野宿遍路の記録

足あと(愛媛・香川編)

足あと(徳島・高知編)   高野山編
22日目 10月30日(金) 野宿時の服装
     40番観自在寺
23日目 10月31日(土) キャリーカート、2世と交代
      宇和島市針木から宇和島市三間
24日目 11月1日(日) 高知での修行が足りなかったのかな
      41番龍光寺から43番明石寺
25日目 11月2日(月) 西予市宇和町の「松屋旅館」
      西予市宇和町から内子町
26日目 11月3日(火) まだまだ甘い地図の読みに反省
      44番大宝寺
27日目 11月4日(水) 同宿者と情報交換
      45番岩屋寺から47番八坂寺
28日目 11月5日(木) 松山市内を通過
      48番西林寺から53番円明寺
29日目 11月6日(金) 通夜堂とお寺の心
      54番延命寺から56番泰山寺
30日目 11月7日(土) へんろ地図のこと
      57番栄福寺から59番国分寺
31日目 11月8日(日) 横峰寺
      60番横峰寺から64番前神寺
32日目 11月9日(月) へんろ宿「今昔庵」
      西条市から四国中央市土居
33日目 11月10日(火) 「菩提の道場」終了
      65番三角寺
34日目 11月11日(水) ふるさと香川は、雨で歓迎
      66番雲辺寺から69番観音寺
35日目 11月12日(木) コンビニと野宿遍路
      70番本山寺から75番善通寺
36日目 11月13日(金) 先が見えてきた
      76番金倉寺から80番国分寺
37日目 11月14日(土) 五色台、屋島は禁断の方法を使用
      81番白峰寺から83番一宮寺
38日目 11月15日(日) あと1日で結願
      84番屋島寺から86番志度寺
39日目 11月16日(月) 赤絨毯を踏みしめ結願
      87番長尾寺から88番大窪寺
40日目 11月17日(火) お礼参り
     
1番霊山寺

22日目 10月30日(金) 野宿時の服装
     40番観自在寺

今日歩いた距離
(Km)
31.0 今までに歩いた距離
(Km)
689.3
今日使ったお金 2,230 今までに使ったお金 88,605
今日受けたお接待 城辺の「おっとろしや産直市」で店のおじさんからみかん5個
食事
今晩の宿
感じたことなど 宿所6時出発、宿到着15時40分
今日は、ずっと国道56号を歩いた。本来の遍路道は山の峠越えがあるが、カートを引けないため割り切ってすべて国道を進む。
須の川の休憩所で野宿するつもりだったが、時間も早いしもう少し先に進みたいとそこにいたおじさんに聞くと、少し先に休憩所があるとのことで先に進む。休憩所の横にゲートポール場があり、そこのおじさんに寝てもいいかと聞くと、便所の横に休憩室があるからそこで寝てもいいとのこと。なんと新築の個室で電気まである。思いがけず、ラッキーだった。風さらしの中で寝るのを覚悟していたが、今夜は暖かく寝られそう。
私の野宿時のスタイルは、ビニルシートの上に断熱マット、ゴアテックスの寝袋カバー、そして羽毛の寝袋(0℃位までいけて一番軽いのを購入)、足下はバッチ、ステテコ、日中はいているズボン、そしてカイロ、上は、ロビロンの長袖肌着、フリースのシャツ、旅行用の空気枕、これらはフル装備で暖かさにより随時省略している。今まではこれで寒くなかったが、これから寒くなってくると肩周辺と首回りの寒さ対策が必要になってくるかもしれない。
40番観自在寺

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23日目 10月31日(土) キャリーカート、2世と交代
     
宇和島市針木から宇和島市三間

今日歩いた距離
(Km)
35.1 今までに歩いた距離
(Km)
724.4
今日使ったお金 1,910 今までに使ったお金 90,515
今日受けたお接待 嵐坂と松尾トンネル口休憩所にてみかんを自由にと箱ごと置いてあった。(瀬戸内ライン工業提供)
食事
昼食は宇和島の牛鬼定食
今晩の宿 道の駅「みま」の通路
感じたことなど 宿所5時55分出発、宿到着16時0分
今日も、国道56号を歩いた。途中松尾トンネル1,710mがあり、遍路道はこのトンネルを避けて山越えをするが、私はカートを引いているため強行突破。エンジン音と排気ガスであまりいいものではない。歩道があるためあまり怖さは感じないが、約20分強の辛抱で外に出た時、空気のおいしさをしみじみ感じた。長いトンネルになると車のエンジン音より換気ファンの音の方が格段に大きいことがわかった。
約700Km連れ添ったカートのタイヤが摩耗し、軸受けもすり減ってきていたので、新しいカートを松で購入し、妻と娘に持ってきてもらった。遠いところをありがたいと思っている。ついでに寝る時の寒さ対策にヘッドウォーマ、ネックウォーマとヤッケを持ってきてもらった。
愛媛県も最初は、寺社間の距離が遠いことがよくわかった。

キャリーカート交代  カタツムリさんそんなに角とやりと目玉を出してどこへ行くの

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24日目 11月1日(日) 高知での修行が足りなかったのかな
     
41番龍光寺から43番明石寺

今日歩いた距離
(Km)
26.7 今までに歩いた距離
(Km)
751.1
今日使ったお金 8,805 今までに使ったお金 99,320
今日受けたお接待 なし
食事
朝食はおむすびとパン、昼食は揚げたてのジャコ天とばら寿司、夕食には吸い物が付く
今晩の宿
感じたことなど 宿所6時0分出発、宿到着15時0分 1日中雨
昨日の宇和島から三間までもずっと登りばかりの道だったが、今日も42番佛木寺から歯長峠まで登りの道で雨の中カートを引いて厳しかった。峠からの下りも同じである。遍路道はショートカットがあるが足に負担をかけたくないため車道を歩く。遍路地図では峠の姿が見えないため想定外で余分に疲れてしまった。実際はもっと先まで行きたかったが雨の中その元気はなかった。
伊予の国は「菩提の道場」と呼ばれているため少しは楽かと思ったが、高知と代わらない。修行そのものだ。45番岩屋寺を過ぎるまではこの状態が続きそうだ。高知だけでの修行ではまだ不足と弘法大師は思われたのか。
今日泊まっている「松屋旅館」は当たりであった。200年続いている老舗らしい。仲居さんに躾が行き届いていて、おもてなしがいい。洗濯物を乾燥機に入れて忘れていたらたたんで持ってきてくれるなど、こちらの身になって接遇してくれる。料理も板前の料理である。料金は1泊2食付き税込み7,875円で一般の遍路宿より若干高いだけである。老舗の値打ちはあると思った。

左から41番龍光寺、42番佛木寺、43番明石寺

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25日目 11月2日(月) 西予市宇和町の「松屋旅館」
     
西予市宇和町から内子町

今日歩いた距離
(Km)
40.1 今までに歩いた距離
(Km)
791.2
今日使ったお金 1,710 今までに使ったお金 101,030
今日受けたお接待 国道沿いのプレハブの無人休憩所で、飴と飲み物が置いてあった。(ブリッジカンパニー提供)
食事
今晩の宿 内子町のへんろ無料宿
感じたことなど 宿所7時5分出発、宿到着16時40分、曇りで1日中強風が吹いていた。
きょうは、国道56号をまっしぐら、内子町で県道379号に入り宿所まで、カートを引いていると国道は平坦で歩きやすい。昨日とは雲泥の差。1,100m余の鳥坂トンネルには歩道がない。そのため国土交通省で出入り口に反射テープを置き、自由に貸してくれ使用出来るようにしている。こう言うのは非常にありがたい。
1日中強風だったが、菅笠が風にあおられて困った。菅笠は、雨には強いが、風には弱いことがよくわかった。
昨日宿泊した松屋旅館だが、私は、駐車場側の裏口から入ったようだ。今日朝表から出て玄関を見ると、今まで宿泊した著名人の名前が掲げられており、改めて二百数年続く伝統のある旅館であることを知った。
ここのもうひとつの特徴が漬け物だそうだ。江戸時代より「ぬか床」が長い間生き続けており、全国ネットのテレビに何度も出たとのこと。私は何にも知らずに遍路の本に載っていたから電話して泊まっただけのこと。食事に出てきた漬け物の味だが、私にはよくわからない、ただ何となく丸みのある優しい味のような気はした。
朝起きると、昨日の雨で濡れた靴を新聞紙で養生して早く乾くようにしてくれていた。私はなにも頼んでいないのに。本当にいい旅館だと思った。
興味ある方は、ホームページをのぞいてみては、http://www.shikoku.ne.jp/matsuya/

松屋旅館玄関口

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26日目 11月3日(火) まだまだ甘い地図の読みに反省
     
44番大宝寺

今日歩いた距離
(Km)
44.4 今までに歩いた距離
(Km)
835.6
今日使ったお金 7,220 今までに使ったお金 108,250
今日受けたお接待 無人休憩所で柿1個
なみへい食品さんに呼び止められ餅2個
対向車から降りてきて、お菓子1袋
食事
今晩の宿 国民宿舎「古岩屋荘」
感じたことなど  宿所5時出発、宿到着17時 寒波到来か非常に冷たい1日だった。
 今日は距離が長いため出来るだけ早く着こうと5時に出発。国道379号と県道42号をひたすら歩く。途中2ヶ所の峠あり。紅葉も大分見頃になってきた。
 早朝約1時間ほど懐中電灯を点けて歩くが手がかじかんで感覚がなくなってしまった。昼過ぎ大宝寺では雪が残っていたので、冷たいのも当たり前と納得した。
 予定では6時に出発するつもりであったが、早く目が覚めたのと、距離が長いため出来るだけ早く着きたいと5時に出発したが、正解だった。遍路地図を見ると約40Km弱のため4時には着くだろうと考えていたが、結局5時になった。峠が2ヶ所あったのと、遍路地図の距離は遍路道を通った場合で、私は例のごとく車道をすべて歩いたため、距離と時間が余分にかかった。地図上ではたいしたことないだろうと甘く考え、峠とか、遍路道をあまり考慮しなかったためである。時間的に余裕がある場合は、それでよいが、長距離、長時間の場合は詳細に検討する必要があった。反省点である。
 車道を歩いていると対向車が止まり、「お遍路さん」と運転手がよってきて、お接待ですと菓子袋をくれた。そこで相手をよく見ると、徳島で一緒の宿に泊まり、燒山寺で「区切り打ちで今から広島に帰る」と行って別かれた末盛さんだった。石鎚山へ紅葉を見に行って帰りとのこと。このホームページも見てくれているとのことだった。
 10月21日に書いた福岡の松本さんもそうだが、お遍路してお接待を受けたから、今度は自分がお返しをするということで、あらかじめお菓子袋を用意して、歩きのお遍路さんを見たらお接待をしているのだろうと思った。このようにお接待を通じて善意の輪が広がっていく。なんとすばらしいことではないだろうか。次は私の番か!!
左から44番大宝寺 大宝寺に残っていた雪

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27日目 11月4日(水) 同宿者と情報交換
     
45番岩屋寺から47番八坂寺

今日歩いた距離
(Km)
33.3 今までに歩いた距離
(Km)
868.9
今日使ったお金 730 今までに使ったお金 108,980
今日受けたお接待 なし
食事
昼はパン1個
今晩の宿 八坂寺の通夜堂
感じたことなど 宿所6時45分出発、宿到着16時35分 晴れで、寒さも大分弱まってきた。
荷物を国民宿舎に預け、朝一番で岩屋寺に詣り、国民宿舎まで引き返えす。今日は国道33号まで返り、三坂峠を下って松山入りだが、高野峠越えの遍路道を通る。近いかと思っていたがそうでもなかった。八坂寺の通夜堂に泊めてもらおうと思っていたため、17時までに入る必要がありかなりあせって歩いた。
通夜堂の宿泊者は私を含めて3名。1名は、10月初めに出発して事前に各お寺の情報を集め、それを確認しながらゆっくり歩いているようで、もう1名は、番外も含めて逆回りで歩いており、この人もゆっくりと8月に大窪寺を出発して3ヶ月の日数をかけて今松山を歩いている。二人ともコンロ等を持ち、荷物はかなり重い。逆回りの人は、これから私が行くコースを通ってきているため、今後の野宿地情報を詳しく教えてもらった。他の人と一緒に泊まるといろいろな情報が聞け、参考になると同時におもしろい話も聞ける。
八坂寺の通夜堂は設備が整っている。冷蔵庫に電子レンジ、エアコンまである。宿泊を申し込んだ時、お接待としてお菓子もくれた。お遍路に理解があるお寺だ。

左から45番岩屋寺、46番浄瑠璃寺、47番八坂寺

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28日目 11月5日(木) 松山市内を通過
     
48番西林寺から53番円明寺

今日歩いた距離
(Km)
30.0 今までに歩いた距離
(Km)
898.9
今日使ったお金 3,080 今までに使ったお金 112,060
今日受けたお接待 男の人から、封筒に入った現金千円
食事
今晩の宿 堀江の公園
感じたことなど 宿所6時45分出発、宿到着18時 薄曇りの後、晴れ
松山市内のお寺を順次廻る。ほぼ平坦の車道ばかり、市内中心部は終了した。
西林寺を出たところで、男の人が、お遍路さんですかと声をかけてきて、そうですと答えるとお接待と書いた封筒を鞄の中から出してきて、お接待です。がんばって下さいと差し出してきた。うれしくいただいたが本格的にお金をもらったのは初めてである。中には千円札が一枚は入っていた。お接待をするのに慣れたような手つきではなく、おどおどした様子だった。もらったあと、なぜお接待をしてくれたのだろうか、何か事情があるのだろうかと考えた。これがおばあさんなら、私の後ろに付いている弘法大師にしてくれたのだなと思うのだが。なおこのお金は、石手寺で、世界の恵まれない子供に寄付を募っていたので、そこへ寄付をした。
石手寺で、菊花灌頂祭をやっていて、福徳授与灌頂を無料で受け、石手寺の5仏の色を表す、5色玉ガ入った念珠をもらった。
52番太山寺手前で道を間違い、山道に入ってしまった。途中で気がつき引き返したのはよいが、遍路地図を落としたことにお寺で納経が済んで気づき、慌てた。貴重な野宿のデーターを記入しているため、なければ遍路を続けることが困難になる。幸い引き返して探して見つけることが出来た。そのおかげで、次のお寺の納経時間にぎりぎりとなり必死で歩き何とか間に合った。間に合わなければ今後の予定が狂ってしまう。朝は近いお寺ばかりだとのんびりしたが、最後にバタバタしてしまった。


左から、48番西林寺、49番浄土寺、50番繁多寺、51番石手寺、52番太山寺、53番円明寺

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29日目 11月6日(金) 通夜堂とお寺の心
     
54番延命寺から56番泰山寺

今日歩いた距離
(Km)
43.1 今までに歩いた距離
(Km)
942.0
今日使ったお金 1,415 今までに使ったお金 113,475
今日受けたお接待 無人の個人休憩所でお茶
車が止まり、私も経験者です、がんばってと、用意してあった手作りの菓子袋
みかん店の人がみかん2個
食事
今晩の宿 56番泰山寺の通夜堂内部(2段ベット)
感じたことなど 宿所5時25分出発、宿到着16時30分 晴れの良い天気
松山から今治に向かう196号をひたすら歩く。ほぼ平地で、歩道がほとんど付いている。但し側溝のふたの歩道も多い。
今日は泰山寺の通夜堂に泊まる予定のため、約40Km歩かねばならず、5時過ぎに出発、17時までに着かないと泊まれないため、ひたすら歩き何とか間に合った。
今日も同宿者が1名いた。荷物2個とカートを引いて出発したが、荷物が重すぎて足をくじき、交通機関を利用して野宿で廻っており、荷物は送り返し、軽くしているとのこと。
通夜堂のあるお寺と無いお寺がある。通夜堂と入ってもプレハブとかでわざわざ別に建てているものが多い。泰山寺はトイレの建物の一角を通夜堂としている。又内部もいろいろで建物だけのところがあり、エアコン、洗濯機まで備えているところもある。
どちらにしても野宿遍路にはありがたい存在である。
通夜堂を作っているお寺は、それなりに野宿遍路に対して理解があるのだろう。中には、宿坊も経営しているが、通夜堂利用者だけに温泉を利用させるお寺もある。野宿遍路を一般遍路より優遇しているのである。逆に野宿遍路を嫌うお寺もある。通夜堂の有無にお寺の考え方の一部が現れているように思う。(お寺独自の事情があり通夜堂がないから野宿遍路に理解がないとはいえない。ただ少なくとも通夜堂があるお寺は理解があるように思う)

左から、54番延命寺、55番南光坊、56番泰山寺

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30日目 11月7日(土)  へんろ地図のこと
     
57番栄福寺から59番国分寺

今日歩いた距離
(Km)
37.0 今までに歩いた距離
(Km)
979.0
今日使ったお金 9,945 今までに使ったお金 123,420
今日受けたお接待 なし
食事
今晩の宿 湯の里小町温泉 しこくや(リンリンパーク)
感じたことなど 宿所6時出発、宿到着16時15分 晴れの良い天気で日中は暑かった。
今治市内を抜け、西条市に入り国道11号線まで来た。仙遊寺は山の上でかなりの登りであった。
地図上では32〜33Kmの距離だが、実際は37Km程あった。今日もかなりな距離の歩行となった。国道11号線に出て気分的にはかなりうれしい気持ちである。国道11号線は自宅近くからここまで続いているため。
へんろ地図だが、私が今持ってきているのは、「へんろみち保存協力会編」の「四国遍路ひとり歩き同行二人」の地図編である。この地図が歩き遍路のバイブル的存在になっていると思われる。直接通販で購入するか、お寺にあるところもあるし、遍路用品店においてある。
非常に良くできた本で、内容が細かく、この地図通りに歩いて行けば問題なく行ける内容となっている。又、コンビニとか休憩所、トイレ等の位置が書かれてあり、遍路宿などの名前、電話番号等も記載されており、至れり尽くせりである。
実際にこの本を使ってみての感想は、細かすぎて大きなところがわからない。たとえば、全体的な位置の中でどの辺の場所なのかがわかりにくい。だから一歩へんろ道と違う道を行けば、正規な位置に戻るのがわかりにくい。縮尺、方角を場所により変えているため勘違いしやすい、高さの表示はあるが高低差がわかりにくいなどの点が気になった。いろいろなことを考慮して、最良として今の地図が出来たのだろうとは思うが。
この地図を使用する場合は、もう1種類全体的な位置関係がわかる地図を持っておればより使いやすくなると感じた。

左から57番栄福寺、58番仙遊寺、59番国分寺

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31日目 11月8日(日)  横峰寺
     
60番横峰寺から64番前神寺

今日歩いた距離
(Km)
32.0 今までに歩いた距離
(Km)
1011.0
今日使ったお金 1,555 今までに使ったお金 124,975
今日受けたお接待 なし
食事
今晩の宿 JR石鎚山駅
感じたことなど 宿所5時50分出発、宿到着16時5分 晴れのいい天気、そんなに暑くはなかった。
朝一番で横峰に登り、同じ道を国道まで帰る。国道からは、道に沿って4つのお寺が並んでいる。私は、国道横のファミリーマートに荷物を預け、荷を軽くして横峰寺にお参りした。往復5時間30分ぐらいだった。通常は横峰から東側の山道を下り、61番香園寺に下りてくる人が多い。どちらの道も途中に休憩所があり、そこで野宿可能となっている。
横峰は山の上の寺で、昔は難所と言われていたらしいが、今は車道がついてお参りしやすくなっている。歩く道についても登山口までは広く立派な道になっている。国道から約2時間で登り口、そこから1時間前後でお寺に着く。若い頃自転車で廻った時一度同じ道を登ったが、昔に比べ山道も整備されているように思う。
JR石鎚山駅でパソコンの入力をしていると、地区の防犯連絡員という人が散歩がてら見回りに来て、2日に一度ぐらいは誰かが泊まっていると言っていた。又、警察も定期的に見回りに来ているとのこと。堀江の公園に泊まった時も地区の人、数人が見回りに来ていた。こうして見回りに来てくれると泊まる人は安心できる。「泊まってはいけない」と言わないところがミソで、これも四国ならではの、お遍路文化が浸透している証だろうか。

左から、60番横峰寺、62番宝寿寺、63番吉祥寺、64前神寺、61番香園寺は鉄筋コンクリートでなし

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32日目 11月9日(月)  へんろ宿「今昔庵」
     
西条市から四国中央市土居

今日歩いた距離
(Km)
30.9 今までに歩いた距離
(Km)
1041.9
今日使ったお金 2,610 今までに使ったお金 127,585
今日受けたお接待 休憩所萩生庵でお茶とふかし芋
元会社の友達が歩行場所を探してきて、昼食とお菓子、餅、みかん等
食事 朝食はなか卯の鮭定食
今晩の宿 今昔庵
感じたことなど 宿所5時50分出発、宿到着15時35分 曇りの泣き出しそうな天気
今日は、西条市から四国中央市土居駅前までの国道11号線に沿った歩行。途中萩生庵という善根宿を兼ねた休憩所で44回目の坂口さんに又あった。萩生庵に2〜3日逗留するという。今日は延命寺の東屋に泊まる予定であったが、坂口さんに今昔庵を勧められそこに泊まることにした。
途中、元会社の友達が近くに来たからと、歩いている私を探してきて、昼食とお菓子等をお接待してくれた。ありがたいことだ。
今昔庵は、今川秀二さんがお遍路さんの役に立ちたいと開いているへんろ宿である。
今川さんは、152回廻っており、最初はガンの奥さんと一緒に廻り、奥さんが亡くなってからは奥さんのために50回、その後自分のために50回、100回以後は、あるお寺の住職に人のために廻りなさいと言われ、人のためには何が出来るかを考えた結果、自分が遍路中に多くの人に助けらたので、困っていろお遍路の役に立ちたいと、へんろ宿を開いたとのこと。宿泊代はゼロで寄付として2000円までの金額なら受け取るとのこと。もちろん1泊2食ついてである。もちろん今も暇を見つけ遍路に廻っているそうである。
新聞記事と今川さんの錦のお札

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33日目 11月10日(火)  「菩提の道場」終了
     
65番三角寺

今日歩いた距離
(Km)
35.0 今までに歩いた距離
(Km)
1076.9
今日使ったお金 6,590 今までに使ったお金 134,175
今日受けたお接待 ロータリークラブが設置している、横川無人休憩所でみかん
食事
今晩の宿
感じたことなど 宿所6時出発、宿到着15時15分、昼前から雨 愛媛県内の距離合計422Km
三角寺へは、旧国道を歩き、伊予三島から登りにかかる。標高約500mで、車道は蛇行しているためカートを担ぎ上げる覚悟でいたが、みかん畑があり舗装されていたためそのままカートを引く。ところがそんなに甘くはなかった。かなり登ったところで山道になったが、残りの距離がわからず、もう少しだろうと思いつつ、無理矢理カートを引っ張ったり、抱えたり、結局苦労してお寺まで行ったが、かなりの距離悪戦苦闘した。三角寺からはきれいに舗装された車道を徐々に下り、国道192号に合流、ここから境目トンネルまでは緩やかな登りであった。トンネル内がこれまた歩道が狭く、ひやひやしながら通行する。
愛媛県のお寺が終了したが、伊予の国は「菩提の道場」と言われている。菩提とは、辞書には、「煩悩を断ち切って、悟りの境地に達すること」とある。私はどうか!まだまだ煩悩だらけである。もういっぺん伊予の国を廻る必要がありそうだ。だが今は無理、次の機会で許してもらおう。
今日の宿は民宿「岡田」、昨晩今昔庵で、提携していて安く、車で送り迎えしてくれるから、阿波池田の別な宿に泊まれと勧められたが、たとえ宿に行くにも車には乗らないとのこだわりでここに決めた。正解であった。多分お遍路しか泊まらないのだろうが、お遍路を親身になって世話してくれるお遍路宿である。雨で濡れた衣類等の処置、明日のコースの詳細な説明、又道中は店がないから昼食のおにぎりをお接待してくれるという。旅館・民宿は当たり外れがあるようだ。
65番三角寺(お参りの途中から雨が降り出し、レンズが曇っている))

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34日目 11月11日(水)  ふるさと香川は、雨で歓迎
     
66番雲辺寺から69番観音寺

今日歩いた距離
(Km)
33.4 今までに歩いた距離
(Km)
1,110.3
今日使ったお金 940 今までに使ったお金 135,115
今日受けたお接待 なし
食事
今晩の宿 本山寺近くのゲートボール場
感じたことなど 宿所6時30分出発、宿到着17時15分、1日中雨で夕方になってやむ。
昨日からの雨がずっと降り続き、雨の中雲辺寺の山道を登る。今日は、山道がわかっていたので、最初からすべての荷物を背負う。やはり重い。特に下りは滑らないようにと、足を壊さないように気をつけて歩く。
今まで割と天気が続いていて雨には3〜4回しか降られてなかったが、最後に本格的な雨に降られた。それも香川県1日目の山中で。
今日は吹きさらしのベンチで寝なければならないが、風が非常に強い。寒いかもわからない。

左から66番雲辺寺、67番大興寺、68番~恵院、69番観音寺

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35日目 11月12日(木)  コンビニと野宿遍路
     
70番本山寺から75番善通寺

今日歩いた距離
(Km)
26.7 今までに歩いた距離
(Km)
1137.0
今日使ったお金 2,350 今までに使ったお金 137,465
今日受けたお接待 イチジクを摘んで帰る途中のおばさんが、イチジク5個
弥谷寺前の店で、甘酒を飲んだら、草餅1個くれた
食事
今晩の宿 善通寺市内の善根宿
感じたことなど 宿所7時出発、宿到着16時、曇りの天気
今日は、弥谷寺が山の中腹にあり、出釈迦寺が少し坂を上ったところにある。本山寺から弥谷寺までは12〜3Kmあるがあとの寺は比較的近い。
今日の宿は、善通寺の寺務所で紹介してもらった善根宿である。一軒家を開放して善根宿としている。締め切ったままにするより解放して使ってもらった方が家の傷みが少ないという考えらしい。おじいさんが遍路途中でこの場所が売りに出ていて、即気に入り購入して家を建てたとのことで築80数年経っているがしっかりした造りである。
宿泊者は二人、徳島市の善根宿で一緒になった埼玉県の浦崎さんと又々一緒。
野宿遍路は、食料を全て調達しなければならないが、遍路コースは、適した店がない場所が多い。そんな時にコンビニがあれば、非常に助かる。だいたい何を売っているのかもわかっているため、安心できる。だから必然的にコンビニの場所を確認して食糧計画を立てる。それとゴミの処理に困るが、コンビニがあればゴミ箱が必ずあるのでいつもお世話になっている。遍路地図にもコンビニとかスーパーの場所が記入されている。最近はコンビニが増え主要な箇所にはだいたいあり、無駄に食料を持って歩く必要が無く非常にありがたい。野宿遍路にはコンビニが絶対に必要である。
うどんは昼食として一番安く、うまい。

左から、70番本山寺、71番弥谷寺、72番曼荼羅寺
73番出釈迦寺、74甲山寺、75番善通寺

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36日目 11月13日(金)  先が見えてきた
     
76番金倉寺から80番国分寺

今日歩いた距離
(Km)
34 今までに歩いた距離
(Km)
1,171
今日使ったお金 5,560 今までに使ったお金 143,025
今日受けたお接待 元会社の同僚が金倉寺から道骼宸ワてのカート引きと、みかん、缶コーヒー、お菓子
畑仕事中のおじさんから呼び止められ、みかんを木から摘み取って5個
食事
朝食は、すきやのカレーセット
今晩の宿 民宿あずさ
感じたことなど 宿所5時50分出発、宿到着15時50分、曇りのち晴れ
昨夜半雨が降っており、天気予報も雨の確率が高かったため、雨を覚悟していたが、何とか持ってくれた。このような天気予報のはずれなら大歓迎である。ただ少し冷えだしたのと風が強かった。
今日のお寺は山もなくほぼ平地のお寺ばかりで比較的楽だった。
金倉寺でお参りしていると、見たような顔が突然現れた。元同僚のN氏だった。たまたま今日が休日変更で来てくれたのだった。一緒に道骼宸ワで歩いてくれ、お接待だと言ってカートを引いてくれ、みかん等もいただいた。一人で単調に歩いている身にとってこのようなお接待は非常にありがたい。気分的にやる気がわいてきて、足取りも軽くなる。
妻と娘も孫を連れて民宿に来てくれた。
国分寺を打ち終え、残るお寺は8寺になり、だんだん自宅が近くなってきた。順調にいけばあと3日程で結願出来るようになった。ただ油断は禁物、最後ほど気を引き締めなければいけない。

左上から、76番金倉寺、77番道骼宦A78番郷照寺、79番高照院、
80番国分寺

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37日目 11月14日(土) 五色台、屋島は禁断の方法を使用
     
81番白峰寺から83番一宮寺

今日歩いた距離
(Km)
29 今までに歩いた距離
(Km)
12,000
今日使ったお金 1,150 今までに使ったお金 144,175
今日受けたお接待 五色台の中山休憩所で、他の行事で用意していた甘酒を一杯
飯田の休憩所でお水
食事
朝食は、昨夜の残り(夕食の量が多かった)
今晩の宿 ヘンロ小屋一宮
感じたことなど 宿所5時50分出発、宿到着15時50分、朝から降りそうな天気だったが、持ちこたえ、だんだん良くなって晴れてきた。
今日のお寺は、五色台2寺と平地の寺1寺、五色台は山道がほとんどのため、荷物全てを担ぐ覚悟でいたがあまり乗り気がせず、身体にもあまり負担をかけたくなかった。
何かいい方法はないかと考えていたら、ちょうど昨日妻が宿所に来たため、参拝にいらない荷物を持って帰ってもらい、今日平地に下りたら荷物を持ってきてもらうことにした。そうすると少しは荷が軽くなる。但し、カートに積んでいた納経帳などを新たに背負うことになるので思ったよりは軽くはならなかった。(パソコンは使用するため手元に置いていた)。
明日の屋島は、昼前ぐらいから登りになるため、それまでに荷物を取りに来てもらうことにした。そうするとパソコン等も持って帰ってもらえるため、荷物は参拝に必要なものだけを持てばよくなり、かなり軽くなる。そして夕方宿所に持ってきてもらうが家の近くに泊まる予定のためすぐ持ってこられる。
この方法が使えるのは地元だからと、ちょうど曜日が土日になったためである。

左上から、81番白峰寺、82番根香寺、83番一宮寺
白峰寺の紅葉、根香寺の紅葉

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38日目 11月15日(日)  あと1日で結願
     
84番屋島寺から86番志度寺

今日歩いた距離
(Km)
34 今までに歩いた距離
(Km)
1234
今日使ったお金 1,160 今までに使ったお金 145,335
今日受けたお接待 自転車のおばさんから缶コーヒー
無人の壇ノ浦休憩所でみかん
私の所属している東讃里山ボランティアガイドのMさんから夕食の弁当と朝食用のパン
食事
今晩の宿 JR志度駅の待合室
感じたことなど 宿所5時50分出発、宿到着17時30分(2時間は別の場所で里山の仲間の訪問を受け歓談)、晴れだが風冷たく強い
今日は、屋島と八栗の寺に参り、最後に地元志度寺に参る。昨日の手を使い荷物を頼んだため軽い荷物で屋島と八栗の山もルンルン気分であった。だが明日は最後、荷物は全て自分の手で持って行く。
丁度志度寺のお参りを済ませたところで、東讃里山ボランティアガイドの人から近くに来ていると連絡があり、会いに行く。お菓子等をいただきながら2時間ほど歓談し、激励を受ける。地元の仲間はありがたい。
明日で最後の大窪寺を打ち、結願する予定。
その後は今の勢いで、17日に1番霊山寺まで行くつもり。
志度寺を終わっているため明日の長尾寺は予定より少し早く8時頃には着けるだろうと思う。
野宿場所は、当初図書館横の休憩所を考えていたが、今日は風が強くて寒く、志度駅の待合室が風もなく暖かいと教えられ変更する。

左から、84番屋島寺、85番八栗寺、86番志度寺

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39日目 11月16日(月) 赤絨毯を踏みしめ結願
     
87番長尾寺から88番大窪寺

今日歩いた距離
(Km)
24 今までに歩いた距離
(Km)
1258
今日使ったお金 1,540 今までに使ったお金 146,875
今日受けたお接待 お遍路交流サロンで、お菓子とお茶
食事
昼食の打ち込みうどんは写真の撮り忘れで18日に再度食べて撮影
今晩の宿 大窪寺の駐車場
感じたことなど 宿所5時50分出発、宿到着13時50分、曇り 香川県内の距離合計183Km
ヘンロサロンで遍路大使任命書をいただく。ヘンロサロンからは3コースあるが、東讃ボランティアガイドがパトロールと整備している女体山コース(四国の道)を当然歩く。山道はきびしいが、遍路最終のため荷物は全て背負う。しかし、これで最後と時間的に余裕があるためゆっくり歩く。道には落ち葉が積もり、落ち葉の赤い絨毯を踏みしめて歩く。気持ちがいい。落ち葉は赤というより、茶色や黄色が多いが、世の中には黒を白という人もいるため、赤い絨毯と言っても許されるだろう。
参拝、納経も淡々と終わり結願したと言う感激はあまりわいてこない。ただ歩きは終わった、もう歩かなくていいという安堵感はじんわりと心に響いてくる。
大窪寺の納経所の人も何にも言わない。一言、ご苦労様でしたとか、お疲れ様でしたとか言ってくれても良さそうなものだ。事務的である。お接待の心が一番必要なのは、お寺だと思うのだが。
ただ、明日は1番霊山寺へ参拝に行く予定。天気が悪そうだが、早く決着をつけたい。
明日はパソコンを置いて空身でいく予定のため、ホームページ更新は後日の予定。
その後この遍路を総括したいと思っている。
ご支援いただいた皆さん、ありがとうございました。
このあと、総括をしますので見て下さい。

左から、87番長尾寺、88番大窪寺、遍路大使任命書

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40日目 11月17日(火) お礼参り
     
1番霊山寺

今日歩いた距離
(Km)
42 今までに歩いた距離
(Km)
1,300
今日使ったお金 885 今までに使ったお金 147,760
今日受けたお接待 昼食の食堂で女将さんからみかん2個
食事 夕食は自宅
今晩の宿 自宅
感じたことなど 宿所6時20分出発、霊山寺着15時、1日中雨
今日の距離は、40Km強あるため、車の中にいらない荷物は置き、必要最小限に荷物を減らして歩く。全て車道ばかりで、市場町までは緩やかな下り、その後霊山寺まではほぼ平坦な県道、荷物が軽いため雨の中、歩行時の平均時速は5.6Km/h程度だった。

帰りは、板東駅からJRで帰る。
お礼参りには諸説あり、習わしとしてあり、決まりはないので必要ない、と言う意見と、打ち始めのお寺へお参りするのが一般的との説がある。
私は、88ヶ所廻ると四国をほぼ一周するが、大窪寺で終わると88番大窪寺から1番霊山寺間が抜けて一周にならない、そのためお礼参りとして霊山寺へ行くことにした。これで完全に四国を一周したことになる。
全行程1,300Km、を丁度40日かけたことになる。宿泊場所の内訳、又、体重が減り、杖の長さが短くなるなどした。
これらの詳細は、10日程度日数をいただいて、まとめようと思っている。
つたないホームページを見ていただいて、ありがとうございました。
このホームページを見られた皆さんに、その時又総括編を見ていただけると大変うれしく思います。
一時足が筋肉痛にはなったけれど、ケガも、病気にもならず、無事お遍路を終えることが出来ました。ご支援下さった方、掲示板で応援して下さった方、陰ながら応援して下さった方、大変ありがとうございました。

左から、霊山寺の仁王門、正面奥が本堂、大師堂

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