EFFECTOR>Over drive/Distortion>MEGA METAL DISTORTION (M2D)

M2D.jpg

おなじみBOSSのMEGA DISTORTION(MD−2)とMETAL ZONE(MT−2)の 合体版。ハイゲインで強烈な歪とサスティーンの攻撃的なサウンド!!
ギターの個性はかすんでしまうが、中低音のぶっといサウンドは魅力的。
音源1
音源2


回路の説明

回路図 PDFファイル(schematic diagram) (2009−8−11)

 MD−2の1段目の増幅回路はディスクリートだが、オペアンプに置き換え、MT−2と同じく、 900Hzを強調するようにした。

 MD−2の歪発生はダイオードクリップではなく、トランジスタによるもの。MT−2の方はダイオードクリップ。で、こいつはダイオード クリップを採用。出力回路(中低音のイコライザ回路)はMD−2の常数とほぼ同じ。3PDTのフットスイッチを使って、トゥルーバイパス にし、基板面積を小さくした。ケースは タカチ製の TD9−12−4(85Wx120HX35D)。

・製作前にLT SPICEでシュミレーションしてみた
 入力信号の初段増幅が10倍。その出力の1/2を更に2段目でMAX100倍に増幅。ハイゲインのため、ダイオードクリップ回路後の波 形はほほ矩形波である。それをローパスフィルタを通してやると鮫のヒレのような波形となる。最終段のイコライザ回路で中低音をブーストし 、さらにハイパスフィルタで立ち上がりを際立たせると、あら不思議、「M」字型の波形になる。これがあのMD−2のゴリゴリという心地よ い歪音の正体だったのだ。

製作のポイントなど

M2D1.jpg

 増幅率がでか過ぎるのか 位相がずれ過ぎるのか、GAINを上げ過ぎると発振する。ギターのボリュームを4〜6にすると発振する。
オペアンプをTL072から4558に変えると、エフェクター単独では発振しないが、ギターシールドをつなぐと 発振する。シールドの容量で共振?位相ずれ過ぎ?一般のシールドは100〜170pF/mのキャパシタンス(容量)があるようだ。
 こういう時はカット&トライ。やってみるべしで、音源をつないでイヤホンで聞きながら入力とグランド間にコンデンサを挿入。
色々値を変えて(エンジニアならぬチェンジニアだが、これがけっこう世の中では役に立つ)、 0.0022μFのコンデンサを入れて、少し安定した。


M2D2.jpg


 後日、自作レスポールキットが完成したので、つないでみたところ、共振はおきなかった。ストラトキャスターのボリューム、トーン用のコ ンデンサなどが影響していると思われる。
 とにかく、図太い歪とサスティーンでハードロック、ヘビメタには必要不可欠。ギターの個性が消されるという方もいるようですが、逆にこ れさえあれば、あのサウンドがシングルコイルであろうが、ハムバッカーであろうが出せるということ。



m2d_w1.gif

 それでは、波形を見てみよう。
 正弦波1kHzを入れてみた。
  上の赤色が入力。
  下の青色が出力。
 鮫のひれのような波形になっている。
  BASS=5、TREBLE=5、GAIN=5 の設定。

 GAINを上げると、ダイオードクリップが効いて天辺が平らになる。


m2d_fft1.gif


 ホワイトノイズを入れて、FFTアナライザで周波数分析。
  BASS=0、TREBLE=0
 若干900Hzあたりで小さな山があるのは、初段のOPアンプにくっついているTrの増幅による。
 対数特性を使って増幅している。



m2d_fft2.gif


 トーンコントロールを効かせてみる。まずは低音。
  BASS=10、TREBLE=0
 120Hzあたりが強調される。
 シミュレーテッドインダクタを使った共振回路によるもの。
 計算値では 128Hz なので、ほぼ計算どおり。
 計算方法はDGBさんのHPを参考にしました。


m2d_fft3.gif


 続いて、高音。
  BASS=0、TREBLE=10
 1044Hzあたりが強調される。





m2d_fft4.gif


 高音、低音ともMAXにしてみる。
  BASS=10、TREBLE=10
 フタコブラクダ の様だ。
 ブリブリ音の正体。


   = END =

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