第26回 瀬戸内海タートルマラソン大会
2005年11月27日(日)、小豆島において恒例の第26回瀬戸内海タートルマラソン全国大会が開催されました。
僕はこのレースが大好きで、10年前から、ほぼ毎年出ている。昔から気軽にフルマラソンを走れるレースとして高い人気がある大会だが、僕はフルマラソンに出たのは2回で、あとはハーフマラソンに出ている。最近は10kmコースもできたようだ。なぜか、このレースは僕に合っていて、坂が多いにもかかわらず走りやすい。春にある小豆島オリーブマラソンも同じようなコースなんだけど、なぜかそちらはどうも苦手で、タイムは非常に悪いし、いつもバテバテになるのに、この小豆島タートルマラソンはタイムも良いし走り終わってからも余裕が残っている。
なので、他のメンバーにも参加して欲しいレースなんだけど、以前は未熟者を排除するという趣旨から、35歳以上でないと出られないという年齢制限があり、一緒に出てくれるメンバーがあまりいなかった。亀ちゃんは結構、出ていたけど、なぜかペンギンズとは縁を切ろう切ろうとしていたし、酒飲みの竹葉選手は申し込みだけはするんだけど、二日酔いのため、欠場が多いし、隅田大先生にいたっては、なんと引退してしまったし。
7年前の第19回大会では、中山選手(元ダイエー、現ジュビロ)が遂に35歳になったので、しつこく勧誘し、強引に申し込みもしたんだけど、なんと大会当日の朝、寝過ごして船に乗り遅れるという信じられない失態を演じ、あえなく欠場となった。
残るは、F川なきあとの幹事長代理石材店に期待し、ようやく年齢制限をクリアした去年は一緒に走ろうかと思っていたんだけど、去年は同じ日に開催予定だった福知山マラソンに2人一緒に申し込みしてたので、出られなかった。(福知山マラソンは台風のために中止になったんだけど)
で、今年、遂に石材店も一緒に小豆島タートルマラソンに出る運びとなった。
ところーがっ!
(石材店)「幹事長っ!せっかく35年も待って年齢制限に達したと言うのに、
いつの間にか年齢制限が25歳以上になってるじゃないですかっ!」
なんのこっちゃ!今まで待った35年間は何だったんだ?もしかして、参加者が少なくなってきたから年齢制限を撤廃したのか?そもそも、一体何のための年齢制限だったんだ?
まあしかし、とにかく石材店が参加できるようになったのは喜ばしい事だが、2人ではまだ寂しい。そこで7年前に寝過ごした中山選手(元ダイエー、現ジュビロ)を再び強引に誘ってみる。最近は年に1回くらいしかレースに出ない中山選手なので、オリーブマラソンに続く本年2度目のレースに出る事に強い抵抗を示していたが、「僕に勝ったら○○やらせてあげるから」という誘惑に負けて出ることになった。
当日は例によって石材店が早々に船着き場に到着し、待っていてくれた。一方、中山選手は出船ギリギリまで現れない。
(幹事長)「もしかして、今度も寝過ごしか?」
(石材店)「いや、最初から偽装遅刻の確信犯じゃないですか?姉歯ってるんですよ!
7年前の遅刻も、きっとそうだったんですよっ!」
なんて噂していたら、ようやく滑り込んできた。
(幹事長)「いやあ嬉しい。本当に来てくれるとは思わなんだぞ」
(中山)「ほんとに○○やらせてくれるんでしょうねっ!?」
何にしても中山選手が参加してくれるのは非常に嬉しい。なぜなら石材店は速すぎて僕のライバルにならないからだ。宮武支部長やピッグ増田と並んで中山選手は僕の良きライバルであり、レースのたびに勝ったり負けたりだ。
(中山)「今春の小豆島オリーブマラソンでは僕の圧勝でしたね」
(幹事長)「7年前の塩江山岳マラソンでビリから5番目になったのを忘れた訳ではあるまいのう?」
(中山)「ところで、ここのコースって、どんなんですか?」
(幹事長)「小豆島の北岸の海岸線を走る気持ちの良いコースじゃ。ハーフマラソンなら、片道に峠が4つずつあるから往復で計8つある。
まあ君が得意とするオリーブマラソンと同じようなものやな。楽勝じゃよ」
と、取りあえずは中山選手を油断させておく作戦。本当は、塩江マラソンのような完全な山岳マラソンとは違い、小豆島の海岸線を走る気持ちの良いコースなので誤魔化されがちだが、実は全体の1/3くらいは坂であり、結構、きついコースなのだ。
(中山)「初めてのコースって、プレッシャーがありますねえ。目標タイムはどうなんですか?」
(幹事長)「取りあえず2時間を目標としたいな」
(中山)「僕は完璧に練習ゼロなので、完走できるかどうかも不安ですねえ」
なんて言ってるけど、春のオリーブマラソンでは僕に圧勝した中山選手なので、決して油断してはならない。
船の中で、なんと佐伯先輩に会う。佐伯先輩は、今から20年以上も前、秘書部の美女軍団を餌に僕をマラソンの世界へ引き込んだ張本人ですが、昨年、体調を崩し、9月の屋島一周クォーターマラソンで復帰したばかりです。
(幹事長)「もう体は大丈夫なんですか?」
(佐伯)「身体を壊してから、食事に気を付けるようになったんで、かえって体調が良くなったんよ。
去年までは体重オーバーで走ったら膝が痛かったけど、今は身体が楽になったなあ」
(幹事長)「まさかフルマラソン走るんじゃないでしょうね?」
(佐伯)「屋島のクォーターマラソンに続き、今回はハーフマラソンだけど、これで調子が良ければ来年はフルマラソンを走るよ」
5年前のこの小豆島タートルマラソンは、佐伯先輩に誘われて一緒にフルマラソンを走り、僕は完敗してしまったのだけど、ほんとにまあ、不死身というか不死鳥というか、すごい先輩です。
船から降りて会場へ急ぎ、なんとかギリギリで受付を済ませる。
(石材店)「もっと早い船で来るべきじゃなかったんですか?」
(幹事長)「これより早い船だと中山選手が堂々とサボってしまうぞ」
僕なんかは、時間があっても、ただボケーっとして持てあますだけなのでギリギリに来る方が良いんだけど、よい子の石材店はウォーミングアップの時間が欲しかったようだ。
(幹事長)「以前はもっと早い便で来ていたんだけど、それだと大勢のランナーが乗ってて、すごく混んでるのよ。
このギリギリの便だと空いてるやろ?」
(石材店)「て言うか、普通のランナーは早い便で来るってことですよ」
今日の天気予報は実は微妙だった。一つ間違えると大雨の可能性もあるし、晴れの可能性もあるような、実にいい加減な天気予報だった。高松から船が出航した時は、かなり怪しい空模様だった。ところが小豆島に着くと、ちょうど上空に雲の切れ目があり、お日様が出たり入ったりで、絶好のマラソン日和だ。僕がこのレースを好きな一番大きな理由が、この天候だ。本当に不思議だけど、毎年、良い天気で、暑くもなく寒くもない絶好のマラソン日和が続くのだ。後で聞くと、高松は大雨が降ったそうだ。本当に不思議な天気だ。
初出場に張り切る2人 (だが、その結果は明暗を分ける)
スタートは速い人が前方に並ぶ。石材店は実際に速いし、タイムも狙っているので前方からスタートした。僕と中山選手は真ん中あたりからスタートした。これまで、このレースは大好きだし、独りで出る事が多かったので、気楽にタイムを狙って楽しく走ってきたけど、今回は好敵手がいるので、かなり緊張度が高い。しかも、中山選手には春は完敗したが、その後は、僕が四国カルスト高原マラソンは屋島一周クォーターマラソンに出てコンディションを維持しているのに対し、中山選手はほとんどトレーニングをしていないはずなので、勝つか負けるか予想ができない。どきどきどき。
まずはマイペースで走り出したが、割と体調が良さそうなので、最初から中山選手を引き離す作戦に出る。僕としては、ちょっと無理して序盤からハイペースで飛ばす。たぶん、中山選手は着いて来られまい。と思ったんだけど、だいぶ行った所で彼が突然、話しかけてくる。げげげっ。こやつ、ずっとピッタリ着いてきていたのかっ!しかも、ジワジワと僕の前方に踊り出し、逆に僕が着いていく立場になってしまった。ここで引き離されたら春の二の舞になってしまうので、かなり無理して着いていったが、これ以上ここで無理したら後半で潰れてしまう、と思って、追走を諦める。中山選手の後ろ姿はみるみるうちに遠ざかり、早々と勝負が付いてしまったように思われた。
ところが、往路の3番目の坂の辺りで、中山選手の後ろ姿が再び見えてきた。これは一体どういうことだ?
(中山)「結構、坂がありますねえ、ゼイゼイ・・・」
彼は初出場なので、どれくらいの坂がどこにあるのか、と言ったコース状況を把握してないので、ペース配分を誤ったようだ。こんなラッキーな展開は、実は密かに期待していたが、こんなに早く実現するとは思ってなかったので、ここで一気に勝負に出る。圧倒的なスピードを見せつけて彼のやる気を失わせる作戦だ。僕の方は全然ペースが落ちず、かなり快調だ。
折り返し点で確認すると、まあまあの差が着いている。これなら勝利は間違いない。少しずつペースは落ち気味だが、それでも実に軽やかな足取りで駆け続けている。これなら大会自己ベストも期待できるかも。
なーんて勝手に期待していたら、なんとっ!復路の3つ目の坂で突然、中山選手が僕を抜いた。あまりに突然の出現に呆然としてしまう。一体どこに余力が残っていたのか?中山選手に対する勝利を勝手に確信してしまい、緊張感が無くなってしまったため、ダラダラとペースが落ちていったのかもしれない。ここで抜かれては逆転は難しい。もう作戦もクソも無い。気合いを入れ直し、必死で抜き返し、後ろを見ずにひたすらペースアップする。
その後も、いつまた逆襲されるか不安で不安で心臓に悪いレース展開となった。この無理なペース配分がたたり、終盤では一気にペースが落ちてしまったが、なんとか再逆転を許さずにゴールできた。タイムは一昨年のタイムに14秒およばず大会自己ベスト更新はならなかったが、まあまあ満足のタイムだ。
圧倒的な余力を残して復活優勝をとげる幹事長
初出場の石材店も、このレースが合っているようで、たくさん坂があるにもかかわらず坂の無い丸亀マラソンに匹敵する好タイムでゴールしていた。すごいっ!
一方、中山選手は、と言えば、あんなに死闘を演じた割には、いつまで経っても帰ってこない。まさか無理がたたってリタイヤかも、なんて心配し始めた頃、ようやく帰ってきた。
(幹事長)「最後の最後で、えらく遅れたなあ」
(中山)「最後に抜き返されてしまった時、一気に力が尽きてしまい、あの後は上り坂では歩いたし、もうボロボロ」
(幹事長)「僕に勝とうと無理するからだよ。まだまだ未熟だねえ」
やっぱりペース配分は難しいですねえ。
走り終わった後は、美味しいそうめんを頂く。香川県のマラソン大会ではうどんが欠かせないが、そうめんの産地の小豆島では、レースの後はそうめんだ。春のオリーブマラソンの時は氷の入った冷たーいそうめんが美味しいし、このタートルマラソンは熱いそうめんが体を温めてくれる。ついつい食べ過ぎてしまうと、弁当が食べられなくなるのでセーブする。
お腹がいっぱいになったところで、今度は疲れた体を癒す温泉だ。塩江マラソンのように色んな温泉は無いけど、港の近くの温泉にゆっくり入ると疲れが溶けていく感じ。
ところで、天気も良かったうえに、温泉で暖まったので暑くなり、そのまま薄着して船に乗り込み、熟睡して帰ってきたもんだから、風邪を引いてしまいました。鳥インフルエンザじゃなかったので高熱は出なかったけど、結構しつこく、その後、1ヶ月ほど走ることも出来ませんでした。特に12月に入っては、すごい寒波で、風邪が悪化するといけないので外出は控えてました。そのため、ほとんどトレーニングができてなくて、新年早々の満濃リレーマラソンや2月の丸亀マラソンは、出場することだけに意義を見いだすこととなりました。
(中山)「えらく長々と言い訳してますけど、みんなの広場に「スノボーに行ってきた」って嬉しそうに書いてますよねえ。
走るのは無理だけど、寒い中を滑るのは良いって訳ですかい?」
(石材店)「それに、なんですか、この記事掲載の遅さは?もう新年に入ってますよっ!満濃リレーマラソンは来週ですよっ!」
〜おしまい〜
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