四国ペンギンズ
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四万十川桜マラソン2024
第16回 四万十川桜マラソン
2024年3月24日(日)、高知県四万十町で第16回四万十川桜マラソンが開催された。
ペンギンズが初参加するマラソン大会だ。
(D木谷)「記事の掲載が遅かったですね」
(幹事長)「惨敗続きで書く気が失せてしまって」
四万十町とは、窪川町が大正町と十和村と合併して出来た町で、私の感覚から言うと窪川町と言った方がピンとくる。
四万十町なんて言われても、一体どこなのか分からない。私に限らず、多くの日本国民が分からないだろう。なぜなら近くに四万十市なんてものも出来たからだ。
四万十市は中村市が西土佐村と合併して出来た市だが、こちらも私の感覚から言うと中村市と言った方がピンとくる。
どちらの合併も、中心はそれぞれ窪川町と中村市なんだから、そのまま窪川町と中村市と言う名称を引き継いでくれた方が分かりやすい。
でも、四万十川が日本最後の清流というキャッチフレーズで売り出して全国的に有名になったもんだから、どちらの市町も四万十と言う名前を付けたかったんだろう。
高知県内にはフルマラソンが3つある。最も大規模なのは高知龍馬マラソンで、我々が最も多く参加してきたのは龍馬脱藩マラソンだ。
この2つも、どちらも龍馬の名前が付いているので分かりにくい。
龍馬脱藩マラソンは、龍馬が脱藩した道をたどるコースなので、龍馬の名にふさわしい名称と言える。
しかし高知龍馬マラソンは、単に高知マラソンという名前にしてくれた方が混乱が無くて分かりやすい。
知名度から言うと高知龍馬マラソンや龍馬脱藩マラソンが有名だが、実は歴史の古さは今回の四万十川桜マラソンが最も古い。
高知龍馬マラソンは今年で10回目だし、龍馬脱藩マラソンは今年で11回目だが、四万十川桜マラソンは今年で16回目になる。
なので、四万十川桜マラソンは高知県内で最も古いフルマラソンのマラソン大会のようだ。
とは言え、たかが16回目なので、それほど由緒ある大会でもなく、それほど有名でもない。今年で30回目を迎える四万十川ウルトラマラソンに比べたら新参者だ。
定員は1600人だから、フルマラソンとしては小規模なマラソン大会だ。(もっとも、龍馬脱藩マラソンの定員は1000人だけど)
これまでペンギンズが参加してこなかったのは、知名度が低いため、単に存在を知らなかったからに過ぎない。
この大会に出ようと言い出したのはD木谷さんだった。と思う。違うかもしれない。
彼は2022年の神戸マラソンの後、新しい提案をした。
(D木谷)「今まで出た事ないマラソン大会に毎年1つずつ出てみましょうよ」
これは、なかなかナイスな提案だった。
この提案に従って2023年は下関海響マラソンに出たし、つい2週間前には琵琶湖マラソンに出た。
(幹事長)「そういう経緯だったと思うんだけど、そうでしたかね?」
(支部長)「確か、そうだったと思うよ」
(D木谷)「いや、違うと思いますよ。少なくとも四万十川桜マラソンに出ようと言い出したのは幹事長でしょ?」
全く覚えていない。そもそも、今までに出た事ないマラソン大会に毎年1つずつ出ようなんて言っておきながら、今月だけで2つも新しいマラソン大会に出ている。誰が出ようなんて言い出したんだろう?
実は四万十川桜マラソンが開催される日は、徳島マラソンも開催される。
徳島マラソンには青森への単身赴任時代も含めて、2008年の第1回大会から去年2023年の第13回大会まで一度も欠かさず出場してきた。これは近場で開催される貴重なフルマラソンだからだ。
もっと近場の小豆島では、太古の昔から瀬戸内海タートルフルマラソンが開催されており、徳島マラソンができる前までは、貴重なフルマラソン大会として参加していた。
しかし、瀬戸内海タートルマラソンは坂が多いと言うか、ほとんど坂ばかりの厳しいコースなので、徳島マラソンができてからは、基本的にハーフマラソンの部にばかり出ている。
一方、徳島マラソンは坂がほとんど無いフラットなコースなので、とても走りやすい。 そのため徳島マラソンの人気は高く、エントリーに当たっては、激烈なエントリー競争を繰り広げてきた。
ところが2020年からは、新型コロナのバカ騒ぎのせいで3年連続で大会が中止になってしまった。
このようなマラソン大会中止騒ぎってのは、どう考えても、あまりにも非科学的で情緒的でヒステリックな対応だ。
しかも、2022年は「開催します。今年こそは絶対に開催します!」って言って、高額の参加費を徴収しておきながら、直前になってドタキャンされてしまった。
なので、徳島マラソンに対するイメージは一気に悪化していたが、それでも性懲りも無く2023年も参加した。
すると、八ヶ岳への雪山登山から下山して、そのまま夜通し車を運転して前日に帰ってくると言う超強行スケジュールのため、疲労と睡眠不足でボロボロ状態だったにもかかわらず、9年ぶりに大会自己ベストを更新できた。
て事で、徳島マラソンに対する悪い印象は軽減された。
とは言え、徳島マラソンには少し飽きてきた。
同じように毎年出ている丸亀マラソンとかオリーブマラソンなんかは、決して飽きる事なく毎年出るのが楽しみだ。ハーフマラソンは距離が短いので飽きないのかもしれない。
フルマラソンでも東京マラソンとか大阪マラソンのように変化があるコースなら飽きないかもしれないが、徳島マラソンは単調な堤防の上を延々と走るコースなので、どうしても飽きてくる。
なので、第1回からの連続出場記録を途切れさせてはならない、とか、去年は久しぶりに大会自己ベストを更新できたから今年も自己ベストを狙おう、なんて事は思わなかった。
それより目新しい四万十川桜マラソンに出てみたいと思ったので、同日開催の徳島マラソンの事は気にせず、エントリーした訳だ。
今回、四万十川桜マラソンに初参戦するのは私のほか、支部長、D木谷さん、のらちゃん、ピッグ、O野選手の6人だ。
〜 コース 〜
四万十川桜マラソンのコースは走りやすいというイメージだった。
2023年の酸欠マラソンで知り合いになった高知市の酸欠姉ちゃんが「四万十川桜マラソンは走りやすいですよ。私はフルマラソン自己ベストを出しましたよ」なんて言っていた。
(D木谷)「それを真に受けて幹事長が出てみようなんて言い出したんですよ」
(幹事長)「そうやったかいのう、ゲホゲホ」
ゴール地点がスタート地点より100mほど標高が低いので、緩やかな下りになるんだそうだ。
(のら)「下りなら楽ちんだね」
(幹事長)「でも、めちゃめちゃ緩い下りだよ」
42kmも走って100mしか下らないってのは、僅か0.2%の傾斜だ。完全に誤差の範囲であり、体感は無いのではなかろうか。
それでも大会のパンフレットには「高低差100mのゆったりした下りの片道コースです」なんて書いているから、フラットなコースなんだろうと思っていた。
しかしながら、2週間前に初参加した琵琶湖マラソンも、出る前はなんとなくフラットで走りやすいコースだと思っていたら、近江大橋を始めとして、意外にアップダウンがあり、なかなか苦しめられた。
それで、今回も大会の3日前になってコースを調べてみた。使ったのは、いつもサイクリングやランニングの時に獲得標高を調べるツールだ。
そして、驚愕した。なんと上りの獲得標高が426m、下りの獲得標高が546mと出た。確かに下りの方が100mくらい高い。スタート地点よりゴール地点が100mくらい低いからだ。
でも、そんなのは誤差になるほど獲得標高が高い。上りの獲得標高426mてのは、かなり坂が多くて苦しめられた奈良マラソンや那覇マラソンや下関海響マラソンなんかよりずっと大きい。
(のら)「ひえ〜!ぜーんぜんフラットじゃないじゃん!」
(幹事長)「誰が走りやすいコースだって言ったんや!」
(D木谷)「幹事長が言ってましたよ」
(幹事長)「高知の酸欠姉ちゃんが嘘を言ってたのか!?」
あらためてパンフレットを良く見てみると、
スタート地点(標高206m)とゴール地点(標高98m)の高低差が約100m。
途中多少のアップダウンがありますが、全体としては緩やかな下りです。
途中5つの沈下橋を眺めながら走り、さらに上宮沈下橋と茅吹手沈下橋の2つの沈下橋を渡ります。
最大の難関は33km地点にある茅吹手沈下橋を渡りきった直後の長い上り坂!ここを越えれば、ゴールまであと少し!
なんて書いてある。
これをボケっと読んでると、なんとなく緩やかに下っていくように思える。だがしかし、それは騙しだった。
最大の難関の茅吹手沈下橋からの上り坂は標高差が40mもあるし、その他にも上り坂が数多くある。フラットとは程遠い厳しいコースだ。
高知県内のマラソン大会に精通している高知のおんちゃんに聞いてみても、「全体としては下りだが、けっこう上り坂がある感じ」との事だ。
琵琶湖マラソンに続き、2回も連続で騙されるなんて、痛恨の不覚だ。
(支部長)「幹事長にしては下調べが不十分やったなあ」
(幹事長)「君は言われるまで知らなかったやろ?」
(のら)「出た事ないレースに何でもかんでも安易に飛びつくからだよ」
(幹事長)「琵琶湖マラソンと言い四万十川桜マラソンと言い、出てみようと言い出したのはD木谷さんですよね?」
(D木谷)「だから違います!幹事長ですよ!」
いくら嘆いてみても、もうエントリーは済ませているし、行くしかない。
スタート地点は窪川町の中心地にある窪川小学校の前だ。
そこから所々ショートカットしながら基本的には四万十川に沿った国道381号線を走る。途中で大正町の中心地を通り過ぎ、最後は十和村まで走る。
ゴール地点は昭和ふるさと交流センターてところだ。
有名な四万十川ウルトラマラソンのコースとは、最後の2〜3kmだけ重なっているが、ほとんど別のコースのようだ。
川に沿って走ると言うことは、激しいアップダウンは無さそうに思える。しかし、それは大間違いで、川に沿って走るマラソン大会は、汗見川マラソンにしても海部川マラソンにしても、どこも小刻みなアップダウンが続き、だんだん足が疲弊してくる。用心しなければならない。
〜 まだまだ寒い季節 〜
四万十川桜マラソンの開催日は3月下旬だ。いくら下旬とは言え、開催時期が3月ってのは少し不安だ。
何が不安かと言うと、まだ寒いんじゃないかっていう不安だ。
一般的にマラソン大会は秋から春にかけて開催され、特にシリアスなマラソン大会は冬場がメインとなる。寒い方が良いタイムが出やすいからだ。
しかし冬は寒い。当たり前だ。寒いのが苦手な私としては冬のマラソン大会は嫌いだ。東京マラソンや大阪マラソンなんかはとっても楽しいコースなんだけど、寒い時期に開催されるってのが難点だ。
大阪マラソンは以前は10月に開催されていたのに、いつの間にかどさくさに紛れて2月の開催になってしまった。
寒いのが嫌いな私は、みんなが嫌がる夏場の暑い時季のマラソン大会の方が好きだ。
(支部長)「いつも言っておるが、好きなのとタイムが良いのとは無関係やで」
(幹事長)「分かっておりまする」
もちろん、好き嫌いとは別に、良い記録が出るのは寒い季節だ。
7月末の汗見川マラソンなんか論外としても、5月のオリーブマラソンや10月の脱藩マラソンでも、天気が良い時は猛暑のレースとなって惨敗する。2月の丸亀マラソンなんかの方が良いタイムが出る。
でも寒いのはやっぱり嫌だ。特にフルマラソンの場合は寒いのは辛い。
ハーフマラソン程度の距離までなら、最後までさほどペースは落ちず頑張って走れるから、寒くても体は熱を発散し続け、なんとか耐えられる。
でもフルマラソンの場合は、前半は体が動いているから熱も出てくるが、後半は疲れ切った体を引きずってトボトボ歩いたり、歩くようなスローペースになったりするので、体が熱を発散せず、どんどん冷えてくる。
なので寒い時期のフルマラソンは辛い。
2週間前の琵琶湖マラソンは、時折雪が降る極寒のレースとなった。あそこまで寒かったら体が固くなって、タイムにだって悪影響があったような気がする。
(幹事長)「あまりの寒さに支部長だって途中リタイアしたやんか」
(支部長)「あれは足が動かなくなったからやで。寒いとは思わんかったよ」
琵琶湖マラソンは、日本海からの寒風を遮るものが無い滋賀県だったが、四万十川桜マラソンは南国高知なので、寒さはマシかもしれない。それに期待しよう。
〜 ドタキャン 〜
レース前日になって支部長から連絡が入る。
(支部長)「ちょっとやんごとなき事情のため、明日は出場を見合わせるよ」
(幹事長)「なんと!それはやんごとないなあ」
支部長が前日になってドタキャンするのは2月の丸亀マラソンに続いての事だ。
事情も似たようなもので、やんごとのない状況だ。
直前になって主力選手を失うのは誠に残念だが、仕方ない。
〜 四万十町へ出発 〜
四万十町は遠い。高松からだと、龍馬脱藩マラソンが開催される梼原町と、ほぼ同じ距離だ。なので、一般的には前日から行って宿泊する人が多いだろう。
龍馬脱藩マラソンでも、初めて大会に参加した2015年は前日に行って現地の民宿に泊まった。
しかし、宿泊場所を探すのがあまりにも大変で疲れ果ててしまったので、翌年からは前日移動を諦め、当日の早朝に出発している。
四万十町の宿泊施設状況が梼原よりマシなのかどうか定かではないが、たぶん似たようなものだろう。
同じ窪川町で開催された2018年の奥四万十トレイルレースin松葉川に出た時も、宿泊施設があまり無くて、友人の家に泊めてもらったくらいだ。
でも、龍馬脱藩マラソンが日帰りで行けるんなら、似たような距離の四万十川桜マラソンだって日帰りで行けるだろう。
て事で、早朝に出発する事にした。
今回はピッグに車を出してもらった。
早朝の4時にピッグが来てくれて、その後、O野選手、D木谷さん、のらちゃんを拾って朝5時過ぎに高速道路に乗った。
(幹事長)「なんとなくしんどそうですね?」
(D木谷)「実は先週、雨の中を登山して以来、ちょっと風邪気味なんですよ」
D木谷さんは先週、岡山県の鬼ノ城なんかを回る吉備路全山縦走大会なんてイベントに参加したそうだ。
鬼ノ城は私も行きたい山だけど、途中から雨模様で体が冷えたらしい。
1週間前から天気予報では今週末は全国的に雨模様との事だった。
以前なら、1週間も前の天気予報なんて、絶対に外れると思っていたが、最近は1週間も前の天気予報が信じられないほど良く当たる。
なんで1週間も先の天気予報が当たるのか、一体どういう仕組みになっているのか理解できないが、本当に良く当たる。たぶん中国人民解放軍がヨウ化銀を空中散布して気象操作をしているのだろう。
去年は、年初から私が出たマラソン大会はことごとく良い天気に恵まれていた。間違いなく私の人徳のおかげだ。
ところが今年は、打って変わって年初から満濃公園リレーマラソンと言い丸亀マラソンと言い坂出天狗マラソンと言い善通寺五岳山空海トレイルと言い、晴天とはほど遠い微妙な天気が続いてきた。
いずれも雨の直後とか雨の直前と言った具合で、かろうじて雨の直撃は避けられてきたが、気持の良い快晴の下でのマラソン大会とはならなかった。
2週間前の琵琶湖マラソンは、久しぶりに晴天の下でのマラソンを期待したんだけど、時折雪が降る極寒のレースとなった。
そして、今回は間違いなく雨に直撃されるっていう予報だ。
(幹事長)「誰のせいや!」
(ピッグ)「幹事長の人徳じゃないんですか?」
これが香川県地方なら、天気予報で雨だと言っても、実際に降る事は少ないし、降っても小雨程度だ。讃岐弁では「雨模様」ってのは「雨が降りそうに見えるかもしれないけど、結局は全然降らないのよね」って言う意味だ。
しかし、日本一雨が多い高知県の場合は違う。高知の天気予報で「雨模様」になってると、雨が降るのは間違いない。
土佐弁で「雨模様」ってのは「いきなり土砂降りになるから流されないように気をつけてね」と言う意味になり、雨が降るかどうかではなく、雨量の程度の問題になる。
もちろん、雨が絶対的に嫌だと思っている訳ではない。以前はどんな季節であろうと、雨は絶対に嫌だったが、第33回小豆島オリーブマラソン大会で大雨の中を快走してからは、我々は雨そのものに対する抵抗感は払拭されている。大会が中止になるほどの雨でなければ気にしない。
ただし、それは気温が高いシーズンの話であり、寒い時期に冷たい雨の中を走るのは嫌だ。特にフルマラソンの場合は寒いのは辛い。
雨のフルマラソンと言うと、もう古い話だが2006年のタートルマラソンで終盤に体が冷えて、ものすごく辛かった事を鮮明に覚えている。
また2020年の高知龍馬マラソンも、雨で寒くなった上に、お腹も冷えてお腹を壊して、歩くような超スローペースでゴールまで泣きながら走った事を覚えている。
このような辛い経験があるから、フルマラソンでは雨は避けたい。
(幹事長)「支部長と一緒にドタキャンすれば良かった」
(のら)「何をアホな事を言ってるの!」
ただ、天気予報では気温は高いとの事だ。気温が高ければ、雨の中を走ってもそんなに寒くはならないかもしれない。
寒くなければ雨の中を走るのは平気なので、気温が高くなるのを期待しよう。
〜 朝食 〜
車の中で朝食を食べる。
私の場合、朝食を食べてしばらくするとトイレで大が出るようになるので、できれば朝早く起きて、早目に食べて出発する前にトイレを済ませるのが理想だ。マラソン大会の会場のトイレは、どこも激混みになるからだ。
しかし、老化の進行によって早起きが苦痛でなくなったとは言え、4時に出発するとなると、3時には食べないといけなくなる。さすがにそこまですると調子が狂いそうなので、家では食べず、車に乗ってから食べる事にした。
もちろん、朝食はおにぎりだ。
以前はレース中にお腹を壊すことが多かったので、用心して朝食と一緒に下痢止めの薬も飲んでいたが、2015年の徳島マラソンから朝食を菓子パンからおにぎりに変えている。
パンに含まれるフルクタンという糖類は消化に悪く、下痢になりやすいが、お米に含まれている糖類は消化が良いので、おにぎりを食べ始めてからは下痢する頻度はかなり低くなった。
なーんて、すっかり油断してたら、なんと2020年の高知龍馬マラソンで5年ぶりにレース中にお腹を壊して20分もトイレに籠ってしまった。その後も2022年の神戸マラソンや2023年の那覇マラソンでもお腹を壊し、トイレに籠ってしまった。
いずれの場合も、朝食の量は控えめだったし、パンも避けていた。それなのにお腹を壊した。
あえて言えば、ご飯の他にバナナやゼリーを食べたり、またカロリーメイトを食べたりしたので、それらが悪かった可能性はある。
少なくともご飯路線が悪い訳ではないだろうが、レース前に食べすぎるのは禁物だ。
朝から雨で鬱陶しいが、日曜日の朝の高速道路は空いていて、車は順調に進む。高知県に入ると、雨脚は一段と強まるが、交通量が少ないため順調に進み続ける。
南国サービスエリアでトイレ休憩し、無事に大の方を済ませる事ができた。
〜 現地に到着 〜
脱藩マラソンに行く時は須崎で高速道路を降りて一般道を進むが、今回は高速道路の終点の四万十町中央インターまで進む。
そこで高速道路を降りたら、マラソン大会の会場までほんの数kmだ。
車は順調に進み、7時半過ぎに四万十町の中心部に到着した。
会場は窪川小学校で、会場に最も近い駐車場は窪川駅に隣接した町役場の駐車場だ。
最も近いし、キャパも少ないので、こんな時間にノコノコ行っても絶対に既に満車だろうと思いつつ、一応、寄ってみたが、やはり完全にアウトだった。
仕方ないので、少し離れた窪川中学校の臨時駐車場に行ってみる。ここはキャパが大きいので、まだ大丈夫だろうと思ってノコノコ行ってみた。
そしたら、なんと、ここも既に完全に満車だった。
仕方なく、最も遠い四万十森林公園の駐車場に行かされた。
そしたら、なんと、ここもなんとかギリギリで駐車スペースが残っている程度だった。
規模が小さいマラソン大会だし、受付終了までまだだいぶ時間があるのに、既にこんなに来ているなんで、つくづく自分たちの甘さを痛感する。
駐車場には着いたものの、外は雨だ。雨の中を大会会場まで行っても、むやみに濡れるだけなので、ギリギリまで車の中で待機する。
〜 ウェアの選択 〜
まずは車の中で着替える。ウェアの選択は、どんな季節のマラソン大会であっても最も重大な問題だ。
寒いのは大嫌いだけど、暑くなるとバテてしまうから避けなければならない。
気温は高いっていう予報だったが、雨が降ってるので、やはり肌寒い。雨脚はどんどん強まる可能性が高いので、それほど気温が高くなるとは思えない。なので雨対策と寒さ対策が重要だ。
ハーフマラソンなら頑張って走るので体が熱を発散するが、フルマラソンは長距離をスローペースで走るので、そんなに熱は湧いてこない。
なので、寒くなるのは間違いないから、長袖シャツの上に半袖Tシャツを着るという組み合わせは決まりだ。
問題はどの長袖シャツを着るかだ。
長袖シャツとしては、丸亀マラソンで着た防寒用の分厚い長袖ランニングシャツや、五岳山空海トレイルで最初に着ようとした登山用の吸湿性と速乾性に優れた長袖インナーウェアや、坂出天狗マラソンで着たその中間の厚さの長袖シャツなんかを取り揃えて持ってきた。
寒さ対策だけを考えれば丸亀マラソンで着た防寒用の分厚い長袖シャツにしたいところだが、雨対策も考えて、雨で濡れてもベチョベチョしない登山用の吸湿性と速乾性に優れた長袖シャツにした。
それでも腕が冷えるといけないので、長袖シャツの下にアームウォーマーを着けた。
長袖シャツの上に着るTシャツは去年10月の酸欠マラソンで貰ったピンク色の「酸欠Tシャツ」だ。背中に大きく「酸欠」と書かれたインパクトのある画期的なデザインのTシャツだ。
最近は、これが気に入って、こればっかり着ている。のらちゃんもお揃いのピンクの酸欠Tシャツだ。
下は練習の時にいつも履いているランニングパンツを履いた。
冬なので、防寒用にタイツは必要だ。最近は丸亀マラソンでも坂出天狗マラソンでも琵琶湖マラソンでも、ランニングタイツではない普通の防寒用タイツを履いた。
ランニングタイツを履くと膝が突っ張って走りにくくなり、履いてない方が走りやすいような気がするからだ。
ただ、今日は雨が降ってるので、普通のタイツだと雨でベチョベチョしそうな気がするので、雨を吸わないランニングタイツにした。
さらに、筋肉疲労防止のため脹脛サポーターもタイツの下に履いた。
雨が激しくなる可能性が高いので、今日は嫌いなランニングキャップを被った。
手袋も、最近愛用している神戸マラソンで貰った黄色の軍手ではなく、以前から使っている薄手のランニング手袋にした。軍手だと雨でベチョベチョになりそうだからだ。
(のら)「やたら雨でベチョベチョになる事ばっかり心配してるね」
(幹事長)「だって気持悪いじゃーん」
雨はかなり激しそうなので、雨対策は必要だ。雨対策としてビニール袋にするか雨合羽にするか迷った。
ビニール袋には袖が無い。ビニール袋に穴を3つ開けて頭と両手を出すものだから、袖が無いのは当たり前だ。袖が無いから動きやすいが、その代わり、雨対策としては不十分だ。
風が身体を素通りしないから防寒にはなるけど、クビや肩に隙間があるから雨はどんどん入ってくるので、防水効果は乏しい。
短時間の雨ならビニール袋でもしのげるが、今日の雨は長時間続きそうだ。しかも高知の雨なので、激しい雨を予想しなければならない。
長時間の激しい雨に対して、ビニール袋で対応できるかどうか不安だ。
一方、雨合羽は、コンビニなんかで売っているビニールのペラペラの雨合羽だが、フードも着いているし丈も長い。強い風にあおられたら今にも破れそうだが、破れない限り防水効果は高く、雨対策としては十分だ。
ただ、見るからに空気抵抗が大きい。特に風があればなおさらだ。そうでなくてもペラペラの袖が邪魔になって走りにくそうだ。また、雨が小降りになれば暑くなる可能性もある。
かなり悩んだが、ビニール袋では頭や腕が寒くなりそうなので雨合羽にした。
シューズはアシックスのマジックスピードだ。
(D木谷)「あれ?長い距離の時はノヴァブラストにしたんじゃないんですか?」
(幹事長)「のらちゃんのお薦めで」
去年の初旬にのらちゃんはノヴァブラストを購入し、「クッション性が良くて足が疲れないんよ」なんて言って私にも薦めるので、騙されたと思って購入してみた。
ノヴァブラストはアシックスとしてはサブ5を目指す初心者ランナー用みたいな位置付けなんだけど、のらちゃんはこれを履いて2023年の名古屋ウィメンズマラソンで終盤に一気にペースアップするという驚異的な走りでフルマラソン自己ベストを出した。
それで私も試しに2023年の徳島マラソンで履いてみた。
そしたら、なんと、八ヶ岳への雪山登山から下山して、そのまま夜通し車を運転して前日に帰ってくると言う超強行スケジュールのため、疲労と睡眠不足でボロボロ状態だったにもかかわらず、9年ぶりに大会自己ベストを更新するという予想外の健闘を見せた。
大健闘の理由は、最後まで足があまり疲れなかったからだ。ノヴァブラストはマジックスピードのようにスピードが速くなるシューズでは決してないが、足が疲れないため、いつものような終盤でのペースダウンが避けられたのだ。
フルマラソンでもそれだけの威力を見せたので、フルマラソン以上の距離を走るウルトラマラソンには打ってつけシューズだと期待して、2023年の富士五湖ウルトラマラソンでも履いてみたら、やはり足の疲れがあまり無くて、初めてのウルトラマラソンを快適に完走できた。
ただし、その後は、下関海響マラソンと言い、那覇マラソンと言い、琵琶湖マラソンと言い、ノヴァブラストを履いたにも関わらずフルマラソンでの惨敗が続いている。なので、私の中でのノヴァブラスト神話は崩れつつある。
一方、あれだけ私にノヴァブラストを薦めたのらちゃんは、ノヴァブラストをあっさり裏切って、今年の名古屋ウィメンズマラソンではマジックスピードを履き、なんと去年より一気に10分もタイムを縮めるフルマラソン自己ベストを叩き出した。
(のら)「マジックスピードは良いよ。スピードが全然違うよ」
(幹事長)「ほんまかいなーっ!?」
マジックスピードは私も持っている。2023年のオリーブマラソンの前に買ったのだ。
・ノヴァブラストはマジックスピードのようにスピードが速くなるシューズでは決してないが、クッション性が良くて足が疲れないため、終盤のペースダウンが避けられる。なので、フルマラソン以上の長距離を走る時にはノヴァブラストを履く。
・ただ、ノヴァブラストはイマイチ、スピードは出ないような気がするので、ハーフマラソンまでの短い距離を走る時にはマジックスピードを履く。
と言う使い分けをしているのだ。
(D木谷)「それで効果はあったんですか?」
(幹事長)「よう分かりませんねえ」
ノヴァブラストを履いたフルマラソンは、徳島マラソンの後は大惨敗が続いているが、足が痛くならないのは間違いない。
一方、マジックスピードを履いたハーフマラソンも、同じように惨敗が続いている。
ただ、これまでマジックスピードを履いてフルマラソンを走った事は無いので、今回はのらちゃんに騙されたと思って試しにマジックスピードを履いてみる事にした。
逆にD木谷さんは、以前はマジックスピードを愛用していたが、今日はノヴァブラストを履くと言う。どちらが効果的なのかは結果を見ないと分からない。
〜 会場へ移動 〜
着替えが終わって準備が整ったら、ようやく大会会場に移動する。大会会場は窪川小学校のグラウンドだ。駐車場からは坂道を10分は歩かなければならない。雨の中を歩くのは憂鬱だ。
ところが、なんと会場までシャトルバスが出ている。なんてラッキーなんだ。それが分かっていれば、駐車場で焦る必要は無かった。
シャトルバスで会場に着いたら、まずは受付だ。受付は窪川小学校の体育館でやっているが、8時20分までで、もう時間ギリギリだ。
最近のマラソン大会は、ゼッケンや計測チップが事前に送られてくる事が増えてきた。そうなると、現地での受付は不要な場合が多い。
この四万十川桜マラソンも、ゼッケンや計測チップは事前に送られてきている。しかしながら、参加賞は送られてきていない。参加賞は現地の受付で貰うようになっている。丸亀マラソンと同じシステムだ。
ゼッケンと計測チップが事前に送られてきているのだから、パンフレットや参加賞だって一緒に事前に送ってきたら良いのにと思うのだが、受付してみて分かった。お土産の量が多いのだ。
丸亀マラソンも、パンフレットや参加賞のほか、シューズケースとか色々なお土産が入っていたので、かなり重かった。
四万十川桜マラソンもパンフレットや参加賞のほか、お米や飲み物なんかが入っていて、かなり重い。これを郵送するのは大変だろう。
参加賞はTシャツだ。
多くのマラソン大会の記念品がTシャツなので、同じようなTシャツが毎年、とめどなく積み上がっていく。
なので、普通は参加賞はバスタオルの方が良いんだけど、この大会は初めての出場なのでTシャツが嬉しい。
受付をしていると、「手荷物預けは8時20分まででーす。急いでください!」なんてアナウンスしている。時計を見ると8時18分だ。焦って手荷物をまとめ、預けに行く。
いつもは準備が整ったら団旗を持って記念撮影するところだが、雨の中で記念撮影するのは鬱陶しいので、団旗もろとも手荷物として預けた。
手荷物は預けたものの、スタート時刻の9時まで、まだ40分もある。グラウンドには選手が待機するテントが用意されているが、テントが狭いので、多くのランナーでぎゅうぎゅうになっており、後から入る余地はない。
なので、体育館の入り口でボケっとしていると、うまい具合におんちゃんに会えた。
(幹事長)「このコースって、厳しいんですか?」
(おんちゃん)「坂が多いイメージやなあ」
とか何とか言いつつ、なんとおんちゃんは3時間32分で走った事があるそうだ。
(幹事長)「むちゃくちゃ凄いやないですかーっ!」
(おんちゃん)「10年前の事ですよ、あっはっは」
10年前だろうが20年前だろうが、3時間半てのは凄すぎる。何があっても私には不可能なタイムだ。
その後、最後のトイレに行く。仮設トイレの前には長い行列が出来ていたが、男子の小用は空いていて、すぐに使えた。
トイレが終わると、ゼリーを吸いながら待機する。
ゼリーのほか、今日はエネルギー補給のため「片手で食べられる小さなようかん」という優れモノを持ってきた。善通寺五岳山空海トレイルの時に初めて携帯したものだ。
レースの途中で足が動かなくなる要因の1つはエネルギーの枯渇なので、補給食は重要だ。お腹が空いたと感じた時点では既に手遅れなので、こまめにエネルギー補給しなければならない。
エイドにも食べ物はあるが、先日の琵琶湖マラソンで気付いたんだけど、エイドの食べ物は食べにくい。美味しいお餅やグミがあったが、手袋を履いたままパッケージから出すのにとても苦労した。
この「片手で食べられる小さなようかん」は小さいからどこにでも入れておけるし、片手の指でちょっと押すだけで出てくるから食べやすい。とっても便利だ。
こんな物、一体、どういう人を対象にした商品なのか全く理解できないが、トレラン大会やマラソン大会には打ってつけの食べ物だ。
て事で、今回は小さなウェストバッグを腰に着け、その中に10個ほど詰め込んだ。
いつもはランニングパンツの小さなポケットに何を入れるか悩むが、今日はウェストバッグなので、あまり悩まず色んな物を入れられる。
て事で、濃縮ゼリーも入れたし、足攣り防止用のドーピング薬68(芍薬甘草湯)も入れたし、ポケットティッシュも入れた。
〜 スタンバイ 〜
まだ大半のランナーはテントなんかで待機していたが、おんちゃんが「スタート地点まで行こう」と言う。
雨はまだ降ってるが、なんとなく小雨になってきたし、混雑した所で待っているより、スタート地点まで行った方が鬱陶しくなくていい。
スタート地点に行くと、ブロック分けがされていた。
大規模なマラソン大会ならスタートはブロック分けするのが一般的になってきた。タイム順に分けていないと、スタート直後に大混乱になるからだ。
しかし、この大会は小規模だし、実績とか目標タイムとか申告しなかったから、ブロック分けは無いのかと思っていた。
一体、どういうブロック分けになってるんだろうって思ったら、まず「ゼッケンナンバー1番〜100番の方」のブロックがあり、ロープで仕切られていた。100人ごとにブロック分けされているようだ。
と思って次のブロックを見たら、なんと「ゼッケンナンバー101番以降の方」なんてなっている。101番以降はみんな一緒にごちゃ混ぜだ。
どういう基準かは知らないが、上位100人だけ分けているようだ。もちろん、何の不満も無い。
ゴール地点では計測チップでタイムを計測してくれるが、スタート地点には計測器は無いのでネットタイムは測ってくれないようだ。全員が、スタートの合図が鳴ったときからのグロスタイムだ。
なので、少しでも良いタイムを狙うハーフマラソンとかなら、できるだけ前方からスタートしたいところだが、フルマラソンになると、スタートの位置なんて誤差の範囲だ。
そもそも、人数が少ない大会なので、どこからスタートしても、それほどの差は無いだろう。
スタート時には自分の実力通りの場所からスタートするのが一番良い。
実力より前からスタートすると、周りのみんなから置いてきぼりになって精神的に落ち込むか、あるいは周りの速いランナーにつられて無理して飛ばしてしまって潰れる可能性が高い。
逆に、あまり後の方に並ぶと、おしゃべりしながら固まって走る遅いおばちゃん軍団にブロックされて前へ行けなくなる可能性がある。大規模なマラソン大会では、最後まで遅いランナーに邪魔されてイライラすることになる。
だがしかし、それはタイム順に並んでいる場合であり、今日はみんながごちゃ混ぜに並んでいるようなので、あまり関係ない。
まだ早くてランナーは少なかったので、101番以降のブロックの中では前の方に並んだ。
いくら雨が降っていても、雨合羽を着て走るランナーなんてどれくらいいるんだろうって思ってたけど、かなりいた。
私は高知で勤務した事があるから良く知ってるが、高知の雨はすさまじい。香川県では台風の時くらいしか降らないような豪雨が、普通に年中降っている。
今日の参加者の多くが雨合羽を着ているのは、地元高知の人は高知の雨の激しさをよく知ってるからだろう。
雨合羽を着てなくてもビニール袋は被っている人も多く、何も被ってないランナーは少数派だ。
2020年の高知龍馬マラソンも雨が降っていたので、雨合羽を着て走り出したが、すごくチャチな雨合羽だったため、走りだすと風を受けて、すぐにボタンが外れて困った。
仕方なく、雨合羽の上からビニール袋を被って完全武装にしたが、するとすぐに暑くなりだし、結局、途中で脱いだりして苦労した。
なので、今日の雨合羽は家でボタンが外れないことを確認しているので、大丈夫だろう。
スタート時間が近づいてきたので、本日の目標を立てなければならない。
もちろん、どんな時でも、どんなレースでも、常に大会自己ベストを狙うのが良い子のランナーとしてあるべき姿だ。
マラソンはコースや季節によってタイムが大きく変わってくるため、違うレースのタイムを比較するのは不適当なので、どんなレースに出ても、とりあえず大会自己ベストを狙うのが良い子の正しい道だ。
2週間前の琵琶湖マラソンと同様に、このレースは今回が初出場なので、どんなに惨敗しても大会自己ベストは間違いない。
(幹事長)「ひゃっほう〜、大会自己ベスト間違いなしだ!」
(のら)「完走しないと自己ベストにはならないよ」
初めてのレースなので目標は立てにくいが、とりあえず4時間半以内でのゴールを目指す事にした。
去年の徳島マラソンでは、八ヶ岳への雪山登山から下山して、そのまま夜通し車を運転して前日に帰ってくると言う超強行スケジュールのため、疲労と睡眠不足でボロボロ状態だったにもかかわらず、4時間半を切れたくらいだから、体調が良ければクリアできる目標だ。
と思って、琵琶湖マラソンでも同じ4時間半以内のゴールを目指したんだけど、結果は終盤に大撃沈してしまった。
(幹事長)「あれは近江牛を食べ損ねて、やる気を失ったからやけどな」
(D木谷)「しつこく近江牛のせいにしてますね」
4時間半を切るのであれば1km6分20秒くらいのペースで走れば良い。これなら、めちゃくちゃスローペースのように思える。
ただし、最後までペースを維持して走るとなると、それほど簡単ではない。
大抵はレース前半は調子にのってもっと速いペースで飛ばしてしまい、貯金が出来て喜ぶんだけど、終盤になって一気にペースダウンしてしまい、一気に借金地獄と化し、泣きながらゴールするというパターンが非常に多い。
琵琶湖マラソンも同じパターンだった。
なので、今日は貯金を作ろうなんて色気を出さずに最初から抑えたペースで走り、最後までペースダウンしないレース展開を目指す。
のらちゃんは先日の名古屋ウィメンズマラソンでサブフォー目前まで行ったので、今回もやる気まんまんだ。
D木谷さんは常にサブフォーを狙っているので、今日もまずはサブフォー狙いだ。
〜 スタート 〜
しばらくすると9時になり、いよいよスタートだ。人数が少ないので、ほんの数秒くらいすると我々もスタートラインを通過した。
スタートラインを越えた後も、大きな混雑は無く、普通に走っていける。500mほど走ると国道381号線に出る。ここからは基本的に国道381号線を走る事になる。
今日のコースは、どれくらいの坂が待っているか分からないので、とりあえず様子を見ながらペースを抑えて走らなければならない。あくまでも、控えめに自然体で走る事が重要だ。
なんて思いながら淡々と走って行くと、早くもどんどんのらちゃんやおんちゃんの背中が前の方に離れていく。二人ともやる気満々なのかな、って思って時計を見ると、私のペースが遅いようだ。
さらに、しばらくすると、後の方からスタートしたD木谷さんも追いついてきて、そのまま追い抜いて行った。
だが、無理するのは良くないので、私はそのまま抑えながら走って行く。
走りだすと、間もなく早くも上り坂が現れる。大した坂ではないが、今日は上り坂では徹底的にスローペースで走る事にしているので、ぐっとペースを落とす。すると、たちまち大勢のランナーが追い抜いていく。
その後も繰り返される細かなアップダウンを過ぎると、最初の距離表示があった。マイナーなマラソン大会なので1kmごとの距離表示は無いのかと思っていたけど、ちゃんと距離表示が設置されていた。
マラソン大会の距離表示はいい加減な場合があるので注意が必要だが、この1km地点はガーミンの距離表示とピッタリ同じだったので、まずは信頼できるようだ。
1km地点のラップは1km6分15秒くらいだった。あまり快調とは言えないが、それでもトンでもなく不調な訳でもなさそうだ。
その後も細かなアップダウンが続き、1kmごとのラップも似たようなものだった。
ただ、4km地点辺りでは、細かなアップダウンとは言えないような大きな上り坂が出現した。ただでさえスローペースなのに、一気に1km7分近くにまでペースダウンしてしまった。やはり、なかなか手ごわいコースだ。
割りと前方からスタートしたせいで、最初から多くのランナーに追い抜かれてきたが、上り坂をゆっくり走っていると、どんどん後続のランナーに追い抜かれていく。
でも、距離が短いレースならムキになって争ったりするが、フルマラソンなので気にせずマイペースを守って走る。
1つ目の給水所は5km地点の手前にあった。
今日は雨が降ってる事もあり、まだ全然喉は乾いていないが、最近はどのレースのどこの給水所でもこまめに補給することにしているので、水を少し口に含む。
5km地点に着いたが、スタート地点と同様、ここもタイム計測器は設置されていなかった。
神戸マラソンを始めとして、明らかに距離表示がアテにならないレースは多いが、それでも5kmおきにはタイム計測機が設置されているので、その距離表示は正確だと思われる。
しかし、この大会は5km地点にもタイム計測器は設置されていないので、どこまで距離表示が正確なのか分からない。
ただ、少なくともここまではガーミンの距離表示とほぼピッタリなので信用できそうだ。
スタート地点から5km地点までのペースは、平均して1km6分半程度だった。途中に大きな坂があったのが影響しているようだ。
大惨敗した先日の琵琶湖マラソンでも、15km地点辺りまでは1km6分ちょっとくらいのペースだったので、今日はかなり遅い。やはり調子は悪いようだ。
それでも無理してはいけないので、淡々と走って行く。
その後も1km平均6分半くらいのペースが続く。ことさら恐れていたような大きな坂は無いが、早くも足取りが重くなり、ずうっと似たようなペースが続く。
雨脚はそれほど強くはならず、特に走りにくいほどではない。水たまりに入るとシューズがビショビショになって走りにくくなるけど、水たまりさえよければ雨の悪影響は少ない。
それでも10km地点までの5kmの平均ペースは相変わらず1km平均6分半くらいだ。明らかに不調だ。
13kmほど走ったところで国道381号線から分かれ、橋を渡って川の左岸に移る。
左岸に移ってしばらく進むと、ようやく第3給水所がある。ここには水だけでなく給食もあり、羊羹があるとの事だったので楽しみにしていたのだ。
ところが探しても羊羹が無い。バナナはあるけど、甘くて高カロリーの羊羹が欲しかった。
仕方ないので、持ってきている「片手で食べられる小さなようかん」を食べた。持ってきていて本当に良かった。
相変わらずちょこちょこと細かなアップダウンがあり、上り坂があるとてきめんにペースは落ちていき、1km7分ほどにまで落ちる。
そのため、15km地点までの5kmの平均ペースも1km平均7分近くにまで落ちていた。不調どころか、早くも危機的状況だ。
15kmを過ぎると、橋を渡って川の右岸に戻り、国道381号線に復帰する。
そこに第4給水所があり、ここにも羊羹があるはずだったんだけど、やはり見当たらなかった。
なので、ここでも「片手で食べられる小さなようかん」を食べた。小まめにエネルギー補給すると、なんとなく安心する。
さらに20km地点の手前の第5給水所にも羊羹は無かった。
コースは相変わらずアップダウンが繰り返される。恐れていたほどの激坂ではないが、じわじわ上っている区間ではペースが落ち、1km7分くらいかかったりする。
そのため、20km地点までの5kmの平均ペースも1km平均7分近くで推移している。もう完全に4時間半は不可能なペースだ。
24kmほど走ったところにある大正町の中心部で、再び国道381号線から分かれて橋を渡って対岸に移る。
対岸に移ると右へ曲がるんだけど、なぜかこちらに向かってくるランナーがいる。リタイアでもするのかなと思ったら、次から次へとランナーが走って来る。
一体、どういう事かと思ったら、少し行った所で折り返してくる盲腸区間だった。こんな所に盲腸区間があるとは知らなかった。盲腸区間は、また戻ってくるのかと思うと、なんとなく精神的に辛い。
すれ違う先行ランナーを見ていたけど、うちのメンバーは見つからなかった。もうとっくに前の方に行ってるんだろう。
折り返し点で折り返して、後続のランナーを見ていたが、あんまり数は多くない。既にかなり後の方に下がってしまったようだ。こんなスローペースでは仕方ない。
25km地点までの5kmの平均ペースも1km平均7分近くで推移している。なんとかこれ以上ペースダウンしないように頑張るしかない。
25km地点過ぎの第6給水所にも羊羹は無かった。でも「片手で食べられる小さなようかん」ばっかり食べていると飽きてきたので、おにぎりを1個貰った。
冷えたおにぎりは食べにくかったので、チビチビと食べながら走る。
26km地点辺りでいったん国道381号線に復帰するが、1kmほど走ったらトンネルがあり、再び国道381号線から分かれて、トンネルではなく川に沿った旧道に入っていく。
しばらく進むと、28km地点辺りからはかなり急勾配の下りになる。川に向かって下りていくようだ。
下りは嬉しいが、その後には上りが待っているはずなので、憂鬱だ。
かなり下って川に近づいたら、橋を渡って対岸に移った。
対岸の道は車が通らないような狭い素朴な道で、天気が良ければ楽しい道かなとも思うけど、生憎の雨だし、すっかり足が重くなっているので苦行でしかない。
30km地点の手前にある第7給水所で、ようやく羊羹があった。待ちに待った羊羹だ。嬉しい。
ところが、思っていた形状と違って小さくて固い羊羹で、包装がきっちりしている。手袋を履いた手では取り出す事ができず、仕方なくウェストバッグに入れた。
結局、「片手で食べられる小さなようかん」ばっかり食べている。本当に持ってきていて良かった。
コースは相変わらずアップダウンが繰り返され、上り坂区間ではどんどんペースが落ち、30km地点までの5kmの平均ペースは遂に1km平均7分半近くまで落ちた。
この調子で落ちていくと、4時間半どころが5時間もオーバーしそうだ。さすがに先日の琵琶湖マラソンよりもひどい大撃沈だけは避けたいので、頑張らなければならない。
狭い道は延々と続き、4kmほど走ったところで、ようやく対岸に戻る茅吹手沈下橋が見えてきた。この沈下橋が33km地点だ。疲れて足取りが重くなり、足元がふらついているので、沈下橋から撃沈しそうだ。
沈下橋を渡ると、ここからこのコースの最大の難所である厳しい上り坂がある。パンフレットにも書いていた厳しい難所だ。
恐れていた通り、かなりの急勾配で、大半のランナーが歩いている。でも、これで厳しい上り坂は最後であり、余力を残しておく必要も無いので、ここは頑張って歩かずに走って上がる。
走ってるとは言っても、ものすごくスローペースなので、歩いている人とそれほど違わないけど、それでも何人かは追い抜いた。
長い激坂を上り終えると、再び国道381号線に復帰する。ここには第8給水所があり、美味しそうなパンがあった。
エネルギー補給にはアンパンが良さそうだけど、ソーセージを挟んだパンがとても美味しそうだったので、それを貰った。なかなか美味しかったので満足だ。
激坂が終わって、美味しいパンも頂いたので、なんとか落ち着いた。
期待した通り、そこからはかなりの傾斜の下り坂が続く。疲れて重くなっている足でも、下り坂なのでなんとか走って行ける。
35km地点までの5kmの平均ペースは、さきほどの激坂のせいで1km平均7分半を越えたが、このまま下り坂が続けば、なんとか5時間は切れそうだ。
なーんて思ってたら、なんと再び上り坂が現れた。まだ上り坂はあったのか。大した傾斜ではないけど、明らかにペースは落ちる。
その後、36km地点を過ぎた辺りや38km地点を過ぎた辺りにも、少し厳しい傾斜の上り坂があった。完全に疲れ果てているので、厳しい傾斜の上り坂区間では一気にペースダウンしてしまう。
37km地点を少し過ぎた辺りでは再び国道381号線から分かれて、川に沿った狭い道に入っていく。こういう古い道は小刻みにアップダウンがあり、なかなかしんどい。
ただ、下り坂になるとペースは上がり、なんとか踏みとどまる。
40km地点までの5kmのペースは、平均すれば7分半くらいだった。
残りはもう2kmだ。こうなると、先日の琵琶湖マラソンとの戦いとなる。この時点でまだ3分くらい負けているが、琵琶湖マラソンの最終盤は1km9分くらいかかっていたので、まだ逆転は可能だ。
大きな上り坂が残っていれば、その時点でアウトだが、走り続けていくと、これと言った大きな上り坂は無い。
少し走ると、再び国道381号線に復帰した。もう残りは最後の1kmだ。
なんとなく緩い下り坂なので、全力で走る。全力と言ったって、疲れ切っているのでスピードは上がらないが、琵琶湖マラソンの最終盤に比べたら足は動く。
最後に国道381号線から左に曲がってふるさと交流センターに入ったら、すぐにゴールが見えた。
〜 ゴール 〜
そのままなんとかゴールしたが、結局、タイムは5時間を切るのがやっとだった。甘い目標だったはずの4時間半から大きく遅れる惨敗だった。
なんとか最後に琵琶湖マラソンは逆転できたけど、大した差ではなく、情けない低レベルの結果が続いている。
沈下橋からの撃沈は免れたが、レースの結果は今回も大撃沈だった。
ゴールの横ではのらちゃんが待っていてくれた。
彼女は先日の名古屋ウィメンズマラソンよりは少し遅かったものの、フルマラソン自己ベスト2の素晴らしいタイムだった。
同じように練習しているのに、この差は生まれ持った素質の差だろうか。
(のら)「でもピッグさんに負けたのよね」
彼女はゴールの少し手前をピッグを追い抜いたんだけど、慌てたピッグが必死で抜き返し、数秒差でピッグが逃げ切ったとの事だ。
(幹事長)「それは作戦ミスやな。去年の坂出天狗マラソンの時みたいに、ゴールの直前で抜いたら逃げ切れたのに」
去年の坂出天狗マラソンでは、ゾウさんが支部長をゴール10mくらい前で突然追い抜いたため、不意を突かれた支部長は抜き返す時間が無かったのだ。
一方、D木谷さんは風邪気味で調子が悪かったせいで、なんとかゴールするのがやっとだったようだ。もちろん、そうは言っても、私よりはずっと速かった。
一番速かったのはO野選手だったが、サブフォーは達成できなかった。
一方、おんちゃんはなんとサブフォーを達成していた。素晴らしいなあ。
ゴール会場には出店がいくつも出ていて、タダ券でお汁をもらった。何のお汁か良く分からなかったが、暖かいお汁は美味しかった。
雨はだいぶ小降りにはなってきたが、しつこく降っているでの、テントの中でお汁を食べていたら、酸欠姉ちゃんが声を掛けてきてくれた。私が着ている酸欠Tシャツは良く目立つので、気付いてくれたのだ。
(幹事長)「このコースは走りやすいって言ってたから出たけど、坂が多くてきつかったやんか!」
(酸欠)「そうでしたねえ。前回走った時は走りやすかったイメージだったけど、なかなか厳しかったですねえ、テヘッ」
なんて言いつつも、酸欠姉ちゃんは結構良いタイムだった。
(ピッグ)「表彰式も終わったようなので、今のうちに表彰台を独占しましょうよ」
(幹事長)「お、それは良いアイデアや」
て事で、主催者の目を盗んで、我々で表彰台を独占した。
表彰台を独占した四国ペンギンズ
(左からO野選手、ピッグ、のらちゃん、幹事長、D木谷さん)
ゴールして貰うものを貰ったら、普通のマラソン大会なら、さっさと車に乗って帰るところだが、このマラソン大会は片道切符のコースなので、ゴールしたらスタート地点まで戻らなければならない。
しばらく待ってシャトルバスに乗り、42kmの道を延々と戻る。
(幹事長)「バスに乗っても長い道のりやねえ」
(D木谷)「こんなに長距離を走ってきたんですねえ」
ランナーによっては、朝、早く来て、ゴール会場に車を停めていた人もいるようだ。そうすると、終わったらすぐに車に乗って帰る事ができる。
ただし、その場合は、朝、だいぶ早く来て、シャトルバスに乗ってスタート会場まで移動しなければならないので、それはそれで大変だ。
〜 反省会 〜
ようやくスタート会場の駐車場までシャトルバスで戻ってきた。
マラソン大会の後は温泉に入って汚れを疲れを落としたいところだが、この近辺にはお風呂は無いようなので、仕方なく濡れて汚れた格好のまま帰途につく。
途中、高速道路のサービスエリアで夕食をとる。
体が冷えてきたので、温かいお蕎麦を食べながら反省する。
(幹事長)「本当にフルマラソンは大撃沈が続くなあ」
(ピッグ)「そこまで惨敗が続くって事は、それが今の実力なんですよ」
(幹事長)「がーん!」
ただ、今日も大惨敗ではあったけど、最後まで足が痛くて泣きながら走るっていう事態にはならなかった。上り坂で徹底してペースダウンしたからだろうと思う。
シューズに関しては、琵琶湖マラソンで履いたノヴァブラストも今日履いたマジックスピードも、特に違いは感じなかった。シューズ以前の問題だろう。
厚底シューズなら、いずれにしても足は痛くなりにくいのかもしれない。ま、足が痛くならなければ良しとしなければ。
最終的なタイムは先日の琵琶湖マラソンとほぼ同じだったが、レース展開はだいぶ異なる。
琵琶湖マラソンは、前半は割と調子が良くて、そこそこのペースで走ったが、そのツケが出て、終盤はどん底状態で足を引きずってゴールした。
今日は最初から調子が悪く、恐ろしくスローなペースで走ったが、そのためか、終盤での大撃沈は免れた。
でも、結果的にほとんど同じようなタイムだったから、どっちの方がマシかって事は言えない。
いずれにしても、今年、初参加したマラソン大会は、琵琶湖マラソンも四万十川桜マラソンも、どちらも期待したような楽なコースではなかったし、期待したような良いタイムは出なかった。
それどころか、どちらも大惨敗したので、たぶん二度と出ないだろうな。
これで冬場のマラソン季節はなんとか終わった。ロクな結果が出なかったので、なんの充実感も無いが、レースから解放されてホッとする。ようやく登山の季節になってきた。
(ピッグ)「でも4月には富士五湖ウルトラマラソンに出るんでしょ?」
(幹事長)「あれは出るだけだから」
4月中旬には去年に続き、富士五湖ウルトラマラソンに出るが、これはタイムは全く気にせず、楽しく完走できれば良いというスタンスなので、あまりプレッシャーは無い。
去年は初参加だったため完走できるかどうかとても不安だったけど、ゆっくり走れば完走はできるって事が分かったので、今年は気楽に走れば良い。
(D木谷)「それなら100kmの部に出れば良いのに」
(幹事長)「いえいえ、いくらゆっくりでも62kmが限界ですぅ」
(のら)「同じくですぅ」
〜おしまい〜
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