第17回 徳島航空基地マラソン大会

〜 好調を維持! 〜



2015年6月6日(土)海上自衛隊徳島基地主催徳島航空基地マラソン大会が、民間旅客機用の徳島空港との共用飛行場である自衛隊徳島航空基地で開催された。
一昨年、徳島県内在住だったピッグが見つけてきた、なかなかマイナーでマニアックな草レースだ。基地マラソンと言えば、かつて僕やピッグが勤務していた青森県内での米軍三沢基地(これも民間の三沢空港と共用)で開催されていた Misawa AB Race The Base Half-Marathon を思い出すが、軍用基地の中を走るのは、なかなか楽しいものだ。この大会も今年で17回目だから、すっかり地域に根付いたイベントと言えよう。

ところが今年は、大会の開催が危ぶまれるような事件が発生した。4月5日、徳島空港に着陸しようとした日本航空機が、滑走路上に車が走っているのに気付いて、慌てて機体を上昇させ着陸をやり直すというトラブルがあったのだ。原因は、空港の管制業務を担う海上自衛隊が過って着陸を許可したからだ。徳島空港は民間と自衛隊の共用だが、当然ながら軍用機の方が重要であり、また管制も難しいので、管制業務は自衛隊が担当している。この日、管制官は作業車両に滑走路への進入許可を出し、車両がまだ滑走路の中間地点付近にいたのに、退避指示を出さないまま日航機への着陸許可を出したためにトラブルが起きた。日航機は車輪を出し、いったん接地したんだけど、パイロットが車両を発見して慌てて再び上昇したのだ。

管制官の明らかなミスだけど、そのミスが発生した原因として、管制官は通常4人態勢なんだけど、トラブル発生時には1人しかおらず、他の3人は別の階で別の作業をしていた事があげられる。これについて自衛隊は「土日曜は自衛隊が訓練飛行を行わず、民間機しか発着しないため、管制業務は1人でも担当が可能で、法的にも問題はない」と説明しているが、通常4人もいるのに、たった1人で業務をしていたなんて、ちょっと手を抜きすぎという気がしないでもない。法的に問題が有るか無いかはどうでもいい。事故が起こりかけたのは事実なんだから。

事実として、日航機は危うく車にぶつかりそうになったのだ。もし車にぶつかっていたら、ちょっとした事故になっていただろう。法的に問題が有ろうが無かろうが、普通ならこんなトラブルを起こしたらタダでは済まない。マスコミにボコボコに叩かれながら、再発防止策を大々的に打ち出し、しばらくは謹慎だ。なので今年は徳島航空基地マラソンは自粛になるのではないかと不安に思っていた。だって、車に危うくぶつかりそうになったばかりなのに、車どころか、大勢のランナーが滑走路を走りまくるイベントなんて、危険すぎて絶対に許されないのが普通だ。
ところが、さすがは自衛隊。自粛の話なんか一切出ず、例年通り平気な顔をして今年も決行だ

(幹事長)「素晴らしい!素晴らし過ぎる!マスコミなんか機銃掃射で一掃だ!」



我々が参加するのは今年で3回目だが、初参加した一昨年は、小豆島オリーブマラソンの1週間前の5月中旬に開催された。4月末の徳島マラソンの疲れは残っていたものの、オリーブマラソンの直前トレーニングとしてちょうどいいかな、なんて思って出場した。結果的には、この徳島航空基地マラソン大会そのものは楽しかったけど、オリーブマラソンは惨敗したから、直前トレーニングとしては意味は無かった。
一方、去年は、開催時期が1ヵ月遅くなり、6月下旬の開催となった。4月下旬の徳島マラソン、5月下旬のオリーブマラソン、そして6月下旬の徳島航空基地マラソンと、ちょうど1ヵ月おきにレースがあって、日程的なバランスは良かった。ただ、6月下旬ともなると暑さが心配された。天気が良ければ猛暑のレースが予想されたのだ。もっとも、結果的には、一昨年に続いて天気は雨模様で、暑いどころか、むしろ肌寒かった。

そして、今年は去年より少し早まって、5月下旬のオリーブマラソンから2週間後の6月初旬になった。少しでも早まれば暑さはマシになるかもしれない。なーんて理由による前倒しなら、これは意味は無い。天気が良ければオリーブマラソンだって結構、暑い。特に今年は5月下旬は全国的に猛暑が続いている。「これが5月か?」と思うくらい、すっかり夏の様相を呈していた。なので、たかが2週間ほど早まったからと言って走りやすくなることはないだろう。毎年のように開催日が変わるのは、多分ほかの理由があるのだろう。

いずれにしても、一面コンクリートの徳島空港の滑走路を走るため、日陰は一切無く、天気が良いと上からも下からも熱で焼かれる灼熱地獄になる可能性がある。ただ、そうは言っても、距離はたかだか10kmだ。暑くても、それくらいなら我慢できるだろう。それに、すぐ真横を飛行機が離着陸するのを見ながら走れる楽しいマラソンなので、面白い事は間違いない。参加費も、今どき珍しく1000円と安いし、出場しないという選択肢は無い。

ただ、近年、マラソン大会へのエントリーは、度を超して難しくなりつつある。かつては、小豆島オリーブマラソンのような田舎のマラソン大会で定員が一杯になるなんて事はあり得なかったのに、最近は世紀末的なマラソン狂走曲のせいで、そういったローカルなマラソン大会でも申し込み受付が始まったら、あっという間に定員いっぱいになり、油断して少しでも申し込みが遅れると参加できなくなってしまうようになっている。そうは言っても、それらはネットで申し込めるようなマラソン大会だ。ネットで申し込めるのは便利だけど、それだけ多くの参加者をあっという間に集めてしまうので、競争は激しくなる。

一方、この徳島航空基地マラソン大会は自衛隊が独自でやっているので、ネットで申し込むようなシステムにはなっていない。どういうシステムかと言えば、去年までは郵便局で1000円分の小為替を購入し、それを申込書に同封して申し込むという面倒くさい方法だった。その面倒くささのおかげかどうか知らないが、昨今の異常なマラソンブームの中にあっても、この大会は定員オーバーなんて危険性は無かった。そもそも定員という概念があるのかどうかも不明で、何も気にせずに申し込み、申し込んだ人は参加できた。実際の参加者は、ざっと見た限りでは5〜6百人程度ってとこだった。
ところが、なんと、今年は大会要領に定員が明記された。我々が出る10kmの部は男子450人、女子150人となっている。そのほか5kmの部は男子100人、女子100人だ。そして「定員に達した場合は抽選とします」なんて注意書きがある。

(幹事長)「どゆこと?本気で抽選なんて考えてるのかな?」
(ピッグ)「最近は、何があるか分かりませんからねえ」


申し込み方法は、今年は往復ハガキに必要事項を記入して投函するという方法になった。当選した人には往復ハガキの片側が返送されてくるので、それが来たら郵便局で参加費を振り込むのだ。参加費は今年も1000円と安いが、申し込みの面倒くささは増量された
こんなマイナーなマラソン大会は、その存在を知っている人すら少ないと思うので、いくらなんでも定員オーバーなんて事態は想像しにくいが、そもそも定員が少ないので、あり得ないことでもない。ただ、あのだだっ広い滑走路を走るだけのマラソンなので、定員をオーバーしたところで、何の問題も無いような気がする。なので、仮に定員を超える申し込みがあったとしても、抽選するのかどうかは分からない。

て事で、まさか落選なんて事態は無いだろう、と高をくくりながらも一抹の不安があったので、少し緊張していたが、予想通り、申し込んだメンバーは全員、当選ハガキを受け取った。今回、出場するのは、3年連続の連続出場となる私、ピッグ、支部長のほか、初参加となるヤイさんだ。去年、初参加したDK谷さんは、6月21日の高松トライアスロンに初出場するので、その準備が大変で、今年は出ないことになった。



レース当日の天気は、数日前の天気予報では雨模様だろうと言っていた。以前は雨が嫌で、朝から雨が降っていると一気に気分が萎えてしまい、サボろうか、どうしようか、なんて真剣に悩んでいた。中山選手(元ダイエー、前コンサドーレ)なんかは今でも雨に対する抵抗感が払拭されておらず、去年のこのレースでも、雨が降ってるからとてサボろうとしたんだけど、うまいこと言いくるめて参加させた。しかし我々は、5年前のオリーブマラソンで、ものすごい土砂降りの雨にもかかわらず、エース城武選手に促されて渋々参加したら、土砂降りの雨は走りにくいどころか、気温が低くなって走りやすくて、みんな考えられないくらいの好タイムを出してしまい、それ以来、特に暑い季節のマラソン大会では、晴天よりむしろ雨天の方を好むようになっているから平気なのだ。

ところが、レース前日の天気予報では曇りに変わり、当日の朝になると、もうすっかり雲は無く快晴となった。このあたりの展開は、2週間前のオリーブマラソンと全く同じだ。日陰が無い一面コンクリートの徳島空港の滑走路を走るため、快晴だと炎天下のレースになってしまう。なので、本当は雨が降った方が走りやすい。しかし、去年、今年と2年連続で炎天下のオリーブマラソンを制した私にとっては、雨だけでなく炎天下のレースに対しても苦手意識は払拭され、何の抵抗感も無くなっているから大丈夫だ。

それに、一昨年はレースの直前に風邪を引いてしまったし、去年はレース直前に自転車事故で足を痛めてしまったが、今年は万全の体調だ。て言うか、2週間前の小豆島オリーブマラソンで、炎天下にもかかわらず大会自己ベストを出し、とっても気持ち良く走れた余韻が強く残っていて、気持ちとしてはやる気満々だ。



このレースの受付は9時までで、割と遅めだ。おまけに大きな大会と違って混雑してないので、9時ギリギリに到着しても大丈夫だ。て言うか、一昨年なんか、ピッグは堂々と9時半過ぎに来て受け付けてもらったくらいなので、慌てる必要は全くない。て事で、朝はピッグが支部長を乗せて私んちに迎えに来てくれて、8時頃に高松を出発する。その後、途中の高速の津田サービスエリアでヤイさんを拾い、徳島へ向かう。

(ヤイ)「せっかく申し込んだから行きますけど、今日は走りませんからね」

なんと、ヤイさんは、せっかく申込みながら、しかも行くことは行くけど、参加しないと言うのだ。なぜなら、野球選手のヤイさんは、少し前に野球の練習中に肉離れをおこし、それなのに我々が強引にオリーブマラソンに連れ出したもんだから、ますます悪化させてしまい、今はかなり危険な状態になっているそうだ。

(ヤイ)「7月には大事な試合があるのに、マラソンなんかして悪化させたもんだから、監督からえらく怒られてるんですよ」
(支部長)「ええ歳こいて高校球児みたいな世界ですなあ」
(幹事長)「でも、せっかく来て走らないなんて、もったいないですよ」
(ヤイ)「いえいえ、今日は海軍カレーを食べるのだけが目的ですから」


たぶんどこの海軍基地でもそうだろうけど、徳島航空基地の食堂にも海軍カレーがあり、レース後はそれを食べることにしている。その「海軍カレー」という名前に惹かれてやって来たという訳だ。

この日のマラソンは単独のイベントではなく、海上自衛隊徳島航空基地一般公開というイベントの1つとして開催されるもので、航空機の展示や記念館公開なんかの他、シミュレーター体験とかウォーキングなんかもある。て事で、朝からたくさんの市民が訪れるため、結構、混雑するが、勝手知ったピッグの運転で、渋滞の無い道を巧みに通って順調に基地に着いた。まだ9時前だ。

基地の入り口では隊員がカンターで人数を確認している。基地に入った人数と出た人数をチェックするのだろう。

(ピッグ)「入った人数と出た人数が一致しないと、どうするんでしょうね」
(幹事長)「そら徹底的に探すやろうなあ」


銀行なら、一日の終わりに1円でも計算が合わないと大変なことになり、合うまで徹底的に調べ直すけど、基地だって入った人数より出た人数が少ないとなると、虱潰しで調べるだろうなあ。

去年は遅めに着いたため、会場のすぐ側の駐車場に誘導され、ラッキーだったが、今日は早めに着いたため、会場から遠い場所に車を停めさされた。遅く来た方が便利というのは、とても理不尽な気がするが、今年は天気が良いので、多少、遠くても全然、平気だ。
しかし、車を降りて会場に向かっていると、ものすごく風が強いことが分かった。雨雲を吹き飛ばした風が吹きまくっているのだ。これは走りにくそうだ。

途中に抽選のカウンターがあり、当選すると海上自衛隊の調理員によるカレー競技でカレーを試食できる。4人もいれば誰かは当たるだろうと思ってけど、全員が外れた。支部長が、畏れ多くも自衛隊員に向かって「当選券は入っとんやろな?」なんて追求していたが、我々のすぐ後に引いた人が当選していたので、公正な抽選だったようだ。

受付は滑走路に面した飛行機の格納庫の中にあり、その後ろには大きなビニールシートが敷かれ、そこで着替えたり待機したりするようになっている。我々が出場する10kmレースのスタートは10時半なので、まだ1時間半もあるが、中は暑くもなく寒くもなく、のんびり待てばいい。
受付でもらったゼッケンは、例年と同じく、今どき珍しい丈夫な布製で、自衛隊仕様の頑丈なものだ。なぜ、ここまでゼッケンを丈夫に作るのか意味は分からないが、いかにも自衛隊らしくて嬉しい。一緒に記録証ももらったが、名前もタイムも記入されておらず、レース後に自分で記入するようになっている。

(ヤイ)「タイムは自己計測ですか?」
(幹事長)「隊員がストップウォッチで計ってくれてて、後日ホームページに掲載されますよ」
(支部長)「記録証をもらったからにはヤイさんも走らないといかんでしょう?」
(ヤイ)「返してこようかな」


どんなレースでもそうだが、着るものの選択をしなければならない。オリーブマラソンでは、2年連続でメッシュのシャツを着て快走できたので、炎天下のレースにはメッシュのシャツが一番適しているってのが分かったんだけど、古いシャツなので、実はもうボロボロで、いつ破れてもおかしくない状態だ。

(ピッグ)「あれ、どこで買ったんですか?」
(幹事長)「僕は覚えてないんだけど、家内の言うことには、アメリカに住んでた時に買ったそうだ」
(ピッグ)「どうりで。日本人は着ませんよねえ、恥ずかしくて」


2枚買ったらしいんだけど、1枚は既にボロボロになって捨ててしまったそうだ。てことで、スポーツ用品店で代用品を探し回ったんだけど、同じようなものは無く、一応、背中がメッシュになったシャツを買ってきた。ただし、メッシュと言っても編み目は細かくて、どこまで涼しいのか疑問は残る。それでも今日は10kmレースで、そんなに長距離でもないので、取りあえず試しに着てみることにする。下は、青森勤務時代に作った陸上部のユニフォームのランニングパンツを履く。短くてとっても走りやすいパンツだ。

今回の参加メンバー
(左から出場を見合わせたヤイさん、新しいシャツを着た幹事長、支部長、ピッグ増田)

着替えが終わって、ブラついていると、ペンギン中村君ご一行様に出会った。彼はもともとはかなり速いランナーで、ペンギンズの将来のエース候補だったんだけど、結婚してからレースから遠のいてしまった。なぜかと言うと、奥さんが非常に速い超高速ランナーだからだ。子供ができて、どっちかが子守をしないといけない状況になると、当然ながら速い奥さんの方が力関係が強いのでレースに出る権利を有し、彼はもっぱら子守係になってしまったのだ。私が奥さんに初めて会ったのは8年前の庵治マラソンで、出産直後の復帰戦として出場した奥さんは、生後4ヵ月の赤ちゃんを抱いたペンギン中村君が見守るなか、なんといきなり女子の部で4位に入賞してびっくりしたものだ。

(幹事長)「いやあ久しぶり。で、そのお子さんは、あの時の赤ちゃん?」
(ペンギン妻)「そうなんです。もう8歳になりました」
(幹事長)「相変わらず走ってるんですね」
(ペンギン妻)「最近はトライアスロンが中心なんですけど」
(幹事長)「げげげっ!」


どう見ても小柄で華奢な体つきなのに、どこにそんなパワーが潜んでるんだろう。

(幹事長)「このレースは何回目ですか?」
(ペンギン妻)「初めてなんですよ。どんなコースなんでしょう?」
(幹事長)「坂の無い滑走路を走る超フラットなコースなんですけど、ずっと先まで見えちゃうから精神的にはきついですねえ」


このマラソンのコースは、メインの滑走路の横に並行して走っている誘導路を走るものだ。滑走路は2500mで、誘導路も同じなので、1往復すると5kmだ。5kmの部は1往復して終わりだが、我々が出る10kmの部は、この誘導路を2往復することになる。片道2500mてのは、結構、長い距離なんだけど、何の障害物も無く変化も無く、ずっと先まで見えているから、折り返し点もゴールもすぐ近くに見える。だが、実際には、行けども行けどもゴールが近づいてこない状態になり、精神的には辛い。ただ、実力者のペンギン奥さんにとっては、どうってことないかもしれない。

(幹事長)「坂が無いフラットなコースだから、良いタイムは出るはずなんだけど、なかなかうまくいかないんですよ」
(支部長)「いやいや、決してフラットじゃなくて、結構な坂がありますよ」


確かに、実は完全にフラットでは無い。徳島空港は一般の旅客ターミナルと自衛隊の基地が滑走路の両端にあるので、基地側から滑走路の端に立って見ると、はるかかなたに旅客ターミナルが見えるのだが、よく見ると、旅客ターミナルに向かって緩やかな上り坂になっているのだ。なぜわざわざ傾斜をつけているのかは素人には分からないが、何か理由があるのだろう。全然たいしたことないくらいの緩やかな坂で、下り坂の時は全く下りの恩恵を感じないんだけど、上り坂の時は明らかに負荷がかかり、スピードダウンしてしまう。

(支部長)「それに、途中に段差があって危険や」
(ペンギン妻)「えっ?滑走路に、そんなものがあるんですか!?」
(幹事長)「いや、まあ、支部長がそう感じるだけなんですけどね」
(支部長)「何を言よんかいな。あんな巨大な段差があるというのに」


一昨年のレースでは、支部長は段差に躓いて転倒してしまったのだ。

(ペンギン妻)「あっ、説明会が始まってますよ。行かなきゃ」

気が付くと、向こうの方で大会の説明会が始まったらしい。どんなマラソン大会の時でもそうだが、我々は開会式や説明会の類は一切、無視する。我々に限らず、多くのランナーは無視する。よっぽど変わったルールが無い限り、周囲のランナーと同じ行動を取っていれば、特に問題はないからだ。でも真面目な高速ランナーのペンギン奥さんは説明会を聞きに行くようだ。

(支部長)「やっぱり速い人は心がけからして違うなあ」

とは思ったが、我々は相変わらず説明会はパスしてダラダラしていると、9時半には5kmの部がスタートした。5kmの部の参加定員は男女計で200人なので、かなり少ない。なにか様子がおかしいと思って見ていると、いつもと逆向きに走り出した。おかしいなあと思って掲示板に行き、コース図を見ると、なんと今年からコースが変わっている。10kmの部では、これまでは片道2500mの滑走路に並行した誘導路を2往復して10km走るというものだったのに、なぜか1周目は500mだけ走って折り返して往復で1km走り、その後は片道2250mのコースを2往復して9km走り、合計10kmになるというコースだ。去年までは誘導路の直線コースを2250m走ったあと、さらに滑走路の方に向かって折れ曲がって250m走るというコースを2往復していたのに、その折れ曲がった部分が無くなったため、代わりに最初に1kmだけの1周を走るのだ。

(幹事長)「どう思う?」
(支部長)「明らかに4月の事件の影響やな」


4月の事件は滑走路に車が走っていて、危うく飛行機がぶつかりそうになったものだ。今日のマラソンでも、ランナーが滑走路の方に近づくと同じようなトラブルが発生する危険性があるので、ランナーをできるだけ滑走路に近づけないようにするコース変更だと思われる。
その趣旨自体は分かるとして、でも、最初に1kmだけの短い1周を走るってのは、なんとなく走りにくい感じ。そもそも折り返しってのは少ない方がいいし、しかもスタート直後にチョコチョコと折り返すのはペースをつかみにくそうだ。

5kmコースのランナーが走り終わって続々とゴールし始めたが、我々のスタートまでは、まだまだ時間がある。て事で、暇つぶしに周辺に展示している軍用ヘリコプターなんかを見学に行く。今年は例年より展示している機材が多い。陸上自衛隊の双発ヘリコプター・チヌークが2機あったが、去年や一昨年は無かったような気がする。

鋭い視線で陸上自衛隊の装備をスパイするヤイさん

単発ヘリコプター・ヒューイは一昨年もあって中に入らせてもらったが、今年も中に入る。入り口で珍しく女性自衛隊員が案内してくれる。すかさず支部長が声を掛ける。

(支部長)「訓練は厳しいん?」
(隊員)「厳しいですよっ!」
(支部長)「脱走したいと思ったことなんて、ある?」
(隊員)「何度もありますよっ!」


体格も良いしハキハキして元気そうな隊員だったけど、それでも脱走したくなるほど厳しい訓練のようだ。

(ピッグ)「て言うか、よくもまあ、そんな質問できますねえ」
(幹事長)「上官にバレたら、えらい事になるんじゃ?」


なんで海上自衛隊の基地なのに陸上自衛隊の機材も展示しているのかと思って聞くと、ここには陸上自衛隊も駐屯しているとのことで、格納庫を見ると、確かに陸上自衛隊って書いてある格納庫もありました。

マラソン大会を上空から監視する任務に就くピッグと幹事長

5kmの部のランナーは、あらかたゴールしたようだが、それでもまだ走っているランナーがいる。妙に遅い、と言うか、トンでもなく遅いランナーがいる。

(ヤイ)「5kmの部の制限時間が1時間って、長すぎるんじゃないですか?」
(幹事長)「そうですね。最初から最後まで歩いてもゴールできますね」


誰でも参加できるようにしているのだろう。10kmの部だって制限時間は1時間30分だから、結構、長いと言えば長い。
ようやく10時半の10kmの部のスタート時間が近づいてきたが、コースが変更になったため、スタート地点はすぐ目の前になり、去年のように慌てて走っていく必要はなくなった。
定員は男女計で600人とのことだが、ざっと見た感じ、それより少なそうだ。いくら発狂的なマラソンブームとは言え、直線だけの精神的にきついコースを炎天下で走るレースなんて、よっぽど好き者しか出ないのかもしれない。て事は、超マイナーな草レースだが、レベルは決して低くないと考えられる。最近は、大規模な大会は知名度が高いため、最近マラソンを始めたばかりの人たちが大挙して押しかけてくるが、こういうマイナーなレースは、よっぽどマニアックな愛好家しか出てこないから、結構、レベルが高いのだ。
参加者数が少ないので、スタート地点は混雑しておらず、好きなところに並ぶことができる。

(ピッグ)「どの辺に並びますか?」
(幹事長)「今年こそは、なんとしても50分を切らねばならぬから、前の方からスタートしよう!」


1kmを5分で走れば10kmは50分で走れるので、頑張ればそれくらいはいけそうな気がするし、ピッグは一昨年、去年と2年連続で50分を切っているんだけど、私は2年連続でギリギリで50分を切れなかった。なので、今年こそはなんとしても50分を切りたいところだ

(支部長)「今日は炎天下で暑いから、それは無理やな」
(幹事長)「こないだのオリーブマラソンで、炎天下でも戦える可能性が見えているのだよ」
(ピッグ)「でも今日は風が強いですねえ」


確かに、炎天下は克服したと思うけど、今日は非常に風が強い。強風は西から吹いており、最初は追い風で、折り返すと向かい風になる。それを3回繰り返す訳だ。向かい風は非常に走りにくそうだけど、追い風の時は助けになる。プラスマイナスで、どうなることか?

(幹事長)「ま、しょせん10kmだから、目標が何であれ、ペース配分なんて考えずに最初からがむしゃらに走るだけだな」

いきなりピストルが鳴ったこないだのオリーブマラソンと違い、今日はちゃんとカウントダウンしてくれて心の準備ができ、ピストルの音と同時に一斉にスタートした。
取りあえずは、2年連続で50分を切っているピッグに着いていくことにする。去年は1kmを過ぎた辺りからピッグに着いていくのがきつくなり、ズルズルと遅れてしまったが、今年はどこまで着いていくことができるかが問題だ。
参加者が少ないため、スタート直後から混雑は無く、思うように走れるのが気持ち良い。前方からスタートしたせいか、周囲のランナーも速く、全体のスピードが上がった感じだ。
ピッグがスタスタと走っていくので、そのすぐ後を着いていく。さらに支部長も私の後を着いてくる。最初の500mは追い風なので、なんの抵抗もなく簡単に走って行けたが、あっという間に折り返し点に達し、折り返すと、非常に強い向かい風となる。できるだけピッグを風よけにして後を着いていこうとするんだけど、それでも風がきつい。風は強いが、ピッグに着いていくのはきつくない。て言うか、なんとなく遅い。いつものピッグの軽快さが無い。去年の春に高松に異動になってから練習量が激減したピッグの走力が落ちている事は、先日のオリーブマラソンで証明されたところだが、10kmレースという短距離レースにあっても、やはり走力が落ちているのだろうか。
帰りの500mが終わり、スタート地点に戻ってきた。すなわち1kmが終わった訳だ。1km地点でタイムを見ると4分50秒だ。追い風と向かい風が半分ずつあった区間なので、風の影響は無いと言えるが、スタート直後の一番元気な時点で4分50秒ってのは、この先、ペースが落ちていくことを考えると、やはり少し遅い。て事で、今日はピッグに着いていくのはやめて、ここでピッグを追い越す

この折り返しから、いよいよ片道2250mの本コースになる。まずは追い風だ。今日は風が強烈なので追い風になると走りやすいはず。と思ったら、なんと、追い風だと、走っていると、体感的にはほぼ無風状態になってしまい、炎天下ではものすごく暑くなってきた。暑い大気がもわっと体にまとわりついたまま走る感じで、汗が噴き出てくる。新しいメッシュのシャツを着ているんだけど、オリーブマラソンで着たメッシュのシャツに比べるとメッシュの目が細かく、あんまり空気を通さない。オリーブマラソンで着たメッシュのシャツは、ほとんど何も着ていない感覚だったのに、今日のシャツは、普通のシャツとあんまり変わらない暑さだ。ただ、袖が無いので少しは涼しいが。
ただ、暑いのには面食らったが、追い風だし、まだまだ序盤なので足は軽快に進み2km地点で時計を見ると、この1kmのラップは4分40秒だった。よしよし、なかなか快調だ。追い風参考なので、このまま続くとは思えないが、序盤としては良いペースだ。
しばらく行くと、最初の給水所がある。もちろん、まだ走り始めたばかりなので、まだ喉は渇いてないが、今日みたいな炎天下では、喉が渇いてからでは遅いので、まずは水分補給をする。

そのまま快調に走ったつもりだったが、次の3km地点で時計を見ると、この1kmは4分50秒に落ちていた。速くもペースダウンか。ただ、このコースはフラットな直線コースとは言え、実はこの辺りは微かに上り坂になっている。上りとは言っても全然たいしたことない勾配なんだけど、走っていると微妙に厳しくなってくる。なので、多少のペースダウンがあっても心配することはない。
それから、支部長が力説していた段差だが、確かに良く見ると、時々段差がある。劣化したコンクリートの割れ目が膨れあがって段差になっているのだ。下を見て気をつけていれば、どうってことない程度の段差だけど、注意不足になると、躓くこともありそうだ。実は少し前、自宅周辺をランニングしていて、何の凹凸も無い完全なフラットな路面で躓いて転倒してしまった事がある。足がほとんど上がってなかったため、シューズの底が地面と接触して躓いたのだ。そんなことがあるくらいだから、少しでも段差があれば、注意しなければ転倒する危険性はどこにでもある。

3km地点から250m進むと、折り返し点がある。ここからは逆に微かな下り坂となるので、ちょっとだけ期待したんだけど、そんな微かな下り坂効果なんて吹き飛ばすような強烈な向かい風になったため、一気にペースダウンした。ものすごく走りにくい。ただ、強烈な向かい風になったため暑さは吹っ飛んだ。なので、ペースは落ちつつも、足の動きは軽快な気がする。すれ違う後続ランナーを確認すると、少し遅れてピッグが走ってくる。支部長は確認できなかった。
折り返して750m走った4km地点で時計を見ると、5分ジャストになっている。さすがにペースは落ちたが、追い風の時の貯金があるから、これくらいのペースで持ちこたえれば50分は切れる。

それにしても風が強くて走りにくいので、風よけのランナーを探す。ちょうど良いペースのランナーを見つけて後ろにピタッと付くのだが、ちょうど良いペースのランナーって、意外に見つからない。全く同じペースのランナーなんて、そうは見つからないものだ。なので、誰かの後に着いてしばらく走っては、ペースが合わないから他のランナーに乗り換えるって事を繰り返す。なんとなく無駄な動きが多く、自分のペースで走れないし、風よけの効果があるのかどうかすら不安になってくる。
で、5km地点で時計を見て愕然!一気に5分20秒にまでペースが急降下している。いくらなんでも遅すぎる。風よけランナーを探して右へ行ったり左へ行ったり無駄な動きを繰り返したのが敗因だろう。結局、ペースは大きく落ちていたいのだ。こら、あかん、と思って、風よけランナーを探すのは止めて、風を受けながらも自分のペースで走り始める

しばらく走るとスタート地点に戻ってくる。ヤイさんやペンギン中村君が写真を撮ってくれているのでポーズを取る。ま、こんな事をしているからペースが落ちるんだけど。
スタート地点で折り返すと、再び追い風になり、ようやく強烈な向かい風から解放される。すれ違う後続ランナーを確認すると、しばらく遅れてピッグが走り、さらにしばらく遅れて支部長が走ってきた。支部長は暑さに苦しそうな顔をしているが、思ったより速かった。

苦しそうだが意外にペースが落ちない支部長

折り返してから500m走ると6km地点だ。この1kmは、後半が追い風だったから、さきほどよりは少しはタイムも良くなったけど、まだまだ5分を大きくオーバーしている。これでは貯金を使い果たしてしまうって事で気合いを入れ直す。取りあえずは、すぐ前を走っているピンクのシャツを着たお姉さんをライバルに頑張る。

追い風になったためペースは上がったけど、体感的に無風状態に戻ったため、今度は暑さが攻めてきて、汗が噴き出てくる。今日のランニングパンツはポケットが無いためハンドタオルは持っていないし、シャツは袖が無いので、汗を拭く術がない。それでも足は重くなってないので、自分的には軽快に走っているような気がしたが、次の7km地点でタイムを確認すると、それほどペースは上がっていない。かろうじて5分は切っているが、終盤に頑張らねば50分切りは難しくなるペースだ。

再び微かな上り坂区間に入り、しばらく走ると最後の折り返し点だ。ここを折り返すと最後の向かい風2250m直線コースとなる。相変わらず強烈な向かい風だが、これが最後なので気合いを入れて風に立ち向かう。
最後の直線コースに入ったとたん、さきほどまで目標にしていたピンクのシャツのお姉さんが一気にペースを上げ、着いていくのがきつくなった。1周目の時は風よけランナーを探して後ろに着くようにしていたが、そのせいでペースダウンしてしまったので、この最後の直線コースは風に立ち向かってラストスパートするつもりだが、やはり風が強くてくじけそうになる。

折り返して250m行くと8km地点だ。この1kmは再び5分をオーバーしている。残り2kmをかなり頑張らなければ50分は切れない。ここからペースを上げるなんて可能だろうか?
ただ、ふと前を見ると、さきほど一気にペースを上げたピンクのシャツのお姉さんが、そんなに遠くへは行っていない。彼女も最後の直線コースになって気合いを入れて一気にペースを上げたものの、すぐに限界が来て元のペースに戻ったようだ。これなら追いつけるかも、と頑張ってみる。ところが、こちらも限界に来ているようで、なかなか追いつくことはできない。代わりに、すぐ横をオレンジのシャツを着たお姉さんが走っている。ちょうど同じようなペースだ。こういう展開の時、誰か目標というかライバルが居なければズルズルとペースは落ちていくので、誰でもいいから勝手にライバルを作ってペースを維持しなければならない。

最後の給水所があったが、この期に及んで水分補給する必要は無いので、ここはパスする。
しばらく進むと、最後の9km地点の距離表示がある。頑張っているつもりなのに、さっきよりもペースは落ちている。1周目の向かい風の時よりは少し速いけど、よほど最後で頑張らなければ50分は切れない。なので、ここはもう最後の全力を振り絞ってラストスパートだ。一昨年も去年も、最後の1kmは、かなりペースアップできた。今年も同じくらいのタイムで走れればギリギリで50分を切れる。
ところが、一昨年や去年と違い、最後は強烈な向かい風と戦わなければならない。そのため、なかなか思うようにペースが上がらない。だが、仮に50分は切れなくても、少なくとも一昨年や去年よりは良いタイムを出したい

オレンジのシャツのお姉さんは相変わらず僕とほぼ同じペースで隣を走っている。彼女だけが心の支えだ。たしか、去年もゴール前でおばちゃんと抜きつ抜かれつデッドヒートし、最後は一気に振り切ってゴールし、最後の1kmだけは良いタイムだった。今年もそれを狙うしかない。
ところが、今年のオレンジのシャツのお姉さんはしぶとく、私が少しペースを上げて引き離したかと思うと、すぐに追いついてくる。しかも、逆に私を引き離して先へ行こうとする。ただ、彼女もそれは長続きせず、また私が追いついて併走する。そして、残り100mになった時点で、最後の力を振り絞って、今度こそ一気にペースアップできた。さすがの彼女もこれには着いてこられないようで、一気に差が広がった。と思った瞬間、彼女の応援団らしい人達から声援があがり、それに応えるように彼女がものすごいペースアップをして、一気に抜かれてしまう。あまりのスピードに着いていく事ができず、結局、今年は最後の最後で破れてしまった
ま、見ず知らずのお姉さんに負けても、さほど大きなダメージでもないので、すぐに忘れることにする。それより、最後の1kmは今年もかなり頑張ってペースアップできたと思ったのに、時計を見ると全然ペースアップできてなかった。ガッカリだ。

ゴール横ではヤイさんがカメラを構えてくれているので、ポーズを取りながらゴールする。

今年も圧勝で3連覇を達成した幹事長

タイムは例年通り、自衛隊員が目視と手動で計測してくれているんだけど、その結果はすぐには分からず、後からホームページで確認することになっている。だが、自分の時計で計測した結果と大きな違いは無いだろう。その場でタイムは分からないが、順番を書いた紙切れをくれる。113と書いてある。男子で113番目ということだろう。あとで調べたら、男子の完走者は316人だったから、だいたい1/3くらいの順番か。自分では快走したようなつもりだったけど、大した順番ではなかった。こないだのオリーブマラソンが上位1/4くらいだったから、それよりも下だ。やっぱり結構レベルの高いレースだ。

結局、今年も50分は切れなかった。風が無かったら切れていたような気もするけど、負け惜しみだ。ただ、一昨年や去年よりはタイムが良かったから、一応、大会自己ベストって事にはなる。オリーブマラソンに続いて2大会連続の大会自己ベストだ。風との戦いは厳しかったが、足は最後まで重くならず快調に走れたので、好調を維持していると言えよう。

ゴール横で待っていると、しばらくしてピッグが帰ってきた。私より3分ほど遅かった。去年の春は、それまでの練習量の蓄積により私より速かったが、この1年の練習量の激減により、だいぶ遅くなってしまった。今年に入ってからハーフマラソンの丸亀マラソン、フルマラソンの徳島マラソン、そして10kmレースの本大会と、3試合連続でピッグに勝利した訳だ。

(幹事長)「やったーっ!ピッグに3連勝だっ!」
(ピッグ)「今の私に勝っても何の自慢にもなりませんよ」

なんとか支部長から逃げ切ったピッグ

ピッグに続き、1分遅れで支部長がゴールした。

(幹事長)「最後の折り返しで苦しそうな顔してた割には、予想外に速かったやんか」
(支部長)「もう少しでピッグに追いつけると思ったんやけどなあ。途中で2回、転びそうになってなあ」


一昨年、滑走路の微かな段差に躓いて転倒して注意していたと言うのに、なんと今年も躓いて転びそうになったと言うのだ。しかも2回も。これは単なる注意不足というより、躓きやすい走り方をしているのだろう。
それより、驚いた、と言うか、当然と言えば当然だが、ペンギン奥さんは今日も快走し、女子10kmの部で堂々の3位に輝き、表彰台に上った。ここまで力を見せつけられると、ペンギン君も、なかなか「今度は僕に走らせてよ」とは言いにくいだろうなあ。

お母さんが獲得したメダルを胸に掛けたペンギンジュニア

結局、完走者は男女合わせて450人くらいだった。完走できなかった人もいるとは思うが、定員は男女計600人だったから、やはり定員オーバーにはなってなかったと思われる。

さて、レースが終わったら、いよいよ海軍カレーだ。ヤイさんは結局、今日はレースに出なかったので、これが唯一の楽しみだ。いつものように基地内の一般食堂へ行く。

(ピッグ)「急ぎましょう」

普段と違って客が多いもんだから、去年は途中でご飯が無くなり、えらく待たされた。今年はご飯が無くなる前に行かなければならない。
途中、一般食堂の建物の手前の建物で、抽選で200人だけが食べられるカレー試食イベントをやっていた。どうやらそこは隊員用食堂のようだ。
急いで一般食堂に着くと、今年は、まだ誰も列を作ってない。

(幹事長)「今年は意外に空いてるなあ」
(ピッグ)「て言うか、空きすぎですよねえ」


よく見ると、なんと一般食堂は営業していなかった

(幹事長)「なぜだっ!なんで、こんな日に営業してないんだっ!?」
(支部長)「分かった!抽選で200人にカレーを試食させてるから、そっちに総動員されたんやっ!」


そう言って、支部長は隣の隊員用食堂でやっているカレー試食イベント会場へ怒鳴り込んでいった。

(支部長)「なんで一般食堂はやってないんですかっ!」
(隊員)「すみません。実は一般食堂は廃業してまして」


なんと、一般食堂は今日だけ営業していないのではなくて、もう廃業してしまったのだそうだ。隊員の食堂は別にあるから、特に困らないのだ。て言うか、それなら一般食堂は、なぜ、誰のために存在していたんだろう?
ま、一般食堂で出されていた海軍カレーは、名物って言ったって、ごく普通のカレーだったから、もう食べられなくなっても、それほど惜しいとは思わないが、これだけの目的でやってきたヤイさんの落胆は激しい。

(支部長)「だから走れば良かったのに」
(ヤイ)「いやいや、来なければ良かった」


みんな口がカレーになっていたので、すき家でカレーでも食べようかとの意見も出たが、あまりにも寂しいので、鳴門の北灘漁協がやっている海鮮食堂でお魚を食べて帰った。なかなか美味しかったので満足。

それに、何と言っても2週間前のオリーブマラソンに続き、今日も最後まで足が重くならず快調に走れたので、とっても満足だ。心地よい満足感に満たされ、足の快感が持続する。



と思ったのだが、去年に引き続き、家で調べてみて愕然とした。去年も同じだったんだけど、今日の10kmレースのタイムが今年2月の丸亀マラソン10km地点でのタイムより遅かったのだ!
ハーフマラソンの10km地点と言えば、まだ残り11km残っている中盤だ。なので、ペース配分を考えて走っている。つまり、あとまだ11km走る余力を残して走っているはずだ。その後はペースダウンしたとは言え、残り11km走ってるんだし。そのハーフマラソンの10km地点のタイムより、今日の10kmレースのタイムの方が遅いってことは、今日のレースは全力を使い果たしていないって事なのだろうか。走っている最中は、これ以上スピードアップするのは無理って感覚だったし、ゴールした時は全力を使い切ったような気になっていたのに、ペース配分を考えて後半の余力を残して走っていたハーフマラソンより遅いだなんて、ちょっとガッカリだよなあ。これは一体どういうことなんだろう。もっともっと気合が必要だったのかなあ。



さて、去年はこの大会が終わると、龍馬脱藩マラソンが中止になったこともあり、こんぴら石段マラソンなんかを除き、まともなレースは11月の瀬戸内海タートルマラソンまで無く、長期休暇になってしまったが、今年は7月の汗見川マラソンのエントリーに成功したから、今の好調を維持して頑張ろう。天気が良ければ、今日の暑さなんか比でない灼熱地獄の山岳マラソンだ。楽しみでワクワクするぞ。


〜おしまい〜




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