第12回 徳島マラソン
2019年3月17日、第12回とくしまマラソンが開催された。
かつて徳島マラソンは、レースの半年近く前に戦いが始まっていた。半年近く前に受付が開始になるんだけど、そのエントリーが大変だったのだ。しかし3年前から定員が大幅に増強されたおかげで、楽勝になった。
それまでも少しづつ定員は増やされてたんだけど、昨今の異常なまでのマラソンブームのせいで、申込者がそれを上回る勢いで激増してたもんだから、一向にエントリー競走の激しさは解消されず、申し込みは混乱を極めていた。申し込み受付は夜の10時にスタートするんだけど、10時前からパソコンの前にスタンバイして、10時になった瞬間にパソコンのキーを叩いてランネットに入らなければならなかった。
キーを叩くのが一瞬でも遅れると、あっという間に長蛇の列ができてしまい、何十分も待たされることになり、待っている間に定員オーバーで受付終了になったりするので、10時になった瞬間にキーを叩かなければならなかった。
ところが、3年前、それまでの総定員10000人が一気に15000人に増員された。もちろん、定員が1.5倍に増えたって、希望者が何万にもいたら焼け石に水で、激しい競争は緩和されない。東京マラソンなんか定員が3万人もあるけど、何十万人も希望者がいるから競争率は10倍を超えている。徳島マラソンも、それまでの熾烈なエントリー競争を考えたら、定員が1.5倍に増えたくらいでは厳しい競争が緩和されるとも思えなかったのだが、蓋を開けてみると、状況は大幅に変わった。
どうやら、それまで定員10000人の枠を目指して熾烈なエントリー競争を繰り広げていたのは12000人だったらしく、その人たちが全員エントリーできてしまえば、後はのんびりした状況になってしまい、翌日でも余裕でエントリーできるような状況になってしまったのだ。
それが分かったので、もうそんなに目をつり上げて必死にエントリーする必要も無いとは思われたが、これまで数々の油断による失敗を繰り広げてきた我々なので、その後も一応は時計を睨みながら、受付開始と同時にパソコンのキーを叩いてエントリーしてきた。そして、一昨年も昨年も、何の問題も無く全員あっさりとエントリーすることができた。
ところが今年はエントリー開始となる11月7日の夜、私はエントリーができなくなってしまった。奈良の国立博物館が開催している正倉院展を見に行く事になったのだ。
(ピッグ)「旅行先からでもエントリーはできるでしょ?」
(幹事長)「夜も予定が入って」
正倉院展は昼間だが、その日の夜は大阪天王寺にある日本一高い高層ビルあべのハルカスへ上って鍋を食べる事になったのだ。これは「かこむdeこたつ」というイベントで、あべのハルカスの58階にある天空庭園の展望台ハルカス300(地上300m)に特設されたこたつエリアで、お鍋を囲んで食べるというものだ。
地上300mから大阪の夜景を見ながら、こたつで鍋を食べるなんて、想像しただけでもワクワクする企画だ。鍋料理の提供は去年もやっていたが、こたつの設置は今年が初めてだ。冬の間はずっとやってるんだけど、コタツの設置数が少ないため、良い時間に予約を取るのは至難の業だ。それをなんとかうまく予約が取れたもんだから、最優先で攻めなければならない。
(ピッグ)「徳島マラソンのエントリーより大切な訳ですね」
(幹事長)「予約を取るのが徳島マラソンのエントリーより大変だったからな」
かこむdeこたつのメニューは2つあり、おでんかちりとり鍋だ。ちりとり鍋が何なのか全く分からないが、おでんコースは3800円で時間が1時間だ。一方、ちりとり鍋は4800円で2時間だ。せっかくわざわざあべのハルカスまで行って1時間で帰ってくるのはもったいないので、2時間のちりとり鍋にした。ウェルカムドリンク(日本酒か甘酒)、前菜、みかん、煎茶なんかが付いていて、2時間たっぷり楽しめた。
料金は4800円するけど、普通に展望台に上がるだけでも1500円は取られるから、そんなに高いわけではない。て言うか、美しい大阪の夜景を見下ろしながら優雅にコタツで鍋を食べるなんて、本当に快感だった。
たぶん、これから毎年やると思うので、是非みなさん一度は行ってみよう!
(ピッグ)「かこむdeこたつの解説は分かりましたけど、徳島マラソンのエントリーはどうなったんですか?」
て事で、自分でエントリーができなくなったので、支部長にお願いして一緒にエントリーしてもらった。いつものようにヤイさん、國宗選手、ゾウさんも支部長が一緒にエントリーしてくれる。これで一安心だ。
とは言ったものの、よく寝てしまう支部長なので、少し不安になってあべのハルカスから支部長に、ちゃんとエントリーできたかどうか連絡を入れてみた。しかし、支部長から返事が来たのは翌朝だった。恐れていた通り、支部長はエントリー開始の22時には寝てしまい、翌朝、起きて慌ててエントリーしたそうだ。3年前に定員が増える前なら完全にアウトのタイミングだが、定員が増えた今となっては翌朝でもエントリーは大丈夫になったので、無事に全員分のエントリーが完了した。
またピッグと加藤選手は自分で無事エントリーできた。
一方、D木谷さんは用事があって不参加となった。
(幹事長)「何があるんですか?」
(D木谷)「ズンバのイベントがありまして」
(幹事長)「ずんば?なんですか、それ?」
ズンバとはラテン系のフィットネス・ダンスらしいが、今、人気なんだそうだ。そのズンバに今、D木谷さんはスポーツジムではまっているらしい。
(幹事長)「支部長もスポーツジムでやってるん?」
(支部長)「1回やったけど、着いていけなかった」
高齢者には動きが激しすぎるのだろうか。
(幹事長)「それにしてもマラソンとズンバとどっちが大切なんですか!?」
(D木谷)「いや、ま、色々と……」
たぶん、ズンバのインストラクターがきれいな人なんだろう。
てことで、今年の参加メンバーは私のほか支部長、ピッグ、國宗選手、ゾウ坂出、ヤイさん、加藤選手と言った顔ぶれになった。
〜 フラットなコースなのに惨敗続き 〜
定員増によりエントリー競争が緩和されたとは言え、なぜ徳島マラソンの人気が高いのかと言えば、坂がほとんど無くて、とても走りやすいフルマラソンだからだ。今や日本中、至る所でマラソン大会が行われているが、フルマラソンでフラットなコースってのは意外に少ない。日本は山が多いから平坦なコースを片道21kmも確保できる場所は少ない、って事ではなく、交通規制の問題だ。
21kmの平坦な道なんて、いくらでもある。ハーフマラソンではメジャーな大会になった丸亀マラソンだって、折り返し点を坂出から高松まで延長すればフルマラソンが行えるけど、ああいう幹線道路を長時間、交通規制してフルマラソンを開催するのは容易ではない。
東京都知事や大阪府知事みたいに絶大な権力を誇る政治家なら、警察も文句を言えないから、都心のど真ん中でマラソン大会を開催できる。しかし知事の力が強くない地方では、そう簡単にはいかない。香川県内では、交通量の少ない小豆島で行われる瀬戸内海タートルマラソンが唯一のフルマラソンだ。小豆島に限らず、交通量の少ない山間部や島嶼部なら大がかりな交通規制をしなくても42kmのコースを確保するのは比較的簡単だから、多くのマラソン大会がそういうコースで実施される。
ただ、当然ながら、そういう場所では、どうしても坂が多い厳しいコースとなってしまう。なので、坂がほとんど無い徳島マラソンは、好記録が期待できる大変貴重なレースだ。我々としても、同じ県内だけど船で行かねばならない小豆島より、徳島の方が行きやすいから、とてもありがたいフルマラソンなのだ。
それなのに、ああ、それなのに、最近、徳島マラソンは惨敗が続いている。3年前は5時間ギリギリの大惨敗で、2年前はあまりの不調に途中リタイアしたし、去年も5時間近い大惨敗だった。
(支部長)「3年連続となると、それはもう不調じゃなくて、単に歳のせいなんよ」
(幹事長)「いやだ!老化は認めたくない!」
去年なんて、徳島マラソンの1ヵ月前の海部川マラソンでは結構良いタイムを出すことができて、長期低落傾向に歯止めをかけることができた。まだまだ歳のせいじゃなく、頑張る余地が残っているって事だ。それが分かって、さらに上を目指して張り切って出た1ヵ月後の徳島マラソンだったのに、結果は大惨敗だった。
この理由はコースにあると思う。徳島マラソンのコースは超つまんないのだ。なぜ山間部でも島嶼部でもない徳島でフルマラソンの開催が可能なのかと言うと、吉野川という真っ直ぐな大河川があるからだ。吉野川の堤防の上をコースにすれば、大して交通規制をしなくてもフラットで真っ直ぐなコースを確保できるのだ。しかし、裏を返せば、これは徳島マラソンのコースがつまらないことを意味する。ただひたすら延々と吉野川の堤防を走るだけだからだ。
はっきり言って途中から飽きてくる。前半の途中の10km辺りで既に飽きてくる。それでもなんとか20kmくらいまでは我慢して走れるが、折り返して吉野川の北側から南側に移ってしばらく走ると、強烈に飽きてくる。なかなか30kmまでたどり着けない。30km辺りと言えば、体力的にも厳しくなってくる頃で、精神力が非常に重要になってくる辺りなので、そこで飽きがくると心が折れて致命的になる。なので、フラットではあるけど、精神的には厳しいコースと言える。
一方、海部川マラソンのコースは、そこそこ坂があるんだけど、徳島マラソンのような単調なコースではないので、なんとなく走りやすく、他のメンバーも、みんなフルマラソン自己ベストは海部川マラソンで出している。坂の有無よりも、単調かどうかが大きな要因なのだと思う。
と思ってたんだけど、なんと今年は1ヵ月前の海部川マラソンでも大惨敗してしまった。その2週間前の丸亀マラソンで久しぶりに快走できたから、その調子で海部川マラソンでも2年連続の快走ができるものと思い込んでいたら、なんと大惨敗してしまったのだ。海部川マラソンはいつ誰が出ても良い記録が出るものとばかり思っていたので、これはショックだった。
このショックがどう尾を引くかは分からない。去年は海部川マラソンでの快走に気を良くして、徳島マラソンへのモチベーションは久しぶりに上がっていた。海部川マラソンに比べて坂が無い超フラットなコースなんだから、もっと良いタイムがでる可能性があると張り切っていたのだ。それなのに、ああ、それなのに、大惨敗してしまった。ちょっと張り切りすぎたのかもしれない。
今年は、好タイムを期待した海部川マラソンですら大惨敗してしまったので、ほんと、もう完全にモチベーションが無くなってしまった。最近は、コースが超つまんないこともあって、徳島マラソンに対するモチベーションは非常に低いが、今年のモチベーションの低さは過去最悪だろう。退屈で辛いだけで良いタイムも期待できないとなると、一体、何のために出るのか分からない。真剣にサボる事も考えたけど、ゾウさんなんかはモチベーションを維持して張り切っているので、それを見ると自分が情けなくなり、なんとかおサボりだけは避けようと思ったくらいだ。
ただ、去年は海部川マラソンは良いタイムだったけど、徳島マラソンは大惨敗だった。逆に今年は海部川マラソンが大惨敗だったので、徳島マラソンで良いタイムが出る可能性もあるかもしれない。その可能性に賭けてみよう。
(支部長)「それは絶対に無いと思うな」
(幹事長)「やっぱり?」
普通に考えれば、今年も絶望的だ。せめて最後まで完走はしたいな。
ところで、以前は徳島マラソンは4月下旬に開催されていた。4年前は4月に統一地方選挙があって忙しくなるからという理由で、例年より1ヵ月も早まって3月下旬に開催されたが、いつもの年は4月下旬に開催されていた。ところが2年前から特に理由も無いのに3月下旬の開催となった。
(幹事長)「もしかして、これからは毎年3月の開催になるんかいな?」
(支部長)「暑くなる心配が無くなるから、ええ事やな」
暑いのが苦手な支部長は歓迎してるが、私は反対だ。4月下旬なら気候も暖かくなってきて、天気が良いと暑いくらいになるが、個人的には大好きな季節だ。もちろん、記録的には寒い時期のレースの方が良い記録が出やすいんだけど、フルマラソンの場合、終盤には足を引きずって歩く事も多く、そうなると寒い季節の大会は辛い。
(幹事長)「4月下旬やったらトボトボ歩いても寒くないんやけどなあ」
(支部長)「最初から歩くことが前提やなあ」
(幹事長)「それはお互い様やろ?」
それに、3月はギリギリまだマラソンのシーズンなので、他にマラソン大会が数多く開催されており、日程がかぶる事も多いが、4月下旬ともなると他にはマラソン大会は少なくなるので、ちょうどいい時期なのだ。4月にレースが無くなると、次は5月下旬の小豆島オリーブマラソンまで2ヵ月も間隔が開いてしまうから、ついついトレーニングをサボってしまう。なので、できることなら4月開催に戻して欲しいなあ。
〜 参加メンバー 〜
レースの直前になっても國宗選手からの連絡が入らない。例年なら、レースの直前になれば國宗選手から連絡が入るはずだ。もちろん、レースの直前に入る連絡は悪い知らせと相場が決まっていて、特に國宗選手からはドタキャンの連絡に決まっている。分かり切っている。他のレースもそうだが、特に徳島マラソンは5年前の第7回大会から4年連続でドタキャンした実績がある。それなのに今年は一向に待てど暮らせど連絡が入らない。まさかドタキャンするのが当たり前になりすぎて、連絡することすら忘れてるんだろうか?仕方ないから、こっちから連絡を入れてみる。
(幹事長)「えーと、コホン、今週末の徳島マラソンだがな」
(國宗)「ああ、はいはい」
(幹事長)「えーと、何か連絡事項は無いかな?」
(國宗)「はあ?いや、別に何も」
(幹事長)「ふむ、そうかな。ようく考えてみてくれたまえ。何か忘れてないかな?」
(國宗)「何か忘れてますかねえ?はて?」
(幹事長)「何か勘違いしてるんじゃないかと思ってな」
(國宗)「はあ?何を言ってるんですか?」
て事で、奇跡的に國宗選手が出場することになった。
(國宗)「いや、だから去年も出ましたがな」
(幹事長)「そうやったかいな」
去年は何かの気まぐれかと思ってたけど、今年も出るとなると、一応、出る意欲はあるらしい。
一方、ヤイさんが自治会の総会があるとの事で欠場になった。ヤイさんは今年、自治会長になってしまい、色々と忙しくてマラソン大会への出場が難しくなったのだ。1月の満濃公園リレーマラソンも自治会の行事で出られなかった。
実は、私も今年、「お前、ヒマで元気そうやな」と言うことで自治会長にならされてしまった。なのでヤイさんの事情を聞くと戦々恐々だ。
そして、実は、うちの自治会も徳島マラソン当日の3月17日が総会で、新会長として出なくてはならなかった。3月17日は総会集中日なのだ。でも、私としてはマラソン大会が最優先なので「総会の日を変えてくれるのなら自治会長に就任する。3月17日のままでは総会に出られないから就任もできない」と強気で駄々をこねたら、総会の日程を1週間前倒してくれた。本音を言えば、就任しなくていいのなら、前倒ししてくれなくてもよかったんだけど。
その代わり、というわけではないが、加藤選手の妹さんが出場することになった。もちろん、彼女は去年11月に申し込んでいたんだけど、当日、一緒に行動することとなった。
〜 徳島へ出発 〜
今年もピッグが車を出してくれて、支部長、加藤選手と妹さんを乗せて私んちへ5時30分に来て、5時40分に國宗選手をピックアップした。
ちょっと早いようにも思えるが、3年前はこれより少しだけ遅いスケジュールだったが、駐車場が異常な混雑ぶりだったため、一昨年、去年と、これくらいに出発してちょうどよかった。
(ピッグ)「以前なら少しでもギリギリ遅く出発しようとしてましたが、最近は素直に早めに出発しますね」
(幹事長)「歳とってくると早起きが可能になってきたからな」
当日の朝、早起きして遠方のマラソン大会に行くのは確かにしんどい。でも、1ヵ月前の海部川マラソンなんて朝の4時20分に家を出たのだから、それに比べたらマシだ。
ゾウさんは去年に続き、ご主人が会場まで送ってくれるとのことで、別行動だが、ほぼ同時刻に坂出を出発した。坂出からだと少し遠いが、我々のように臨時駐車場に車を停めるのではなく、会場に直接行くので、同じ頃に現地集合できる予定だ。
今日の天気は少し微妙だ。天気予報では基本的には晴れたり曇ったりってとこだが、途中で雨が降る可能性があるらしい。しかも、普通の雨じゃなくてみぞれ混じりの冷たい雨が降るかもしれないそうだ。今年の冬は割と暖かく、特に西日本では雪が非常に少なかったが、ここへきて天候が不順気味なのだ。
(ピッグ)「今年は雪が少なかったですね」
(幹事長)「先々週、大山に行ってきたけど、ほんとに少なかったぞ」
さすがに大山も山頂はいっぱい雪があったけど、雪の量は平年に比べたらとても少なかった。麓のスキー場なんて、ほとんど雪が無くて、まるでゴルフ場みたいになっていた。
このまま一気に春になるのかと思っていたら、その後なぜか寒気が入り込んできたりして、イマイチ天候が不順になっている。それでも今のところそんなに気温は低くないし、風が無いのが嬉しい。徳島マラソンのコースは、前半は吉野川の北岸の堤防を延々と西に向いて走るんだけど、たいていは向かい風になり、風よけになるものが何も無いので非常に辛いのだ。
そんなにお腹が空いているわけでもないから、まだ少し早いかなとも思ったが、車の中で朝食を食べることにする。
最近、フルマラソンがイマイチ不調なのは、エネルギーが不足するからではないか、なんて思うのだ。ハーフマラソンならエネルギーが切れる前にゴールとなるが、フルマラソンは長丁場なので後半はエネルギーが切れる。しかし、後半になってお腹が空いてから食べていたのでは、当然ながら既に遅い。レース中は、まだお腹が空いてなくても、早め早めに食べ物を補給しようと思う。
また、マラソン大会に出る時の朝食は、ゴールの5時間前に食べるのが理想とのことだ。つまり、消化してエネルギーに変わるまでそれくらいの時間はかかるって事だ。もちろん、我々のように遅いランナーだと、ゴールの5時間前なんてスタート直前になってしまうから、もっと早めに食べなければならない。
もちろん食べるのはおにぎり2個だ。本当は菓子パンが大好きで、以前はいつも菓子パンを食べていたんだけど、パンに含まれるフルクタンという糖類は消化に悪いので、レース中にお腹を壊すことが多かった。お米に含まれている糖類は消化が良いので、おにぎりに変えてからは一度もお腹を壊したことがない。さらに最近は、普通のおにぎりじゃなくて餅米のおにぎりを食べている。この方が腹持ちが良いような気がするからだ。
他にバナナを持ってきてるから、それをスタート直前に食べるつもりだ。
休日の朝の高速道路は空いていて、とても順調に進む。民主党政権の地方切り捨て政策により、完成が10年遅れた高松〜徳島の高速道路4車線化が、このたびようやく完了し、恐怖の対面通行が無くなり、安心して走る事ができるようになった。
(幹事長)「わしは死ぬまで、いや死んでも絶対に民主党は許さんからな!」
死んでも絶対に許せない民主党は、国民から見捨てられて解党したが、死にぞこないの残党どもが立憲民主党などと名乗って蠢いているから、まだまだ油断してはいけない。やつらを殲滅するまで、我々は断固、徹底的に戦うのみだ。
徳島マラソンの受付会場には駐車場が無く、だいぶ離れた所にある臨時駐車場からシャトルバスで会場に移動するのだが、今年も臨時駐車場は吉野川河川敷と沖洲マリンターミナルの2箇所が用意されている。スタート会場には沖洲マリンターミナルが近いので、以前は沖洲マリンターミナルの臨時駐車場に車を停めていたが、シャトルバスがトンでもなく時間がかかって遅刻ギリギリになった事があったため、最近は吉野川河川敷の臨時駐車場を利用している。スタート会場までは多少遠いものの、割りとスムースに行けるのだ。なので、今年も吉野川河川敷の臨時駐車場へ向かう。
(ピッグ)「ルートはいつもの道で良いですね?」
(幹事長)「あれがベストだもんな」
徳島の高速道路は非常にいびつなルートになっていて、徳島ICまで行くとかなり遠回りになる。距離的に最も近いのは、高松自動車道の板野ICで降りて、そのまま一般道路で行くルートだ。ただ、駐車場周辺で道路が混雑すれば時間がかかるので、徳島ICまで行くか板野ICで降りか迷うところだ。
ところが3年前、よそ事を考えていたピッグが鳴門ICなんていう中途半端なところで降りてしまったため、その後のルートで私と支部長が「右だ」「いや左や」なんて言い争い、ピッグがますます混乱してトンでもない道を通ったため、渋滞に巻き込まれることなくスムースに駐車場へ到着することができた。
板野ICで降りても徳島ICで降りても鳴門ICで降りても、正しいルートは、吉野川橋の北側へたどり着き、そこから吉野川橋を北から南へ渡って吉野川河川敷の臨時駐車場に到着する、というルートだ。ところが毎年、吉野川橋の上は端から端までビッシリと渋滞になり、ほとんど身動きできない状態になってしまう。橋の上だから、いったん入ってしまうと引き返す事もできず、身動き取れなくなるのだ。
3年前は、別行動で移動していたW部選手が、板野ICから来たんだけど、吉野川橋の上で渋滞に巻き込まれて身動きが取れなくなり、僅か1kmの吉野川橋を渡るのに40分もかかって、危うくスタートに遅刻するところだった。一方、我々は、ピッグが右往左往して訳の分からないルートを通ったから渋滞に巻き込まれずスムースに駐車できたのだ。
我々が通ったルートとは、鳴門ICを降りた後は、国道11号線をそのまま走って吉野川を渡って少し通り過ぎ、いったん市街地に入ってから右折を繰り返して狭い道を通って堤防まで戻り、堤防の狭い道を走るという遠回りルートだ。
(支部長)「字が小さくて読めんがな」
(幹事長)「極秘情報やからな」
それ以来、毎年、その抜け道ルートを通っており、今年もほとんど待つことなくスムースに駐車場に到着できた。駐車場はまだまだ十分な空きがある。
渋滞を回避してスムースに到着できるのだから、もっと遅く出発しても良さそうなものだが、この10分や20分の差が、駐車場の混雑状況を大きく変える。ほんの少し遅れるだけで駐車場はあっという間に満杯になり、停める場所が無くなってしまうのだ。
また、今の時間ならスタート開場へ行くシャトルバスにも待たずに乗ることができる。
ゾウさんには「もう駐車場に着いたよ」って連絡する。
臨時駐車場に着いて車から出ると、そんなに寒くはない。気温は低いが風が無いので、体感温度はさほど低くはない。このまま風が無い状態が続けばマラソンにはちょうど良いくらいだ。
会場行きのバスに乗り込んでしばらくすると、ゾウさんから「会場に着いたよ」っていう連絡が入る。
〜 会場到着 〜
スタートが徳島県庁前なので、会場も徳島県庁の周辺だが、これと言って大きな施設が無いため、毎年のように更衣室の場所が変わり、男子の更衣室は去年からグランヴィリオホテルになった。
一方、女子の更衣室はグランヴィリオホテルと県庁の2箇所があるが、去年、ゾウさんが県庁に行ったら、1階ホールの一部を仕切って使っているため、吹きさらしで寒いとのことで、すぐにグランヴィリオホテルへ逃げてきた。こちらはホテルの宴会ホールを使っているので、中は暖かいのだ。そのため、今年はゾウさんも最初からグランヴィリオホテルに集合した。
今年もゼッケンやチップのほかパンフレットや記念品も事前に送られてきているので、当日は受付がなく、単に着替えるだけだ。
ちなみに記念品だが、マラソン大会の記念品と言えばTシャツと相場が決まっているが、徳島マラソンはTシャツ以外の時もある。ランニング手袋だったこともあるし、ペットボトルホルダーだったこともあるし、一昨年はチャチなバッグだった。そして去年から再びTシャツに戻った。昔のマラソン大会記念品Tシャツは品質が悪かったから、どんどんヨレヨレになっていって次々と消費できていたが、最近のTシャツは品質が良くて、どれだけ着て洗濯してもなかなかヨレヨレにならないから、着てない新品のTシャツが山のように溜まる一方なので、Tシャツでない記念品の方が基本的には嬉しい。
ただ、過去の実績から言えば、徳島マラソンのTシャツ以外の記念品が手放しで歓迎できるかと言えば微妙なところだ。しかし、今年のTシャツもデザインは微妙だ。
(幹事長)「なかなか満足できるTシャツは無いなあ。今までで唯一良かったのは6年前の大阪マラソンのTシャツだけやなあ」
そのTシャツだが、いよいよ何を着るかを決めなければならない。「何を着るか」は、どんな季節のマラソン大会であっても最も重大な課題なので悩みまくる。
(國宗)「また悩むんですね?」
(幹事長)「でも、この天候なら、あんまり悩む必要はないかな」
(支部長)「どうせ悩んで悩んで悩みまくって決めても、タイムには何の関係も無いからな」
もちろん、タイムという観点からは、結果的に見ると、暑かろうが寒かろうが何を着たかでタイムに影響があった記憶は無い。暑いときもあれば寒いときもあるけど、タイムはそれ以外の体調とか練習不足とかの要因で決まる。て言うか、寒いのは辛いがタイムはむしろ寒い方が良いことが多いし。2月初旬の丸亀マラソンなんか、一年で最も寒い時期だけど、寒かった年の方がタイムは良い。
だが、ハーフマラソンなら2時間もかからないから、最後まで一生懸命に走って体が熱を発散しているから寒さにも耐えられるけど、フルマラソンで長時間、寒さを我慢して走るのは辛い。
フルマラソンだからと言って常に終盤を歩く訳ではないが、最後まで歩かずに走ったレースでも、フルマラソンでは終盤、疲れて足を引きずって歩くようになるので、終盤の走るペースってのは歩くのと変わらない。自分の主観では走っているつもりでも、他人が見たら歩いているのと変わらない。それくらい遅いペースになると、歩いているのと同じように体は寒くなる。タイムが良いとか悪いではなく、寒くて辛いのは嫌なので、暑いのはまだしも、寒いのだけは避けたい。炎天下でゼイゼイ言いながら歩くのは嫌いではないが、寒い中を震えながら歩くのだけは絶対に避けたい。
でも今日は悩む余地は少ない。そんなに寒くはないからだ。それほど寒くはない冬のマラソン大会なら、長袖を着て、その上から半袖Tシャツを着るので決まりだ。寒くないどころか暑くなりそうな気配があったら、去年のように、どちらか1枚にしようか悩むところだが、今日は寒いのは間違いない。て言うか、フルマラソンは終盤に歩いたりするので、よっぽど暑い日でなければ2枚着るので決まりだ。
下に着る長袖は、登山用に愛用している吸湿性と速乾性に優れた濡れてもベチョベチョしないインナーウェアだ。もっと寒ければ防寒用長袖ランニングシャツを着るところだが、さすがに今日は暑すぎるだろう。その上に着る半袖Tシャツは、一昨年のこんぴら石段マラソンでもらった黄色のTシャツにした。
(支部長)「珍しいな」
(幹事長)「たまには気分を変えたくてな」
このTシャツは鮮やかな黄色で、ちょっと気分が新たになるって感じなので、超マンネリ化している徳島マラソンでも気合が入ることを期待しているのだ。
一方、去年はこんぴら石段マラソンのTシャツを着ていた支部長は、去年の丸亀マラソンのTシャツを着ている。
(幹事長)「最近、ほとんどそれを着てるよなあ」
(支部長)「この色が気に入ってるんよ」
確かに私も大好きなTシャツだが、ちょっとマンネリ化しつつあるぞ。
下は迷わずランニングタイツを履く。以前は、私はランニングタイツのサポート機能を信じてなかったので、寒い時には防寒用に履くが、そうでなければ履かなかった。ところが最近、フルマラソンでは足を攣ることが多いため、タイツに足の疲労を抑える効果が少しでもあるのならと期待して、暑くない限りはタイツを履くことにしている。
(ピッグ)「でも去年の徳島マラソンではタイツを履いても大惨敗したんでしょ?」
(幹事長)「駄目な時は何やっても駄目なんよ」
一方、ゾウさんは今回もタイツを履いていない。
(幹事長)「見てるだけで寒そうだけど」
(ゾウ)「最近、タイツを履かな方が好タイムが出てますからね」
すると、なんとピッグも同じようにタイツ無しで、ハイソックスだけを履いている。
タイツは履かない方が走りやすいのは確かだ。私は足攣り防止の効果を期待して履いているが、脹脛サポーター的なハイソックスを履いていれば同じ効果が期待できるのかもしれない。それなら私も次回は、タイツではなくハイソックスにしようかなあ。
雨は降らなそうなので嫌いなランニングキャップは被らないが、手は凍えそうなので手袋は履く。
さらに寒かった時のためにビニール袋もポケットに入れておく。
(ゾウ)「ビニール袋忘れちゃった!」
(幹事長)「ゾウさんなら寒さは大丈夫だろうけど、雨が降るかもしれないから、あった方が良いよ」
(支部長)「私がスペアを持ってるから貸してあげるよ」
ポケットにはティッシュとハンドタオルを入れたが、ここでウォークマンを持ってくるのを忘れた事に気づいた。
他のマラソン大会なら必需品ってわけでもないが、超退屈な徳島マラソンでは終盤になって走るのが飽き飽きしてくるので、その時のためにウォークマンは必需品なのだ。
(幹事長)「ウォークマンが無いと、後半は退屈で死にそうになるよう!」
(ゾウ)「私は忘れずに持ってきましたよ」
着替えが終わった参戦メンバー
(左から加藤選手の妹さん、加藤選手、幹事長、ゾウさん、ピッグ、支部長、國宗選手)
(ゾウさんとピッグだけはタイツを履かず脹脛サポーターを着けている)
着替えが終わったらトイレを考えなければならないが、マラソン大会の会場でトイレに行くのは大変で、今日も更衣室のお向かいにあるホテルの1階のトイレを見ると、長蛇の列が出来ている。ざっと見て50人はいる。しかも列の流れは非常に悪そうだ。
私は今日は家で済ましてきたので大丈夫だが、他のメンバーは怪しい動きを見せ始める。最近、我々は、空いているトイレを探すのが得意になっていて、動物的勘により的確に空いているトイレを探し出せるようになっているのだ。たいていの場合、臨時の仮設トイレじゃなく、既設の建物の、しかも奥まった分かりにくい場所にあるトイレは空いている。
てなことで國宗選手は2階へ探検に行き、2階の奥まったところにある小さなトイレで、ほとんど待たずに用を足してきた。一方、ピッグはホテルの外へ行き、県庁に忍び込んで用を足してきた。県庁は女子の更衣室だから男子トイレは空いていたそうだ。女子更衣室になっているから男子は入場不可のような気がするが、うまく潜入できたらしい。
まだ時間は8時過ぎだから、スタートまで1時間近くあるが、いつものようにゾウさんはソワソワしている。
(ゾウ)「もう荷物を預けた方がいいんじゃないですか?」
(幹事長)「まだまだ慌てなくても大丈夫だってば」
とは言ったが、ゾウさんが落ち着かない様子なので、最後の食事としてバナナを1本食べてから重い腰を上げ、トイレで小用を足して外に出る。トイレは大の方はまだ激混みだったが、小の方はガラガラだった。
外に出ると意外に寒い。風はあまり無いが気温は低い。
(幹事長)「これ、寒くない?」
(國宗)「結構、冷えますね。でも、もう悩む余地は無いんですよね?」
(幹事長)「防寒用の厚い長袖シャツを持ってきたらよかったなあ」
まさか、こんなに冷えるとは思わなかったから、今日は防寒用の暖かい長袖シャツを持ってこなかった。大失敗だ。終盤にトボトボ歩いたりしたら寒いだろうなあ。
(支部長)「いい加減に諦めたら?」
(ゾウ)「気にし過ぎですよ。着るものの事は忘れましょ!」
加藤選手と妹さんは寒さ対策に最初からビニール袋を被っている。私も被ろうかどうしようか迷ったが、もう少し様子を見ることにした。
〜 集合 〜
スタート地点は県庁前の国道11号線で、集合場所は申告タイムの順に6つのブロックに分けられている。これは速いランナーと遅いランナーが一緒くたにごちゃ混ぜになっているとスタート時の混雑がひどくなり、混乱するからだ。速いランナーにしてみれば、遅いランナーが混じっていると邪魔になって走りにくいし、遅いランナーだって周りが速いランナーばかりだと走りにくい。分けた方が速いランナーも遅いランナーもスムースに走りやすい。どうせタイムはチップでネットタイムを計測してくれるから、無理して前の方からスタートする必要は無い。
さらに2年前からは、単にブロック分けしているだけでなく、S、A、Bの3ブロックの前半集団と、C、D、Eの3ブロックの後半集団のスタート時間を10分間ズラすウェーブスタート方式となった。丸亀マラソンでも2年前から採用されている方式だが、この方式は混雑が緩和されるので喜ばしい。こういう方式の場合、前半集団には遅いランナーがいないので、前半集団からスタートできれば走りやすいのは当たり前だが、実は後半集団でも、後半集団の中の前の方からスタートすると走りやすい。前方にランナーが少なく、あまり混雑してないからだ。
今年はピッグだけが前半集団からのスタートだ。我々後半集団は9時10分のスタートだが、ピッグは9時スタートだ。
スタート地点に行く途中で手荷物を預け、スタート地点に並ぶ。私のほか支部長、國宗選手、ゾウさんは、支部長が一括してエントリーしてくれたので、ゼッケン番号が並んでおり、集合場所も同じだ。一方、加藤選手と妹さんは、もっと遅いタイムで申告しているので、最後尾に近い場所への集合となった。
(幹事長)「妹さんはフルマラソンは何回目なの?」
(妹)「去年の愛媛マラソンに次いで2回目です」
(幹事長)「まだ2回目かあ。加藤くんは?」
(加藤)「今年の愛媛マラソンに次いで2回目です」
(幹事長)「え?そうやったっけ?」
兄妹そろってフルマラソン2回目とのことで、今日は完走を目指してゆっくり走るようだ。
コースは3年間から少し変更になり、スタート地点も少し変更になった。たぶん、参加者を増やしたため従来のスタート場所やコースでは道が狭くて収容しきれなくなり、スタート地点とコースを変えたのではないだろうか。以前は、ちょっと裏道的な道路を出発して、しらさぎ大橋を渡って吉野川北岸に出ていたが、今は県庁前の広い国道11号線をそのまま北に走って吉野川大橋を渡って吉野川北岸に出るようになった。個人的には新しいしらさぎ大橋を通るコースの方が気持ち良くて好きだったが、仕方ない。
また、吉野川大橋はしらさぎ大橋より1km以上も西側にあるので、距離は往復で2kmは短くなる。ゴール地点は同じなので、その分だけ折返し点が遠くなった。これも嫌な感じだ。
スタート地点で大勢のランナーの中で待っていると、寒さが和らいできた。晴れ間は見えないが、雲が薄くなってきて、少しは日差しを感じられるようになってきた。ビニール袋を被るのは止めておこう。
スタート時間が迫ってきたので、本日の目標を設定せねばならない。
もちろん、どんな時でも、どんなレースでも、大会自己ベストの更新を狙うのが良い子のあるべき姿だ。マラソンはコースや季節によってタイムが大きく変わってくるため、違うレースのタイムを比較するのは不適当なので、どんなレースに出ても、とりあえず大会自己ベストを狙うのが良い子の正しい道だ。しかも、この徳島マラソンは坂の無い高速コースなので、良いタイムを狙いたいのが常だ。
だが今回はモチベーションが乏しい。乏しいと言うより、ほとんど無い。2年連続の好タイムを狙った2月の海部川マラソンでは、思ってもみなかった大惨敗を喫してしまった。本来なら、海部川マラソンで好タイムを出して、その勢いに乗って徳島マラソンでも続けて好タイムを狙う予定だったのに、期待の海部川マラソンで想定外の大惨敗を喫してしまったから、完全にやる気を無くしてしまったのだ。
もともと徳島マラソンは基本的には年に一度の貴重なフルマラソンだった。毎年、東京マラソンや大阪マラソンや京都マラソンや神戸マラソンなど色々と申し込んではいるけど、競争率が高いから滅多に当選はしない。小豆島のタートルマラソンは競争率が低くエントリーが容易だが、坂が多くて厳しいコースなので、たいていはハーフマラソンの部に出ている。て事で、徳島マラソンは貴重なフルマラソンとして気合いが入っていた。ところが最近は、龍馬脱藩マラソンや那覇マラソンや海部川マラソンなど、他にもフルマラソンに色々と出ているから、徳島マラソンの価値は下がり気味だ。
モチベーションが無いままの参加なので、敢えて言えば「辛い思いはしたくない」っていうのだけが目標だ。
(國宗)「それって目標なんですか?」
(幹事長)「何のために出てるのか分からんやろ?」
ほんと、一体何のために高い金を払って、朝早くからこんな遠くまで来てるのか自分でも分からない。やる気が無いので、せめて辛い思いはしたくない、ってのが正直なところだが、それなら、一体なぜ参加しているのか、という根源的な疑問にぶち当たる。
辛い思いには2つのパターンがある。
1つ目の辛いパターンは足が痛くなるパターンだ。1ヵ月まえの海部川マラソンでは終盤に足が攣りそうになって、走りたくても走れない状態になり、終盤はベタ歩き状態だった。10月の龍馬脱藩マラソンは、3年連続で足が攣ったり足が痛くなって走れなくなった。攣るのも辛いが、足が痛くて走るどころか歩くのさえできなくなるのは本当に辛い。
2つ目の辛いパターンは、足は攣ったり痛くなったりしてないが、疲労でボロボロになるパターンだ。去年の徳島マラソンでは歩きはしなかったものの、全身が疲労でボロボロになり、走ってはいるけど歩くようなスピードでトボトボとゴールした。去年の12月の那覇マラソンも同じで、痛くはないけど足が動かなくなり、歩くようなスピードでトボトボとゴールした。
どちらのパターンも辛いが、絶対に避けたいのは1つ目の足が痛くなるパターンだ。
モチベーションがあって良いタイムを狙う場合は、多少のリスクはあっても、前半からある程度は頑張ってしまい、たいていの場合は、て言うか、ほぼ全ての場合は、後半に潰れてしまい、足が痛くなって辛い思いをしてしまう。だがしかし、良いタイムを狙ってるのだから、それは仕方ない。
だがしかし、今回はモチベーションはゼロで、そんなに良いタイムが出るとは期待してないので、後半に足が痛くなるリスクを冒してまで前半から頑張るつもりはサラサラ無い。
てことで、今日は前半から抑えに抑えてのんびり走ろうと思う。また、走るのが辛くなったら、迷わずリタイアしよう。
(國宗)「走る前からリタイアの事を考えてるんですか?」
(幹事長)「わしらリタイアに何の抵抗も無いからな」
(國宗)「あんまり堂々と言わないでくださいよ」
私は過去、7年前の第5回大会と2年前の第10回大会でリタイアしているので、リタイアに関しては何の抵抗も無い。
足が痛くなったら、迷わずリタイアしよう。痛い足を引きずって無理して完走しなければならないような重要なマラソン大会ではない。
逆に、足が痛くならずに最後まで歩かずに完走できれば、そんなにひどいタイムにはならないだろう。足が痛くさえならなければ最後まで歩かずに済む。終盤は足が棒の様に重くなるが、どんなに足が重くなっても、痛くなければ走り続ける事ができる。ペースは極端に落ちて歩くようなスピードになったとしても、痛くさえ無ければ、足を引きずりながらゆっくり走り続けることができる。疲れとか足が棒の様になるっていう状態なら、精神力で乗り切れるものだ。
しかし、足が痛くなると我慢できない。辛くて辛くて歩かざるを得なくなる。立ち止まって屈伸したりして、なんとか痛みを取るしかないのだ。また、足が痛くなって一度でも歩いてしまうと、心が切れてしまって歯止めが無くなり、絶対に繰り返し歩いてしまう。
タイムが多少良かったとしても足が痛くなるよりは、タイムは徹底的に悪くても足が痛くならない方がマシだ。なので、タイムはさておき、最後まで足が痛くならずに完走できる事を目指したい。
もちろん、最後まで足が痛くならないようにするためには、前半のペースを抑えるのが必要条件だ。これが分かったのが2013年の大阪マラソンで、最初からものすごく遅いペースで走ったら非常に珍しく最後まで足が痛くならなかったのだ。それまでフルマラソンに出ると、終盤は必ず足が痛くなって辛くなり、トボトボ歩きながら「もうフルマラソンなんて出るの止めよう」って思っていたのだが、大阪マラソンで開眼した。それ以来、前半を抑えて走った場合は、最後まで足が痛くならないまま一歩も歩かず完走できた大会も多い。
ただし、これも絶対ではなくて、前半を抑えて走ったつもりでも、終盤に撃沈したレースはある。理由は簡単だ。自分では抑えて走ったつもりで、実は抑え方が不十分だったからだ。どんなレースでも最初は軽快に走れて「なんだか今日は調子いいな」なんて勘違いするんだけど、それは気分が高揚しているのと、始めだからまだ元気が有り余っているのと、周囲のランナーにつられているだけだ。そのまま調子に乗って飛ばしたら絶対に後半に撃沈するのだ。
とにかく、今日の最優先目標は辛くならずに完走する事であり、そのためには最初から徹底的に抑えたペースで走らなければならない。
遠くでは開会式が始まったようで、何も見えないが場内放送の声だけは聞こえてくる。今年も去年に続き野口みずきがゲストに来ている。彼女も我がアイドル高橋尚子様と同じオリンピックの金メダリストなんだけど、高橋尚子様に比べたらどうしても地味で、華やかさに欠ける。だが実は私は、野口みずきも高橋尚子様と同じくらい好きだ。高橋尚子様は元来走るのが大好きで、ものすごいトレーニング量なんだけど、悲壮感が無かった。悲壮感をうまく隠していただけかもしれないが、それが功を奏して明るいイメージが定着している。
それに比べて野口みずきは、どうしても悲壮感が漂い、何となく暗いイメージになってしまっている。でも彼女の真面目さは大好きで、現役時代は心から応援していた。引退してどうなるのかなあ、なんて勝手に心配していたけど、結婚もしたし、なんだか現役の時より可愛くなり、こういう大会にも呼ばれるようになって、良かった良かった。
それと金哲彦さんも来ている。金さんはレースにも参加するらしい。どれくらいのペースで走るのか分からないが、これも楽しみだ。
〜 スタート 〜
いよいよスタートの号砲が鳴ったが、それは9時スタートの前方ブロックの人たちのスタートで、我々のスタートまではまだ10分ある。前方ブロックの人たちがスタートしたため、ゾロゾロと前方へ動き出し、しばらく進むとスタート地点のアーチが見えてくる。
9時10分となり、ようやく我々もスタートとなった。我々の場所からスタート地点までは2分弱くらいだった。アーチの横では野口みずきが声援を送ってくれている。間近で見ると、テレビで見る以上に明るい雰囲気で、とても好感が持てる。
スタート地点を越えると、なんとか小走りができるようになる。まだまともに走れないのでフラストレーションも感じるが、ウォーミングアップ代わりと割り切れば良い。それに、以前のコースは序盤に狭い道を折れ曲がったりして結構、混雑したが、今は広い国道をストレートに走るようにコースが変わったため、混雑はひどくない。
流れに任せて走っていたが、最初の1km地点で見たラップは1km7分近かった。いくら前半は抑えて走ると言っても、トンでもない時間のかかりようだが、スタート直後の混雑を考えると仕方ない。
次の2km地点でのラップは一気に6分を切っていた。いくらなんでも速すぎる。ちょっと飛ばしすぎかも。去年は序盤をずうっと1km6分を切るペースで快調に走ったため、終盤で大撃沈して大惨敗を喫してしまった。調子に乗って飛ばすのは厳禁だ。
ただし、他のマラソン大会もそうだけど、距離表示には疑問が多いので1kmごとのラップに一喜一憂してはいけない。距離表示が正確だと自信を持って断言できるのは丸亀マラソンくらいで、他の大会はかなり怪しい。なので、もう少し自然体で走ってみよう。
コースは国道11号線を真っ直ぐ北上して吉野川大橋を渡り、吉野川大橋の真ん中に3km地点の距離表示がある。この1kmは6分半くらいに落ちていた。どう考えても、さきほどとペースが大きく変わったとは思えないので、やはり距離表示が不正確なんだろう。今のところ、無理せず自然体で走っているので、このままいこう。
徳島マラソンのコースは基本的に橋と堤防の上を走るので、例年、北西からの強風に苦しめられる。しかし今年は風が無くて、走りやすい。風は無くても気温が低いから暑くはならず、ちょうどいい感じだ。
吉野川大橋を渡って吉野川北岸の堤防の道路に入ると、第1救護所があり、しばらく進むと4km地点がある。この1kmも6分半を超えている。う〜む。あんまり良いペースではないかも。
吉野川橋の付け根の5km地点には第1給水所があり、以前は走り始めたばかりの給水所は時間の節約のためにパスしてたけど、最近は足攣り防止のために最初からこまめに給水する。
こまめに給水はしなければならないが、なんだか微かに尿意を感じてきた。スタート前にトイレに行ったばかりなのに、なぜだろう。寒いからだろうか。気にし始めると走りにも影響する。でも、この辺りの仮設トイレはどこも長蛇の列ができている。まだまだ切羽詰っていないので、パスして進む。後半になるとトイレも空いてくるだろう。
この1kmのラップも6分半くらいだった。距離表示には疑惑があるから1kmごとのラップは鵜呑みにできないが、5kmごとの地点ではチップで正確にタイムを計測してくれるため、5kmごとのタイムは信頼できるはずだ。結局、最初の5kmの平均で1km6分半だった。いくらスタート後の混雑によるタイムロスがあるにしても、ちょっと遅すぎる。去年は最初の5kmで平均1km6分を切っていたから、だいぶ遅い。でも、だからと言って無理をしてはいけない。今日は好タイムを目指すのではなく、あくまでも辛い思いをせずに完走することが目標だ。去年は前半に頑張ったため終盤に撃沈したのだから、去年との比較は止めよう
この辺りまで来ると、ゼッケンの色が違うランナーが増えてきた。ブロックごとにゼッケンの色が違うのだ。我々はCブロックなんだけど、10分前にスタートしたBブロックの選手が周囲にたくさん走っている。まだ5kmしか走ってないのに10分の差を追いつくってことは、彼らは1km辺り2分も遅いってことになる。いくらなんでも自己申告のタイムが甘すぎるんじゃないかって思ったが、前のブロックの後ろの方からスタートした人なら、それほど時間差は無かったのかもしれない。逆に、我々より後ろからスタートしたDブロックやEブロックのランナーが追い抜いていくが、彼らとはスタートの時間差が無いから、多少はいても不思議ではない。
ふと見ると、少し前に金哲彦さんが走っている。ゼッケンに名前を書いているのですぐ分かる。他のランナーと少し話していたので、しばらく待っていたが、そのランナーが離れたので近寄っていき、声をかける。
(幹事長)「こんにちは。以前、丸亀マラソンでペースランナーを務めた者です」
(金さん)「ああ、あの時の」
なーんて言ってくれたが、本当に覚えてるのかどうかは怪しい。でも、2009年と2010年の丸亀マラソンでは我々はペースランナーを務め、レース後は一緒に打ち上げをした仲だ。
少しお話をして私が離れたので、次に國宗選手が近付こうとしたら、他のおばちゃんが割り込んできて長々を話をしたもんだから、國宗選手はお話しできなかった。
その後も1kmごとのラップは変動が大きく、ひどい時は1kmで1分近く差がある区間もあったが、あくまでも実感としては同じペースで走っており、1分も差が出るなんてあり得ない。どう考えても距離表示が不正確なんだろうと思って気にせずに走り、次の5kmごとの計測値点である10km地点で確認する。すると、この5kmの平均タイムは最初の5kmとほぼ同じだった。最初のペースが遅かったから、まだ落ちてはいないが、やはり今日はせいぜいこの程度のペースなんだろうと割り切る。パッとしないペースだが、できるだけペースを維持していかなければならない。無理してペースを上げるのは厳禁だ。
ここまで支部長と國宗選手とは、ほとんど同じペースで走ってて、ずっと側にいる。 一方、ゾウさんは少し遅れたらしく、周りには見当たらない。
その後も1kmごとのラップは変動が激しいので、側にいた支部長にも聞いてみた。
(幹事長)「この距離表示は正確なんかなあ?」
支部長はGPS付の時計をしているから、ある程度は正確な距離が分かるのだ。彼によると、やはり距離表示は不正確で、数十mは間違っているようだ。
次の5km地点である15km地点でのラップによると、10km地点から15km地点までの5km区間の平均ラップは6分10秒ほどで、それまでよりペースアップしていた。こんなところでペースアップできる要素は見当たらないので、もしかしたら5kmごとの計測ポイントも不正確なんだろうか。よく分からない。でも、少なくとも前半のうちからズルズルとペースダウンする事態は避けられているようだ。
このレースには全部で12箇所の給水所がある。以前は給水所は、せいぜい3回に1回くらいしか給水してなかったけど、足の攣りの予防のため、全ての給水所でマメに給水する事にした。さらに、手前に置いてあるスポーツドリンクを飲んでから、次に後方に置いてある水も取ったりした。水分の吸収は水よりスポーツドリンクの方が良いんだけど、スポーツドリンクばかり飲んでいると口の中がベチャベチャしてくるからだ。
また、後半のエネルギー不足を防止するため、食べ物が置いてあるエイドではこまめに給食も取っていく。
尿意は徐々に強くなってきたが、まだまだトイレには列が出来ているので我慢する。
15km地点では支部長が少しだけ遅れ始めたが、國宗選手はピッタリ同じだ。
(國宗)「どれくらいのペースが良いのか分からないですねえ」
彼も適正なペースを掴みかねているようだ。今のペースは彼にしても遅いと感じているんだろうけど、ここでペースを上げて終盤に撃沈するのも避けたいだろうから、私に合わせているのかもしれない。
この辺りでだんだん雲行きが怪しくなってきた。前方の空が雲に覆われて黒くなっている。明らかに雨が降っているようだ。あの雨がこっちまで来るかどうかだが、風は弱いけど西風なので、普通に考えれば、そのうち雨雲はやってくるだろう。
なーんて思っているうちに風が強くなり始めた。日差しが無い上に風が強まると、ぐっと寒くなる。今だけなら我慢するけど、この先、天候は悪化しそうなので、ここでポケットに入れておいたビニール袋を取り出す。強まる風の中、走りながらビニール袋を被るのは意外に難しくて苦労したが、なんとか被ることができた。これで体感温度はぐっとマシになる。
などと思っていたら、今度は小雨がパラつき始めた。とうとう雨が降り始めたか、なーんて思っていると、雨脚はどんどん強まり、厳しい悪天候になってきた。
なーんて思っていたら、なんと遂に雨が氷のあられになってきた。ひえ〜。この時期にあられが降るなんて、思ってもみなかった。でも、天気予報では、そういう可能性も言ってたような気がする。
真正面から氷のつぶが降ってくるので、顔面が痛い。風だけでも寒いのに、氷のつぶが降ってきたのだから、一気に寒くなる。寒いと言うより冷たい。体はビニール袋でカバーしているとは言っても、隙間だらけだし、顔や腕は無防備なのでどんどん冷えてくる。
おまけに真正面からの風は強まる一方で、走るのが辛い。風よけになりそうなランナーを探して後ろに着こうとするのだが、なかなか同じペースの体の大きいランナーが見つからない。最後は、体は小さいけど、ペースが同じ女性ランナーがいたので、その後ろに着く。彼女の方が体が小さいのに、こっちが後ろに着くのは後ろめたいけど、許してね。
強烈な向かい風と雨あられのせいで20km地点でのラップは一気にペースダウンしていて、この5kmは1km6分半を超えていた。しかし、これは仕方ない。今はペースより何より、とにかくくじけずに走り続けるだけだ。
しばらく行くと、ちょうど半分になる21km地点の表示がある。これでなんとか半分終わったっていうのは嬉しい。いつもなら、ここで取りあえずホッと一息できる。でも今日は、それどころではない。嵐のような激しい雨あられに対して必死で立ち向かっているので、ホッとできる余裕は無い。
時計を見ると、ちょうど2時間15分なので、単純に2倍すれば4時間半ペースだ。でも今は、そんな事を考える余裕は無い。
さらにしばらく進むと西条大橋が現れる。以前のコースは、スタートの後は遠回りしてしらさぎ大橋を渡っていたが、今は吉野川大橋を渡るようになっているから、ここまでの距離がだいぶ短くなっている。そのため、西条大橋の付近で距離をかせぐため、吉野川から離れてだいぶ北の方まで折り返し区間を走らされる。単調な堤防の上を走るのも退屈で苦痛だが、この折り返し区間も先が見えないので精神的に苦痛な区間で、それが長くなったのは、ますます辛いコースとなった。
しかも、折り返し区間は、ここで右斜め前に折れて北西に向かって走るため、雨あられの強風がちょうど正面から当たるようになった。前に進むのがやっとで、本当に辛く厳しい戦いとなった。
なんとか必死に進んだら、ようやく折返しになり、再び吉野川へ向かって引き返す。真正面から吹き付けていた風が追い風になり、一気に楽になる。楽になるだけでなく、顔面にモロに当たっていたあられが後ろから当たるようになり、顔が痛くなくなったのが嬉しい。
すれ違いざまに後続のメンバーを確認すると、すぐ後ろを國宗選手が走っている。ほんの30秒ほどの差だ。ちゃんとビニール袋を被っている。
さらに1分ちょっと後ろを支部長が走ってくるのが見えた。なんとビニール袋を被っていない。正気か?寒くないんだろうか。
さらにゾウさんは少し遅れていて、私より3分くらい後を走ってきた。ビニール袋は被っているが、かなり苦しそうに走っている。タイツを履いてないから足が冷えてるんじゃないだろうか。
西条大橋に入ると真後ろからの追い風になり、さきほどまでの苦しかった向かい風とは反対に走るのが楽になった。
なーんてホッとしながら走っていると、國宗選手が追いついてきた。いくら追い風になったからと言っても、一気にペースアップできるなんて、すごい。
(國宗)「めちゃ厳しい雨あられですねえ」
(幹事長)「なんとか向かい風の区間は終わったけど、早く雨が上がって欲しいよねえ」
西条大橋を渡って吉野川の南岸の堤防に移ると、後半は東に向いて走るようになる。風は斜め左後ろからの風になり、まだまだ走りやすい風だが、雨を伴う風なので体が冷えて仕方ない。雨が上がるのを祈るのみだ。
第6給水所を過ぎてしばらく進むと25km地点の計測があり、この5kmの区間の平均ラップは1km6分40秒に落ちていた。強烈な向かい風区間があったから仕方ないか、とも思うが、一緒に走っている國宗選手は快調にペースアップし、徐々に前方に離れていく。すごいなあ、着いて行こうかなあ、とも思ったが、まだ残り17kmもあるので、無理してはいけないと思い、自然体のまま走り続ける。
しばらく行くと26km地点を過ぎて第7給水所が現れる。ここには水だけでなく、そば米汁や半田そうめんのお接待があるので、かつてはこの休憩ポイントが楽しみで仕方なかった。でも最近は、少しでも良いタイムを目指してパスする事も多くなった。ここで本格的に休憩し、そば米汁と半田そうめんをしっかり食べて、くつろいでしまったら、気分的には元気回復しても、一度、本格的に休んでしまうと、足がすっかり終了モードになってしまい、再びレースに参加するのに苦労する。
2年前は、この時点で既に絶望的なタイムになっていて、もうタイムにこだわる必要が無くなっていたし、やる気も失せていたので、本格的に休憩した。もちろん、しゃがみ込んで暖かいそば米汁を食べると生き返った気分になるが、実際には、いくら頑張って再び走ろうと思っても、足が固まって言う事を聞かなくなり、走り始めるのは簡単ではなくなり、その直後にリタイアした。
今年は、まだまだ絶望的なタイムにはなってないから、ここで本格的に休んでレースを放棄したくはない。でも、冬の嵐で体が冷え切っているため、暖かいそば米汁の魅力は大きい。それに、尿意がますます強くなってきて、トイレにも行きたい。どうしようか悩んだが、結局、我慢してパスすることにした。
と思ったら、少し前を走る國宗選手が、何のためらいも無く、そば米汁に吸い寄せられていった。思わず後を着いて行こうと思ったが、気を取り直して我慢して、パスして進む。今日は何のモチベーションも無かったが、その割には、まだ闘争心は残っているようだ。
1kmごとの距離表示はもう信用できないので、あんまり気にはしないが、それでも目安にはなるので見ていくと、追い風になったと言うのにペースは徐々に落ちていき、1km7分近くかかるようになってきた。先ほどの強烈な向かい風区間と同じようなスローペースだ。
さすがに後半になって足が疲れてきたようだ。でも、まだまだ足が痛くはなってない。少しだけ攣りそうな気配があって、ちょっと怖いけど、攣りそうな筋肉をかばいながら走っていく。それでも、そんなに大きくペースダウンした感じではない。
なーんて思っていたら、なんとここで支部長が追いついてきた。驚異のペースアップぶりだ。
(幹事長)「どどど、どしたん!めちゃ快調に走ってるやん!」
(支部長)「雨が降ったから息が楽になってね」
暑がりの支部長は、寒さには強く、雨が降ると湿度で呼吸が楽になるから調子が良くなるのだ。とは言え、この寒いのにビニール袋を被っていない。
(幹事長)「ビニール袋も被らないで、寒くないん?」
(支部長)「これくらいなら平気やな」
さきほどの冬の嵐が襲ってきたとき、被ろうかとは思ったらしいが、強い風でビニール袋はぐちゃぐちゃになるし、雨でベチョベチョになって被りにくくなって諦めたそうだ。私なら立ち止まってでも絶対に被ると思うが、寒さに強い支部長は、それほどこだわらなかったらしい。
いつの間にか雨は上がったが、日差しは出てないので、まだまだ体は寒い。
(幹事長)「晴れてお日様が出てくれたら嬉しいんやけどなあ」
(支部長)「いやいや、晴れたら暑くなるがな」
それにしても、ここでペースアップするなんて、今日は絶好調なのか?
(幹事長)「このまま最後まで走れれば悪くないタイムになるけど、35kmを過ぎてからが問題やな」
(支部長)「そやな。どこまでペースを維持できるかな」
しばらく一緒に走っていたが、支部長はなおも快調に走り続け、徐々に背中が離れていく。頑張って一緒に着いて行こうかとも思ったが、足のあちこちの筋肉が攣りそうで、無理するのがちょっと恐い。足のふくらはぎが攣ることはそんなに珍しい事ではないが、そこだけじゃなくて、足の付け根や膝の裏側など、あちこちが攣りそうで、全体的にかなり疲労している感じだ。
て事で、とりあえず無理するのは止めて、そのまま自然体で走ると、支部長の背中はどんどん小さくなっていく。
この辺りの給水所には、飲み物だけでなくバナナやパン、竹輪、フルーツなど給食も充実しているんだけど、この時点で食べ物を補給しても、お腹は満たされるが、今さらエネルギー補給しても消化して吸収する前にゴールしてしまうだろうから、水を飲むだけで食べ物はパスする。
雨が上がると風も弱まり、そよ風程度になってきたが、日差しが無いので濡れた体は冷えたままだ。路面も水たまりが途切れることなく続き、シューズの中もベチャベチャで気持ち悪い。
それでも、なんとか心も折れずにペースも維持しながら走り続けていると、再び支部長の背中が見えてきた。私は特にペースを上げた訳ではないから、明らかに支部長のペースが落ちてきたようだ。ちょっと無理してペースを上げた反動が出てきたのかもしれない。
再び一緒に並走したが、しばらくすると支部長が徐々に遅れていった。
尿意はますます強くなってきたが、相変わらずトイレには待っている人がいる。待っている人数は少ないので、すぐに入れそうだが、ここまで我慢できたんだから、このまま我慢できるかもしれないので、行けるとこまで行くことにする。
35km地点でラップを確認すると、30km地点までのラップとほぼ同じだった。1km平均7分近いから、決して速くはないが、過去の記録では、ほとんどの場合、35km辺りまで来ると大きくペースダウンしているので、なんとかペースを維持できていることだけでもマシだ。
残りは僅か7kmだから、もしかして、このままペースを崩さずにゴールできるかもしれない。
残り7kmなんだから、スパートしたい気持ちもあるけど、7kmもスパートできるわけはないし、そもそも足が動かなくなってきているので、スパートは無理だ。
とは思ったけど、続く37km地点や37km地点で徐々にペースダウンしていることが分かったので、ラスト5kmこそはスパートしようと思って、ちょっと頑張ってみた。
もうさほど力は残ってなかったけど、この辺りからコースは変化が出てくる。四国三郎橋のたもとの辺りで、ずうっと走ってきた吉野川の堤防から離れて南に折れ、何度か折れ曲がって鮎喰川の堤防に出たりするのだ。コースが変化すると気持ちも少しリフレッシュされる。そのせいか、次の38km地点や39km地点のラップは6分半くらいまでに回復した。
ところーが、なんと、ここで再び風雨が襲いかかってきた。まさか、再び雨が降るなんて思ってもみなかった。ビニール袋は被ったままだったので良かったけど、他のランナーからは「雨が止んだからビニール袋は捨てちゃったよ」なんて悲鳴が聞こえてくる。風はほぼ横風なのでそれほど走りにくくはないが、冷たい雨で体が再び冷えてきた。それに、なんとなく気勢をそがれてペースが一気に落ちてきた。
40km地点でのラップは、さきほどの頑張りのおかげで、それまでより少しだけペースアップできていたが、もうこれ以上は頑張れない、って感じになってきた。
と思ったところに、なんと、ゾウさんが追いついてきた。折り返し点では、だいぶ遅れていたし、とても苦しそうだったので、もう再起はできなのではないかと思っていたのに、すごい復活ぶりだ。私が一気にペースダウンした訳ではないから、彼女が一気にペースアップしたのだろう。
(ゾウ)「やっと追いつきましたよ」
(幹事長)「雨あられが降ってた時は苦しそうやったけど、よく盛り返したなあ」
30km地点を過ぎてから一気にペースアップしたようだ。終盤になってペースアップできるなんて、もう信じられないと言うか、凄すぎる。
でも、ゾウさんの出現のおかげで私も一気に息を吹き返す事ができた。マラソンは極めてメンタルなスポーツであり、「もう駄目だ」なんて思っていても、気の持ちよう一つで見違えるほど蘇る事が可能だ。
6年前の第6回大会でも、終盤、足が痛くなって止まったり歩いたりしていたけど、支部長が追いついてきたとたん元気が出て一緒に走れた。疲れが吹き飛ぶだけじゃなく、足の痛みも消えてしまったのだ。本当に不思議だけど、マラソンはそういう精神力のスポーツだ。
て事で、ゾウさんに追いつかれた事で一気に気合が入り、疲れも吹き飛び、一緒に走る事にした。
(幹事長)「じゃあ、もうあと2kmしかないから、ガンガン飛ばして行こう!」
(ゾウ)「いいですね。頑張りましょう!」
てことで、二人で並んで一気にペースアップして他のランナーをごぼう抜きする。
終盤になると、小さな坂がいくつか現れるが、下り坂が曲者になる。上り坂は疲れていれば歩くだけだが、下り坂は足が疲れている時に不用意に突っ込むと、足の筋肉を痛めて動けなくなってしまう。ゾウさんも分かっていて、注意している。
(ゾウ)「次の小さな下り坂は要注意ですね。ゆっくり降りましょう」
ところが、いざ下り坂に突入しても、ゾウさんは全然スピードを緩めずに一気に下って行く。私も平気で、スピードを上げて駆け下りる。今日は二人とも足の疲れがひどくないので、こういう状態なら下り坂でも平気のようだ。二人とも終盤になってペースアップできているってことは、要するに二人とも余力が残ってるって事なので、平気なのかもしれない。
その後の上り坂でも、周囲のランナーはほとんど全員が歩いているが、二人とも止まることなく走り続ける。終盤にきて他のランナーを蹴散らしながら走るのは本当に快感だ。
41km地点で時計を見ると、この1kmはほぼ6分で、本日の最速だ。
残り1km地点を過ぎると、ますますスピードアップする。
最後に会場近くの幹線道路である県道30号線に入るところで、並んで走っていたゾウさんが右と左を入れ替わってくれと言う。
(幹事長)「どしたん?」
(ゾウ)「主人が沿道で写真を撮ってくれるはずなんです」
ゾウさんのご主人は、朝、彼女を送ってきて、その後はずっと待機しつつ、「応援ナビ」を見ながらゾウさんの位置をリアルタイムで把握しながら、ゴール直前に沿道から写真を撮ってくれるという、考えられないられないほどの献身ぶりを発揮している。彼女の魅力が、そうさせるのだろうか?
無事、ゾウさんのご主人に写真を撮ってもらい、最後に県道30号線から陸上競技場に入ると、遠くにゴールが見えてきた。
(幹事長)「最後は全力疾走やで!」
(ゾウ)「分かりました!」
〜 ゴール 〜
最後は二人で全力疾走して一緒にゴールする事ができた。
2月の善通寺五岳山空海トレイルでのらちゃんと一緒に並んでゴールしたのに続いて、2大会連続で女子部員と一緒に並んでゴールできたのも嬉しい。空海トレイルの時も最終盤は全力疾走して少しでもタイムを縮めた。
「最後に全力疾走して数秒タイムを縮めたところで何の意味があるんだ?」という意見もあるとは思うが、過去百数十回もマラソン大会に出場してきた経験から言えば、最後まで1秒でもいいから早くゴールした方がよろしい。なぜかと言うと、後で家に帰って確認したら、過去のタイムとの比較において「げげーっ、あと数秒早かったら大会自己ベストだったのに!」なんて事がよくあるからだ。
最後の1kmは6分を切り、本日の最速ペースとなった。ラスト2kmをかなりペースアップできたくらいだから、ゴールしても余力が残っており、足も全然、平気だ。大変、気持ち良い。さきほど沿道で写真を写してくれたゾウさんのご主人が既にゴール横に来てて、再び写真を撮ってくれた。
記録証をもらうと、大会自己ベストには及ばないものの、久しぶりに4時間30分台だったので、まあ満足だ。走る前は何のモチベーションも無く、なんとか足が痛くならずにゴールできたらいいや、くらいにしか思ってなかったので、予想外の健闘と言える。何のモチベーションも無く最初からダラダラ走ったのが良かったのかもしれない。
また、タイムが悪くなかったことより、後半になってもあんまりペースダウンせず、逆に終盤になってペースアップできたのが非常に嬉しい。2月の丸亀マラソンでも、丸亀マラソンとしては初めて終盤にペースアップできた。あのときも、前半は決して速いペースではなく、今年も平凡なタイムに終わるのかなあなんて思ったけど、後半に入ってもペースダウンせず、終盤はかなりペースアップできた。まさに理想的な走りだった。
今日も序盤からスローペースで、またまた惨敗かなと思ったけど、後半に入ってもペースダウンを最小限にとどめ、最後は一気にペースアップするという理想的な展開だった。逆に1ヵ月前の海部川マラソンでは、良いタイムを出そうという欲が少し出てしまい、前半は抑えて走ったつもりだったけど、後から見るとかなりハイペースで走ったため、終盤で大失速して惨敗してしまったのだ。
これで、フルマラソンであっても、前半を徹底的に抑えて走ったら終盤でのペースアップも可能だと分かったので、今後はこの作戦で行こう。
記録証をもらった後は、例年のように完走バンザイ隊の万歳三唱サービスを受ける。最後まで気持ちよく走れたので、いつになく万歳三唱サービスが嬉しい。
序盤からずっと悩まされ続けた尿意は、ゴールしたとたん消え失せた。精神的なものだったのだろうか。マラソンも尿意もメンタルなものなんだろうな。
(ゾウ)「私、フルマラソンの自己ベストでしたよ。嬉しい!」
なんとゾウさんはフルマラソンの自己ベストだったのだ。素晴らしい。大変、喜ばしい。
僕はフルマラソンの自己ベストどころか、徳島マラソンの大会自己ベストですらなかったけど、僅か3秒差で大会自己2位だった。あと4秒遅かったら大会自己3位だったので、少しだけ嬉しい。大会自己2位だなんて、ほとんどどうでもいいような記録だが、逆にあと3秒で過去のタイムに負けていたら悔しいところなので、最後の全力疾走のおかげだ。やはり最後まで全力疾走するのは重要だ。
しばらくすると國宗選手も帰ってきた。我々より7分ほど遅かったが、なんと彼もフルマラソンの自己ベストだった。
(幹事長)「素晴らしいやんか!」
(國宗)「前半、抑えて走ったから最後まで足が動きましたねえ」
彼も25km地点までは去年より遅かったが、その後のペースダウンを最小限に抑えることができたため、自己ベストを出せたのだ。去年は30km以降は歩いていたから、えらい違いだ。素晴らしい。
ランナーが多すぎて、他のメンバーは見つからないので、そのまま3人で手荷物を取りに行く。
手荷物をもらって着替えを済ますと、ピッグから連絡が入る。ここんとこ絶好調の彼は今日もサブ・フォーを達成し、しかも彼もフルマラソンの自己ベストだったそうだ。素晴らしすぎる。
彼は雨がしぶとく降ったり止んだりしているので、早々に駐車場に行こうとシャトルバスを待っているとのことだ。この会場には、雨よけになる場所が無いからだ。駐車場行きのバスは1時間くらいかかるので、ピッグに車を取りに行ってもらい、我々を迎えに来てくれたら時間の節約になるかな、と思い、國宗選手と一緒に、タダで支給されるうどんを食べに行く。コシのある讃岐うどんと違って、これ以上柔らかくしたら、ちぎれてしまって箸で持てないくらいの柔らかさだが、長距離を走って衰弱したお腹には柔らかいうどんが優しいし、暖かいうどんが非常に嬉しい。
ところが、うどんを食べていると、再び雨が降ってきた。支部長の動向は不明だが、加藤選手はだいぶ時間がかかると思うので、我々も駐車場へ行くことにした。シャトルバスに乗って臨時駐車場へ戻るんだけど、ここ数年は、全員を後夜祭へ強制的に参加させるため、会場から臨時駐車場へ直行するシャトルバスが無くなり、全てのバスが逆方向の後夜祭会場に行き、そこで臨時駐車場行きのバスに乗り換えなければならなくなった。
もちろん、疲れ果てた我々が後夜祭に行くはずもなく、そのまま乗り換えていたが、渋滞が激しい休日の徳島市内を通るため、トンでもなく時間がかかり、会場から直接行けば僅か2kmもないくらいの近距離にある吉野川の臨時駐車場まで1時間もかかっていた。元気だったら歩いて行くところだった。
これが悪評だったのだろうけど、今年は臨時駐車場への直行バスが復活していて、バスに乗ったら、すぐに臨時駐車場に着いた。
ピッグの車に戻ると支部長から連絡があり、彼は既にゴールして着替えたが、加藤選手がまだしばらくかかりそうとの事だ。なので、支部長には陸上競技場で待っていてもらい、私らが迎えに行くことにした。
〜 反省会 〜
陸上競技場に戻った時には、加藤選手と妹さんもゴールしており、順調に落ち合うことができた。
いつもなら、この後、恒例のあいあい温泉に行って露天風呂で足を揉みほぐすんだけど、今日は支部長が用事があるとのことで、急遽、帰りを急ぐことになった。そのため反省会は車の中だ。
(幹事長)「レース前に全くやる気が無かった割には、なんとかそこそこのタイムだったな。
て言うか、後半になってもあんまりペースダウンせず、逆に終盤にペースアップできたのが嬉しいぞ」
(ゾウ)「私はフルマラソンの自己ベストが出たから超嬉しい!」
(支部長)「私が貸してあげたビニール袋のおかげやな」
ゾウさんは、腰が痛くなって大撃沈した去年の徳島マラソンと比べたら、なんと50分以上も速かった。ゾウさんは産休が明けた一昨年の岡山マラソン以降、去年の徳島マラソン、去年の岡山マラソン、そして今回の徳島マラソンと、半年ごとに30分づつタイムを縮めてきた。この調子で行くと、来年の徳島マラソンはサブ・フォーになるかもしれない。
(幹事長)「支部長は35kmからペースダウンしたみたいやけど?」
(支部長)「幹事長が言ってたとおり、30km過ぎまでは快調やったけど、35kmを過ぎてからが問題やったな。
あの辺りから一気にペースダウンして、最後は歩きまくりやったな」
人にビニール袋を貸してあげながら、自分はビニール袋を被りそこねた支部長の失速は、それが原因だったのだろうか。ま、それでも支部長は5時間を切り、なんとフルマラソンの自己ベストだったのだそうだ。
つまり、なんと私以外の4人がフルマラソンの自己ベストを出したのだ。これは一体どういう事なんだろう。あんな厳しい雨あられに襲われたと言うのに、みんな好タイムを出したなんて、もしかしてコンディションとしては悪くなかったのだろうか。いや、あの冬の嵐は絶対に悪影響があったと思うから、あれが無かったら、みんなもっとタイムは良かったはずだ。何が何やら分からない。
少なくとも私と國宗選手は、前半を超スローペースで走ったのが良かったのだろう。ゾウさんも後半に一気にペースアップできたんだから、やはり前半のペースが適正だったのだろう。
ただ、30km過ぎまで一緒に走っていた支部長は終盤に大失速したのを見ると、たまたま今日は私と國宗選手とゾウさんには適正だったなペースだったけど、支部長には少し無理があったのかもしれない。その日の体調とか天候コンディションも合わせて、たまたま適正なスピードだった場合は良いタイムが出て、ちょっと無理があった場合は撃沈する、という事だろう。
(支部長)「当たり前すぎて教訓にも何にもならんけどな」
(幹事長)「そやな」
この冬のマラソンシーズンはこれで終わりだが、みんな最終戦で良いタイムが出たので、まずは良かった良かった。
次のレースは5月末のオリーブマラソンだ。まだ2ヵ月も先なので、当分は練習にも身が入らない。
一方、そろそろ暖かくなってきたので、自転車部の活動も再開しなければならない。
オリーブマラソンの前に、今年は自転車のツールド103(とうさん)にエントリーしている。まずは、これを完走しなければならない。蜘蛛の巣が張った自転車を引っ張り出してこなければならないぞ。
〜おしまい〜
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