脳神経病について

めまいについて

最近めまいを訴える人が多くなった。
いろいろな原因がありなかなか診断と治療に難渋する事が多い。
以下はよくあるめまいを医師の立場で書いてみた。参考になれば幸いである。

1.持続性回転性めまい---主として頭位性めまい、又は椎骨脳底血流不全、前庭神経系の原因が多い。
2.体位(頭位)変換時の回転性めまい
3.体位変換時などの頭が揺れる感じ。頭が軽い感じ
4.浮動性のめまい、ふらふら--主に大脳の循環代謝障害、血圧異常動揺、肝炎増悪期、貧血、感染症の発熱時など。
5.ぐらぐら、 めまい感---多くは心因性、視覚性、過労(慢性疲労症候群)による
6.ドサッと倒れる;一瞬下肢の力が抜けてしゃがみ込むがすぐ回復する発作で意識は清明。
7. うずくまり発作、蹲踞
8.運動失調、よろめき(酔っぱらい)歩行
9.気絶、失神
10.眼前暗黒感
11.立ちくらみ
12.立位保持傷害発作:前のめり、よろめきなどの突然の発作。などがあるだろう。

生理機構のくずれにより、めまいはいろいろな重複するめまい感を起こし、どれも不快です。前庭神経系の原因の場合には回転性のめまいが主症状で、周りが自分のまわりを回転する感じで落ち着かない気持ちになるか、自分が空間の中を動いているように感じます。又、老化などによる椎骨脳底動脈循環不全ではふわふわやふらふら感が多いです。既往歴で原因を確定する情報を得ることが大事です。(たとえばある種の動きがめまいを誘発するか? 頭を叩かれてからめまいがでたか?)。

めまいを訴える人を診て早期に重要なステップはそのタイプを決める事です。なぜなら診断や治療はめまいの原因とタイプにより著しく異なるからです。

めまい1

めまいを来たす代表的な病気

  • 1.メニエール病(耳鳴りや難聴を伴い、発作を繰り返す)
  • 2.突発性難聴
  • 3.前庭神経炎(激しいめまいが起こり、その後もふらつきが続いている)
  • 4.中耳炎によるめまい(昔から中耳炎があり、耳だれが時々出る)
  • 5.椎骨脳底動脈循環不全(高血圧症や動脈硬化症がある)
  • 6.脳幹・小脳の出血や梗寒
  • 7.良性頭位変換めまい(急に頭の位置を変えたときに激しいめまいを起こす。特定の頭位で起き何度も繰り返すうちに軽くなり、自然に消えるのが普通で予後は良い。耳石による)
  • 8.頭部外傷後のめまい