、他人が居たなんて、今まで気付きませんでしたっ!」
(タイガー)「て言うか、加入前から勝手に堂々と集合写真に写るなんて、僕よりよっぽど強引じゃないですかっ!」
(ブタ)「ところで彼の記録はどうなんですか?加入資格はクリアしたんですか?」
(カッパ)「ペンギン姿で来るならOKと伝えてある」
(ブタ)「それだけですかっ!?」


何にせよ、これで晴れてペンギンズにペンギンが登場したのだ。誠に喜ばしいなあ。
ところで、昨年の小豆島オリーブマラソン、屋島一周クォーターマラソンに続き、今回も幹事長の私が、送迎運転手をやらされている。幹事長なのに、一番早起きしてゾウ、ブタ、サル1号&2号を車で拾っていかねばならないのだ。

(カッパ)「しつこいようだが、ブタ君。なんで幹事長のわしが君らを送迎せんといかんのじゃ?答えてくれるかね?」
(ブタ)「いやあ、うちの車じゃ小さくて動物を5匹も積めないんですよう」
(ゾウ)「いやあ、動物を積むと車が臭くなりますからねえ」

まずはサル2号を迎えに行く。動物チームには
「家を出る時から動物でなければならない」という鉄の掟があるため、まずはサルを探す。しかし、見あたらない。おかしいなと思って電話すると、突然、建物の陰から飛び出してきた。

(カッパ)「な、何してたん?」
(サル2号)「恥ずかしいから隠れてたんですよぅ」

と言いながら、サル2号はサルの上にジャージの上下を着ていて、ほとんどサルが見えない。

(サル2号)「ところが尻尾を隠し忘れていて、尻尾をブラブラさせたままコンビニに入ってしまい、みんなの注目を浴びちゃいました。
        あ〜ん。恥ずかしいっ!お嫁に行けないっ!」
(カッパ)「中途半端に隠そうとするからじゃっ!」


続いて迎えに行ったサル1号も、上にいっぱい着込んでいる。

(カッパ)「サルというより、パンパンの雪だるま状態やなあ」
(サル1号)「尻尾が邪魔で邪魔で困っちゃう。ウキッ!」

おサルさん達は、みんな尻尾で困っているのでした。
続いてブタを迎えに行く。さすがに責任感あふれるブタは、むっちゃくちゃ目立つピンク姿で住宅地にたたずむ。

(サル1号)「ピンクって、ものすごく目立ちますね。遠くからでも、すぐ分かりましたよ」
(サル2号)「それ、近所の人に通報されませんでしたか?」
(カッパ)「最近、変な人が多いから、冗談じゃなく逮捕されかねんぞ」
(ブタ)「カッパも自分では気付かんと思いますが、ものすごく目立ってますよ」


そうであった。自分では見えないから、ついつい忘れてしまうけど、他人が見れば明らかに異様だろうなあ。

(カッパ)「ところで、ブタ君は、確か去年まではゾウだったよなあ。あれは、マイ・ゾウだったはずだけど、
      なんで自分のゾウを止めて、ブタを借りたの?」
(ブタ)「今年、初参加の蜜高さんが、「わしはブタなんて恥ずかしくて嫌じゃ。お前のゾウをよこせっ!」って言って、
     無理矢理ゾウを取られたんですよ。それで仕方なく僕がブタになって」
(カッパ)「なかなか厳しい上下関係じゃなあ」
(サル1号)「でも、そのブタ、とっても可愛いですよっ!」
(サル2号)「うっきぃうきうきき、うきうきうきっ」。
(ブタ)「人間語でしゃべって下さいっ!」
(カッパ)「一緒にいるだけで、ウキウキするっ、と言っておるな」

最後にゾウを迎えに行ったのだが、ブタから奪ったゾウであるくせに、なんと、完全に人間の姿だ。

(カッパ)「こら、この車には動物しか乗せんぞっ」
(ゾウ)「よくも4匹そろって、そんな恥ずかしい格好で行けますねえ」

ぶひぶひ言いながらレース会場である国営讃岐まんのう公園に到着し、入り口に入ると、今年のレースのポスターが貼ってある。

(ブタ)「うわっ、今年も僕らの写真が無断で掲載されているっ!」
(カッパ)「ほんまやっ!一昨年の大会のパンフレットに無断掲載されたのに引き続く肖像権の侵害じゃっ!
      おい、マネージャー、さっそく大会本部へ行ってギャラをふんだくって来いっ!」
(ウマ)「でも、この写真よく撮れてますよねえ。前回の無断掲載は、このホームページの写真を勝手に流用してましたが、
     今回の写真は、大会本部で撮った写真みたいですねえ」
(カッパ)「僕たち有名になっちゃったから、いつ誰に写真を撮られるか分かんないから、みんな気を付けるように!」

募集ポスターに掲載された人気絶頂のペンギンズ

現地では、少しだけど小雪が舞っている。去年は一面の雪だったけど、当日は快晴で暖かく、気持ちよかった。今年は、雪は積もってないけど、風も強く、かなり強烈に寒い。すぐさまテントの中のストーブのそばに駆け寄り、それっきり動かない。

(ブタ)「こんな所でじっとしてたら他のメンバーが分かりませんよ」
(カッパ)「大丈夫だって。わしら、どこにおっても目立ってるぞ」

その通り。あっという間にウマ、タイガー、クマ、そしてペンギン君が集まってくる。ウマは子馬を2匹連れての参加だ。

(カッパ)「いやあ、タイガーは久しぶりやなあ」
(タイガー)「去年のこの大会以来ですね」
(カッパ)「それって、去年も同じセリフを聞いたぞ。て事は、最近は、この動物リレーしか出てないって事?
      もうちょっと運動せんと体に悪いよ」

今年も強力メンバーを揃えて総合優勝を狙うペンギンズ

(カッパ)「去年は最初に軽く一周ウォーミングアップで走ったけど、今年も走らない?
      今年は初参加のペンギン君もいることだし
(ブタ)「いや、ええですわ。勝手に走ってください」
(クマ)「私も遠慮しときますわ」
(タイガー)「そんな無駄なエネルギーはありませんよ」
(ゾウ)「僕も初参加だけど、出たとこ勝負でええですよ」
(サル2号)「おにぎり食べ終わるまで待って下さい」


なんて情けない連中なんだろう。結局、今年は全く準備運動も無しに、いきなり走ることになった。

ブルブル震えながらストーブにかじりついていると、突然、女性が話しかけてくる。

(女性)「わたし「ひとな」です。去年は主人に写真を撮ってもらったんですが、今年は私も走りにきました」
(カッパ)「おおおうっ!あなたが「ひとな」さんですか。初めまして」


彼女が「みんなの広場」に書き込んでくれていた「ひとな」さんでした。そう言えば、去年はご主人が写真を撮ってくれました。話を聞くと、彼女のチームは、かなり速いらしい。
なぜ、そのようなレベルの高いチームにありながら、ペンギンズなんかに関心を持ってくれたのか、よう分かりません。

準備運動もせずに、だらだら世間話をしていると、あっという間にスタートの時間が近づいてきた。

(ウマ)「走る順番を早く決めないといかんですよ」

このレースは、なだらかな公園の丘陵地の1周2kmのコースを全部で21周してフルマラソンの42.195kmを走るというレースで、誰が何周走っても構わないのだ。

(カッパ)「えー、コホン。みんなに大事な話がある。今年はカッパは遠慮して1周だけにしようかと思う」
(ブタ)「僕も今年は1周だけでいいですっ!」
(ゾウ)「僕は初めての参加なんで、取りあえず1周でええですわ」
(クマ)「私は寄る年波に勝てず、今年は1周にしときますわ」
(タイガー)「僕もこの1年間、1mも走ってないんで、心臓マヒで死んだらいかんので、今日は1周だけにしときます」
(サル2号)「うききぃっ!うきききうききき、うっきぃうききうききうきききっ!」
        (先輩っ!私も今年は、1周だけにさせて下さいっ!)
(カッパ)「えーい!うるさいっ!お前は黙ってろっ!」

今年は非常に遠慮深いメンバーが揃ったようなので、取りあえず、新人のペンギン君にトップを走ってもらうことにする。

(ペンギン)「私のような若輩者が栄誉あるトップランナーに選ばれるなんて、身に余る光栄っ!」

いきなりトップに抜擢されたペンギンは異様な張り切りよう。スタートラインでは人間どもを押しのけて前の方に陣取り、スタートと同時に一気に飛び出す。なんと一時は先頭に立った。
(ウマ)「どしたんですか、あの頑張りは。ペンギン君って、あんなに速かったんですかっ!」

ペンギンズへの加入と同時に、あらゆるペンギンズの記録を塗り替え、一気に皇帝ペンギンの名を欲しいままにしているウマが、突如現れた強敵に驚き、警戒する。しかし、その心配は無用であった。

(ブタ)「いつまで経っても帰ってきませんぜ」

ロケットスタートで体力を使い果たしたペンギン君は、その後、一気にペースダウンしてしまい、よろめきながら帰ってきた。

(ペンギン)「ペンギンって、ものすごく走りにくかったですぅ」

第二走者は満を持してウマの登場だ。今年のウマは子馬を2匹連れてきているので、良いところを見せようと思って最初からハイペースでぶっちぎりだっ!
さすがにウマは、ペンギン君のように失速することなく、最後までハイペースで帰ってきた。年末に初フルマラソンでペンギンズ新記録を樹立した勢いが残っている。
ただし、それでも昨年のベストタイムよりは少し遅く、8分を切れなかった。

(ウマ)「う〜ん。ウォーミングアップ無しで、いきなり全力疾走するのはきついですねえ」

ウマの次は、いきなり、おサル1号だ。サル1号は昨年、初参加で好タイムではあったのだが、どうしても10分の壁を破れず、10分1秒とか10分2秒の記録だった。

(サル1号)「うきっ!今年こそは10分の壁を破るわよっ!」

と、気合いを入れて走り始めたサル1号だったが、さすがは人気者のサル1号なので、沿道の声援が激しく、それに律儀に応えて「うきっ、うきっ」って言いながら手を振っていたため、タイムは去年より落ちてしまった。
次はいよいよカッパの真打ち登場だ。サル1号からタスキを受けたかと思うと疾風のように一気に駆け抜けていった。カッパが走ると、例年以上に沿道の声援が激しい。ますます人気絶頂のカッパ。

(カッパ)「僕が一生懸命走る姿を見て、少しでも世界が平和でありますように」

が、しかし、ウォーミングアップをしてなかったため、あっという間に心臓が苦しくなり、みるみるうちにペースが落ち、瀕死の状態で1周目を終える。

(カッパ)「ゲロゲロ。死にそう」

明らかに、準備運動不足だ。ウマも8分を切れなかったし、カッパは9分を切れなかったし、サル1号は10分を切れなかった。
みんな、それぞれレベルは違うものの、昨年より明らかにタイムが悪い。急に過激な運動をするのは体にも悪いよねえ。

カッパの次はタイガーだ。最近は、この動物リレーだけが年に一度のスポーツであるくらい運動不足のタイガーだが、その割には、そこそこのタイムで帰ってきた。

(カッパ)「心配したけど、結構、速かったやんか」
(タイガー)「ふふふっ。ちゃんとエネルギー補給してますからね」

と、タイガーは徳島から持ってきたヨウカンをぱくぱく食べてエネルギーを補給しまくるのであった。
しかし、タイガーとブタが並んでしゃがみ込んでヨウカンをパクつく姿は、少しだけ、異様だ。
余裕のタイガーの次は、クマさんだ。クマさん、ここのところ体力低下が著しく、走るのがしんどそう。

(ブタ)「クマさん、大丈夫?去年もしんどそうだったけど、今年は一段と死にそうですね」
(カッパ)「こんなにしんどそうなクマさんだけど、ブタと違って、レースへの参加率は非常に高いのよ」
(ウマ)「ほんとですよねえ。一体、なにが嬉しくて走ってるんでしょうねえ」
(ゾウ)「まったくまったく。僕らには走る喜びがあるけど、クマさんには走る悲しさしか感じられない」
(クマ)「ぜいぜい。いやあ、この辛さが快感なんですわ」


と達観するマゾクマさんであった。
クマの次は、いよいよブタだ。ブタには誰も期待していない。

(ブタ)「えらい、はっきり言いますねえ」
(カッパ)「去年は11分目前までタイムが落ちたお前に、一体何を期待できると言うのだ!」


ところーが!今年は違った。予想以上の速いペースで帰ってきた。

(ウマ)「すごいっ!去年のゾウと段違いですよ」

今年のブタは去年のゾウの生まれ変わりだ。ゾウからブタになるだけで、ここまで速くなるものなのかっ!

(カッパ)「集合写真を見ると、ゾウよりブタの方が足が10cmは長いぞ。かなり走りやすいのかも」

しかし、ブタが速かったのは別の理由があったのだ。

(ウマ)「あれ?ブタがカエルを必死で追いかけてますよ」
(カッパ)「なんとかーっ!!この由緒ある駅伝大会も6回目にして、ようやく我々のライバル動物チームが出現したのかっ!」


遠くから見ると、
ピンクのブタに劣らず派手に目立つ緑のカエル。2匹が必死でデッドヒートしている。
ブタが追い抜こうとするのだが、カエルが必死で逃げ切ろうとする。デッドヒートはゴールまでもつれこみ、結局、あと一歩というところでブタはカエルを抜けなかった。

ゴールすると、カエルがブタに何やら話しかけている。

(カエル)「げろげーろっ!げろげろっ」
(ブタ)「ぶひぶーひっ!ぶひぶひっ」


なんと、カエルはメスだった。

(カッパ)「何話してたの?」
(ブタ)「カエルさんの言うことにゃあ、後ろから僕が抜こうとした時、僕の影が見えたんだけど、影の形で、人間じゃなく
     動物だって分かったらしいんですよ。人間に抜かれるのは平気だけど、動物同士で抜かれるのは屈辱なので、
     絶対に抜かれまいとして必死で走ったらしいです。それで、あと一歩というところで抜けなかったんですよ」
(カッパ)「それでレース後に死闘を讃えあっていたのか。美しき動物愛じゃのう」
(ウマ)「日本語の使い方が間違ってますよ」


カエルさんの周りにはヒヨコなんかもいたので、第二の動物チームかと思ったけど、まだまだ中途半端で、全員が動物ではないらしい。
ブタからタスキを受け取ったのはゾウだ。今年のブタの快走は、カエルというライバルの出現のおかげだった。
長年にわたって惰眠をむさぼり続けて落ちるところまで落ちていたブタでさえ、大きな目標があれば自分の実力を出し切る事ができるのだ。


(カッパ)「逆に、人間というもの、目標が無いと、いかにだらしなくなるかを証明したのがゾウだな」
(ゾウ)「よう、そこまで言いますなあ。それに僕は人間じゃないし」

とにかく、今年のゾウは情けないタイムだった。去年のゾウに匹敵する遅さだ。

(ゾウ)「やっぱり、このゾウが良くないんですよ」
(カッパ)「こらこら、F川のゾウを無理矢理に強奪しておきながら、その言い訳は通用せんぞ」
いよいよ最後にサル2号が登場だ。ここまでみんな、ウォーミングアップが無かったため苦しんできたが、それでも柔軟体操くらいはしていた。
ところがサル2号に至っては、直前までおサルの上にジャージとか着込んで、準備体操すら無しの状態だ。

(カッパ)「こらこら、そこまでサボったら、いかんぞ」
(サル)「だって恥ずかしいんだも〜ん」

サル姿を恥ずかしがって、なかなか全身を露わにしようとしないサル2号であった。それでも、ゾウからタスキを受け取ると、一気に走り出す。

(ウマ)「恥ずかしさを振り切るために、必死で走っているように見えますね」
(カッパ)「必死で走る事により、自分の頭の中からサルを消し去ろうとしているのだね」
(ブタ)「いや。単に早くゴールして隠れたいだけじゃないですか」

必死で走っているように見えながら、サル2号はゴールしてからも余裕があり、すぐさまジャージを着込んでいる。

(カッパ)「みんなゴールしたら倒れ込んでいるのに、ジャージを着る余力を残しておったな!」
(サル2号)「うっきぃ!」
ところで、今回は、実は、ペンギンズの同盟チームが出現した。その名も「あおぞらペンギンズ」だ。

(ゾウ)「うちと、どういう関係があるんですか?」
(カッパ)「実は、最近、合コンしたおねいちゃん達が、このレースに出るというので、無理矢理チーム名を代えてもらったのだよ」
(ゾウ)「そんなん通用するんですかっ?すごいですねえ!」
(クマ)「て言うか、その歳で合コンなんか、せんとって下さいっ!」


あおぞらペンギンズのおねいちゃん達はピンクのハッピがユニフォームで、これまた目立ちやすいチームだ。

(カッパ)「でも、舐めたらあかんのやで。キャプテンのおねいちゃんは、去年のオリーブマラソンで僕らより速かったんやで」
(クマ)「しょえ〜っ!」
さて、ここまでは全員1周ずつ走った。走る気まんまんのウマ、ペンギン、サル1号は3周走る事が決定。
残りのカッパ、ブタ、ゾウ、クマ、タイガーの5匹は「今年は1周でけっこうです宣言」をしたのだが、さすがに通用せず、全員、最低2周は走ることになった。

(ブタ)「あれ、誰か1匹足りませんよ」
(サル2号)「ウンキ。ウキキキキ?(ほんと。誰かしら?)」
(カッパ)「お前やがな」


悲しそうな視線を送るサル2号の哀願に負けてしまい、サル2号だけは2周目免除となった。

(サル2号)「ウッキッ!(やったっ!)」
(ブタ)「でも、そうなると、3匹×3周 + 5匹×2周 + 1匹×1周 = 20周 で、21周にあと1周足りませんよ。
     だれがもう1周走るんですか」
(サル2号)「ほんまや、ほんま。あと1周たれへんでっ!
        カッパかブタかゾウかクマかタイガーのうち、誰かあと1匹、もう1周走らんといかんでっ!誰が走るんなっ!?」
(カッパ)「何でお前が怒るねん?」


そして、ここにジャンケン伝説が復活した。
これは4年前の第2回大会で採用されたルールで、「誰か走っている間に、次の走者をジャンケンで決める」という生死をかけた向こう見ずなルールなのだ。
ジャンケンに負け続けると、ほとんど休めないまま何周も走らされてしまうのだ。
今回は1回だけの勝負だが、2周で体力を使い果たしている5匹の勝負なので、かなりの必死度だ。

(カッパ、ブタ、ゾウ、クマ、タイガー)「あ、それ、最初はグー、ジャンケンポンっ!」
(ゾウ、クマ)「うっひょう〜っ!」
(カッパ、ブタ、タイガー)「うぎゃーっ!」


ゾウとクマが勝ち抜けして、今度は3匹の勝負だ。

(カッパ、ブタ、タイガー)「あ、ほれ、最初はグー、ジャンケンポンっ!」
(タイガー)「やったーっ!」
(カッパ、ブタ)「いかんがなーーーっっっ!」


なんと、ブタとの一騎打ちになってしもた。しかし、実は、この時点で、勝利を確信した。
ブタはこれまでパーとチョキを出したのだ。ブタの貧弱な脳みそでは、次はグーに決まっている。て事は、次はパーを出せば勝てるのだ。

(カッパ)「あ、ほっれ、最初はグー、ジャンケンパーじゃっ!」
(ブタ)「やっほーっ!チョキで勝ちましたーっ!」


なんとかーっ!ブタは連続でチョキを出した。がーん。負けてしもた。なんで僕だけ3周も走らんといかんのぞ。

(ウマ)「この、どうでもええシーンの描写が異常に長いですねえ」
(カッパ)「僕的には、本日最大のクライマックスでしたから」


2周走ったので、もう遠慮無くヨウカンなどを食べていたカッパは、急遽、満腹状態で3周目を走る事になったので、急激な腹痛に見舞われる。

(タイガー)「自分やって食べてますやんか!」

ヨウカンが喉から出てきそう。しかし、そこは幹事長である。いくらバテバテのゲロゲロとは言え、無様な姿をさらす訳にはいかない。
もう、あり得ないくらいの根性を振り絞って、なんとか、そこそこのタイムで帰ってきた。

(カッパ)「どうや、みんな!結構、速く帰ってきただろ!
       って、あれ?誰もおらんがなーっ!」


せっかく必死で走ってきたのに、タスキを渡す次のランナーが見あたらない。みんな、僕がボロボロになって帰ってくるだろうと高をくくって、のんびりくつろいでいたのだ。
全力を使い果たしたのに加え、みんなから見捨てられた精神的ショックから、そのまま倒れ込んでしまったカッパであった。
即死状態のカッパから最後のタスキを受け取ったのは、アンカーのサル1号だ。

(ブタ)「ほんまにサル1号は元気があるなあ」
(ウマ)「元気が有り余って持てあましてるんでしょうねえ」
(カッパ)「て言うか、元気が服を着ているようなもんやわな。
      アインシュタインによって発見された物質とエネルギーの等価式 E = mc2 みたいなやっちゃな」
(サル1号)「私は原子エネルギーで動いてるんですかっ!」


3周目にもかかわらずサル1号は快調に飛ばして帰ってきた。飛ばしすぎて、子馬まで蹴散らしてしまったので、子馬が泣いてうるさい。

(子馬2号)「ふえ〜ん。おサルに負けたあ〜。えーんえーん」

泣きやまない子馬のご機嫌を取るために、最後のビクトリーランでは、子馬2匹を中心にしてあげる。

(クマ)「なんて言いながら、みんな、相変わらず、我先にゴールしてますなあ。子馬が引きずられてますよ
(カッパ)「あれ?サル2号の姿が見えないぞ?」
(ウマ)「ほんまや。去年は顔は見えなかったけど、体は写ってましたよねえ」
(タイガー)「あっ、ここや。ここ。ペンギンのすぐ左に手が一本だけ見えてますっ!」
(カッパ)「うわっ、ほんまや。お前、まさか、わざと隠れたな!?」
(サル2号)「うっきぃ。だって恥ずかしいんだもーん」


最後まで恥ずかしかったサル2号でした。

(ウマ)「今年のタイムは3時間34分28秒ですねえ。昨年よりだいぶ落ちましたよ」
(カッパ)「今年はウォーミングアップをしなかったのが敗因やなあ。
      みんな去年よりタイムが落ちたんとちゃうか?」
(ブタ)「そんな中にあって、僕だけが今年は快走しましたよねっ!」
(カッパ)「ふむ。そうやなあ。あれっ?でも、去年の記録と比べると、こらーっ、お前も平均タイムが落ちとるぞーっ!」


ブタだけは去年より速かったと思ったのは勘違いでした。何のことはない、みんな揃ってタイムが落ちてました。
(ブタ)「でもでも、よく見て下さいよっ!僕だけ落ち方が少ないっ!」

今回の同盟チーム「あおぞらペンギンズ」には、かろうじて勝ちましたが、「ひとな」さんのチームには惨敗しました。

(ウマ)「でも、そのおかげで、ゴール写真を、ひとなさんに撮ってもらえたんですよね」

ありがとうございました。

(カッパ)「いよいよ2月6日には、本格的レースの幕開けである丸亀マラソンじゃ。よい子のみんなは出るよな?」
(ウマ)「もちろんですよっ」
(クマ)「まかせて下さいっ!」
(カッパ)「ブタ君も、もちろんやわなあ」
(ブタ)「あ、は、はい。もちろんです・・・」
(カッパ)「まさか、もちろん5kmの部に出る、なんてのじゃなかろうな?」
(ブタ)「は、はい。その「もちろん」です・・・」
(カッパ)「しかも、まさか、今年は影武者作戦をとることはないじゃろうなあ?」
(カッパ)「は、
はい今年こそは自分で走ります。と思います・・・

今年も向かうところ敵なしのペンギンズの応援をよろしくね。


〜おしまい〜




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