第31回 汗見川清流マラソン大会
2018年7月29日(日)、高知県本山町で第31回汗見川清流マラソン大会が開催される予定だった。
このレースは、暑い暑い四国の真夏に開催される大変貴重なマラソン大会だ。
以前は、真夏の四国のレースとして、ほかにも四国カルストマラソンがあった。真夏に開催されるというだけでなく、かつての強烈登山レース塩江山岳マラソンに匹敵するものすごい急な坂が延々と続くという異常に厳しい20kmコースだったので、強烈な日射しにより地獄のような暑さで体が焦がされる中、走るのが不可能なほど急な坂をよじ登るという発狂するようなレースだった。しかし、この殺人レースは、あまりの厳しさのため危険すぎるってことで、数年前に廃止になってしまった。(ちなみに、その後継レースとして出来た龍馬脱藩マラソンは、季節は10月で走りやすい時季になったが、フルマラソンの部は最大標高差560m、累積の標高差は860mという、四国カルストマラソンを遙かに上回る発狂しそうな超厳しいコース設定となっている)
他にも夏場の山岳レースとしては、9月初めに開催される四国のてっぺん酸欠マラソンもあり、ここ3年間は連続で出場しているが、夏場の山岳レースとは言え、9月に入っているので、灼熱の炎天下というほどではない。ロクに日陰が無いコースだから天気が良いと炎天下にはなるが、7月末に比べたら随分マシだ。
てことで、汗見川清流マラソン大会は真夏の四国のレースとして唯一の貴重なレースになった。四国で真夏のレースが少ないのは、あまりにも暑くて走るのが大変だからだ。でも、だからと言って真夏にレースに出ないと、夏の間、ランニングをサボってしまいがちになる。レースが無くても地道にトレーニングできる真面目な人ならいいんだけど、我々のように心が弱いと、レースが無いとどうしてもサボってしまう。レースが無いと完全に休養してしまう弱い我々としては、少しでもモチベーションを維持するため、この時季にレースを1つ入れたいわけだ。
こんな発狂しそうなほど暑い四国の真夏に、マラソン大会に出たいって思う人がそんなにいるとは想像しにくいかもしれないが、実はこのマラソン大会の人気は高くて、申し込むのが大変なのだ。
(ピッグ)「定員が1000人と少ないってのも大きな理由ですけどね」
以前は、申し込み期間が過ぎてからでも、役場に電話してお願いしたら出場させてもらえていた。10年前に参加した時なんかは、ざっと見て300人くらいしか参加してなかったから、人が集まらなくて大会が消滅しないか心配していたくらいだ。場所が四国の山の中で超不便なうえ、いくら標高が高いと言っても、山の中の窪地なので真夏はクソ暑いし、コースが川沿いの林道を延々と10kmも登り続ける厳しいコースだから、人気が無くて当たり前だったのだ。
それなのに、6年前、久しぶりに出てみようと思ったら、申し込もうと思ったときには既に定員に達して受付終了になっていたのだ。確かに申し込もうとした時期は遅かったが、それでも定員オーバーだなんて、かつての汗見川マラソンを知っている者なら、信じられない現象だ。しばらく四国から離れていた間に、人気レースになっていたのだ。近年の異常なマラソンブームの中、真夏の四国のレースとして唯一の貴重なレースになったため、人気が沸騰したのだろう。種目も、10kmコースのほか、ハーフマラソンの部も出来たので、超マイナーな山奥の草レースが、メジャーな大会になりつつあるのだ。
(ピッグ)「定員僅か1000人なんだからメジャーとは言えませんけどね」
こんなに人気沸騰しているのだから、今どき定員1000人だなんて少な過ぎるような気がするが、狭い山道のコースを考えると1000人が限界のようにも思える。こじんまりした和気藹々とした大会の雰囲気も好ましいので、エントリーしにくくなったとは言え、定員は増やさないで欲しい。
てなことで、5年前は、エントリー受付がいつ始まるのか、毎日、今か今かと注視し、受付開始の情報を聞くや否や、慌ててすぐさま申し込み、なんとかエントリーできた。
それなのに、4年前は受付開始当日につい忘れてしまい、気が付いた時には既に定員オーバーで受付終了となっていた。恐るべし若年性認知症!
それで3年前は、他のメンバーにも数日前や当日の直前に一斉メールを流すと共に、自分も忘れずにパソコンの前でスタンバイしていた。それなのに、ちょっと焦って受付開始の8時よりほんの少し5秒くらい前にエントリーボタンを押してみたら、なんと画面がフリーズしてしまい、ウンともスンとも言わなくなってしまった。それでも、慌てて再起動させたおかげで、なんとかエントリーすることはできた。しかし、受付開始から数十分で受付終了となってしまったため、他のメンバーはエントリー失敗者が続出し、結局、ピッグ増田選手と2人で参加した。
さらに2年前は、従来以上にしつこくメンバーに注意喚起してプレッシャーをかけ続けた結果、私とピッグのほか、支部長がヤイさんと國宗選手の分も含めてエントリーに成功した。ただ、エントリー競走は一段と過熱して10分程度で受付終了となったようで、DK谷さんは去年に続いて失敗した。いくら定員が1000人と少ないとは言え、こんな四国の山奥の超マイナーなレースが10分で受付終了になるなんて、本当にもう世の中、信じられない。
てな事で、連続出場していた大会なんだけど、去年は同じ週末に開催された富士登山競走のエントリーに成功したため、そちらに出場し、この汗見川マラソンはエントリーしなかった。私が参加しないとなると、他にしつこくエントリーを促す人がいないため、他のメンバーも誰も参加しなかった。
今年も本当なら私は富士登山競走に出場して去年のリベンジを果たしたかったが、今年はパソコンの不具合によりエントリーに失敗したため、再びこの汗見川マラソンに戻ってきたのだ。もちろん、過去の失敗を繰り返す訳にはいかないので、パソコンの調子を確認した上で10分前からパソコンの前に座り、受付時間の開始と同時にパソコンのキーを叩いて、なんとか無事にエントリーすることに成功した。ところが、あれほど口を酸っぱくしてエントリーを促していると言うのに、他のメンバーからは続々と悲報が届く。
(支部長)「8時8分エントリーが終了していました。残念です」
(ビッグ)「同じく8時13分にパソコンを叩いたら、時すでに遅し。風呂に入って出遅れました」
(D木谷)「同じく歓送迎会で申し込み出来ませんでした!」
(幹事長)「お前ら、やる気あるんかーっっっっっ!!!」
てな事で、結局、今年はなんと私一人で出場することとなった。悲しい。
私がこんなに必死になってエントリーしているのに、他のメンバーの動きが悪いのは、このレースの坂と暑さに腰が引けてしまい、イマイチやる気が無いからだ。確かに「一体どうして、こななクソ暑い時期にマラソン大会が存在するんだろう?」という単純で素朴な疑問はある。もう31回にもなる歴史ある大会なので、もしかしたら30年前は、7月下旬といえども、四国山地の真ん中の高原地帯は涼しかったのかもしれない。汗見川マラソンも四国カルストマラソンも、夏の真っ盛りだけど高地なので気温も下界に比べたら低めだろうって事で始まったのではないだろうか。しかし、こなな山の中でも高温化は確実に進んでいて、11年前に出場したときは、この世のものとは思えないようなあり得ない暑さで、「四国山地の真ん中の高原で、こんなに暑いんだったら、下界は地獄のような暑さだろうなあ」なんて思っていたら、なんと、その日は、汗見川マラソンが開催された高知県本山町が全国で一番暑かったという、トンでもない状況だった。昔は涼しかったのだろうけど、少なくとも今は、高原だからと言って涼しさを期待してはいけない事だけは確かだ。
〜 まさかの中止! 〜
汗見川マラソンの3週間前の7月7日(土)〜8日(日)の高松トライアスロンが雨天で中止になったのは記憶に生々しい。いくら大雨で各地に大きな被害をもたらした大災害だったとは言え、強風ではないただの大雨だったので、土砂崩れや川の氾濫と無縁の高松でトライアスロンを中止にする必要があったとは思えず、大いに怒り狂った私だが、その大雨の後は、今度は打って変わって全国的に晴天の猛暑が続いた。そのため、その10日後から1週間ほど後立山連峰完全踏破の旅と称して山に籠もっていたが、北アルプスの高い山の上なのに、1週間も晴天が続き、珍しいほどの登山日和となった。山から下りてきても晴天というか猛暑は続き、下山から5日後の汗見川マラソンを楽しみにしていた。
ところが、なんと、この汗見川マラソンも中止になってしまった。
その理由が信じられないと言うか理解できないと言うかあり得ないものだった。
その理由と言うのは「3週間も前の豪雨」なのだ。3週間前の豪雨の後は、ずうっと猛暑の晴天が続いていると言うのに、今頃になって豪雨を理由に中止にするのだ。3週間も前の豪雨により、マラソンコースの道路に崩落の危険箇所があるから、という理由なのだ。豪雨により道路が崩落して通れなくなった、と言うのなら理解できる。あるいは、再び雨が降っていて、今にも崩れそうだから、と言うのなら理解できる。しかし、豪雨は3週間も前の事であり、しかもその豪雨によっても崩れてはいないのだ。そして今は晴天が続いてカラカラだ。土砂崩れが発生する可能性はゼロに近い。一体、何を恐れているのだ?もう全く理解できない。本当に理解できない。
かつてマラソン大会は、どんなに暴風雨が荒れ狂っても、天気のせいで中止にはならなかった。6年前の徳島マラソンは台風顔負けの暴風雨の中でも決行された。マラソン関係者の間では、雨や風の影響で大会を中止にするなんて発想は皆無だったはずだ。それが、いつから変わってしまったのだろう。おそらくは、事故でも起きたら、アホなマスコミ共が一斉に声高に非難するからだろう。実際に参加しているランナー達は、天候の事は自己責任で出場しているのだから、天候のせいで事故が起きても文句言うような幼稚な人はいないはずだ。
7月の真夏の貴重なマラソン大会が無くなってしまったので、6月初めの北山林道駆け足大会から9月初めの酸欠マラソンまで3ヵ月もレースが無くなってしまった。本当にやるせない限りだ。
(ピッグ)「参加費とかはどうなるんですかね?」
(幹事長)「それが一切、返ってこないんよ」
大会直前になっての中止なら、参加費が返ってこないのも仕方ないかなと思える。大会前日に中止が決まった高松トライアスロンなんかは、機材や人手も手配済みで、コストの大部分は使ってしまっていただろうから、やむを得ないだろう。
(D木谷)「でもトライアスロンは参加費が24000円もしたんですよ。厳しいなあ」
(幹事長)「え!そんなにするん?」
(支部長)「しかもトライアスロン協会への登録料が別に4000円かかるんよ」
それに比べたら汗見川マラソンの参加費は5000円なので被害は少ないが、しかし、大会直前じゃなくて何日も前に中止を決定しておきながら、参加費をまるまる返さないってのはひどいんじゃない?まだ、そんなにコストは発生してないぞ。
〜おしまい〜
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