第12回 名古屋ウィメンズマラソン

〜 女王様たちの激走 〜



2023年3月12日(日)第12回名古屋ウィメンズマラソンが開催された。

この大会は参加者が女性限定の珍しい大会で、しかも2万人以上が参加する世界的に見ても珍しい大規模女性マラソン大会だ。
フィニッシュ地点では、タキシード姿の男性がティファニーのペンダントを完走賞として手渡してくれるという嬉しいオマケがついていることも有名だ。
なので、2020年には厳しい競争を突破してゾウさんがみごと当選し、晴れて出場する事が決まっていた。

それなのに、ああ、それなのに、なんと新型コロナウイルス騒ぎのせいで一般ランナーの部が中止になってしまった
事の発端は2020年3月の東京マラソンの一般ランナー参加中止だ。これに続き、3月8日の第9回名古屋ウィメンズマラソンも一般市民ランナーの参加が中止になったのだ。
ただ、東京マラソンや名古屋ウィメンズマラソンは東京オリンピックの代表選考会を兼ねていたため、一般ランナーの参加は中止になったが、エリート選手を対象にした大会は開催された。
ところが、3月22日の徳島マラソンは全面的に中止になり、その後も全国的にマラソン大会が次々と中止になっていった。

これらのマラソン大会中止騒ぎってのは、どう考えても、あまりにも非科学的で情緒的でヒステリックな対応だ。
素人が見たら、マラソン大会ではランナーが密集しているように見えるかもしれない。しかし、毎日乗っている満員電車に比べたら、はるかにスカスカだ。そうでないとぶつかって走れない。
しかも密室の満員電車に比べて、屋外のマラソン大会はウイルスが蔓延できる環境ではない。新型コロナウイルスは感染した人の咳やくしゃみの飛沫による飛沫感染でうつっていくが、飛沫感染は屋外で走っている時に感染なんかしない。
多くの国民が新型コロナウイルスを非常に恐ろしいもののように勘違いしていたが、決して、エボラ出血熱のように極めて致死率の高いウイルスでもなければ、風疹のような感染力の強いウイルスでもない。

それなのに、その後も続々とマラソン大会の中止が発表になり、
2020年はマラソン大会が全滅してしまった
願わくは、コロナのバカ騒ぎは2020年で収束して、2021年はマラソン大会が復活して欲しかった。
ところが、
2021年になってもコロナのバカ騒ぎが終わらず四国のマラソン大会は中止が続き、2022年の秋まで中止が続いた

しかし、全国的にコロナのバカ騒ぎによるマラソン大会中止が続いた訳では決してないこの名古屋ウィメンズマラソンは規模を縮小しながらも、早くも2021年に開催された
そして、徐々に規模を拡大しながら
2022年にも開催されゾウさんが出場して完走した。
そして、いよいよ
今年は以前と同規模の大会が開催されたのだ。
なぜマラソン大会が復活し始めたのかと言えば、
コロナの感染者数が減ったからではない。相変わらず感染者数は高止まりしている。
しかし、
コロナのバカ騒ぎは収まりつつある。国民の多くが理解するまで2年もかかったが、ようやくコロナなんてただの風邪に過ぎないっていう理解が進んできたのだ。

今回の大会には
ゾウさんが引き続き参加し、さらにのらちゃんも参加した。
この二人は我々のような超ベテランに比べれば、マラソン歴はさほど長くはない。しかし、今では
我々を蹴散らす2大女王様だ。

(支部長)「坂出天狗マラソンでゴール寸前でゾウさんに抜かれたのが悔しい!」
(D木谷)「善通寺五岳山空海トレイルでゴール寸前でのらさんに抜かれて愕然としましたよ!」


都市型大規模マラソンの例に漏れず、
受付は前日なので、二人ともはるばる名古屋まで前日に移動した。
ゾウさんはジュニアも同伴で、3人で会場の名古屋ドームで力強く健闘を誓った。

名古屋ドームで力強く健闘を誓う二人の女王様


ここのところ異常なまでの高気温が続いていたが、レース当日は気温は高めだが曇りとなり、風も無い絶好の気象コンディションとなった。

ペンギンズに君臨する二人の女王様が揃って参戦するとなると、我々も
遠く離れた四国から応援しない訳にはいかない

(ゾウ)「とか何とか言いながら、幹事長はお花見サイクリングに行ってましたよね」
(幹事長)「ピッグも一緒やぞ」
(ピッグ)「D木谷さんも船に乗って離島に遊びに行ってましたよね」
(D木谷)「どこにいても応援はできますよね」


名古屋ウィメンズマラソンは注目のマラソン大会なので、
テレビ中継がある。しかし、当然ながらテレビが写すのはトップ争いをするエリート集団だけだ。
しかし、我々には強い見方がある。
応援ナビだ。
応援ナビというシステムを知ったのはつい最近だが、京都マラソンで参加メンバーの動きが手に取るように分かり、とても面白くて役にたった。
応援ナビはたいていの大規模マラソン大会はカバーしており、名古屋ウィメンズマラソンも去年まではちゃんとカバーしていた。

(支部長)「あれ?応援ナビが使えないみたいやで」
(幹事長)「え?なんで?」

何があったのか知らないが、名古屋ウィメンズマラソンは
今年から応援ナビではカバーされなくなった
そして、その代わりに
スポロクというシステムがカバーする事になった。
スポロクと言うのも応援ナビと似たようなシステムだが、だぶんライバル関係にあるだろう。なので、名古屋ウィメンズマラソンが応援ナビからスポロクに乗り換えたのは、裏でドロドロした利権争いがあったのだろう。

応援ナビであろうが、スポロクであろうが、我々としては参加メンバーの足取りが分かればよろしい。
スポロクでも、応援ナビと同じように各ランナーの位置が(一見)リアルタイムで地図上を走っているように動く(ように見える)
て事で、白鳥の河津桜見物サイクリングに行きながらも、常にスポロクで二人の女王様の足取りをチェックしていた。

のらちゃん去年の神戸マラソンがフルマラソン初出場だった。その時は私がペースメーカーとなって30km辺りまで一緒にペースを維持して走ったおかげで、4時間半ちょっとと言う見事なタイムでデビュー戦を飾った。

(ピッグ)「ペースメーカーに徹した幹事長は惨敗しましたよね」
(幹事長)「30km地点でお腹を壊してトイレにこもったからなあ」


今回はさらにペースを上げて
サブ4.5を達成するためにトレーニングに励んだ。
ここんとこ、彼女は序盤で調子に乗って飛ばし過ぎて終盤に撃沈するレースが多かった。

(支部長)「我々が何十回と失敗してきたパターンやな」
(幹事長)「何百回かもしれんよ」


なので、
どんなに調子が良いような気がしても抑えて走るように強く指導した。ペースは1km6分20秒だ。このペースで最後まで走れればサブ4.5を達成できる
下手に序盤で貯金しようなんて考えると、終盤に何倍もの借金となって返ってきて返済しきれなくなる。

(幹事長)「絶対にペースを守るように」
(のら)「アイアイサー!」
(幹事長)「35km地点を過ぎても余力があるようだったら、そこからは好きなだけペースアップして良いから」
(のら)「合点承知の助!」

て事で、スポロクを見ていると、最初の5kmは1km6分15秒くらいのペースだ。スタート直後は混雑があるはずなのに、設定ペースより速いくらいだ。
そして次の5kmは1km6分10秒程度に上がった。こりゃちょっと飛ばし過ぎやんかって不安になったが、その後も20km地点まで1km6分10秒のペースが続いた。ほとんど変動がなく、見事に一定のペースだ。
ところが、さすがに次の5kmは1km6分20秒に落ちた。落ちたと言っても、これで設定ペースなので許容範囲だが、落ちたのが気になった。
ところが、その次の5kmは再び1km6分10秒に戻した。うわ、これは凄いって思ってたら、その次の5kmは一気に1km6分30秒にまで落ちた。
まずい、こんなに一気に落ちるのは良くない。でも、ここまでの貯金があるから、少しくらいペースダウンしてもサブ4.5はいけるかな、なんて計算していると、なんと、次の5km(35km〜40km)は一気に1km6分を切るペースに上がった。
「35km地点を過ぎても余力があるようだったらペースアップして良い」という私の指導に従ったようだ。
それにしても35km地点を過ぎてから一気にペースを上げるなんて、
余力がありまくりだ。
その後もペースを落とすことなくゴールし、神戸マラソンのタイムを16分も縮める自己ベストを出してしまった。
会心のレース展開だ。あまりの快走に驚愕だ。

一方、ゾウさん股関節に故障を抱えており、まともに走れない状態が続いている。
今回も痛み止めを飲みながらの出走だ。そのため、あまりスピードを上げる事ができず、30kmを過ぎてからはだいぶペースダウンしてしまった。
それでも、最後の2kmはアホみたいにペースアップしてゴールに駆け込んだ。いつもながら凄い根性だ。

(支部長)「なんでいつもゴールが近づいてくると力が湧いてくるんやろなあ」
(幹事長)「女子部員はエネルギーが無尽蔵なんかなあ」


て事で、二人とも見事に完走し、記念のティファニーのペンダントを貰って嬉々として凱旋してきた。
しかし、彼女たちには僅か1週間後徳島マラソンが待ち受けている。

(ゾウ)「徳島マラソンは男子部員も出るんでしょ?」
(幹事長)「女子部員の活躍を見てると、なんだかやる気が失せるなあ」
(のら)「やる気が湧いてくるんじゃないの?」
(支部長)「絶対にかなわないと思うとやる気が失せるんよ」


〜おしまい〜




戦績のメニューへ