第76回 丸亀マラソン大会(自主開催)

〜 またまた有り得ない大惨敗に茫然自失 〜



2022年2月6日(日)、第76回香川丸亀ハーフマラソン大会が開催される予定だった。
毎年、ペンギンズの真剣勝負のレースとしては、この丸亀ハーフマラソンが初レースとなる。

丸亀マラソンは、高速レースとして全国的にも名高いことで、以前から人気が高かったが、昨今の異常なまでのマラソンブームのせいで、毎年、さらに参加者が増加している。
また、丸亀は私の故郷なので、第1回から欠かさず出場している

(幹事長)「なーんて書いたら、私を90歳代って勘違いするよな?」
(ピッグ)「さすがに、それは思いませんよ」


丸亀マラソンは今年で第76回って事になているが、もちろん、これは嘘だ
本当の第1回大会は75年前ではなくて、25年前の1997年に丸亀城築城400年記念大会として開催された
当時はまだこのホームページを開設してなかったため記事は残っていないが、翌年の1998年の第2回大会からは毎年記事を掲載している
そのまま第4回までは正直な回数だったのに、2001年の第5回大会のとき、突然50回も上げ底されて第55回になった。1997年の第1回大会の前年には第50回香川ロードレースが開催されていたので、いきなりその50回をまるまる足したのだ。

香川ロードレースというのは、専門の陸上競技関係者しか出ない閉鎖的な大会であり、今の丸亀マラソンとは似ても似つかない全く別のレースだった。
長距離レースではあったものの、距離だってフルマラソンの時もあれば35kmレースなんて中途半端な距離のときもあった。レースの性格が全く異なっており、少なくともハーフマラソンが種目だった事はない。
回数の水増しの事情については、第56回(本当は第6回)の記事に詳しく書いているが、理由はもちろん、回数が多い方が伝統ある由緒正しいレースのように聞こえるからだ。
もちろん、私は回数の水増しを非難するつもりは毛頭無い。私の故郷である丸亀のマラソン大会であり、回数が多い由緒正しいレースのように聞こえた方が、知らない人に対しては格好良いから、それでいい。
第1回と言うか第51回の頃は、毎年、コースがコロコロ変わり、私の実家のすぐ裏の農道に毛が生えたような道を走ったりしていた草レースだったのが、今や国際陸連公認の高速コースになって全国的にも有名になり、定員1万人があっという間に一杯になってしまうなんて、地元の私としては嬉しい限りだ。

て事で、私の中では一番重要なレースが丸亀マラソンだ
それなのに、ああ、それなのに、なんと2021年は新型コロナウイルス騒ぎのせいで大会が中止になってしまった

事の発端は2020年3月1日の東京マラソンの一般ランナー参加中止だ。これに続き、3月8日の第9回名古屋ウィメンズマラソンも一般市民ランナーの参加が中止になった。
ただ、これらの大会は東京オリンピックのマラソン代表選考会を兼ねていたため、エリートランナーの部は開催された。
しかし、その後、状況はますます悪くなり、遂に3月22日の徳島マラソンは全面的に中止になってしまった。あまりの事に呆然とした。
そして、その後も、全国的にマラソン大会が次々と中止になっていった

これらのマラソン大会中止騒ぎってのは、どう考えても、あまりにも非科学的で情緒的でヒステリックな対応だ。

(ピッグ)「この説明って、前回の庵治マラソンで最後になると思ってましたよねえ」
(幹事長)「ほんと!まさか、また、この説明を繰り返す羽目になるとは思わなかったよ」

バカみたいな
マラソン大会の中止騒ぎ前回の庵治マラソンでおしまいになり、この説明もおしまいになると思っていたのに、またまた繰り返す事になろうとは!
ともかく、素人が見たら、マラソン大会ではランナーが密集しているように見えるかもしれない。しかし、毎日乗っている満員電車に比べたら、はるかにスカスカだ。そうでないとぶつかって走れない。
しかも密室の満員電車に比べて、屋外のマラソン大会はウイルスが蔓延できる環境ではない。新型コロナウイルスは感染した人の咳やくしゃみの飛沫による飛沫感染でうつっていくが、飛沫感染は屋外で走っている時に感染なんかしない。
多くの国民が新型コロナウイルスを非常に恐ろしいもののように勘違いしているが、決して、エボラ出血熱のように極めて致死率の高いウイルスでもなければ、風疹のような感染力の強いウイルスでもない

多くの国民がヒステリックに踊らされているのは、視聴率さえ稼げればいい下品なマスコミがキチガイみたいに煽り立てるのと、新型コロナウイルスの新規患者数をゼロにしようなんていう狂信的な妄想に取り憑かれた医療関係者の独善のせいだ。
さらに、それに付け込んで何でもかんでも政府を批判する無能な民主党が調子に乗ってギャアギャア騒ぐからだ。
いい加減に、このようなヒステリックな対応は止めて欲しいのだが、新型コロナウイルスの蔓延よりも、このようなヒステリックな対応の蔓延の方が遙かに早い。

もちろん、大会主催者側は苦渋の決断というか、断腸の思いだろう。なぜなら、大会の成功を一番願っているのは大会主催者なんだから。だから、私も大会主催者を責める気は、さらさらない。
悪いのは、こういう状況に大会主催者を追い込んだ世間のプレッシャーというか、コロナ自警団に代表される、社会を覆い尽くすバカ騒ぎだ。

そして、恐れていた通り、その後も5月のオリーブマラソン、6月の北山林道駆け足大会、7月の汗見川マラソンと、続々とマラソン大会の中止が発表になり、このままではマラソン大会もサイクリングイベントも全滅になりそうな雲行きになってきた。もうお先真っ暗だ。


〜 マラソン大会を自主開催 〜


って嘆き悲しんでいた時、ピッグが突然ナイスなアイデアを提示した。

(ピッグ)「この話も、前回の庵治マラソンで最後になると思ってましたよ
(幹事長)「ほんと、ほんと!

2020年5月のオリーブマラソン以来、自主開催してきたマラソン大会の記事にはしつこく書いてきたエピソードだが、これを外す訳にはいかないので、しつこくピッグに提案してもらう。

(幹事長)「お待たせしました!はい、どうぞ!」
(ピッグ)「中止になった大会を
ペンギンズで自主開催しましょうよ」
(幹事長)「え!?」


あまりのナイスなアイデアに一瞬、言葉が出なかったが、これは画期的なアイデアだ。そうなのだ、大会が中止になったのなら、
我々で独自に勝手に自主開催すればいいのだ。

(幹事長)「なんて素晴らしいアイデアだ!君がこんな素晴らしいアイデアを出したのは実に23年ぶりやぞ」
(ピッグ)「ハイハイ、分かりましたってば」


1997年に我々がペンギンズを立ち上げた時
クラブの名前を何にしようか相談したんだが、幹事長の私の意見を差し置いて、ピッグが「ペンギンズにしましょう」なんて言い出し、押し切られてしまったのだ。
しかし、よくよく考えてみれば、むやみにスピードを追求するのではなくマイペースでゆっくり走る我々のスタンスは、まさに「
ペンギンズ」の名前がピッタリであり、素晴らしいネーミングだったと思う。
ピッグがナイスなアイデアを出したのは、その時以来、実に23年ぶりのことだった。

と感心していたのだが、2020年5月にオリーブマラソンを自主開催して走っていた時、同じように一人で走っている女子がいて、支部長が聞いたところ、彼女も自主開催していた事が分かった。
また7月に汗見川マラソンを自主開催して走っていた時も、同じように走っているカップルがいて、支部長が聞いたところ、彼らもやはり自主開催していた事が分かった。
さらに2021年5月のオリーブマラソンに至っては、胸に大きく「
勝手に小豆島オリーブマラソン」なんて書いたTシャツを着て自主開催しているグループがいた。
つまり、
マラソン大会の自主開催ってのは、誰でも思いつくような平凡なアイデアだったことが分かったので、ピッグに対する賞賛は雲散霧消した。

(ピッグ)「ハイハイ、分かりましたってば

てなわけで、その後は中止になったイベントは、できる限り自主開催することとなった
その第1弾が2020年5月17日に開催した
サイクリングイベント第7回ツールド103であり、これが思いのほか楽しくて大成功だった。
続いてマラソン大会として5月の小豆島オリーブマラソン6月の北山林道駆け足大会7月の汗見川清流マラソン8月の四国のてっぺん酸欠マラソン9月の龍馬脱藩マラソン11月の庵治マラソン12月の瀬戸内海タートルマラソンを自主開催してきた。

これらも例外なく、とても楽しくて大成功だったが、そうは言っても正式な大会ほどのやる気と達成感は得られないため、願わくは、コロナのバカ騒ぎは2020年で収束して、2021年はマラソン大会が復活して欲しかった。
ところが、
2021年になってもコロナのバカ騒ぎが終わらず、マラソン大会の中止が続いたため、2月の丸亀マラソンを自主開催し、続いてトレラン大会である2月の善通寺五岳山空海トレイルも自主開催した。

この善通寺五岳山空海トレイルは、2020年はギリギリでなんとか本大会が開催され、コロナのバカ騒ぎでマラソン大会が軒並み中止になる前の最後の大会だった。
それから
まる一年が経って一周したので、そろそろバカ騒ぎを止めてマラソン大会を再開して欲しかったところだが、2020年に最初に中止になった徳島マラソンは、なんと2年連続で去年も中止になってしまった
コロナのバカ騒ぎによるマラソン大会中止が2年目に突入したのだ。そのため、徳島マラソンの代替大会として3月の香東川マラソンを自主開催した。

そして、その後も2年連続のマラソン大会中止が続いたため、5月の小豆島オリーブマラソン7月の北山林道駆け足大会7月の汗見川清流マラソンを2年連続で自主開催してきた。
さらに、マラソン大会や自転車イベントに続く
初めてのトライアスロン大会として9月のサンポート高松トライアスロンを自主開催し、それに続いて10月の龍馬脱藩マラソン10月の四国のてっぺん酸欠マラソン11月の瀬戸内海タートルマラソン1月の庵治マラソンを自主開始した。

もちろん、これらも例外なく、とても楽しくて大成功だったが、そうは言っても正式な大会ほどのやる気と達成感は得られないため、私のタイムは2年連続で大惨敗続きだった。

(支部長)「それは根性の無い幹事長の話であって、私はこの2年間、絶好調を維持してるよ」
(幹事長)「おみそれしました!」


しかし、バカみたいなコロナ騒ぎもいよいよ収まり、マラソン大会の自主開催は前回の庵治マラソンでおしまいになり、
2022年にはマラソン大会が復活するはずだった。その第一弾が今回の丸亀マラソンだった。
実は全国的には2021年12月に
奈良マラソンが開催された。たぶん、大きなマラソン大会としては、この奈良マラソンが復活の第一号だっただろう。
奈良は県知事が「
緊急事態宣言とかマンボウとか全く意味が無い。経済が打撃を受けるだけで、感染防止には何の効果も無い」という正論を断固として貫いており、そのおかげで奈良マラソンは開催された。
緊急事態宣言やマンボウに何の効果も意味も無い事は明らかだ。そんな事をしようがしまいが、感染が広がる時には広がるし、収束する時には収束する。当たり前だ。誰が考えたって分かる簡単な事だ。
ところが、一部のヒステリックで愚かな市民やバカで自分勝手なマスコミに批判されるのを避けようとする
自己保身に凝り固まった多くの県知事は、何も考えずに見境なく緊急事態宣言やマンボウを乱発する。そのせいで多くのマラソン大会が中止に追い込まれているのだ。

てな事で、四国でも唯一、香川県だけがマンボウになり、
丸亀マラソンも中止に追い込まれた。本当にバカみたいな話だ。

(幹事長)「直前になって勝手に中止にするんなら、せめて金返せ!」
(支部長)「ほんとほんと、詐欺みたいな話やな」


丸亀マラソンの参加費は、最初の頃は
3000円だったのに、今回はなんと1万円も取られている。これを勝手に直前で中止にしておいて、返金しないってのは詐欺以外の何物でもない。
って怒ってみたところで、無力な我々にできることは自主開催だけだ。
てな事で
丸亀マラソン大会2年連続自主開催となった。

自主開催のマラソン大会は自由に開催日を設定できるから、とても便利だ。みんなの都合が良い日を選べばいいし、天気が悪ければ延期するのも自由だ。
最優先事項はみんなの都合で、次が天気だ。寒くない時季のマラソン大会なら、多少雨が降っても平気で決行する。暑い時は、むしろ雨が少し降った方が涼しくて良いくらいだ。でも、今の時期は雨が降ると寒くなるので避けたい。
今回は当初の正式大会の開催予定日である2月6日の天気が悪くなかったので、予定通りに開催した。

参加メンバーはのほか支部長、ゾウさん、D木谷さん、のらちゃん、さらに庵治マラソンに続き
長谷さんが特別参加する。
そして、なんと久しぶりに
石材店が復活だ!彼は高速ランナーで、ペンギンズのエースとして大活躍してたんだけど、膝を故障してしまい、2013年の満濃リレーマラソン以来、レースに出ていなかった。丸亀マラソンでは2012年以来、実に10年ぶりの復活だ。

一方、ピッグは職場の仲間が別のコースで丸亀マラソンを自主開催するので、そちらに参加するとのことで、残念ながら不参加となった。


〜 丸亀競技場の周回コースで開催 〜


自主開催のマラソン大会は、オリーブマラソン北山林道駆け足大会汗見川マラソン酸欠マラソン脱藩マラソン庵治マラソンタートルマラソン善通寺五岳山空海トレイルも、基本的に開催予定日に開催予定コースで自主開催するのを原則としてきた。
最近、本当のマラソン大会中止にする代わりに
バーチャルで大会を開催するケースが多いが、バーチャルで自宅周辺を好き勝手に走るんでは、何の意味も無い。全く何の意味も無い
マラソン大会ってのは、
その場所に行ってみんなで走ることに意義がある。普段、練習している自宅周辺の道を一人で走ったって、そんなものはマラソン大会でも何でもない。ただの練習だ。

なので、我々の自主開催シリーズは、
遠く離れた高知の山奥で開催される北山林道駆け足大会汗見川マラソン酸欠マラソン脱藩マラソンや、離島で開催されるオリーブマラソンタートルマラソンも含めて、ほとんどの大会を開催予定日に開催予定コースで自主開催してきた

丸亀マラソンの正式なコースは、ほとんど坂が無い国際陸連公認の高速コースを走るため、良いタイムが期待できる。我々のメンバーも、大半がハーフマラソンの自己ベストは丸亀マラソンで出している。
なので、できれば丸亀マラソンも本コースを走りたいところだ。
しかし、
丸亀マラソンは本コースを自主開催で走るのは困難だ。なぜならコースが市街地だからだ。

遠く離れた山奥とか離島で開催されるマラソン大会は、現地に行くのは不便だが、コースは走りやすい。そういう所では歩道は無いし、センターラインも無い狭い道だが、交通量は非常に少なく、信号機も無く、とても走りやすい。
しかし、丸亀は行くのは近くて便利だが、
交通量が多く信号機も多く歩道が狭い場所も多いので、本コースを走るのは不可能だ
本コースでなくても、近くに代替になるようなコースを取れればそれでもいいんだけど、少しばかり離れても市街地が続いているため、なかなか難しい。

て事で、丸亀マラソンの自主開催は、丸亀マラソンの会場である
丸亀競技場のトラックで開催する

(ピッグ)「やっぱり今年もトラック53週ですか!?」
(幹事長)「21.1kmを走るには400mのトラックを53周せんといかんからな」
(ゾウ)「無理!トラックを53周も走るなんてムリムリムリ!発狂します!」
(幹事長)「ゾウさんは特別に、好きな回数で止めてもええよ」
(ピッグ)「えこひいきは止めてくださいよ」


なぜゾウさんだけ我儘を許すかと言えば、彼女はフルマラソンも走る一方で、従来から
短い距離のレースで圧倒的なタイムを出すのを目標としているからだ。
例えば丸亀マラソンの翌週に開催される坂出天狗マラソンでは、コロナ騒ぎでマラソン大会が中止になる直前の2020年2月の大会では、5kmの部で女子年代別で3連覇を達成したが、その時のタイムは23分17秒、1km平均4分40秒を切るペースだった。

(幹事長)「これに対抗できる人は、特別に短距離レースを許可しよう」
(支部長)「ムリ」
(のら)「ムリ」
(ピッグ)「ムリっす」


ただ、
慣れればトラック53周というのは、それほど発狂的でもない
私は時々丸亀競技場のトラックで練習しているが、10周くらいなら簡単だが、20周や30周になると、かなりきつい。さらに40周とかになると絶望的な気分になるが、これが50周になると無我の境地になり、もっと走りたくなる。

(ゾウ)「ほんとですか!?」
(幹事長)「うっそぴょ〜ん」

て事で、去年に続き陸上競技場のトラックをひたすら53周も走るという前代未聞のレースを開催することになった。

上に、自主開催のマラソン大会は自由に開催日を設定できるから、とても便利だと書いたが、実は今回は開催日に制限がある。
なんと、丸亀競技場が大規模改修工事のため、2月8日から6月まで使用ができなくなるのだ。
丸亀競技場は1999年から丸亀マラソンの会場になっており、もう20年以上経っているので、トラックが痛んでいるとの事だ。素人が見たら、それほど悪くもなってないような気がするが、プロが見えると限界が来ているのかもしれない。
てな事で、今日を逃すと丸亀競技場での開催は不可能となる。

(幹事長)「そう思うと、是非とも今のうちにトラックで走っておきたくなるやろ?」
(ゾウ)「そんな事ないでーす!」


なお、久しぶりに復活した石材店は、ずうっと長距離を走ってないので、今回は膝の様子を見ながら走るという事だ。なので、彼にもいつでも止められる特権を付与した。

(支部長)「今年こそは1時間50分を切るぞ!」

丸亀マラソンでは1時間50分を切るというのが重要になる
なぜなら、2017年の大会から一般部門がB部門とC部門に分かれたからだ。以前はエリートランナーがA部門で、一般ピープルはB部門だったが、一般ピープルが細分化され、過去3年間で男子なら1時間50分以内、女子なら2時間10分以内の記録を出したランナーがB部門で、それ以外はC部門となった。A部門がスタートした後、次にB部門がスタートし、最後にC部門がスタートすることになったのだ。

別にB部門だろうがC部門だろうが関係無いじゃない、なーんて事はない。かなり大きな問題なのだ。
タイムはゼッケンに着けたチップでネット計測してくれるから、後ろの方からスタートしても構わないんだけど、後ろの方からスタートしたら大混雑で身動きが取れなくなる。遅いランナーを追い抜きたくても、仲間同士でおしゃべりしながらゆっくり走るおばちゃん軍団なんかに邪魔されて追い抜くこともままならない
昔は参加者が少なかったから、邪魔なランナーがいても、そのうちバラけてきて空いてきたが、1万人も参加するようになってからは、最後の最後まで混雑は緩和されず、最後までおばちゃん軍団に前を邪魔されたままになるので、それは避けなければならない。

実はスタート順は、B部門とかC部門とかいう大きな部門だけでなく、AブロックからTブロックまで細かく分けられている。以前からそうだった。
このブロック分けが適正に行われていたら、特に問題は無い。自分の周りは同じような速さのランナーであり、自分の前は速いランナー、後ろは遅いランナーだ。自分と同じ速さのランナー達と一緒に走れば、邪魔なランナーを追い抜く必要も無ければ、後ろから抜かれる事も無いので、秩序良く走ることができる。そうなればスタート直後の混雑も緩和されるはずだ。
ところが、どのマラソン大会でもそうなんだけど、ブロック分けの根拠は自己申告のタイムで、みんな速めのタイムを虚偽申告しがちだ。そのため、本当は遅いのに前の方からスタートするランナーも多い。こうなると邪魔なランナーが多くて本当に走りにくくなる。

大会の開催要項には、参加上の注意事項として
「スタート順は、申告タイム(2018年1月1日以降の自己ベストまたは予測タイム)順とします。虚偽の申告は、安全な大会運営に支障をきたすので絶対にやめてください。」
などと強い口調で書かれているが、なかなか不正は防げない。
その打開策として2017年から導入されたのが、B部門とC部門の分離だ。AブロックからFブロックまでがB部門、GブロックからTブロックがC部門なんだけど、部門分けの基準になるのは自己申告タイムではなくて、大会事務局が把握している過去3年間のタイムだ。虚偽申告するランナーを排除するため厳密な記録に基づいてB部門とC部門に分けたのだ。

(支部長)「細かいブロック分けも過去のタイムを基に実施したらええんやないか?」
(幹事長)「ズルして紛れ込む人が多いから駄目なんじゃない?」


細かいブロック分けは、大きな部門の中でのブロック分けなので、どこにでもこっそりと紛れ込むことが可能であり、あんまり厳密には実施できない。でも大きな部門分けは、ゼッケンの色が異なるため、かなり厳密に実施されており、B部門に遅いランナーは紛れ込みにくい
一方で、C部門の中では相変わらず遅いランナーが虚偽申告で前の方のブロックに陣取っている。なので、なんとしても1時間50分の制限時間をクリアしてB部門からスタートしたいわけだ。

て事で2019年は万全の状態で臨み、真剣に走った結果、なんとか久しぶりに1時間50分を切ることができ、翌年から3年間のB部門出走権を手にした
タイムは3年間有効だから、2020年〜2022年までの大会はB部門で出られる事になったから、しばらくはムキにならなくてもいい。ただ、若い頃ならそれでもいいんだけど、毎年、老化は確実に進行しているから、翌年と翌々年が駄目だった場合、3年後に再び速くなるなんて事は、たぶん無理だ
なので、できるだけ長い間、B部門でスタートできるよう、2020年も真剣に走った結果、なんとか1時間50分を切ることができ、B部門出走権は2023年まで確保できた

B部門で走った2020年のラップをC部門で走った2019年のラップと比較すると、最初の2kmで1分近く速くなっていた。3km地点以降のラップは似たようなものだから、序盤のタイム差がゴールタイムに大きな影響を及ぼしている事が分かった。
なぜ序盤で差が出るかと言えば、C部門で走ると最初は遅いおばちゃん軍団に前を邪魔されて遅れてしまうが、B部門で走ると邪魔者がいないから最初から良いペースで走れるからだ。
つまり、速い人はB部門で走れるから、ますますタイムが良くなる一方、遅い人はC部門で走らされるから、ますますタイムが悪くなる。まるで大貧民のように格差社会がとめどもなく広がる地獄のシステムなのだ。

本来は過去3年間の持ちタイムで部門が分けられていたが、去年は大会が中止になったので、今年は過去4年間の持ちタイムで部門が分けられる事になっていた
それが今年も2年連続で本大会が中止になったので、来年の本大会で過去の記録の扱いがどうなるのか気になるところだ。
そのままスライドして過去5年間の持ちタイムで部門が分けられるかもしれないが、あまりにも古い記録になると意味が無くなるので、何かしら変更になるかもしれない。

いずれにしても、今回は自主開催なので、1時間50分を切ったところで何の役にも立たない事だけは確かだ。しかし、来年、本大会が復活したときに再び1時間50分を切れるよう、今回も1時間50分を切るように頑張らなければならない
なので、支部長だけでなく私も1時間50分は是非ともクリアしたいところだ。


〜 会場へ出発 〜


丸亀マラソンの前日には、いつも金さんのジョギング教室が開催されてきた。毎年、誰かしら有名な女子選手を相棒にしており、2019年は有森裕子が相棒で2020年は高橋尚子さまが相棒だった
以前から時々参加してきた私としては、高橋尚子さまが来るのであれば何がなんでも万難を排して参加せねばならないが、有森裕子だと参加するかどうか悩むところだ。ただ、2019年はのらちゃんが「ジョギング教室に出たことないから出てみたい」って言うから、一緒に参加した。

もちろん、大会前日のジョギング教室で何かためになる事を期待してはいけない。そんな即効性のあるノウハウなんて有り得ない。そんなものは最初から期待してはいけない。
内容は、延々と続くストレッチと、自分の目標ペースのペースランナーと一緒に走るペース走と、質疑応答だ。今さらの内容であり、翌日のレースに役立つことは一切無い。全く無い。
大半の参加者もそれくらい分かっていて、誰も最初からそんな事は期待していない。単に金さんや高橋尚子さまと一緒に楽しく過ごすイベントと割り切っている。ファンの集いみたいなものだ。

でも、結果的に、2019年は翌日の本番のとき、とても体が軽くなっていた。ジョギング教室のノウハウと言うより、前日に軽く楽しく走ったのが良かったようだ
2020年も同じで、翌日の本番のとき、とても体が軽くなっていて、2年連続で良いタイムが出た。
つまり、ジョギング教室が良いのではなく、前日に軽くジョギングするのが良いようなのだ

私は以前から、レースの1週間前からは練習を控えて疲れを取ることにしている。特に老化の進行が著しい最近は、疲れを取ることが重要だ。
でも、前日に軽くジョギングするのは良い事みたいなので、今回も前日に近くの池の周りを軽く走った。
ところが、ほんの軽く4km走っただけなのに、終盤は足が疲れて動かなくなってしまった。一体どういう事だろう。最初からダレきって走ったからだろうか。それとも、疲れが全然、取れてないのだろうか。

て事で、軽い疲労と大きな不安感を残したまま当日の朝になった
天気予報では、全国的に寒波が押し寄せてきて、日本海側なんかは大雪になっている。さすがに、温暖なこの辺りでは雪は降ってないが、気温はかなり低く、曇って風は強いとの予報だった。
ただ、朝になって外に出ると、気温は低く風は強いものの、空にはほとんど雲は無く、良い天気だ

高松を出るのは例年よりちょっと遅い8時ちょっと前にした。自主開催なのでスタート時間は勝手に設定できるので、もっと遅くても良いんだけど、お昼までには終わらせたいので、9時に集合して、9時半頃にスタートする予定だ。

例年なら駐車場が大問題となる。駐車場は抽選に当たらなければ停めることができないのだ。
参加メンバー全員が駐車場に申し込むことにしているので、誰かは当選するが、たいていは遠く離れた臨時駐車場で、そこから送迎バスで移動するのに時間がかかる。
たまにメンバーの誰かが丸亀競技場の駐車場が当たって直接丸亀競技場に行ける事もあるが、そんなラッキーな事は滅多にない。
しかし、今年は自主開催で、当日は丸亀競技場では何のイベントも開催されないことを確認しているので、駐車場は停め放題だ。

今年も支部長さまが車を出してくれて、を拾って高松を出発した後、途中でゾウさんのらちゃんを拾って丸亀競技場に向かう。
その途中で、なんと職場仲間で別の自主開催の丸亀マラソンを走っているピッグを遠くに発見した。

(幹事長)「あれ、ピッグと違うか?」
(支部長)「あんな遠くの、小さくて見えんがな」
(幹事長)「私も顔は分からんけど、あの走り姿は間違いなくピッグやろ」


近づいてきたら、やはりピッグだった。窓を開けて声援を送ったら、さすがにビックリしていた。

(支部長)「あんな遠くから、よく分かったなあ」
(幹事長)「顔は分からんでも、あの特徴的な走りは分かるな」
(ゾウ)「どんな特徴なんですか?」
(幹事長)「ピッグの名誉のため、こんな所で公にはできんな」


車は順調に進み、丸亀競技場に着いたのは予定通り9時ちょっと前だ。

丸亀競技場に着くと、D木谷さん長谷さんが別便で来ていた。一緒に倉石さん木村さんも飛び入り参加だ。みんなD木谷さんの職場の仲間で、ウルトラマラソンなんかに出ている猛者たちだ。
ウルトラマラソンもコロナ騒ぎで大会が無くなっており、そのため自主的にウルトラ合宿なんてやってるらしい。

(幹事長)「なんですか、それ?」
(D木谷)「みんなで合宿して60kmとか走りましたね」
(支部長)「勝手にろくじゅっきろ!?」


どう考えても、自主練習で30km以上走るのは不可能な我々にとって、いくら夜の宴会が待っているからと言って、自主練習で60kmも走るは絶対に不可能だ。
それから石材店も既に来ていた。往年のエースランナーが実に久しぶりの登場だ。
これで合わせて9人の参加となった。9人というのは自主開催シリーズで過去最多の参加者数となる。

競技場に入ると、高校生らしい人たちがいる。でも、受付で確認すると、特に今日は行事がある訳ではなくて、彼らは単なる練習のようだった。
て事で、予定通りメイン競技場を使うことにした。メインの競技場を使うのは初めてだ。


〜 スタート前の準備 〜


例年なら家を出てからスタートまでの時間が長いこともあり、家で朝食を食べるのは時間が早すぎるので、競技場に着いてから朝食を食べるんだけど、今日は素早くスタートできるので、家を出る前に朝食もトイレも済ませてきた
こういうのも自主開催の便利なところだ。

自主開催のメリットを挙げると、
  ・みんなの都合に良い日に開催できる
  ・天気が悪い時は延期できる
  ・勝手にスタート時間を決められるから早朝に出発しなくてもいい
  ・混んでないから駐車場に困らない
  ・混んでないからトイレに困らない
  ・終わってからも混んでないからスムースに帰れる
  ・参加費がかからない


さらに、この丸亀競技場に限って言えば、施設使用料310円は払う必要があるが、更衣室とシャワーが使えるので、大変、嬉しい。

一方、デメリットとしては
  ・本番ほど気合が入らないから良いタイムは出ない

デメリットとして思い浮かぶのはこれだけなんだけど、これは一番重要な点ではある。

(支部長)「だから、それは根性の無い幹事長の話であって、私はそんな事はない」
(幹事長)「すんませーん」

そのほか、給水所が無いっていうのもデメリットで、いつもの自主開催レースだとトレランリュックか何かで飲料ボトルを持って走らなくてはならないが、今回はトラックで開催するので、各自、好きな場所にドリンクを置いておけばいつでも水分補給できる

(幹事長)「これは便利やろ?」
(支部長)「うん、これはありがたいな」


て事で、各自、好きな場所に飲料ボトルを転がしておく
さらに、もしトイレに行きたくなっても、いつでも行ける。

(D木谷)「天気予報では曇りでしたけど、今日も良い天気になりましたねえ。
       自主開催のマラソン大会はことごとく天候に恵まれてますよね」
(幹事長)「私の人徳のおかげですよねえ」

もちろん、雨が絶対的に嫌だと思っている訳ではない。
以前はどんな季節であろうと、雨は絶対に嫌だったが、2010年の小豆島オリーブマラソン大会で大雨の中を快走してからは、我々は雨そのものに対する抵抗感は払拭されている。大会が中止になるほどの雨でなければ気にしない。
ただし、それは気温が高いシーズンの話であり、今は一年で一番寒い時期なので、天気が良い方が良い2018年なんて、朝から雪が降って丸亀競技場が真っ白になり、寒さで縮み上がった

(支部長)「でもタイムは良かったやろ?」
(幹事長)「確かに」


確かにタイムは気温が低い方が良い。でも、やっぱり寒い中で走るのは嫌だ
今日は晴れて良い天気になったものの、強風が吹いて寒い。なので、手放しでは喜べない天気だ。

(支部長)「いやいや、これくらい風がある方が汗をかかずに済むから、ええんよ」

支部長は汗っかきなので真冬でも天気が良いと汗をかきまくり、すぐ脱水症状になってアンデルセン状態に陥るのだ。でも私は寒がりなので暑い方が好きだ。

そして、いよいよ着替えだ。何を着るかマラソン大会において最も重要な要素だ。寒いのは大嫌いだけど、暑くなるとバテてしまうから避けなければならない。
2018年のようなコンディションなら悩む余地は無かった。強烈な風雪の中を走るため、防寒に徹しなければならなかったからだ。迷うことなく、防寒用のぶ厚い長袖ランニングシャツを着て、その上に半袖Tシャツを着た。
2019年は、防寒に徹しなければならないほど寒くはなかったが、雨が降る可能性があったため、濡れてもベチョベチョしないように、登山用に愛用している吸湿性と速乾性に優れた長袖のインナーウェアを着て、その上に半袖Tシャツを着た。
2020年は、気温は低かったけど天気が良かったから、悩みに悩んで長袖シャツ1枚で走った。
2021年の自主開催レースでは、さらに気温が高く、風も弱かったけど、どうしても寒さに対して恐怖心があるので、長袖のシャツを着て、その上に半袖Tシャツを着た。でも、やっぱり暑くなって、走ってる途中でTシャツを脱いだ。

今年は天気は良いけど、寒さは厳しい。それに強風が吹き荒れていて、体感温度はかなり低い。
ただ、去年使ったサブグランドは風が吹きっさらしになるが、今年は観客席が周りを取り囲んでいるメイン競技場を使うため、強風はだいぶ軽減される。
気温が低くても、風が弱ければ、日差しがあるので暑くなりそうだ。
なーんて思いながらブラブラ様子を見ていると、急に風が激しくなり、ガンガン吹き抜けていく。すると、一気に寒くなる。
他のメンバーは、基本的に半袖Tシャツの下に薄手の長袖を着るかアームウォーマーを付けただけだ。でも、それじゃあ私は耐えられない。
だいぶ悩んだが、結局、長袖のシャツを着て、その上に半袖Tシャツを着て、さらにその上からウィンドブレーカーを着た

(のら)「いくらなんでもそれは暑くなるよ」
(幹事長)「支部長だってウィンドブレーカーを着てるよ」


あの暑がりの支部長でさえウィンドブレーカーを着ているのだ。

(支部長)「これは半袖やし、下にはTシャツしか着てないよ」
(のら)「幹事長のウィンドブレーカーは中が二重になってるじゃない」


私のウィンドブレーカーは二重になってて、とても暖かい。これなら寒風で震えることもない。
もし走り始めて暑くなったら脱げばいい。去年も途中でTシャツを脱いだし、これまでのマラソン大会でも、途中で暑くなって脱いだことは数えきれないくらいある。
長袖シャツの上からTシャツを着てる場合、通常、途中で脱ぐのは長袖シャツだ。長袖シャツは脱いでも腰に巻いて走れるからだ。
ただ、長袖シャツは内側に着ているため、それを脱ぐためには、いったん外に着ているTシャツも全部脱いでから長袖シャツを脱ぎ、その後でTシャツを着なおすという作業が必要だ。これを真剣に走りながらやるのは大変だ。

(支部長)「タイムの事を気にして着るものに悩む割には、無駄なタイムをロスしよるなあ」

ただ、去年と同様、今回はトラックで走るので、ウィンドブレーカーでもTシャツでも、好きな時に脱いで、その辺に置いておくって事が可能なので、あまりタイムロスは無いはずだ。
Tシャツは2015年の丸亀マラソンのものだ。のらちゃんは2018年の丸亀マラソンのTシャツを着ている。でも、他のメンバーはバラバラだ。

(幹事長)「それ何のTシャツ?」
(ゾウ)「テニス協会のTシャツですね」
(D木谷)「えっと、これはタートルマラソンのですね」
(支部長)「えっと、これは庵治マラソンのかな」
(幹事長)「自主開催レースでは、そのマラソン大会のTシャツを着るように言うてるやろ!」
(支部長)「脱藩マラソンで丸亀マラソンのTシャツを着てた幹事長には言われたくないな」


今日は寒いので、迷うことなくランニングタイツも履いた。

(ゾウ)「私、素足にしようか迷ってるんです」
(幹事長)「マジで!?」


そう言えば、前回の庵治マラソンでも、他のメンバーが全員タイツを履いている中で、ゾウだけはタイツを履かずに素足だった。
コロナ騒ぎでマラソン大会が中止になる直前の2020年の丸亀マラソンでもゾウさんだけはタイツを履いてなかった。
2016年の丸亀マラソンで圧倒的なタイムを叩き出して僕らを蹴散らした時、彼女はタイツを履いてなかった。それ以来、好タイムを狙う時は彼女はタイツを履かないことにしているのだ。

最近はランニングタイツを履く選手が多く、今日もみんな履いている。私は以前はランニングタイツのサポート機能を全く信じてなかったので、タイツはあくまでも防寒用として位置付け、寒い時以外は履かない主義だった。
しかし、2019年の龍馬脱藩マラソンで、一緒に走った航路さんからタイツの機能を教えてもらった。彼によると、タイツを履くと筋肉の無駄な動きが抑制されて疲労が防止できるのだそうだ。テーピングも同じ効果があるとのことだが、航路さんは元陸上部なので、彼の言う事なら信用できる。
て事で、それ以来、できるだけタイツを履くことにしている。タイツを履くと暑い時期には、代わりに脹脛サポーターを履いている。今日は気温が低いので、寒いのが苦手な私としてはタイツは手放せない。
ただ、タイツを履いてない方が走りやすいっていうゾウさんの意見には私も同感だ。

(幹事長)「でも、今日は寒いやろ?」
(支部長)「見てるだけで寒くなるから、今日はタイツを履いてよ」


結局、今日はゾウさんもタイツを履いた。
そのほか、寒いので手袋は二重に履いた。

(のら)「本当に寒がりやね」
(幹事長)「ブルブルブル」


一方、帽子は大嫌いなので、雨でも降ってない限り被らない。ポケットにハンドタオルとティッシュを入れて準備が終わった。


〜 準備完了 〜


準備が終わったら、恒例のスタート前の記念撮影を行う。

(石材店)「相変わらずめちゃ大ジャンプしてますねえ」
(幹事長)「また調子に乗ってジャンプして無駄なエネルギーを使って、レース前から疲れてしまったよ」

D木谷さんの旗振りで一斉にジャンプする参加メンバー
(右から3人目で大ジャンプを見せるのが幹事長)


集合写真を撮り終わったところで、本日の目標を設定せねばならない。もちろん、どんな時でも、どんなレースでも、大会自己ベストの更新を狙うのが良い子の有るべき姿だ。しかも、今回は坂の無い完全フラットなトラックを走るため、あわよくば良いタイムが出る可能性がある。
ただし、丸亀マラソンで是が非でもクリアしなければならない最優先タイムは、自己ベストではなく1時間50分。上にも書いたように、1時間50分を切れば、翌年から3年間は前方のB部門でスタートできるからだ。
大会自己ベストが出れば1時間50分もクリアしたことになるが、大会自己ベストが出なくても、最低でも1時間50分は死守したいのだ。
もちろん今回は自主開催なので、どんなに良いタイムを出しても、来年以降のB部門スタートには何の関係も無い。それでも気持ちの問題として、今年もなんとしても1時間50分を死守したい。

もともと丸亀マラソンのコースは、ほとんど坂が無い国際陸連公認の高速コースだし、気温が低い2月だから、良いタイムが期待できる
それなのに、私はなぜか坂が非常に多くて厳しいコースの瀬戸内海タートルマラソンの方がタイムが良いことが多い。おそらくタートルマラソンは前半から坂が多くて厳しいコースなので、終盤の失速を恐れて序盤からペースを抑えめに走っているため、終盤に失速しない事も多く、結果的に良いタイムが出やすいのだろう。
一方、丸亀マラソンはほとんど坂が無い高速コースで良いタイムが期待できるため、ついつい調子に乗って序盤からガンガン飛ばしてしまい、結局、終盤に大失速するというワンパターンを繰り返している

理想的な走り方と言うのは、序盤は抑えめに走って、後半にペースアップするという展開だ。タートルマラソンやオリーブマラソンでも、好タイムを出した時は、たいてい後半の方がペースが速くなっている。オリーブマラソンなんて、前半はフラットで後半に坂が続くから、後半の方が遅くて当たり前なんだけど、好タイムを出した時は必ず後半の方がペースアップしている。
しかし、丸亀マラソンのコースは終盤に失速するのが必至のコースだ。支部長は「最後の直線区間の直前にある17km地点の給水所の水には毒が入っているから直線区間に入ったら失速は避けられない」という毒入り説を信じて疑わないが、確かに、最後の給水所からゴールの丸亀競技場までの直線部分では、それまでどんなに快調に走っていても、必ず失速してしまう
私は17km地点の給水所では、もう水分を取らないので、毒入り説には否定的だが、最後の直線コースは緩やかだけど上り坂になっているからペースダウンするのかもしれない。

しかし、2019年は初めて終盤にペースを上げるという理想的な展開となった。あわよくば好タイムを出そうなんて色気を捨てて、1時間50分切りを絶対目標にして、前半を抑えて走ったからだと思う。そのおかげで最初から無茶に飛ばして終盤に撃沈するという永遠のパターンを避けることができたのだと思う。
それで十分なんだけど、少しだけ後悔もあった。ギリギリで1時間50分は切ったものの、ゴールして、あまりにも余力が残っていたのだ。全力を使い果たした時は、ゴールするともう足が動かなくなるが、まだまだいくらでも走れそうな余力が残っていたのだ。
後から考える結果論で言えば、もうちょっと前半から突っ込んでいたら、もっと良いタイムが出たはずだ。前半をあんまり抑えて走ってしまうと、いくら後半でペースアップしても、トータルで良いタイムを出すのは難しいのだ。

て事で、2020年はもう少しだけ序盤のペースを上げてスタートした。2019年は何がなんでも1時間50分を切らないといけないと思ったので、リスクを回避してセーブして走る作戦をとったけど、2020年は失敗しても、まだ2年間はB部門で走れるので、少しくらいは冒険しようと思い、多少のリスクは冒して、2019年より少しだけハイペースで入った。
その結果、2019年のように終盤にペースを上げることはできず、むしろ少しペースダウンしてしまったけど、トータルでは2019年より良いタイムだった。つまり、ちょうどいいペース配分だったのかもしれない。
今年は例年のコースではなく、ひたすらトラックを53周走るコースだ。でも、元々のコースもフラットなので、あまり変わらないと思う。なので、2020年と同じようなレース展開に持ち込めれば良いと思う。

なーんて言うのは理想であり、実は去年は同じ条件で惨敗してしまった。1時間50分を切るどころか、ダントツのぶっちぎりで優勝した支部長に周回遅れにされてしまう屈辱の結果だった。

(支部長)「実力ナンバーワンの私に負けたからと言って落ち込むことは無いよ」
(幹事長)「しくしくしく」


今の支部長の実力からすると、激坂が続くコースか、あるいは炎天下のレースでなければ支部長に勝つのは難しいと思うので、坂が無くて気温が低い丸亀マラソンで支部長に勝つのは不可能だろう。
それでも、せめて周回遅れは避けたいな。

(支部長)「でも、そもそも何周走ったか分からなくなるんよね」
(幹事長)「私に任せなさい」

去年、支部長はまだ残り15周もある時点で、あと3周だなんてトンでもない勘違いしてラストスパートしようとして、私に止められた。
私はこのトラックで走るのに慣れていて、毎周ごとにラップを取っているので、何周走っているか正確にカウントすることができる
なので、私より速くても遅くても、あんまり追い越したり追い越されたりしなければ、みんなが何周目を走っているのかは私が把握できる。

(幹事長)「だから、むやみに私を追い越すような事をしなければ私が教えてあげるよ」
(支部長)「そんな姑息な手は通用せんぞ」


私だけでなく、のらちゃんもこのトラックでの練習は慣れているが、彼女は時々回数を間違えるので、あんまり当てにはならない。


〜 スタート 〜


スタート時刻は9時半に設定した。
天気は良いままだが、相変わらず風が強く、寒いし走りにくそうだ。でも、もうそんな事は言ってられない。

スタート時刻が近づいてきたので、主催者の幹事長からありがたいお言葉を頂いて開会式が10秒ほどで終わり、続いて事務局の幹事長から注意事項が周知された。
スタート地点は、周回をカウントしやすいのでトラックのゴールラインが引いてある地点とした。
そこから53周走ると21.2kmになり、ハーフマラソンより100mほど長くなってしまうが、ややこしいのでゴール地点もスタートと同じくゴールラインが引いてある地点とした。
周回数は私が管理するとして、各自のタイムはもちろん自己計測だ。自主開催なので当たり前だ。

スタート時刻になり、支部長のカウントダウンにより一斉にスタートとなった。
自主開催シリーズでは、常に序盤は私が先頭を走っている。序盤はコースが分かりにくい事が多くて、道に迷う人が出るといけないので、分かりやすい道に出るまではコースを把握している私が先導している。
自主開催シリーズが始まって以来、常に同じパターンだ。あわよくば、そのまま逃げ切りたいところだが、逃げ切れたのは一昨年の酸欠マラソンだけだ。

それでも、いつもはしばらくは私がトップを走ってきた。ところが今日は、まだ1周が終わらないうちから長谷さんがトップに出た。しかも、すごいスピードで先頭に出たので、とても着いてはいけない。
そして、長谷さんに続いてD木谷さんも私を抜いていく。D木谷さんは長谷さんほどのスピードではないものの、それでもかなり速く、ちょっと着いていく気は起きない。
それで戸惑ってたら、なんと支部長までもが早々に私を抜いていく。こら、いかんがな。
でも、支部長は長谷さんやD木谷さんほどのスピードではない。いくらなんでも、こんな早々から支部長に差を付けられては絶望的になるので、ここは頑張って着いていく

取りあえず長谷さんとD木谷さんの存在は忘れて、支部長をマークして着いていると、私の後ろにのらちゃん、ゾウさん、石材店も一緒に着いてくる。
そのまま一団となって走っていると、4周目になった頃からのらちゃんがジワジワと前に出てきた。え?なんで?と思ったが、私が少しずつ支部長から遅れ始めていたからだ。
こんな早々にのらちゃんにまで抜かれるのは不本意な展開だが、しんどくなってきたので、そのまま前に行ってもらい、彼女の後ろを着いていく。

風は相変わらず強く、バックストレートになると強烈な向かい風となるが、ホームストレートになると大した追い風にはならない。ホームストレートの側は巨大なスタンドがあるため、風の影響が小さくなるからだ。
風向きが逆の時なら好都合だが、今日のような風向きだと、向かい風は強烈なのに追い風は弱いという損した気分になる。

(幹事長)「私だけ常に向かい風を受けているような気がする」
(支部長)「そんなアホな。みんな同じやがな」


少しでも向かい風の影響を弱めたいので、のらちゃんを風よけにして後ろに着いていく。しかし、彼女は私より背が低いため、あんまり風よけの効果が無い
こりゃいかんがな、と思って、ちょっとペースを上げて支部長に追いつき、彼を風よけにして後ろに着いていく

(支部長)「うわ、蘇ったんかいな!?」
(幹事長)「風よけにしたいと思って」


ペースは1km5分15秒ほどだ。このペースだと、ギリギリで1時間50分をオーバーしてしまうくらいなので、決して速くはない。2年前の丸亀マラソンの私の実績よりも遅い。
それなのに、このペースがだんだんしんどくなってきた。足が動かないというより、呼吸が苦しくなってきた
マラソンを走っていて呼吸が苦しくなるなんて事は珍しいと言うか、あんまり記憶にない。
満濃リレーマラソンのコースは、1周が2kmしかないので全力疾走となり、心臓が止まりそうになるほど呼吸が苦しくなる。でも、ハーフマラソンくらいの距離になると、足が疲れて前に出ないって事はしょっちゅうだが、呼吸が苦しくなるなんて事はない。
一体どうしたんだろう。理由は分からないが、呼吸がしんどいので支部長に着いていくのを諦めて、進路を横によけて後続ののらちゃんに「しんどいから前に行って」と道を譲る。
本番のレースなら、気合が入っているので、こんな状況で早々に諦めるなんて事はしないが、今日は自主開催レースなので、どうしても真剣さが乏しくなってしまった
のらちゃんが前に出ると、一緒にゾウさんも前に出る。そして石材店も一緒に前に出て行った。
あっという間に最下位に転落したが、もう居直って呼吸が楽になるようにペースを落とした。すると、なんと1km6分近くにまでペースが落ちた。
でも、楽だ。人間って、一度、楽な思いをすると、もう元には戻れない。あまりのスローペースに愕然としながらも、楽な道を選んでしまう。

そのままチンタラ走ってたら、なんと長谷さんに追い抜かれてしまった周回遅れだ。屈辱の周回遅れではあるが、あまりにも素晴らしいスピードで通り過ぎて行ったので、一緒に着いていこうなんて気持ちは湧いてこない。
ただ、いくらなんでも遅すぎるし、しばらく休んで呼吸が楽になったので、ちょっとペースを上げた。
とは言っても、そんなに大してペースは上がらない。しばらくするとD木谷さんも追い抜いていった
その後も、決してやる気を失くした訳ではなく、そこそこのペースで走っているつもりなんだけど、とうとう支部長にも周回遅れとなってしまった。さすがに支部長にはしばらく着いていったが、今度は呼吸ではなくて足が着いていかなくなり、脱落してしまった。
ペースは再び1km6分近くにまで落ちてしまい、ダラダラ走っていると、今度はのらちゃんに周回遅れになった
さらに、のらちゃんの少し後からゾウさんも抜いていった。のらちゃんとゾウさんの差は、少しずつ開いているように見える。さすがの高速ランナーのゾウさんも、最近の圧倒的な練習不足のためペースが上がらないようだ。

一方、序盤にみんなと一緒に私を抜いていった石材店は、ここへきて大きくペースが落ちてきて、私との差が縮まってきた。走っている後姿を見ると、明らかにおかしな走り方をしている。足の調子が悪くなったのだろうか。
目の前にライバルが現れると、さすがの私もやる気と緊張感が蘇ってきて、ペースが上がる。ちょっと気合を入れて真剣に走って行くと、遂に石材店に追いついた

(幹事長)「足は大丈夫なん?」
(石材店)「足は大丈夫なんですけど、体がきついですね」


走り方はおかしいように見えたが、足の故障が悪化してないようなので一安心だ。単に、長い間、走っていないので体力的にきつくなってきただけのようだ。
そのまま石材店を追い抜いて、あわよくばゾウさんにも追いつけないかなあ、なんて思って走っていたら、なんとゾウさんがいきなりペースを上げた
みるみるうちにペースが上がり、のらちゃんに追いついたかと思ったら、そのまま一気に抜き去ってしまった。
まさか、ラストスパートか?って思ったら、やはりラストスパートだったようで、そのままゴールラインの所で止めてしまった。ちょうど25周で、10kmだった。

後ろを走ってくる石材店はどうするのかな、と思ってたら、やはり石材店も25周で止めた
ゴール付近には、ゾウさんと石材店の他にも誰かいる。誰かなあと思って見ると、職場仲間で別コースの丸亀マラソン自主開催レースを走り終えたピッグだった。
朝、来る途中で見かけた時間を考えると、もうとっくに終わっているのだろう。

長谷さんはその後も何度も軽快な足取りで私を追い抜いていく。彼に関しては、もう分からなくなるので、何周走っているのかカウントするのを止めた。
D木谷さんにも再び追い抜かれ、さらに支部長にも2回目、追い抜かれてしまった。そして、さらにのらちゃんにも2回目、追い抜かれてしまった
去年も惨敗はしたけど、それでも周回遅れになったのは支部長だけで、他のメンバーとは最後まで競り合った。ところが今年は、みんなに何回も追い抜かれてしまった。
こうなると、すっかりやる気は無くなり、惰性でチンタラと走り続ける。
さらに、D木谷さんや支部長やのらちゃんに3回目、追い抜かれてしまった

すると、支部長がいきなり立ち止まり、給水している。それにしても、長々とのんびり休んでいる。

(幹事長)「どうしたん?えらく堂々と休んでるやん」
(支部長)「シューズに小石が入ったみたいなんよ」


トラックを走ってるのに小石が入る事なんてあるのかな、と思うが、支部長は給水のあと、しゃがんでシューズを脱ぎ始めた。何やら手こずっているようで、長々としゃがみ込んでいた。
大丈夫なんかいな、なーんて思ってたら、何やら足元から異音が聞こえてくる。どうしたんやろかと思って下を見ると、なんとシューズの紐がほどけているではないか。
あんなにきつく結んでいたのに、シューズの紐がほどけるなんて情けない
本番のレースでは、二重にきつく結ぶから、走ってる最中にほどけるなんて事は絶対にない。ところが今日は、自主開催レースなので舐めていて、一重にしか結んでなかった。
それでも絶対にほどけないようにと思って、きつくきつく結んでいたのに、ほどけるもんだなあ。
トラックの途中で、支部長のようにしゃがみ込んで紐を結び直す。ところが寒さで手がかじかんでいるため、うまく結べない。て言うか、そもそも妙にもつれてしまった紐がほどけない。
手袋を脱げば良かったんだけど、少しでも早くしたいから手袋を履いたまましてたら、ものすごく手間取ってしまった。
すると、再びD木谷さんが追い抜いていく。

(D木谷)「大丈夫ですか?」
(幹事長)「もう駄目」


おまけに、おかしな態勢でしゃがんだままだったので、足が攣り始めた。なんとか紐をほどいて結び直して立ち上がろうとしたが、足が痛くてなかなか立ち上がれない。悲惨な状況だ。
その後、再びのらちゃんにも抜かれ、しばらくしたら支部長にも追いつかれてしまった。

(幹事長)「支部長は残り3周やで」
(支部長)「私のカウントと合ってる。良かった」


支部長は少しペースダウンしているようで、シューズを直している間に抜かれたのらちゃんには追いつけそうにない。
気が付くと、長谷さんは早々にゴールしてレースを終えていた。圧倒的に速かった。
その後、まずはD木谷さんもレースを終えた。そしてのらちゃんも終わり、続いて支部長もゴールした。
飛び入り参加した倉石さんと木村さんは何周しているのか分からなくなった。倉石さんには何度か抜かれ、みんなと同じようにゴールしている。
木村さんは何度か抜かれたが、何度か抜き返したので、ほとんど同じようなペースだと思うんだけど、なぜかみんなと同じようにレースを終えている。
て事で、トラックに私一人が取り残されてしまい、淡々と走り続ける。
最後ぐらいはペースアップしたつもりだったが、それでも1km6分を切るのがやっとという超スローペースだった。


〜 ゴール 〜


ゴールするとD木谷さんが記念写真を撮ってくれた。
しかし、ウィンドブレーカーを着たままだったので、ウィンドブレーカーを脱いで、丸亀マラソンのTシャツ姿になって再度、ゴールシーンを撮り直してもらった

(石材店)「相変わらずアホな事をやってますねえ。余裕がありすぎですよ。もっと真剣に走ってください!」
(幹事長)「余裕はあるけど足が動かないんよ」


タイムは、2時間を大きくオーバーし、なんと去年より10分近く遅かった
丸亀マラソンで2時間をオーバーしたなんて、ちょっと記憶に無い尋常じゃない大惨敗だ。

優勝は、当然ながら長谷さんがぶっちぎりの優勝だった。

(長谷)「ハーフマラソンの自己ベストが出ましたよ」
(幹事長)「自主開催レースで自己ベストだなんて、すごい!」


続いてD木谷さん、のらちゃん、支部長の順で、私は圧倒的なダントツのビリだった。

(幹事長)「1時間50分は切れましたか?」
(D木谷)「ギリギリで駄目でした」

D木谷や支部長やのらちゃんは去年と似たようなタイムで、今年も惜しくも1時間50分は切れなかったようだ
て事は、速いなあと思っていたD木谷さんのペースも、それほどでもなかったってことだ。
あれより速く走らないと1時間50分は切れないし、過去の本番レースでは私もあれより速く走っていたって事だ。今の私には考えられないスピードだ。

今日は強風が吹き荒れる極寒のレースだったので、良いコンディションとは言えない。
それでも、みんな去年と似たようなタイムだった。長谷さんなんか自己ベストを出している。
私だけがあり得ないような大惨敗だ。一体、どうした事だろう?

寒い中、みんなを随分長い間待たせてしまったので、失意に打ちひしがれながらもロッカールームに急ぎ、シャワーを浴びる。
シャワーで汗と一緒に涙も洗い流す。

(石材店)「ほんまですか?」
(幹事長)「うっそぴょ〜ん」


〜 反省会 〜


シャワーを浴びて体が暖まったところで、いつものようにうどん屋での反省会に繰り出す。ちょうど12時過ぎだが、去年と同じく、近くにある釜揚げうどんの香の香に行ってみる。
香の香は大人気の店なので、通常なら日曜日のお昼時は頭がクラクラするような大行列が出来る。
ところが、去年と同じく、今日も行列は無かった。コロナ騒ぎのおかげで観光客が激減したため、全然並ばずにスッと入る事ができるのだ。
ただし、去年と同じく、うどんが出てくるまでは、だいぶ待たされた。大混雑していた頃は、席に座るまでは長時間かかったが、うどんはすぐに出てきていた。たぶん、見込み生産で、どんどん作っていたのだろう。
今は客が少なくなっているので、客の注文を受けてから作ってるのかもしれない。

結局、タイムは去年より10分近く遅い大惨敗だった。去年の記事を読むと、去年も一昨年より6分以上遅い惨敗って書いてあるから、今年は一昨年に比べたら16分近くも遅い空前絶後の大惨敗だ。

(のら)「それって1km平均で45秒も遅くなってるよ」
(幹事長)「どっひゃあ〜!」


去年は反省点として「練習不足によるスピード不足だ」って書いてるけど、今年は、もう訳が分からない。スピード不足でもあるし体力不足でもあるけど、ここまで一気に大惨敗になる理由が分からない。

(幹事長)「老化って、こんなに一気に進むものかな?」
(のら)「そんな事はないんじゃない?」
(支部長)「練習不足ではないんか?」
(幹事長)「何を隠そう、12月は月間走行距離が過去最高の320kmを達成したんやで」
(のら)「それは練習のし過ぎやね。たぶん疲れすぎだよ。疲労が抜けてないんよ」
(幹事長)「今日に備えて今週はあんまり走らなかったんよ」
(支部長)「1週間くらいでは疲労が抜けないようになったんよ。それも老化の一種やな」
(幹事長)「ひえ〜!」


でも、そうなのかもしれない。一度、徹底的に休んでみようかなあ。

(幹事長)「いつも言ってるけど、もうマラソンレースは引退して、のんびり登山を楽しみたいなあ」
(支部長)「老人のつぶやきやな」
(のら)「登山の体力づくりのためにはランニングは続けないといかんよ」


ただ、次のレースは支部長に圧勝できるはずだ。なぜなら、次のレースはトレランだからだ。
善通寺五岳山空海トレイルが去年に続き、今年も中止になったので、我々で自主開催するのだ。天候次第だが、予定は2週間後だ。

(幹事長)「やったるでーっ!」
(支部長)「のんびり登山を楽しみたいんと違うんか?」


トレランレースは、最初の頃は、登山やトレランに慣れた私とのらちゃんが気持ちよくスイスイ走る一方で、他のメンバーは山に慣れてないので、息も絶え絶えで死にそうになりながら走っていた。
しかし、去年から仏生山クレーター五座トレラン大会や峰山山系全山トレラン大会など、数多くのトレラン大会を実施してきた結果、みんなもだいぶ慣れてきた。
ただ、善通寺五岳山空海トレイルのコースの厳しさは、仏生山クレーター五座トレランや峰山山系全山トレランの比ではない。上りがきついだけでなく、急斜面を転げ落ちる下りも慣れてないと走れない。

(支部長)「嫌やなあ。出なくないなあ。あの岩壁は怖すぎるって」
(幹事長)「下を見なかったら平気だってば」
(支部長)「そんなん無理やがな」


久しぶりに支部長に勝利できるかと思うと俄然やる気が湧いてくるぞ。


〜おしまい〜




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