第10回 海部川風流マラソン大会

〜 ピッグ、サブフォー達成の快挙! 〜


2018年2月18日(日)、徳島県海部郡海陽町第10回海部川風流マラソンが開催された。
丸亀マラソンが開催されて僅か2週間後にフルマラソンに参加したのには理由がある。去年は同じく丸亀マラソンの2週間後に京都マラソンに出場した。6年目にしてようやく抽選に当たったからだ。しかし、競争率が高い都市マラソンなので、2年連続で出場できるなんて甘い期待はしてなかったが、予想通り10月初旬に落選通知が届いた。でも、いくら予想通りとは言っても、今年度は神戸マラソン、大阪マラソン、京都マラソン、東京マラソンと、全て落選してしまい、なんとなくやるせなさが漂っていた。
すると、そのときD木谷さんが言った。

(D木谷)「京都マラソンと同じ日に海部川マラソンがありますよ」
(幹事長)「え?同じ日なの?」


この時期は全国で多くのマラソン大会が開催されているから、同じ日に色んな大会がダブっているのは珍しい話ではない。

(幹事長)「まだエントリーは間に合うんかなあ?」
(D木谷)「私は、つい先日エントリーしたばっかりだから、まだ間に合うはずですよ」


て事で慌ててランネットからエントリーしようとしたら、受付は10月1日〜31日になっているのに、なんと既に定員いっぱいでエントリーは打ち切られていた。こんな辺鄙な場所で開催される田舎のマラソン大会が定員いっぱいになるなんて、以前ならあり得なかったんだけど、最近は世紀末的なマラソン狂走曲のせいで、こんなローカルなマラソン大会でも申し込み受付が始まったら、あっという間に定員いっぱいになり、油断して少しでも申し込みが遅れると参加できなくなってしまうのだ。
しかも、この海部川マラソンランネットのマラソン大会の人気ランキングで全国1位になっているらしく、辺鄙な場所の田舎のマラソン大会ではありながら、かなりの人気のようなのだ。おまけに定員は僅か2000人で、今どきのマラソン大会としては非常に少ない。評判が良い大会なのに定員が少ないため、すぐ定員いっぱいになってしまうのだ。

しかし、大会事務局のホームページを良く読んでみると、不思議な事が書いてあった。定員は合計2000人なんだけど、そのうちランネットでのインターネット申し込みの定員は1800人で、他に専用振替用紙での申し込み枠ってのが200人分あるとのことなのだ。今どき、ほとんどのマラソン大会のエントリーはネットに限られているが、この大会はインターネットを使えない人のために親切にも別枠で郵便振替で申し込めるのだ。郵便振替の定員は僅か200人だけど、逆に考えれば、今どきインターネットが使えずに郵便振替で申し込む人が200人もいるとも思えない。なので、ランネットでのエントリーは締め切られていても郵便振替の枠はまだ開いている可能性がある。て事で、急いで海陽町に電話してみたら、なんと親切な受付のおねえさんがすぐに専用振替用紙が付いた大会パンフレットを郵送してくれると言う。やったーっ!専用振替用紙はすぐに届き、早速申し込んだ

(ピッグ)「その行動力と言うか強引さには脱帽と言うか呆れますよねえ」
(幹事長)「なにごともやってみないと、な」


もちろん、振替用紙は送ってくれたものの、本当にまだ受け付けてくれるのかどうかは不明だ。もしかしたら、その後、郵便振替の定員もいっぱいになってしまっているかもしれない。でも、私は楽観的だった。郵便振替での申し込みは定員200人と決められているが、それってどう管理しているのか大いに疑問だ。ネットでの申し込みなら、定員が1800人に達した瞬間にコンピューターで自動的に締め切ることができるが、郵便振替の場合、毎日、夕方になって届いた分を集計して定員に達した時点で周知したとしても、既に発送された分がダラダラと届くだろうし、そもそもインターネットが使えない人のための郵便振替システムなんだから、「もう定員いっぱいになったから締め切りますよう」ってネットで周知してもメッセージは届かない。どこかでパンフレットを入手して申し込もうとしている人を止める手段は無いのだ。て事は、最初から郵便振替を利用する人はせいぜい200人が上限なので、その人たちはパンフレットに記載している申込締切期日まで全部受け付けるってことではないだろうか?
なーんて楽観的に考えていたんだけど、郵便振替での申込の場合、ランネットでのエントリーと違い、本当に受け付けてくれたのかどうかの連絡は来ない。何の返事も来ないってことは「便りが無いのは良い便り」って事だと思いたいんだけど、不安は残る。大会が近づいてきて、ようやく参加証が送られてきた時はホッとした。


〜 好タイム続出の大会 〜


(支部長)「でも、エントリーした10月初旬と言えば、龍馬脱藩マラソンで大惨敗して、もうフルマラソンは止めじゃ、なんて言ってた頃と違う?」
(幹事長)「おっしゃる通り」


確かに、京都マラソンの落選通知が届いた2日後に龍馬脱藩マラソンが開催され、大惨敗した前年のリベンジに燃えていたのに、なんと前年以上の空前絶後の大惨敗を喫してしまい、「もうフルマラソンは止めよう」なんて弱気になっていた。しかし、どのレースの場合もそうだが、レースの直後には「もうこんな辛い事はおしまいにしよう」なんて思うんだけど、数日経つと、辛かったことより悔しさが沸いてきて、なんとしてもリベンジしたいと思うようになる。そして、どうあがいても苦戦を強いられる龍馬脱藩マラソンよりも、もっと好記録が期待できるマラソン大会を望んだのだ。
実は海部川マラソンの話は以前から聞いていた。5年前の第5回大会にピッグが出場したからだ。

(幹事長)「海陽町って、どこやったっけ?」
(ピッグ)「海南町、海部町、宍喰町が合併して出来た町で、徳島県の南の端で、高知県との県境ですね」


海南町とか海部町とか言えばすぐ分かるんだけど、海洋町と言われてもピンとこない。ここに限らず、平成の大合併で生まれた自治体は、名前を聞いても、一体全体どこの事やら分からなくて混乱してしまう。海部郡の3町が合併したんだから海部町で良いじゃないか、その方が分かりやすいじゃないか、って思うんだけど、そうなると旧海部町が残りの2町を吸収したみたいで具合が悪かったんだろう。
ま、それは良いとして、徳島県の最南端なので、高松からだとかなり遠い。なぜそんな遠方のマラソン大会にピッグが出場したのかと言えば、当時ピッグは阿南市に勤務していたからだ。阿南市からだと海洋町まで1時間もかからないくらいだ。
ま、それも良いとして、衝撃的だったのはピッグの記録だ。それまでは私の良きライバルだったのに、いきなり4時間10分という好タイムを出したのだ。これは衝撃的だった。

(ピッグ)「自分でも信じられませんでしたね」

2週間前の丸亀マラソンでは、ピッグも私も似たようなタイムだったのに、海部川マラソンでは突如、あり得ないような好タイムを出したのだ
それでも、その時だけなら、何か魔が差したって事もあり得る。

(ピッグ)「別に悪い事じゃないですからね」

衝撃的だったのは、その翌年の第6回大会では、さらにタイムを縮めて4時間7分という好タイムを出し、フルマラソン自己ベストを2年連続で更新した事だ。
こうなると、もうまぐれではない。また、2年連続で2週間前の丸亀マラソンでは私もピッグも似たようなタイムだった事を考えると、ピッグの実力が一気にレベルアップした訳でもない。それなのに私が到底出せないような好タイムをピッグがコンスタントに出せたと言うことは、理由は1つしか考えられない。

(幹事長)「コースの距離が短いんやな」
(ピッグ)「日本陸連公認コースですぅ!」


そして、なんと、この大会に限って好タイムを出しているのはピッグだけではない。D木谷さんもフルマラソンの自己ベストは海部川マラソンで出しているのだ

(幹事長)「ちなみに、どれくらいのタイム?」
(D木谷)「ピッグさんとほぼ同じ4時間8分くらいだったと思います」


そして、さらにもう1人、阿南の魔女Y浅さんもフルマラソン自己ベストは海部川マラソンで出したものだった。阿南の魔女Y浅さんとは、1月の満濃公園リレーマラソンで常に我々ペンギンズ動物チームを覇権を争っているヒヨコさんチームのボスだ。実は彼女は去年の12月の加古川マラソンでフルマラソン自己ベストを更新してしまったのだが、それまでのフルマラソン自己ベストは海部川マラソンで出したものだったのだ。そして、海部川マラソンで出していた旧フルマラソン自己ベストもピッグとほぼ同じ4時間8分だった。3人ともフルマラソン自己ベストが海部川マラソンで出したものだってのは、偶然にしては出来すぎている

(幹事長)「日本陸連も巻き込んだイカサマじゃないのか?」
(ピッグ)「目的は何ですか?」


しかも普段の実力は微妙に差がある3人のタイムが、ほぼ同じってのも怪しすぎる

(幹事長)「おかしいやろ?」
(ピッグ)「確かに不思議ですねえ」


一体どのようなカラクリが仕込まれているのか分からないが、いずれにしても、誰が出ても4時間7〜8分でゴールできるシステムになっているようなのだ。

(幹事長)「ちょっと考えられんなあ」
(ピッグ)「誰が出ても、ってのは言い過ぎですけどね」


とにかく、みんなが好タイムを連発しているマラソン大会なので、絶対に走りやすいことは間違いない。Y浅さんも

(Y浅)「海部側マラソンは走りやすくて良いコースですよ」

って言ってくれていたし。


〜 長期低落傾向に歯止めを! 〜


私のマラソン人生は一昨年の暮れから暗黒状態が続いていた

(ピッグ)「“マラソン人生”って言うほど力を入れているとも見えませんが」

暗黒状態への転落の始まりは一昨年の暮れの交通事故だ。那覇マラソンに初出場するって事で燃えていたのに、その直前に交通事故で肋骨を3本も骨折してしまい、那覇マラソンには参加できなくなり、さらに12月いっぱいは安静を余儀なくされた。ようやく軽くジョギングし始めたのは1月初めの満濃公園リレーマラソンの直前からで、そのため満濃公園リレーマラソンでは想像を絶する遅さで惨敗した。自分では全力疾走しているつもりなのに、トンでもなく遅いのだ。理解を越える空前絶後の遅さだった。1ヵ月の安静期間のうちに筋力が極端に弱っていたのだ。もともと真面目にトレーニングしている人なら、1ヵ月も休めば走力は大幅に落ちるだろうけど、私のように、もとからチンタラ練習しているだけのランナーなら、1ヵ月くらいサボったって大した影響は無いように思えるのだが、レベルが低ければ低いなりに、やはり落ちるようなのだ。

(支部長)「だから、それは老化の影響もあるんやってば。若い頃は回復が早いけど、歳とったらなかなか元には戻らないんや」

確かに、高齢者の場合、それまで元気だったのに、骨折して入院したら、それっきり寝たきりになってしまうケースは多い。

(幹事長)「って、ワシはそこまで高齢者ではないぞっ!」

てことで、去年2月の丸亀マラソンは完走すら不安なままスタートした。ハーフマラソンで完走できるかどうか不安を抱えて走るなんて事は初めてだったが、たまたまスタート時にすぐ側に2時間のペースランナーがいたもんだから、何も考えずに彼らに盲目的に着いていったら、最後まで全然ペースダウンすることなくゴールできた。2時間という遅いペースだったから無理なく完走できたんだけど、それでも完走できたことで怪我からの復活が嬉しかった。ところが、その後、5月の連休中の登山で山から滑落して膝の靱帯を損傷してしまい3週間後の小豆島オリーブマラソンでは、まともに走ることもままならず、なんとか完走はしたものの、あり得ないような悲惨な大惨敗ぶりだった。その後、徐々に回復していったと思ってたんだけど、支部長の言うように回復のスピードはとても遅く、去年11月の瀬戸内海タートルマラソンのタイムも悪かったし、さらに12月の那覇マラソンも大惨敗を喫してしまった。

てことで、今年は、2週間前の丸亀ハーフマラソンと、今回の海部川フルマラソンで、なんとしても長期低落傾向に歯止めを掛けなければならなかった。坂が無くてフラットな丸亀マラソンと皆が好タイムを出している海部川マラソンで復活の兆しが見えなければ、このまま落ち目街道まっしぐらだ。低迷のきっかけは交通事故や登山事故だったとしても、それをきっかけに転落する一方で回復しないとなると、これはもう疑う余地無く歳のせいだ。つまり、もういくら頑張っても二度と復活はできないって事になる。

(支部長)「もう歳なんやから、復活なんてかなわない夢を追いかけるのは諦めるべきやな。タイムなんか気にしないで気楽に走ったらええやんか」
(幹事長)「自分やって、すぐムキになって走るやんか!」


かなり悲壮な覚悟で臨んだ2週間前の丸亀マラソンだったが、最近にしては、まずまずのタイムが出た。大会自己ベストはもとより、来年の大会でBブロックからスタートできる1時間50分もクリアできなかったけど、なんとか最近の長期低落傾向に歯止めをかけることはできたと言えるタイムだった。ゴールした後も足は全然大丈夫で、まだまだ走れそうな余力が残っていた。結果論で言えば、もうちょっと前半から突っ込んでたらもっともっと良いタイムを出せたかも知れないなんて後悔も出てきたが、それはあくまでも終わってからの結果論であり、スタート前は怖くてあんまりリスクは取れなかったから仕方なかった。とにかく、少なくともハーフマラソンについては、なんとか長期低落傾向に歯止めがかかったと思う。
そうなると、次はフルマラソンだ。フルマラソンは3月末に坂が無い超フラットな徳島マラソンがあるが、坂が無い超フラットなコースのくせに、徳島マラソンのタイムはパッとしない。恐らく、延々と吉野川の堤防を40kmも走るという超退屈なコースのために精神的にやる気が出ないのが原因かと思われる。マラソンは精神力のスポーツなので、やる気が沸いてこないと良いタイムが出るはずがない。
一方、今回の海部川マラソンのコースは、旧海南町と旧海部町の間を流れる海部川に沿った道を、行きは海岸部から山奥に向かって上り、帰りは下ってくるというコースで、変化がありそうで、退屈はしないだろう。山間部を走って上がっていくので、坂が不安要素だが、誰に聞いても、そんな大した坂は無いらしい。しかも、前半が登りで後半が下りというのは理想的なコースだ。疲れて足が動かなくなった後半が下り坂だと、自然に足が動くからだ。
それに、他のメンバーが海部川マラソンで好タイムを連発した時は、かならず2週間前に丸亀ハーフマラソンを走っている。ハーフマラソンの2週間後にフルマラソンを走るってのが良いのかもしれない。もし丸亀マラソンで惨敗しているのなら、不安も残るが、今年の丸亀マラソンはまあまあのタイムだったから、調子の良さを継続できるかもしれない。

てな事で、好タイムが続出しているこの大会で、私も好タイムを出し、数年前から進行している長期低落傾向になんとしても歯止めをかけたいのだ。


〜 会場へ出発 〜


今回、出場するのはピッグD木谷さんだ。ピッグは第6回大会以来の出場だが、D木谷さんは3年連続の出場だ。

スタートは9時なので、当日の早朝に車を運転していくのは大変だ。なので、前日から移動しておこうかなあとも思ったが、今回はD木谷さんが車を出してくれると言うので、当日の朝、みんなで出発することとなった。時間は余裕を持って私の家を4時に出ることとなった。同じように遠方で、同じように9時スタートの龍馬脱藩マラソンのときは5時出発だったから、これまでで一番早い出発だ。
4時に待っていると、D木谷さんがピッグとN谷選手を乗せてやってきた。N谷選手はD木谷さんと一緒にトライアスロンを荒らしまくっている強豪選手で、記事には初登場だが、これまでも小豆島のマラソンに参加する時の船の中で一緒になったりしている。
いつもなら、行きの車の中で朝食を食べるんだけど、まだ食欲はわかない。

(D木谷)「マラソン大会の時の朝食って、いつ食べるのが良いんでしたっけ?」
(幹事長)「ゴールの5時間前って聞きましたね」
(D木谷)「それじゃあスタートの直前になってしまいますね」
(幹事長)「下手したらスタート後になりますね」


なので、ゴールの5時間前ってのは速いランナーの場合であって、我々はもっと早めに食べないと間に合わなくなる。でも、さすがにまだ時間が早く、体も起きてないので、食欲はわかない。

日曜日の早朝なので、普段は大混雑の徳島市内も道路はガラガラで、順調に進む。徳島市から阿南市を通って海陽町まで行く道は、途中、いくつかルートが分かれていて、どれが一番早いのか分からないけど、今のようにガラガラだと、どこを通っても同じようなものだ。
車は順調に進むが、どうも頭痛が気になる。数日前から出ているんだけど、原因不明の頭痛だ。症状としては疲れたり睡眠不足の時に出る頭痛だけど、最近はぐうたらしてるので、思い当たる節が無い。

(幹事長)「ここ数日はランニングもしてないし」
(ピッグ)「とか何とか言いながら登山したでしょ?」
(幹事長)「登山もここ1週間は控えてるし。
       もしかして一昨日、税務署へ確定申告に行ったせいやろか?あれは頭が痛かった」
(ピッグ)「絶対に無関係ですね」


無事、税金が戻ってくると良いのだけれど。


〜 会場へ到着 〜


車は順調に進み、7時頃には現地に到着した
会場はまぜのおか運動公園だが、駐車場は少し離れた場所にあり、そこからマイクロバスでピストン輸送してくれる。9時のスタートまでまだ2時間もあるため、駐車場も空いていたし、会場もまだまだガラガラだ。いつもの私の発想からすれば、これならもっとゆっくり出発しても良かったんじゃないかって思うところだが、まだガラガラのため、トイレもガラガラで、とてもゆったり過ごすことができた。自分が運転するのなら大変だけど、乗せてもらって居眠りしながら行くのなら、これくらい早いほうが楽ちんだ。

受付は8時までだが、まだ1時間も余裕があるので、参加者もまばらだった。受付では参加賞のバスタオルをもらう。マラソン大会の参加賞と言えばTシャツが多いが、どこも似たようなTシャツばかりで、毎年々々、大量のTシャツが積み上がっていき、始末に困るから、バスタオルの方がありがたい。
バスタオルの他にも、地元も名産品らしきものを色々とくれたので、ちょっと楽しい。さらに、このマラソン大会の名物でもある伊勢エビ入りの味噌汁券やうどん券も配布された。うどんに関しては全く期待はしないが、伊勢エビの味噌汁は絶対に貰わなければならない。

男子更衣室になっている体育館に着いたら、四痙攣の航路さんに会う。航路さんはマラソンを始めてまだ数年だが、もともと学生時代に陸上をやっていたこともあり、あっという間に我々を凌駕してしまった実力者だ。しかも、去年10月の龍馬脱藩マラソンではピッグのサポートに徹してくれた優しいランナーだ。

(N谷)「航路さんもペンギンズなんですか?」
(幹事長)「もちろん、そうやで」
(航路)「え?そうなんですか?N谷さんは?」
(幹事長)「彼も、もちろんメンバーや」
(航路)「え?そうなんですか?そういうシステムなんですか?」


こうやって新たなメンバーが増強されるのは良いことだが、みんなレベルが高いから、私の心の支えにはならないのが不満要素だ。
まだ食欲はイマイチだが、そろそろ朝食を食べるべきだと思って、おにぎりを食べる。朝食が済んだら、ゆっくりトイレに行く。
集合締め切りの10時40分までは、まだ1時間以上もあるが、取りあえず着替えることにする。

(D木谷)「今日も何を着るかで悩むんですか?」
(幹事長)「いえいえ、このシーズンは、あんまり悩まなくてすみますね」


何を着るかはマラソン大会において最も重要な要素だ寒いのは大嫌いだけど、暑くなるとバテてしまうから避けなければならない。でも、今日は天気は良くて気温が低いから、そんなに悩むような天候ではない。仮に晴天になったとしても、この気温なら暑くなるってことはないだろうし、風が弱いので寒さも大した事はないだろう。
てことで、2週間前の丸亀マラソンと同じウェア構成で臨むことにする。気温は低いが雨の心配は無いので、登山用に愛用している吸湿性と速乾性に優れた濡れてもベチョベチョしないインナーウェアではなく、もっと防寒性能を重視した防寒用長袖ランニングシャツを着る。生地の厚さは、そんなに厚いってわけでもないが、背中の首筋の部分が補強されて暖かくなっている。その上には2週間前の丸亀マラソンでもらったTシャツを着た。丸亀マラソンのTシャツも長年パッとしないものが続いたが、今回は鮮やかな緑色で、是非一度着たいと思っていたのだ。丸亀マラソンの時は、雪も降っていたし、強烈な寒風が吹いていたため、さらにビニール袋でも被ろうかと悩んだりもしたが、今日は風は弱そうなので2枚あれば十分かとも思う。

(N谷)「でも受付でビニール袋をくばってくれてましたよ」
(幹事長)「え?知らなかった」


慌てて貰いに行くと、ちゃんと首や肩の部分をくり抜いた防寒用のビニール袋を配ってくれていた。て事は、これを着るランナーも多いってことか。気温は低いとは言え、風は弱いし、天気も良さそうなんだけど、ビニール袋が必要になる可能性があるってことか。確かに、ハーフマラソン程度なら最後までガンガン走るから体も熱くなるが、フルマラソンになるとペースは遅いから、そこまで体は熱くならない。しかも、終盤に力尽きてトボトボと歩くようなペースになると、一気に体は冷えてくる。3月の徳島マラソンでも終盤には寒くて辛くなる事が多い。て事で、とりあえず貰ったビニール袋を折りたたんでポケットに入れておくことにする。
もちろん今日も迷うことなくランニングタイツを履く。ランニングタイツは、本来は足のサポートのために履くらしい。

(幹事長)「ほんとに効果あるんかなあ」
(航路)「テーピングと同じで、疲労防止には効果ありますね。ただ、足を動かしにくくなりますけどね」
(幹事長)「そやろ?動かしにくくなるよな?」


何をサポートするのか良く分からないが、テーピングテープと同じ働きをするのは確からしい。と言っても、そもそも私はテーピングテープの働き自体が分からないので、ランニングタイツの効用は分からない。最近は多くのランナーがタイツを履いているが、プロ級の選手は決して履いていないので、どこまで意味があるのか疑問は残る。個人的には、サポートになると言う効用より、足が突っ張ってむしろ走りにくいデメリットを大きく感じてしまう。足に負荷がかかって、かえって疲れるんじゃないかっていう疑惑がある。でも、今日のように気温の低い日には防寒のために履くべきだ
雨は降りそうにないし、日射しも強くないので、嫌いなランニングキャップは被らないが、防寒用に手袋は必要だ。あとはハンドタオルとポケットティッシュと、足が攣るのを防止するマグネシウム入りのジェルをポケットに入れた。昨年10月の龍馬脱藩マラソンや12月の那覇マラソンで足が攣ったため、最近は足攣りには神経質になっているのだ。
ピッグは今日は何を着るのかなと思って見ると、なんと四万十ウルトラマラソンのTシャツを着ている。3年半前に出た時に貰ったものだ。

(幹事長)「うわあ、これ見よがしにウルトラマラソンのTシャツなんか着てるけど、出たのは100kmじゃなくて60kmの部なんよね?」
(ピッグ)「着てれば分かりませんからね」
(幹事長)「マジックで“60kmの部”って書いてやろうか?」


D木谷さんは最近スポーツジムで熱心にやっているズンバのTシャツを着ている。

(幹事長)「それも、これ見よがしなんですか?」
(D木谷)「誰も見て分からないと思うんで」

新メンバーを加えた最強メンバー
(左から航路さん、ピッグ、幹事長、D木谷さん、N谷選手)


着替えが終わって、ふと周囲を見回すと、いつの間にか体育館の中は超満員になっている。いくら小規模な大会とは言え、2000人もが集まると大混雑だ。トイレも長蛇の列になっていて、気が遠くなりそうだ。やはり早く来て良かった。
最後にバナナを食べてスタート地点に移動することにする。


〜 スタンバイ 〜


スタート地点は、体育館から少し下がった野球グラウンドの横だ。一応、背番号順に整列することになっていたから、エントリーの際に目標タイムを自己申告したのかも知れない。でも、あんまり気にせずに、みんな一緒に並ぶ。
一般的に、スタートしてからの混雑を避けるためには、できるだけ前の方からスタートした方が良い。タイムはゼッケンに着けたチップでネット計測してくれるから、後ろの方からスタートしても構わないんだけど、後ろの方からスタートしたら、仲間同士でおしゃべりしながらゆっくり走るおばちゃん軍団なんかにブロックされて走りにくい。参加者の多い大会になると、最後まで混雑は緩和されず、最後までおばちゃん軍団に前をブロックされたままになるので、それは避けなければならない。自分と同じ速さのランナー達と一緒に走れば、邪魔なランナーを追い抜く必要も無ければ、後ろから抜かれる事も無いので、秩序良く走ることができる。
だがしかし、このマラソン大会は参加者が少ないため、一番後ろからスタートしても、スタート地点をくぐるまで1分くらいしかかからなさそうだから、どこに並んでも似たようなものだ。それにハーフマラソンなんかと違って、フルマラソンは最初からハイスピードで飛ばすような事はしないから、多少混雑しても平気だ。

スタート時間が迫ってきたので、本日の目標を設定せねばならない。もちろん、どんな時でも、どんなレースでも、大会自己ベストの更新を狙うのが良い子の有るべき姿だが、この大会は初参加なので、大会自己ベストは出しようがない。でも、この海部川マラソンはみんながフルマラソン自己ベストを出している走りやすいコースのようなので、是非とも良いタイムを狙いたい
だがしかし、上に書いたように、今の私は自己ベストの更新よりも長期低落傾向に歯止めをかける事が最優先だ。交通事故や登山事故のせいで、去年のマラソン大会はことごとく惨敗が続き、特にフルマラソンは10月の龍馬脱藩マラソン12月の那覇マラソンも、空前絶後の大惨敗を喫してしまい、「もうフルマラソンは止めよう」なんて思ったくらいだ。なので、心の片隅に微かに自己ベストを狙いたい気持ちはあるものの、現実的には長期低落傾向を食い止める事が最優先だ。
復活の兆しはある。2週間前の丸亀マラソンは、そんなに良いタイムでもなかったが、最近にしてはまずまずのタイムとなり、少なくとも落ち目街道を食い止め、再浮上の可能性を感じる事ができた。少なくともハーフマラソンについては、なんとか長期低落傾向に歯止めがかかったと思う。残るはフルマラソンだ。好タイムの可能性があるコースなんだけど、リスクを冒して結果的に撃沈したら元も子もないので、ほどほどに攻めて撃沈だけは避けたい

(ピッグ)「丸亀マラソンのレース後は、もっと前半から飛ばしていたら良いタイムが出たのになあって後悔してましたよね?」
(幹事長)「結果論だけどな」


丸亀マラソンでは、ゴールした後も足は全然大丈夫で、まだまだ走れそうな余力が残っていたから、結果論で言えば、もうちょっと前半から突っ込んでたら大会自己ベストも出せたかもしれないなんて少し後悔もあった。だが、ハールマラソンとフルマラソンは全く別物であり、ハーフマラソンで順調に走れたからと言って、フルマラソンでも通用するかとなると全く分からない。フルマラソンは前半で調子に乗って飛ばして終盤に撃沈してトボトボ歩くという苦い経験を山ほど積んでいるので、あくまでも慎重に進めなければならない。なので、好タイムを狙って多少のリスクを冒して最初からハイペースで入る、なんて作戦は怖くて取れない。

(ピッグ)「私は過去2回の出場でサブフォーが見えてきたので、今日はサブフォーを狙いたいですね
(幹事長)「げげげげっ!強気やなあ!」
(D木谷)「私もサブフォーを狙いたいですね」
(幹事長)「二人とも過去の実績があるから可能性もあるよなあ」


特にピッグの場合、他のマラソン大会ではサブフォーなんて到底不可能に思える実績しか無いが、海部川マラソンに限っては、過去に出場した2回とも、あと数分でサブフォー達成だったので、可能性は大いにある。ハーフマラソンのタイムが私と変わらないピッグがサブフォーを出せるのなら、私だってサブフォーの可能性があると思いたいところだが、どう考えても無理な気がする。

(ピッグ)「いつもなら根拠無く強気な幹事長が、妙に弱気ですね」
(幹事長)「去年の那覇マラソンの傷が深くて」


那覇マラソンもそこそこ坂があったとは言え、奈良マラソンや瀬戸内海タートルマラソンよりは坂は少ないのに、あり得ないような大惨敗を喫してしまった。今日の海部川マラソンも累積の獲得標高で見れば那覇マラソンとほぼ同じ程度の坂がある。なので、十分に警戒しなくてはならない。
コースは、このまぜのおか運動公園をスタートして数km進んで海部川の堤防に出て、その後は海部川沿いに上流に向かって走っていく。途中、支流の相川の上流に向かって折れ曲がっていく区間もあるが、その寄り道区間が終われば再び海部川をさかのぼり、折り返したら再び海部川沿いに下ってくるというコースだ。川をさかのぼるって事は、前半は上りになり、帰りは下りになるって事であり、疲れて足が動かなくなった後半が下り坂だと自然に足が動く事が期待できるから、理想的なコースと言える。
ただし、こういうコースの場合、とにかく前半の上りさえ乗り切れば、後半はずっと下りなので、多少くたびれても帰ってこられるから、前半で全力を使い果たしても大丈夫だ、なんていう大きな勘違いをして惨敗する事が多い。弘前アップルマラソンは3年連続で惨敗だったし、龍馬脱藩マラソンも2年連続で大惨敗している。前半の上りで体力を使い果たしてしまったら、下りでも後半は足が動かなくなるのだ
ただし、このマラソン大会のコース図を見ると、坂と言っても、片道20km走って上るのはせいぜい50mくらいだから、全体の傾斜は1%以下で、ほとんど坂とも言えない傾斜であり、実感としてはフラットに近いコースだろう。ただ、時々細かなアップダウンはある。それがどれくらい厳しい坂なのかは走ってみないと分からないが、少なくとも終盤の30km地点の後は、ほとんど坂は無いようだ。

(D木谷)「ただし、終盤に海部川の堤防から離れて会場に向かう松林の横を走る区間が長く感じるんですよ」
(ピッグ)「そうですよね。もうゴールは近いと思うのに、延々と続くんですよ」


地図を見ると、残り3kmくらいの所から大里松原海岸てところを走るようだ。もし何も知らずに、もうゴールは近いと思って突入したら長く感じるかも知れないが、こうやって予め情報を得ていたら、それなりの覚悟ができるので、そんなに不安は無い。

(ピッグ)「それと、最後の最後で、ほんの短い区間ですけど上り坂になるのがきついですね」

まあ、それも、所詮は数百mなので、耐えられるだろう。

(幹事長)「サブフォーを狙いたい気持ちはあるけど、無理してつぶれたら元も子もないから、現実的な目標として4時間半を狙うぞ!

近年はフルマラソンに出る場合、前半はできるだけ抑えるようにしている。どんなレースでも最初は軽快に走れて「なんだか今日は調子いいな」なんて勘違いするんだけど、それは気分が高揚しているのと、始めだからまだ元気が有り余っているのと、周囲のランナーにつられているだけだ。そのまま調子に乗って飛ばしたら絶対に後半に撃沈する。なので、前半はできるだけ抑えて走らなければならない
去年の龍馬脱藩マラソンや那覇マラソンでは、最初から無理せずに抑えて走ったつもりだったのに後半に足が攣ったりして走れなくなったって事は、あれでも前半に無理が生じていたって事だ。抑えて走るとは言っても、わざとゆっくり走ることまではせずに「決して頑張らず自然体で走る」っていう程度だった。そしたら、自分では抑えて走っているつもりで、どうしても高揚感のせいで少しは無理していたって事だろう。つまり、自然体で走ってはいけないのだ。自然体で走るってことは、高揚感のせいで調子に乗って走っているってことなのだ。
ペースランナーが走るようなので、4時間半のペースランナーに着いて行ければ無難な結果を出せるかもしれない。

(ピッグ)「4時間のペースランナーもいますよ。私は前回、途中まで盲目的に4時間のペースランナーに着いていったおかげで良いタイムが出ましたよ」
(幹事長)「ちょっと一緒に走ってみて考えるわ」


去年の丸亀マラソンでペースランナーに着いていって楽に走れた経験があるから、私もペースランナーのありがたさは分かったが、4時間のペースランナーに着いていけるかどうかは分からない。


〜 スタート 〜


今日はゲストランナーとして徳島出身の弘山晴美市橋有里が来てて、場内放送で盛り上がっている。どうやら弘山晴美は一緒に走るらしいが、市橋有里はよく分からない。
そして、いよいよスタートとなった。もちろん、スタートと同時に一斉に走り出すわけではなく、スタート地点まではダラダラ歩いて進む。でも、参加者が2000人と少ないため、1分もかからずにスタート地点に達した。横でD木谷さんが

(D木谷)「ここまで50秒くらいでしたね」

なんて言う。でも、どうせタイムはチップでネット計測してくれるから、グロスとネットの差は関係ない。まさか、後になって、この50秒ほどの差が大きな意味を持ってくるなんて、この時には思ってもみなかった。

初めて走るコースなので、とても新鮮でワクワク感がある。丸亀マラソンや小豆島のオリーブマラソンやタートルマラソンなど、もう20年も出ているレースになると、コースも熟知しているし、何の新鮮味も感動も無いが、こういう新しいレースに出ると、とてもワクワクして楽しい。もちろん、楽しいだけでなく、どういうコースになっているのか、特に坂がどの程度なのか大いに不安もある。
まずは運動公園内の坂を上って降りて公園から一般道に出る辺りに最初の1km地点の距離表示があった。時計を見ると、なんと6分もかかっている。いくら序盤はペースを抑えると言っても、さすがにいきなり6分もかかってはいけない。この先、徐々にペースが落ちていくことを考えると、最初から6分もかかっていてはロクなタイムは出ない。でも、最初は混雑もあるし、小さいながらも運動公園内の坂を上り下りしたから仕方ない。ここで意識的にペースを上げたりすると後から悪影響が出るかもしれないので、そのまま自然体で走る。

その後はなだらかな一般道を自然体のまましばらく走っていると、2km地点、3km地点、4km地点でのラップは5分30〜40秒で落ち着いてきた。これくらいのペースで最後までいければサブフォーになる。もちろん、最後までこのペースで行けるとは思わないが、せめて最初くらいはサブフォーペースで攻めたい。まだ全然、無理はしておらず、自然体で走っているので、気持ち良く走れている
一緒にスタートしたピッグは、今回も航路さんと一緒に快調な足取りでどんどん先へ進む。
ピッグは永遠のライバルなので、まだまだ序盤のうちから離される訳にはいかないが、今日はフルマラソンの長期低落傾向に歯止めを掛けるのが最優先だから、できるだけリスクを回避して走ることにして、ピッグを深追いするのは止めた。すると、あっという間に背中が見えなくなってしまった。さらにD木谷さんも徐々に背中が遠くなっていく。でも、サブフォー狙いの彼らに無理して着いていって後半に撃沈したら目も当てられないので、自分のペースを守る。

4km地点を過ぎると海部川にかかる橋を渡り、海部川の南岸に移る。ここから海部川の堤防を走って川をさかのぼっていく。橋を渡ってすぐに5km地点があり、早くもラップは再び1km6分近くにまで落ちている。特に混雑も大きな坂も無かったのに、こんな序盤で早くもペースダウンしているって事は、やはりサブフォーなんて完全に不可能だ。でも、それは最初から分かっている事であり、無理は禁物だ。

5km地点を過ぎてしばらく走ると最初の給水所がある。今日は気温が低いから天気は良くても全然暑くなくて、しかもまだレースは始まったばかりで喉は渇いてないので、いつもなら給水はパスするところだ。もともと私の場合、あんまり喉が渇かない体質なので、給水無しでも全然平気だ。しかし、最近、気にしているのが足の攣りだ。攣りを防止するためには水分の補給は欠かせない。そもそも「給水は喉が渇いてからでは遅く、早め早めに給水しろ」ってのが鉄則だ。てなことで、今日は最初の給水所から始まって、全ての給水所で真面目に水分を補給することにした

給水するとすぐに6km地点となり、6km走ったと言うことは、もう全体の1/7を走ったと言うことだ。さらに次の7km地点に達すると、7km走ったと言うことは、もう全体の1/6を走ったと言うことだ。なんて計算をして、もう残り僅かだと思い込もうとするが、さすがにまだまだ序盤なので何のつっぱりにもならない。
ただ、沿道のみなさんの声援は嬉しかった。特に幼稚園児のみんなが沿道にズラッと並んでハイタッチしてくれるのは本当に嬉しい。小さな手とハイタッチすると、元気がどんどん沸いてくる。こんな田舎の町に、こんなに大勢の幼稚園児が本当に居るのか不思議なほどだが、たぶん全員総出で応援してくれているんだろう。この大会は、町をあげての一大イベントとして地域に密着した大会で、もっと大規模な全国的にも有名なマラソン大会のような派手さは無いんだけど、地元の人たちの温かい応援やボランティアスタッフのサポートが手厚い。ランネットでの評判が全国一ってのは、そういう面が評価されているのだろう。

走る前に想像していたコースは、龍馬脱藩マラソンや汗見川マラソンのように山間の狭い川に沿って厳しい坂を上っていくって感じだったが、実際の海部川は思っていたよりはるかに大きいと言うか幅が広くて、傾斜もほとんど無く、とてもゆったりとしたコースだ。ただし、時々小さなアップダウンはあり、8km地点あたりにはちょっとした小さなピークがあったりした。そういう事もあり、ペースは徐々に落ちていき、9km地点でのラップは遂に6分を少しオーバーしてしまった。もうこうなると、目標は完全に4時間30分だ。そう考えると気持ちは楽だ。1km平均6分20秒でいければ4時間半はクリアできる。終盤はペースダウンするだろうけど、前半を無理しなくても1km6分ちょっとで行ければ楽勝だ。

10km地点では再び1km6分を切っていたので、まずまずだ。10km地点を過ぎると2つ目の給水所がある。ここでも真面目に水分を補給し、続いて11km地点でラップを確認しようと思って時計を見ると、なんだか妙な表示になっている。さっきの給水所で水分を補給する時、間違って変なボタンを押してしまったらしい。そのため、タイムが分からなくなってしまった。ひえ〜!こら、あかんがな。次の12km地点から、再び新たに計測を始めたけど、12km地点までのタイムが分からない。分からないと言っても、まあ、だいたいは分かっているから、誤差はせいぜい1〜2分なんだろうけど、なんとなく落ち着かない。でも、まさか、その1〜2分の誤差が後になって大きな意味を持つとは思っても見なかった

再びラップ計測を再開した13km地点でのラップは、6分少々だったので、ペースは似たようなものだ。
ふと横を見ると、おばちゃんがヨタヨタを追い抜いていく。どう見ても遅そうなのに追い抜かれるってことは、自分はもっともっとよっぽど遅いんだろうなあ、っていつものように感じていたら、ゼッケンに「弘山晴美」って書いてある。なんとゲストランナーの弘山晴美だった。走り方は、もう完全にど素人のおばちゃん走りで、ヨタヨタと遅そうだけど、少なくとも私よりは速いってことだ。

この辺りからメインの海部川に沿って上るルートからはずれ、支流である相川に沿って走るルートに分岐する。この支流は本流の海部川に比べたら傾斜が少し急で、やや上り坂となる。そのせいか、14km地点、15km地点でのラップは少しづつ落ちていた。14km走ったと言うことは全体の1/3を走ったということになるが、まだまだ残りの方が2倍もある。
この辺りまでくると、最初の折り返し点から折り返して来たランナー達とすれ違うようになる。他のメンバーを探していたら、かなり前方にピッグが航路さんと一緒に激走しているのが見えた。私とは、トンでもない差が着いている。絶対に着いていくのは無理なペースだ。

15km地点を過ぎてしばらく走ると、ようやく最初の折り返し点があったが、この辺りは距離は大したことないけど、かなりきつい坂があったりして、一段とペースは落ちてしまい、折り返した後にある16km地点でのラップは6分30秒にまで落ちていた。まだ半分も来てないのに、早くも1km6分半になるなんて、こらまずいがな、と衝撃を受けた。
僕の後にメンバーはもう居ないはずと思って油断して走っていると、すぐ後ろから4時間半のペースランナーと、それに着いて走る集団が追ってきた。4時間半のペースランナーって事は、彼らは1km平均6分20秒くらいで走っているはずだ。こっちはペースダウンしてきたと言っても、まだ平均すれば1km6分くらいで走ってきたはずだ。それなのに、すぐ後ろに迫ってきているって、一体、どういう事だ?何か計算間違いをしているのか?さっき時計のスイッチを押し間違えたため、何かを間違えているのか?疲れた頭では良く分からず、混乱してしまったが、こんな前半のうちに4時間半のペースランナーに追い抜かれたのでは目も当てられないから、さすがに焦って少し頑張ることにした。
ここから海部川の本流に戻るまでの3kmは、緩やかながら下り坂になっているので、遅れを取り戻すために少しペースアップを試みた結果、19km地点までのラップは1km6分少々に戻っていた。よしよし、まずまずだ。天気は割と良くて、日射しが出たり曇ったりの繰り返した。曇るとひんやりするし、日射しが出ると暖かいが、どっちにしても寒いとか暑いとかいうレベルではなく、ちょうど良い感じだ。

海部川の本流に戻るとすぐに中野トンネルというトンネルがある。帰りは、このトンネルを過ぎれば30km地点になるので、帰りはトンネルを目標に走ればいい。
ここから2つ目の折り返し点、すなわちスタートから一番遠い地点までは5km半ほどだ。この区間も平均すれば微かな上り坂程度なんだけど、結構、細かなアップダウンが繰り返され、やや厳しい区間だ。そのため、上り坂区間では一気にペースダウンし、下り坂区間では持ち直すけど、平均してペースは少しずつ落ちていく。
スタートして24.3kmの地点折り返し点になっていて、その前で再びメンバーの姿を探す。相変わらずピッグは航路さんと一緒に快調に飛ばしており、このままだとトンでもない記録が出そうだ。さらに、なんと、阿南の魔女Y浅さんも同じようなペースで快走していて、もうビックリ!2週間前の丸亀マラソンでは、ほぼ同タイムだったのに、今日は大きな差を付けられている。しかも彼女は終盤でもペースダウンしないから、今日は惨敗間違いない。
さらに、折り返した後は、再び少し後ろから4時間半のペースランナーが迫ってきている。どうしても彼らには追いつかれたくないので、かなり焦る。参加者が少ない大会なので、折り返す前にすれ違ったランナーの数も、それほど多くはなかったが、折り返した後にすれ違う後続ランナーはさらに少ないように思える。参加者が多い丸亀マラソンなんか、折り返してすれ違う後続のランナーを見ると、後から後から、はるか遠く地平線のかなたまで夥しい数のランナーが走ってきて、一体どれだけいるのか見当もつかないが、今日なんか簡単に数えることができそうだ。

2つ目の折り返し点を折り返したって事は、残りは緩やかに下っていくコースなので、なんとなく精神的にホッとする。とは言え、20km地点から折り返した直後の25km地点辺りまでは、上下を繰り返しながらも、なんとか1km6分半程度を維持していたが、坂の多い区間だった26km地点では遂に7分近くにまで落ちてしまった。その直後の区間は下り坂だったため、頑張って6分近くまでペースアップできたが、その後は30km地点までアップダウンの多い区間をペースを上げたり下げたりしつつ、平均すれば少しずつタイムは悪くなっていく

この辺りで無性にお腹が空いてきた。今さら何かを食べたとしても、それが消化されてエネルギーになるには時間がかかるから、食べても同じなんだけど、お腹が空くと力が出ない。2つ目の折り返し点の給水所でバナナがあったが、あんまり考えずにスルーしてしまった。あれを食べておけば良かった。
空腹を紛らわせるためと言う訳ではないが、30km地点の少し手前でマグネシウム入りジェルを飲む。丸亀マラソンの時、初めて飲んだんだけど、ジェルなので飲みやすいだろうと思っていたら、これが結構、濃厚で、走りながらでは飲みにくいし、口の中がベチャベチャになって気持ち悪くなり、必ず水が必要だと分かった。今日は、もうすぐ走ると給水所があるのが分かっているから、このタイミングで飲んだのだ。ところが、今日は、単に口の中がベチャベチャになって気持ち悪いだけでなく、走りながら吸い込んだもんだからむせてしまい、大変な事になった。通常なら、水分とかが気管の方に入ると咳き込んで出そうとするんだけど、濃厚なジェルが気管に入ってしまったもんだから、そこでジェルが詰まってしまって息を吸い込むことができなくなってしまった。なので、咳き込むこともできず、息をすることができなくなって。マラソン大会で走っている最中に呼吸が停止するなんて、もう大変というか危険な状態だ。なんとか必死で肺に残っていた息を絞り出して、そのうち少しずつ呼吸ができるようになって、必死で咳をして立ち直ったが、あのまま呼吸停止になるのかと思った。すぐに現れた給水所で水を貰って流し込んだが、しばらくは違和感が残り、苦しみが続いた。もう、このジェルは金輪際、止めなければならない。

呼吸停止からなんとか回復して、再び中野トンネルにたどり着き、トンネルを過ぎたら30km地点だ。自分のネットのタイムは分からなくなっているが、時計はこの時点で12時5分だったから、グロスでは3時間5分が経過していることになる。つまり4時間半まで残り1時間25分だ。距離は12.2kmだから1km平均7分となる。つまり、この後、1km平均7分で走ればギリギリで4時間半って事になる。ここまでは1km平均6分10秒くらいだから、楽勝のように思えるが、足下では1km7分近くかかったりしているので、これはもうギリギリだ。過去の多くの実績では、ペースは落ち始めると一気に止めどもなく落ちていくので、むしろ、かなり危ない状況と言える。とにかく、30km地点を過ぎたら、残りはもう12kmであり、後々のことを考える段階ではないので、力をセーブすることなく、その場その場で思いっきり全力を尽くすだけだ
なーんて思って走ってるんだけど、不思議な力が沸いてくる訳ではないので、31km地点でのラップは7分近くかかったし、次の32km地点では遂に7分をオーバーしてしまった。まずい。非常にまずい。だが、その後もなんとか頑張ったおかげで、36km地点まで一進一退を繰り返して7分前後で踏みとどまった。

と、ここで遂に4時間半のペースランナーに追いつかれてしまった。まだ6kmも残っているのに4時間半のペースランナーに追いつかれるなんて、非常に厳しいぞ。ここで離される訳にはいかないので、なんとかしばらく着いていく。一緒に走ると、かなりペースが速い事が分かる。そりゃそうだ。4時間半だから1km平均6分20秒くらいのペースのはずだ。今、1km平均7分前後で悪戦苦闘している私にとっては、かなり早いペースだ。て事で、少しずつ遅れて始める。でも、おかしいな。自分の計算では、残りは1km平均7分で走ればギリギリで4時間半なのに、なんでこの段階で4時間半のペースランナーに追い抜かれるんだろう。って考えたら、彼らは最後尾からスタートしてグロスタイムで4時間半を目指しているため、実際には数分ほどの貯金があるはずだ。なので、彼らに着いていけなくても、グロスとネットの差が少しあれば、それだけ助かるはずだ。
なーんて思った瞬間に油断してしまい、一気に彼らに離された。それでも、しばらく彼らに着いて走ったおかげで、37km地点、38km地点でのラップは6分半ほどまでペースアップできた。後から思うと、やはり何としても頑張って彼らにもっと着いていくべきだったが、勝手に油断してしまって、再びペースはダウンしていく

橋を渡って海部川の北岸に戻り、39km地点を過ぎると、いよいよ最後の大里松原公園の松林の横を走る区間となる。3kmにも満たない区間だが、なぜか延々と続くように感じられるという松林だ。予め聞いているので、そんなん平気だわい、なんて思っていたのだが、ほんと、なぜだか分からないが、走っても走って延々と続くように感じられて、もうウンザリしてやる気を失い40km地点41km地点では一気に1km7分を大きく上回るまでペースダウンする。
そして、このままだと4時間半をクリアできるのかどうか分からなくなってくる。ペースとしては、さっき4時間半のペースランナーに着いていった区間で貯金ができたが、このウンザリする松林区間で全てはき出してしまった。時計を見ると、ギリギリでオーバーしそうだが、貯金が数十秒あるはずなので、本当に微妙だ。スタート時にD木谷さんが「グロスとネットの差が50秒ほどある」って言ってたけど、秒単位まで正確に知りたい展開となってしまった。
41km地点を過ぎると、いよいよ運動公園に向かって走る最後の区間となり、さすがに気合いを入れてスパートをかける。もちろん、余力はあんまり残ってないので、大してペースアップできる訳ではないが、1km7分を大きく上回っていた直前のペースからはなんとかペースアップできている感じだ。とは言え、このペースなら4時間半をクリアできるのか、既にクリアできているのか、それとも到底クリアできないのか、正確なタイムが分からないから、イマイチ真剣に徹する事ができない。最後の短い上り坂も、とりあえず頑張って駆け上がろうとするが、頑張ればクリアできるのか、それとも頑張っても所詮無理なのか、いまいち良く分からないから、頑張りも中途半端になる
いよいよゴールが見えてきて、ゴール横に時計表示があり、それによるとグロスタイムは4時間半ちょっとだが、私のネットタイムが4時間半を切っているのかどうかが分からない。て事で、ちょっとスッキリしないままゴールした。


〜 ゴール 〜


ゴールしても、タイムがはっきりしないので、いつものような感動や悔しさが沸いてこず、欲求不満を抱えながら飲み物をもらい、記録証を貰いに行く。記録証を受け取って確認すると、なんとタイムは4時間30分3秒で、僅か3秒で4時間半をクリアできてなかった事が判明した。4時間を切ればサブフォーとして皆に自慢できるが、4時間半をクリアしても何の自慢にもなりはしない。それでも、僅か3秒で本日の目標をクリアできなかったのは非常に悔しい。それが分かっていれば、3秒くらい、どこででも取り返せたはずだ。ジェルを飲んでむせてロスした時間が無ければ楽勝でクリアできてたし、大里松原公園の横で気を抜かなければクリアできただろう。ちょっとした時計の操作ミスでこんな事になるなんて、悔しい。
とは言え、なんとか本日の目標どおりだったので、とりあえず一応は長期低落傾向に歯止めをかける事ができたと思う。順位も男子総合で半分よりは前だったから、まあまあだ。折り返し点ですれ違う後続ランナーの数が少ないなあと感じたが、そもそも参加者が少なかったからだろう。2週間前の丸亀マラソンでハーフマラソンの長期低落傾向に歯止めをかけ、今日、フルマラソンでも長期低落傾向に歯止めをかけることができたので、これで完全復活できたと言える。良かった。本当に良かった。最近の長期低落傾向は歳のせいではなかったのだ
フルマラソンで終盤に撃沈したパターンの時は、ゴールすると、もう足が固まって動かなくなるが、今日はまだまだ大丈夫で、まだ少しは走れそうな余力が残っている。後から考える結果論で言えば、これならもうちょっと前半から突っ込んでたら良かったかなあ、なんて思わなくもない。ま、しかし、それは結果論だ。今日は怖くて前半にペースを上げることができなかったが、来年は前半からもうちょっと攻めて良いタイムを目指すことができるぞ。

更衣室に戻ると、当然ながら全員がゴールしていた。そして、なんとピッグと紅露さんは、最後まで一緒に走り、二人揃ってサブフォーを達成したとのことだ。

(幹事長)「げげげげげっ!あのままのペースで最後まで走れたん!?」
(ピッグ)「航路さんが一緒に走ってくれたおかげですね」


2週間前の丸亀ハーフマラソンのタイムと比較すると、私の場合は、今日のタイムは丸亀マラソンのタイムの2倍に50分足したくらいのタイムだが、ピッグの場合、丸亀マラソンのタイムの2倍に20分足したくらいのタイムだ。私の場合、フルマラソン方がハーフマラソンより1km平均で1分以上遅いが、ピッグの場合は30秒以下の差だ。

(幹事長)「一体どうしたというのだ?」
(ピッグ)「もしかしたら幹事長がフルマラソン遅すぎるのかも」


しかし、丸亀ハーフマラソンでは私やピッグよりだいぶ早かったD木谷さんは、今日は自己ベストを更新できずサブフォーを達成できなかったから、フルマラソンとハーフマラソンの差は私と似たようなものだ。やっぱりピッグのフルマラソンでの底力が凄すぎるって事だろう。
そしてピッグだけでなく、なんと阿南の魔女Y浅さんもサブフォーを達成していた。彼女は去年12月の加古川マラソンで、それまで持っていた海部川マラソンでのフルマラソン自己ベストを更新したんだけど、それを再び今日の海部川マラソンで更新したのだ。

(幹事長)「でもY浅さんは練習もすごくやってるし、何の違和感も無いが、ピッグが易々とサブフォーを達成したってのが釈然としないなあ」
(ピッグ)「これでもう一流ランナーの仲間入りですね。あはは」


もちろん、このままピッグをのさばらしておくわけにはいかないから、なんとか私もサブフォーを達成したところだが、今日のタイムから30分も縮めるってのは、1km辺り40秒も縮めるってことだから、ちょっと気が遠くなる。


〜 反省会 〜


着替えが終わったら、いよいよお楽しみの伊勢エビの味噌汁を貰いに行く。意外に大胆に伊勢エビを2つに切ったものが入っていた。磯の香りがして、とても美味しかった。うどんは予想通り、うどんとは呼べない代物だったが、マラソンを走った後の疲れた胃には、こういう柔らかいうどんが優しい。他にも飴油なんかも頂き、とても満足した。大会全体が町を上げてのイベントで、町民総出でもてなしてくれるっていう雰囲気で、とてもとても暖かい雰囲気の良いマラソン大会だった。良いタイムが出やすいってこともあり、来年も是非、参加したいと思う大会だ

さらに、配布物をよく見ると、温泉の無料入浴券も入っていた。ふれあいの宿遊遊NASAという温泉で、距離は会場から数km離れているが、車ならすぐだ。ってことで、早速繰り出した。多くの参加者が来ていたので、かなり混雑はしていたが、のんびりとお湯に浸かると疲れがほぐれていく。しかも、これぞ温泉っていう感じのヌルヌルしたお湯で、入りごたえのある温泉だった。

(幹事長)「今日は良かった点と悪かった点がある」
(ピッグ)「私は良かった事しかないですけどね。あはは」
(幹事長)「良かった点は、なんとか長期低落傾向に歯止めを掛けられたこと。
       悪かった点は、あと3秒をクリアできなかったこと」
(ピッグ)「3秒クリアしたところでサブフォーには遠いですけどね。あはは」


長期低落傾向に歯止めを掛けられたということは、最近の不調は歳のせいではなかったということであり、まだまだ今後も頑張り次第では希望が持てると言う事であり、とても嬉しい。明るい未来が開けているかもしれないのだ。
一方、あと3秒をクリアできなかったというのは、相変わらず精神力が弱いってことだ。後から考えると、もうちょっと踏ん張れたところがたくさんある。でも、42kmも気合いを入れ続けるのは容易ではない。うまく自分の精神をコントロールできればいいんだけどなあ。

(D木谷)「でも、タイムとしては、まあまあ良かったんでしょ?」
(幹事長)「12月の那覇マラソンと比べたら1時間近く速かったですからね」
(D木谷)「え?1時間も!?」
(ピッグ)「那覇マラソンがよっぽど悲惨だったからですけどね」


次のレースは3月末の徳島マラソンだ。吉野川の堤防を延々と走り続ける変化のないウンザリする退屈なコースなので、最近は、もう出るのは止めようかなんて思い始めていたところだけど、今日の結果を受けて、もっと良いタイムを出したいと思うようになった。なんと言っても徳島マラソンは坂がほとんど無い超フラットなコースなんだから、潜在的には好タイムが期待できるはずなのだ。

(ピッグ)「そういう欲が出て撃沈するんですよねえ」
(幹事長)「でも、徳島マラソンで失敗しても失うものは無いし、今回は前半から積極的に攻めていくぞ!」
(ピッグ)「攻めるのはいいですけど、それなりに練習はしてくださいね」
(幹事長)「ピッグには言われたくないな」


ただ、マラソンだけが人生ではないので、2月、3月はスノボーと雪山登山にも行かなければならない。今年の丸亀マラソンと海部川マラソンは、長期低落傾向に歯止めをかけるという大きな目標があったため、スノボーも雪山登山も控えていた。足を怪我でもしたら、去年の二の舞になるからだ。でも、丸亀マラソンも海部川マラソンも悪くないタイムで終わったので、これで怪我の心配なんかせずにスノボーも雪山登山を楽しまなくてはならないぞ


〜おしまい〜




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