第15回 徳島航空基地マラソン大会

〜 飛行機が発着する横を走る爽快マラソン 〜



2013年5月19日(日)海上自衛隊徳島基地主催徳島航空基地マラソン大会が、民間旅客機用の徳島空港との共用飛行場である自衛隊徳島航空基地で開催された
去年、徳島県内に異動になったピッグが、鋭い嗅覚を働かせて発掘したマイナーなレースだ。
基地マラソンと言えば、僕やピッグが以前、勤務していた青森では、米軍の三沢基地(これも民間の三沢空港と共用)で Misawa AB Race The Base Half-Marathon が開催されていたのを思い出す。航空基地があるところは、全国どこも似たようなマラソンレースがあるのかもしれない。

この時期、4月末に徳島マラソンがあり、次は5月末に小豆島オリーブマラソンがあるから、例年なら、今の時期はおとなしくしている。ただ、ピッグから去年のレースの模様を聞くと、すぐ間近に飛行機を見ながら走れるってことで、なんとなく楽しそうだし、距離もたかだか10kmなので翌週のオリーブマラソンに悪影響が及ぶとも思えないし、て言うか、むしろオリーブマラソン1週間前のトレーニングとしては打って付けじゃないか、って事で、急遽、参加を決めたものだ。参加費も、今どき1000円と安いし。
出場を決めたのは、開催まで1ヵ月を切った時点だったので、普通のマラソン大会なら、とっくに申込期限は過ぎているところだが、自衛隊の主催なので、まだまだ優しく受け付けてくれたのだ。
参加するのは私とピッグのほか、支部長國宗選手だ。



心待ちにしていたレースだが、不覚にもレースの直前になって風邪を引いてしまった。ここんとこ朝晩の気温の寒暖差が大きく、寝るときは暑くて薄着で寝たのに、明け方は寒くなっていて風邪を引いてしまったようだ。僕だけでなく、職場でも同じように風邪を引いた人間が続出しているので、この時期は要注意だった。
ただ、そうは言っても、せっかくの楽しそうなマラソン大会だ。風邪を引いたとは言っても、5年前の丸亀マラソンの時のようなひどいインフルエンザとは違い、ただの軽い風邪だ。朝、起きたら鼻水が止まらず喉も痛いが、体はフラフラで歩けないなんて状態ではなく、10kmくらいなら走れそうな感じだ。もちろん、好記録は望めないだろうが、今回は楽しめればいいと割り切って参加することにした。

一方、もっと強引なのは支部長と國宗選手だ。なんと彼らは、レースの直前に長期休暇を取ってスペイン旅行に繰り出して行ったのだ。

(幹事長)「いーなー、いーなー、スペインいーなー!」
(國宗)「幹事長も一昨年行ったでしょ?」
(幹事長)「スペインとイタリアは何度でも行きたいよー!」


それにしても、彼らが日本に帰ってくるのはレースの前日だ。

(幹事長)「いくらなんでも大胆すぎるんじゃ?レースを舐めきってないか?」
(支部長)「自分の体力の極限に挑戦するのがアイアンマンの生き様よ」


支部長がレースを舐めてるのは、今回に限ったことではない。徳島マラソンの1週間前だって、ランニングもせずに自転車で金比羅さんへ行って転倒したりしている。ただ今回は、さすがに、いくらなんでも心配だったので、前日の夜、支部長に電話してみたけど、なんとか生きて帰ってきていたので、予定通り繰り出すことになった。



レース当日は、例によって支部長が國宗選手を乗せて迎えに来てくれる。
数日前の天気予報では、前日の土曜日から当日の日曜日にかけて雨が降り続くとの事だったが、「この時期、晴天で暑くなるよりは雨の方がマシだよなあ」なんて言ってた。ところが、前日は雨どころか、晴天でかなり暑くなった。そして、今日も朝から雨の予報だったが、やはり雨は降らず、朝から曇り空だ。今にも降り出しそうではあるけれど、なかなか降り出さない。ただ、気温は低く、肌寒い感じ

我々が出場する10kmレースのスタートは10時で、受付は9時までだ。なので、多少のトラブルがあっても大丈夫なように余裕を見て7時に高松を出た。実は、誰も目的地の場所をきちんと把握してなかったが、徳島空港と共用の航空基地なんだから、とにかく徳島空港へ向かえば何とかなるだろう、って事で出発した。って言えば、すごく簡単に行けそうに聞こえるけど、そもそも徳島空港へ行くのに迷ってしまった。さらに、自衛隊の基地は、徳島空港の旅客ターミナルとは反対側にあったりして、さらに迷う。しかも周辺の道路は狭く、予想外に渋滞していた。どう考えもマイナーな草レースと思うんだけど、この日のイベントはマラソン大会だけではなくて、徳島航空基地一般公開イベントの一環として実施されるもので、マラソンの他にもウォーキングとか模擬フライトを体験できるシミュレーター体験飛行、小学生バレーボール大会、ちびっ子広場など、色んな行事があるから、結構、一般市民が来ているのかもしれない。

(國宗)「でも、まだ朝の8時ですよ。一般市民が来るには早すぎますよ」
(幹事長)「徳島の人は早起きなのかなあ」


渋滞していた車は続々と基地に吸い込まれていく。朝っぱらから子供連れの家族がどんどん押し寄せているのだった。

マラソン大会の方は、予想通り、参加人数は、それほど多く無さそうだ。全く当てずっぽうだけど、500人程度かなあ。滑走路に面した飛行機の格納庫の中に大きなビニールシートが敷かれ、そこで着替えたり待機したりする。

受付でもらったゼッケンは、普通のマラソン大会なら紙製なのに、なんと今どき珍しい丈夫な布製だった。さすがは自衛隊仕様。頑丈に出来ている。一緒に記録証ももらったが、名前もタイムも当然ながら記入されておらず、あとから自分で書くようになっている。でも、そもそも、タイムは計ってくれるのだろうか。

着いてすぐにピッグに連絡を取ると、なんとまだ勤務地の阿南にいると言う。

(ピッグ)「さっきまで仕事だったんで、今から出ます。受付は多少、遅れても大丈夫でしょう。あはは」

なんてお気楽に笑っていたけど、多少どころか、大幅に遅れるぞ。スタートまでギリギリだぞ。大丈夫かなあ。そもそも、さっきまで仕事って、彼は一体なにをしてるんだ?夜の商売?
それからツッチー君も来ている。

(ツッチー)「このレース、初めてですか」
(幹事長)「うん、初めて。こんなんあるん知らんかったよ。ツッチー君は?」
(ツッチー)「今年で第15回ですけど、半分以上は出てますね」


そうなのか。ツッチー君のような実力者も常連のレースなのか。草レースだといって舐めていてはいけないなあ。て言うか、過去の経験からすれば、今どきは、マイナーなレースの方がレベルが高い。大規模な大会になると、最近マラソンを始めたばかりの人たちが大挙して押しかけてくるが、こういうマイナーなレースは、よっぽどマニアックな愛好家しか出てこないから、結構、レベルが高いのだ。

(ツッチー)「このレースはきついですよ」
(幹事長)「えっ?坂の無い滑走路を走る超フラットなコースなのに?」
(ツッチー)「ずっと先まで見えちゃうから精神的にきついんですよ」


そうなのか。このマラソンのコースは、メインの滑走路の横に並行して走っている誘導路を走るので、確かに、ずっと先まで見えているのに、行けども行けどもゴールが近づいてこない状態になるから、精神的には辛いかも。コースには変化も無いし。

滑走路は2500mなので、誘導路を1往復すると5kmだ。5kmの部は1往復して終わりだが、我々が出る10kmの部は、この誘導路を2往復することになる。滑走路の端に立って見ると、はるかかなたに旅客ターミナルが見える。つまり、徳島空港は一般の旅客ターミナルと自衛隊の基地が滑走路の両端にあるっていう位置関係だ。

(幹事長)「ところで、飛行機が離着陸しているときに、すぐ横を走って大丈夫なのか?」
(支部長)「飛行機は誘導路を走るわけじゃないから、えんじゃない?」
(幹事長)「でも、なんか事故があって脇へ逸れて突っ込んでくる事もあるんじゃない?」
(國宗)「四国の空港は飛行機の便数も少ないから、ちょうど空いた時間に走るんじゃないですか?」


そんなうまいこといくだろうか。9時から走る5kmの部の制限時間は1時間だ。それに引き続いて行われる10kmの部の制限時間は2時間だ。てことは、合計3時間も飛行機の離着陸が無いってことだ。いくら四国の空港とはいえ、そこまでヒマではないだろう。よう分からん。
なーんて言ってたら、さっそく小型の旅客機が降りてきた。JALのコミューター航空機だ。小型機とは言え、横に降りてくるんなら、大型機も降りてくるのかもしれない。

渋滞に巻き込まれながらも8時過ぎには到着したので、10時のスタートまで2時間近くも待ち時間が出来てしまったが、周辺には軍用ヘリコプターとか救難機とか展示してあり、それらを見学できたので、退屈することは無かった。
飛行場の基地だから、最初は航空自衛隊かと思っていたら、そうではなくて、ここは海上自衛隊と陸上自衛隊の基地だった。展示してある機材も、陸上自衛隊のものはジャングル仕様の迷彩色で、海上自衛隊のものは白や赤に塗られている。個人的には迷彩色の方が好きだ。

見るだけじゃなく、ヘルメットなんかも被らせてくれて、写真を見ると、なんだかトップガンみたいで格好良いぞ。ベストはずっしりと重く、ポケットに武器か弾薬でも入ってるんじゃないかと思って取り出したが、救命信号とかだった。う〜む、残念。

しばらくすると、大会の説明が始まった。どんなマラソン大会でもそうだが、開会式や説明会のアナウンスがあっても、集合するランナーは少数で、大半のランナーは無視して好き勝手している。今日も同じで、自衛隊の人がマイクで「説明会を始めますから集合してくださーい!」なんて言っても、大半のランナーは素知らぬ顔で無視している。普通のマラソン大会なら、それでも構わず説明会を始めるところだが、さすがは自衛隊。みんなが集合しないのが許せないらしく、いつまでもしつこくアナウンスし続ける。自衛隊員だったら、こういう命令を無視なんかしたらえらい事になるだろうから、呼びかけている自衛官は、ダラダラする参加者に腹立たしい思いをしているだろうなあ。ようやくそこそこの数のランナーが集合して、なんとか説明会が始まった。我々は、すぐそばのビニールシートに陣取っていたので、そのまま横目で聞き流す。
それにしても、さすが自衛隊は、運営面は非常にきちんとしている。彼らとしては、参加者のいい加減さに腹立たしい思いだろうけど。

公式の受付時間が終了した9時には、5kmの部がスタートした。5kmの部の参加者は、かなり少なく、せいぜい200人てとこかなあ。しかも、なんだか最初からチンタラ走っている人が多い。ううむ。超マイナーなレースほどレベルが高いっていう一般法則も、さすがに5kmの部には当てはまらないかも。

その後、珍しくゆっくりとストレッチをして時間を潰しながら、5kmの部のランナーがどんどんゴールしてくるのを見ていると、ようやくピッグが到着した。公式の受付時間が終了して30分以上経過しているが、平気な顔をして受付を済ませ、呑気そうにこちらにやってきた。どう見ても、ランナーというより、基地一般開放イベントに顔を出した近所のおっさんて感じ。腕には雨傘をぶら下げている。そう言えば、朝は降ってなかったから油断していたけど、天気予報は今日は雨だった。なのに僕等は傘なんか忘れてきてしまった。

雨はまだ降りそうにないのだが、なんだか肌寒い。気温が低いうえ、風がかなり強い。徳島マラソンと言い、もしかして徳島は風が強いのだろうか。当初は、木陰なんか無いし全面アスファルトで高温になる滑走路を走るので、「炎天下で走るより雨が降った方が走りやすいわなあ」なんて言ってたけど、ここまで肌寒くなるとは想定してなくて、着るものに困ってしまう。周囲を見ると、長袖の人も多いし、アームウォーマーや手袋を着けている人も多い。真冬の丸亀マラソンでも常に薄着のピッグと、基本的に暑がりの支部長は半袖短パンで平気そうだが、僕と國宗選手は悩んでしまう。二人とも長袖なんか持ってきてないし。國宗選手は下にタイツを履くことで、なんとか寒さをしのごうとしている。僕はタイツさえ持ってきてない。タイツどころか、10kmの短いレースなので全力で走ろうと思って超短いランニングパンツしか持ってきていないから、足が寒い。仕方ないから、上は半袖のTシャツを2枚重ね着する。風邪で熱っぽい体には、これでも肌寒いくらい。しかし、いくら肌寒いとは言っても、5月のマラソンで重ね着ってのは、着すぎかなあ、なんて悩みまくった結果、結局、スタート直前に1枚脱いで半袖Tシャツ1枚になる。やっぱり身軽になって走るべきだ。曇り空で眩しくないし、雨も降りそうにないので、嫌いな帽子は被らない。

今回の参加メンバー
(左から支部長、國宗選手、ピッグ増田、幹事長)



スタート時間の10時が近づいてきたというのに、ようやく着替えが終わって記念写真を撮ったりしていたため、集合するのがギリギリになり、後ろの方に滑り込んだ。人数が少ないから、後ろの方からのスタートになって、それほどハンディは無いだろう。スタート地点に立つと、なんだか寒さも気にならなくなってきた。風は相変わらず強いが、もう気にならない。風邪を引いている事も気にならなくなり、割と精神的に充実している感じ。

(國宗)「今日の目標はどうですか?」
(幹事長)「10kmレースやから、50分は切りたいところやけど、風邪引いているから、ちょっと無理だろうなあ。
       ピッグは絶好調を維持している?」
(ピッグ)「悪くはないですねえ。気合も充実してるし」


ピッグは3月末の阿南健康マラソンの10kmレースで48分台を出しているから、当然のように50分切りを狙って走る。一方、前日にスペインから戻ってきたばかりの支部長はタイムどころか、完走だけを目標にしているので、今日はライバルではないだろう。

いよいよスタートとなる。どう見回しても、タイムを計測しているような様子が伺えないので、各自でスタート地点を越えたところで腕時計のストップウォッチのスイッチを押して走り始める。後ろの方からのスタートとなったが、人数が少ないので、すぐに全力で走り始められるだろうなんて思っていたけど、それは甘かった。なんと、結構、チンタラ走る人が多くて、なかなかまともに走り始められない。だからと言って、右へ左へ混雑をかき分けながら走るのは体力の消耗になるので、しばらく我慢してゆっくり走る。当面の目標は、とにかくピッグに着いていくことだ。ピッグの最近の調子からすれば、今日も50分を切るだろうから、彼に着いていけば何も考えなくても50分が切れるだろう。ふと横を見ると、支部長も同じようにピッグに着いて走っている。ピッグを先頭に三角形のフォーメーションでしばらく走る。

一応、距離表示があり、最初の1kmは5分を少し切るペースだった。混雑している割には悪くない出だしだ。だんだん混雑も無くなり快調に走り始められたので、このままいけば50分は切れるだろう。と思ったんだけど、だんだんピッグに着いていくのが厳しくなってきた。これがハーフマラソンとかフルマラソンだったら、序盤で無理したら終盤に潰れるので自重してペースを落とすところだが、所詮10kmレースなので、行けるとこまで無理して着いていこうと思って頑張る。横を見ると、支部長は着いてこれず、だんだん引き離されていく。
しかし、僕も遂に2km地点辺りで少しずつピッグに離されていく。さすがに、もう無理って感じで、早々に諦める。こうなると気持ちの張りが無くなり、ズルズルと後退する恐れがあるので、ピッグには遅れても、できるだけ大崩れしないように緊張感を持って走る。ピッグが被っているオレンジ色の帽子が見える限り、できるだけ離されないように頑張る。この超短いランニングパンツは本当に走りやすく、ピッグに離されながらも、結構、頑張って走れている。ちょっと快感を感じる。2月の丸亀マラソンの時と同じような感覚だ。走るのが楽しくなる感じだ。
2.5kmの最初の折り返しで確認すると、支部長は少し遅れている。國宗選手は、さらに少し後ろを走ってくるが、まだまだ表情には余裕がある。

距離表示は、その後、分かりにくい状況となった。1周目の距離表示と2周目の距離表示に混乱させられて、何がなにやら分からなくなってしまった。一気にタイムが悪くなって、「あれれ、早くもこんなに遅くなってしまったのか。こりゃ、もうダメじゃん。これ以上頑張っても全然ダメじゃん」なんて思って気持ちが切れたかと思うと、急にタイムが良くなって「あれれ?なんでこんなに早くなったんだ?」って不思議に思ったりしたけど、よくよく考えたら、距離表示がおかしいのか僕が勘違いしているのか分からないが、ペースが分からなくなってしまった。
で、結局、2周目に入るってしばらくいくと6km地点の表示があり、それを見ると、ちょうど30分くらいだ。このまま頑張れれば50分ギリギリだ。てことで、またやる気が出たんだけど、さすがに足がだんだん前に出なくなってきた。抜くランナーより抜かれるランナーの方が多くなってきて、明らかにペースが落ち始めているのが分かる。こうなると50分はもう無理。ピッグのオレンジ色の帽子も、もう見えなくなってしまった。
ちょっと気持ちが折れかかりながら7.5kmの最後の折り返しで確認すると、なんと、國宗選手がすぐ後ろに迫ってきている。彼がペースアップしたと言うより、やはり僕がペースダウンしているからだろう。これで危機感に火が付いて、再びペースアップすることができた
折り返して最後の直線2.5kmを走り始めた頃、ANAの旅客機が正面から轟音を立てて降りてきた。旅客機が着陸してくるすぐ側を走るなんて、なかなか得難い貴重な体験だ。コースは超単調で変化が無いけど、シチュエーションとしては、なかなか変化に富んだ爽快なレースだ

飛行機が降りてきて気分転換ができたこともあり、残り2kmは、かなり気合いを入れて走れた。もちろん、もう50分切りは無理だろうが、それでも珍しく心が折れずに、出来るだけ良いタイムでゴールしようと思うことができたせいで、なんとか最後まで頑張ることができた。ツッチー君が言ったように、ずっと先の2km先のゴールがはるか遠くに見えていて、気が遠くなりそうでもあるのだけど、逆にゴールまでが全て見えているので、分かりやすい面もある。

ゴールでは、予想した通り、タイム計測はしてくれてなく、自分の時計での計測となったが、結果は、やはり惜しくもあと少しで50分は切れなかったけど、風邪引いている割には自己満足できる結果だった

ゴール横では先にゴールしたピッグが出迎えてくれた。絶好調を維持しているピッグは、今日は47分台を出した。

(幹事長)「もうちょっとゆっくり走ってくれたら着いていけたのに、ちょっと早すぎたなあ」
(ピッグ)「いやあ、もう調子が良くて走るのが楽しいですねえ」


なぜ、ここまで調子が良くなったのか、本人も分からないらしい。特に練習量が増えた訳でもないし。
一方、僕の後には國宗選手が続き、さらに支部長がゴールした。

(支部長)「いかん、コケてしもた」

コースの途中に、少しだけアスファルトが盛り上がった部分があり、なんと支部長は、そこで転倒してしまったのだそうだ。うまく肩から落ちて受け身ができたため、血だらけになったり手首を痛めたりはしなかったけど、かなりのダメージだ。それで遅れたのか。しかも、驚いたことに、1周目で転倒した同じ地点で、2周目も危うく転びそうになったとのことだ。

(幹事長)「う〜ん、やっぱり、そら時差ボケでないか?」
(支部長)「昨晩は10時間は寝たんやけどなあ」


順位は、これまたさっぱり分からないけど、折り返し点でザッと見たところでは、前を走るランナーと後ろを走るランナーと似たような感じだったから、真ん中どころか。

(國宗)「めちゃくちゃアバウトですね」

それでも、みんな、そこそこのタイムでゴールできたから、満足せねば。

レース中は降らなかった雨は、僕らがゴールした後から急に降り出し、かなりの土砂降りとなってきた。風は相変わらず強いから、ちょっとした嵐になってきて、マラソンの後に予定されていたウォーキング大会は中止になってしまった。我々は、とてもラッキーだった訳だ。



帰る前には、せっかくなので、雨にも負けず、基地内の食堂へ行って名物海軍カレーなるものを食べた。お昼にはちょっと早い時間に行ったんだけど、普段と違って大勢の客が押し寄せているせいか、僕らのすぐ後ろでご飯が無くなり、みんな長時間待たされていた。そこまで苦労してようやくありつける名物海軍カレーだが、お味はどうだったか、と言えば、ま、ノーコメントだな。

(ピッグ)「明らかに期待はずれって事ですね」
(幹事長)「基地内にあるから海軍カレーであって、学校にあれば学食カレーだな」


ただ、隣のテーブルで食べていた自衛隊の人に色々と質問したら、とても丁寧に応えてくれた。自衛隊の人って、ほんとフレンドリーです。ますます好感を持ちました。頑張って中国をやっつけて欲しいものです。

食事の後は、徳島マラソンの後にも行ったあいあい温泉という天然温泉のスーパー銭湯に行った。今日もかなりの賑わいぶりで、いつ行っても流行っている感じだ。今日も雨の中、しつこく露天風呂に浸かって足を揉みほぐした。ま、徳島マラソンと違って、僅か10kmレースだったので、大して疲れてはいないんだけど。

(幹事長)「やっぱり10km程度の距離は良いなあ。
       ペース配分とか何も考えずに走ればいいし、大して疲れないし、時間も早く終わるし」
(國宗)「そうっすねえ。フルマラソンなんて疲れまくって体に悪いし、一日潰れますからねえ」


さて、来週は小豆島オリーブマラソンだ。天気予報では当分、晴天が続くらしい。この時期、晴天になると暑くて厳しいレースが予想されるなあ。


〜おしまい〜




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